JPH04140588A - 燃料配管用樹脂チューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、燃料配管用の樹脂製チューブに係り、特に、
燃料バリヤー性が、従来に比して著しく高い特長を有す
る燃料配管用樹脂チューブに関するものである。

（背景技術） 従来から、自動車等において使用される燃料配管用チュ
ーブとしては、軽量で、柔軟性があり、燃料バリヤー性
（燃料不透過性）に優れるといった種々の性能が求めら
れており、加えて、近年においては、将来的なガソリン
資源の枯渇に備えて、ガソリンにメタノールを配合した
混合燃料に対しても有効なバリヤー性を有することが、
要求されてきているのである。

ところで、現在使用されている燃料配管用チューブには
、主に、金属製やゴム製のチューブがあり、その中で、
ゴムチューブでは、それぞれ異なるゴム材料からなる層
を積層してなる多層構造のものが主流となっている。

そして、これら従来の燃料配管用チューブのうち、金属
製チューブは、ガソリン及びメタノールを配合した混合
ガソリンの何れに対しても、極めて高いバリヤー性を発
揮するものであるが、柔軟性がないところから、配管に
際して、自由に曲げることが出来ず、配管が困難となる
うえ、ニップル等とのシール性も得られないため、ゴム
継手等を用いる必要が生じて、配管が一層面倒となる問
題がある。更に、かなりの重量があり、錆も生じるとい
った問題も抱えている。これに対して、ゴム製チューブ
は、軽量であると共に、柔軟性に冨むところから、配管
が容易で、ニップル等とのシール性も良好である利点を
有するが、燃料バリヤー性が悪いといった問題を内在す
るものであった。

つまり、金属製チューブにしても、ゴム製チューブにし
ても、何等かの問題を抱えているのであって、そのため
に、燃料配管用チューブの成形材料として、新たな素材
が求められているのが現状である。

かかる情況下、近年では、軽量で、良好な燃料バリヤー
性を有し、また可塑剤等の配合により、良好な柔軟性が
得られるポリアミド樹脂を、燃料配管用チューブの成形
材料として用いることが考えられてきている。しかしな
がら、燃料配管用チューブに要求される種々の性能の中
でも、製品の性能に影響する燃料バリヤー性に関して、
かかるポリアミド樹脂製チューブは、ゴムチューブより
は高い性能を発揮するものの、金属製チューブに比して
は、なお格段の差があり、特に、メタノール配合燃料に
対するバリヤー性は、かなり劣っているのである。その
ため、ポリアミド樹脂製チューブにおいて、燃料バリヤ
ー性の改善が強く望まれているのであり、通常使用され
ているガソリンに対してのみでなく、将来的に使用が予
測されるメタノール配合ガソリンに対しての改善が、必
須課題となっているのである。蓋し、メタノール配合ガ
ソリンに対しての燃料バリヤー性が不十分であれば、将
来的な需要に対応することが出来ず、該樹脂チューブの
用途範囲が限定されてしまう問題を抱えることとなるか
らである。

そして、解決方法の一つとして、ポリアミド樹脂からな
る層とフッ素樹脂からなる層を積層して多層構造の樹脂
チューブを形成し、燃料バリヤー性に優れるフッ素樹脂
の特性に基づいて、該樹脂チューブの燃料バリヤー性を
高めることが検討されている。しかしながら、このよう
な多層構造の樹脂チューブは、フッ素樹脂とポリアミド
樹脂との接着が非常に困難であるところから、眉間剥離
の問題を内在するものであった。

（解決課Ｂ） このような事情を背景として、本発明は為されたもので
あって、その解決課題とするところは、眉間剥離の問題
がなく、通常のガソリン燃料及びメタノールの配合され
た混合燃料の何れに対しても、優れた燃料バリヤー性を
発揮し得る、燃料配管用樹脂チューブを提供することに
ある。

（解決手段） そして、上記課題を解決するために、本発明にあっては
、単層チューブ若しくは多層チューブのうちの少なくと
も一層が、ポリアミド樹脂とフッ素樹脂とを主成分とす
る組成物にて構成され、且つ該ポリアミド樹脂の１００
重量部に対し、該フッ素樹脂が１０〜７０重量部の割合
で配合せしめられてなることを特徴とする燃料配管用樹
脂チューブを、その要旨とするものである。

（具体的構成） ところで、本発明に従う組成物の主成分の一つとして使
用されるポリアミド樹脂は、形成されるチューブに、軽
量性と適当な柔軟性を付与せしめるものであって、脂肪
族系、芳香族系のポリアミド樹脂を問わず、如何なるポ
リアミド樹脂をも使用することが出来る。具体的には、
ラクタムの重合物、ジアミンとジカルボン酸の縮合物、
アミノ酸の重合物、及びこれらの共重合体や、これらの
ブレンド物があり、これらの中から選択して使用する。

より具体的には、ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン
６１０．ナイロン６１２、ナイロン１１、ナイロン１２
等を用いることが出来る。

また、もう一つの主成分となるフッ素樹脂は、前記ポリ
アミド樹脂の燃料バリヤー性を改善するために配合され
るものであり、公知の各種のものを使用することが出来
るが、具体的には゛、ポリビニリデンフルオライド（Ｐ
ＶＤＦ）　、ポリクロロトリフルオロエチレン（ＣＴＦ
Ｅ）　、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重
合体（ＥＣＴＦＥ）、エチレンとテトラフルオロエチレ
ンの共重合体（ＥＴＦＥ）　、ヘキサフルオロプロピレ
ンとテトラフルオロエチレンの共重合体（ＦＥＰ）、フ
ッ化アルコキシエチレン樹脂（ＰＦＥ）、ポリテトラフ
ルオロエチレン（ＰＴＦＥ）等を挙げることが出来る。

そして、前記ポリアミド樹脂と前記フッ素樹脂とは、所
望の燃料バリヤー性に応じて、上記のものの中から、適
宜に組み合わされて選択されることとなるが、均一にブ
レンドするためには、両者の融点差が１００℃以内とな
るように選択することが望ましい。また、両者の溶融粘
度を適宜に調整することによっても、ブレンド性を良好
にすることが出来る。

また、これらポリアミド樹脂とフッ素樹脂との配合割合
は、ポリアミド樹脂の１００重量部に対し、フッ素樹脂
が１０〜７０重量部となるようにする。この所定の配合
割合で配合することによって、燃料バリヤー性が効果的
に高められるのであり、特に、メタノール配合燃料に対
するバリヤー性が、著しく高められ得るのである。なお
、フッ素樹脂の配合量が上記範囲よりも少ない場合には
、燃料バリヤー性改善の効果が充分に得られないのであ
り、他方、フッ素樹脂の配合量が上記範囲よりも多くな
ると、チューブの柔軟性の低下が著しくなってしまうの
である。

なお、本発明においては、チューブの成形材料たる組成
物に対して、前記ポリアミド樹脂と前記フッ素樹脂以外
に、必要に応じて、適宜に各種の特性付与剤や添加剤を
加えても、何等差し支えない。

そして、それらポリアミド樹脂、フッ素樹脂、及び適宜
に加えられる添加剤等を、それらの溶融温度領域下にお
いて、通常使用されている二輪スクリュー押出機等を用
いて、均一に混練せしめることにより、成形材料として
の組成物を調製せしめるのである。

また、このようにして得られる組成物をチューブに成形
するには、通常のチューブ押出成形操作に従って成形す
ることが出来る。例えば、所定のマンドレル上に、該組
成物を押し出して、管状体を形成せしめ、該管状体が硬
化乃至は固化した後、マンドレルを抜き取ることにより
、目的とする樹脂チューブを得ることが出来、またマン
ドレルを用いなくても、チューブ成形を行なうことが出
来る。そしてまた、チューブの肉厚に関しては、所望の
燃料バリヤー性と柔軟性との兼ね合いによって、適宜に
決定されるところであるが、単層の場合は、０．５〜１
．５　ｍｍ程度が好ましい。

なお、より柔軟性を高めようとする場合には、本発明に
従う組成物からなる層を０．１〜０．８圓程度の薄層に
形成し、その外側に、通常のポリアミド樹脂等の適当な
他の樹脂材料からなる層を、０゜５〜１．５　ｔｔｍ程
度の厚さにて形成する等して、積層せしめ、柔軟性に優
れる樹脂材料からなる他の層との多層構造とすることが
望ましい。このように、本発明は、２層構造、更には３
層以上の多層構造のチューブに対しても適用され得、そ
の場合、その少なくとも１層を、本発明に従う前記組成
物にて形成せしめることにより、目的とする燃料配管用
樹脂チューブを得ることが出来る。

また、本発明に従う単層或いは多層の樹脂チューブには
、その外側に、ゴム材料や軟質樹脂、熱可塑性エラスト
マー等のソリッド体や発泡体等によって、０．５〜２１
ＩＩ１１程度の厚みの保護層を設けるようにしても良い
のであって、その場合、かかる保護層と樹脂チューブと
は、必要に応じて互いに接着せしめるようにしても良い
。

要するに、本発明では、フッ素樹脂を配合することによ
って、ポリアミド樹脂材料の燃料バリヤー性を改良せし
め、特にメタノール配合燃料に対するバリヤー性を著し
く向上させるものであり、そのような単一の組成物から
、チューブを形成することによって、軽量性、柔軟性、
燃料バリヤー性の各種性能の何れをも良好に満足する燃
料配管用樹脂チューブを得ることが出来るのである。従
って、燃料バリヤー性を高めるために、フッ素樹脂から
なる層を別途に設ける必要がなくなって、接着不良が生
じる恐れが完全に解消され得るのである。

（実施例） 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。

また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正
、改良等を加え得るものであることが、理解されるべき
である。

先ず、下記第１表に示される如き配合組成にて、各種の
組成物を調製し、その各々の組成物から、通常の押出成
形手法に従って、単層樹脂チューブ（内径：６■φ、外
径：８閣φ）を作製した。なお、表中の略号は以下の通
りであり、また、フッ素樹脂の配合量は、ポリアミド樹
脂の１００重量部に対する配合量（重量部）で示した。

ＰＡ１２　　：ナイロン１２（可塑剤無配合）ＰＡＩＬ
　　：ナイロン１１（〃　　　）ＰＡ６：ナイロン６　
（〃　　　） そして、得られた各種樹脂チューブについて、以下に示
す方法にて、柔軟性と燃料バリヤー性を測定して、その
結果を、下記第１表に合わせて示した。

五ｍ ２５０Ｍの長さに切断した各樹脂チューブを、直径：１
６０■φのマンドレルへ巻き付ける時の荷重を測定し、
その結果を、比較例１の柔軟性の値を１として、相対値
として示した。

−粁五及ヱニ性 試験用ガソリン若しくは試験用ガソリンにメタノールを
配合せしめた混合ガソリンの何れかを、各々のチューブ
内に封入し、４０°Ｃの温度下に放置して、その重量減
少量（ｇ／ボ・ｄａｙ）を測定した。なお、メタノール
配合ガソリンレま、試験用ガソリンの５０容量％にメタ
ノールの５０容量％を混合したものである。

上記第１表に示される結果より明らかなように、本発明
に従う組成物よりなるチューブ（漱１〜５）は、試験用
ガソリン封入時の重量減少量（ガソリンの透過量）が、
何れも３ｇ／ＩＴｆ−ｄａｙ以下であると共に、メタノ
ール配合ガソリン封入時の重量減少量が、何れも１６０
　ｇ／ｒｄ・ｄａｙ以下であって、どちらの燃料に対し
ても優れたバリヤー性を有していることが判る。そして
、特に、メタノール配合ガソリンに対するバリヤー性は
、従来（ＮＣＬ６参照）の４倍〜１５倍にまで高められ
ており、著しく優れていることが認められた。なお、柔
軟性は、比較例であるチューブＮ０．６に比して、若干
低下したが、実用上の問題となることはない程度であっ
た。

これに対して、ポリアミド樹脂のみから形成されたチュ
ーブ（Ｎ１１６）では、試験用ガソリン及びメタノール
配合ガソリンの双方について、燃料透過量が多く、燃料
バリヤー性に劣ることが明らかである。また、フッ素樹
脂を配合するものの、配合量が本発明の規定量に満たな
い組成物から形成されたチューブ（Ｎα７）においては
、効果が不十分で、隘６のチューブと同様の問題を抱え
ており、他方、フッ素樹脂を配合しても、その配合量が
本発明の規定量を越える組成物から形成されたチューブ
（Ｎｏ、８）では、柔軟性が著しく低下してしまってい
るのである。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明に従う燃料配管
用樹脂チューブは、樹脂ブレンド体としての単一の組成
物より形成されて成り、軽量性、柔軟性と共に、優れた
燃料バリヤー性をも有するものであるところから、従来
の如く、燃料バリヤー性を補うためにフッ素樹脂からな
る層を積層する必要がなく、眉間剥離の問題を生じるこ
とはないのである。

従って、かかる樹脂チューブは、自動車等の燃料用配管
チューブとして好適に用いられ得るものであり、製品の
軽量化を有利に図ることが可能であると共に、配管作業
が容易で、継手部のシール性も良く、更には、ガソリン
のみでなく、メタノール混合ガソリンに対しても良好な
バリヤー性を有するため、将来的にも、その利用価値が
高いものである。

出願人　　東海ゴム工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 単層チューブ若しくは多層チューブのうちの少なくとも
   一層が、ポリアミド樹脂とフッ素樹脂とを主成分とする
   組成物にて構成され、且つ該ポリアミド樹脂の１００重
   量部に対し、該フッ素樹脂が１０〜７０重量部の割合で
   配合せしめられてなることを特徴とする燃料配管用樹脂
   チューブ。