JPH04138552U - コンロバーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 点火パイロットバーナからメインバーナへの
確実な火移りを実現する。 【構成】 バーナ本体２にメインバーナ部３と点火パイ
ロットバーナ部４とを一体形成し、しかも、メインノズ
ル１１とパイロットノズル１２とのノズル挿入方向を平
行にする。このため、両バーナ部３，４の相対位置関係
が常に一定となり、パイロットバーナ部４からの炎Ｆが
確実にメインバーナ部３の所定の位置に導かれる。ま
た、各ノズル１１，１２を一度に挿入できるだけでな
く、ノズル１１，１２の芯振れをチェックすることがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、メインバーナに点火するための点火パイロットバーナを備えたコン ロバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、テーブルコンロ等に用いられるコンロバーナは、一般にメインバー ナの点火用として点火パイロットバーナが設けられている。例えば、図４に示す ように、フレーム（図示略）の所定位置にメインバーナＭＢが取り付けられ、更 に、メインバーナＭＢに隣接して点火時のみ燃焼する点火パイロットバーナＰＢ が取り付けられる。

【０００３】 点火操作が行なわれると、それに連動してノズル台ＮＤ内部に形成されたガス 流路（図示略）が開き、メインバーナＭＢ側では、メインノズルＭＮからガスが 噴出し、所定の開度に設定されたダンパーＤから燃焼用空気が吸い込まれる。こ うして、メインバーナＭＢの本体を構成する混合管Ｋ，混合室Ｒでガスと燃焼用 空気とが混合され、混合室Ｒ上部に載置したバーナヘッド（図示略）との間に形 成される炎口（図示略）から混合ガスが流出する。

【０００４】 一方、点火パイロットバーナＰＢでは、点火操作に連動してノズル台ＮＤから ガスが供給されてパイロットノズルＰＮから噴出し、点火パイロットバーナＰＢ に隣接して設けられた電極Ｅからの放電により着火する。この結果、メインバー ナＭＢでは、点火パイロットバーナＰＢから火移りして着火する。その後、点火 操作が終了して点火パイロットバーナＰＢへのガス供給が停止されてメインバー ナＭＢのみの燃焼となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような点火パイロットバーナを用いて点火を行なう場合に は、メインバーナと点火パイロットバーナとの位置が正確に合わされていなけれ ば火移りがスムーズにいかず、確実なメインバーナへの着火が実現されない。つ まり、点火パイロットバーナの炎がメインバーナの炎口部に正確に導かれなけれ ばならない。このため、テーブルコンロの製造過程において両者の位置精度が要 求され、そのぶん生産能率を低下させていた。また、両者が正確な位置に装着さ れていても、他物等が当って位置ずれを生じ再度調整仕直さなければならない場 合もあった。

【０００６】 特に、最近のテーブルコンロでは、煮こぼれによるパイロットノズルの詰りを 防止するために、メインバーナの頭部周囲を汁受け皿で覆い、汁受け皿に形成さ れた切欠孔に点火パイロットバーナの炎を通過させてメインバーナに点火するた め、この切欠孔に炎を正確に導かなければならない。しかも、煮こぼれ防止効果 を高めるために切欠孔が小さく形成されていることから、点火パイロットバーナ からメインバーナへの火移りが良好に行なわれない場合があった。

【０００７】 本考案は上記課題を解決し、点火パイロットバーナからメインバーナへの確実 な火移りを実現することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案の第１のコンロバーナは、 点火パイロットバーナと、該点火パイロットバーナの燃焼により火移りして着 火するメインバーナとを備えたコンロバーナにおいて、 上記メインバーナの本体に上記点火パイロットバーナを一体形成したことを要 旨とする。

【０００９】 また、本考案の第２のコンロバーナは、 上記第１のコンロバーナであって、上記メインバーナに形成されるメインノズ ル挿入部と、上記点火パイロットバーナに形成されるパイロットノズル挿入部と の各ノズル挿入方向が平行であることを要旨とする。

【００１０】

【作用】

上記構成を有する本考案のコンロバーナは、メインバーナの本体に点火パイロ ットバーナが一体に形成されているため、メインバーナと点火パイロットバーナ との相対位置は常に一定である。従って、ガス機器本体に装着する場合、両者の 位置関係がずれることはない。このため、コンロバーナの装着位置に関わらず、 点火パイロットバーナからの炎がメインバーナの所定位置に導かれる。

【００１１】 更に、第２のコンロバーナでは、両者のノズル挿入方向が平行であるため、コ ンロバーナ装着時に、ノズル台等に設けられた各バーナのノズルを一度に挿入す ることができ、しかも、このときノズルの芯振れを検出できる。つまり、２本の ノズルが平行でなかったり、両者間の距離がずれている場合には、コンロバーナ が装着できないためノズルの芯振れを検出できる。

【００１２】

【実施例】

以上説明した本考案の構成・作用を一層明確にするために、以下、本考案のコ ンロバーナの好適な実施例について説明する。 図１は、一実施例としてのテーブルコンロに用いられるコンロバーナの概略平 面図であり、図２は、その右側面図である。また、図３は、図１のＸ−Ｘ線切断 面を表す断面図である。

【００１３】 コンロバーナ１は、ステンレスの板材を所定形状にプレス加工し、かしめに よりバーナ本体２を形成したもので、メインバーナ部３と点火パイロットバーナ 部（以下、単にパイロットバーナ部と呼ぶ）４とからなり、更に、メインバーナ 部３は、混合管５と混合室６とに大別される。

【００１４】 混合管５は、図３に示すように、２枚の上板７，下板８にそれぞれ半円溝状の 凹部７ａ，８ａを形成し、それらを向い合せて管状のガス流路を形成したもので ある。混合管５の入口側には、図１に示すように、ノズル台１０に固着されたメ インノズル１１が挿入されるメインノズル挿入口９ａと、燃焼用空気を所定の割 合で吸入するための空気吸入孔９ｂとが形成されたダンパキャップ９が装着され る。

【００１５】 混合管５の下流側（ダンパキャップ９と反対側）に連なる混合室６は、図２に 示すように、下板８から上方に垂設された円筒内壁１３と、上板７から上方に垂 設された円筒外壁１４とにより区画される略ドーナツ状のガス流路を形成する室 である。尚、上板７の円筒外壁１４内側および下板８の円筒内壁１３内側は切り 欠かれており、円筒外壁１４周囲の上板７と円筒内壁１３周囲の下板８との間に 囲まれる空間も混合室６の一部となる。

【００１６】 円筒外壁１４の上部には、外側上方に延びたリング状の傾斜面１５が形成され 、この傾斜面１５の周縁に断面略「Ｌ」字状で外側に延びた皿受け部１６が形成 される。傾斜面１５には、図２に示すバーナヘッド２０（図１には省略する）が 載置され、バーナヘッド２０の周縁に形成された切欠き（図示略）により傾斜面 １５との間に炎口１７が形成される。また、皿受け部１６には、汁受け皿（図示 略）が載置される。

【００１７】 バーナ本体２には、混合管５に隣接してパイロットバーナ部４が並設される。 このパイロットバーナ部４は、図３に示すように、上板７，下板８にそれぞれ形 成した半円溝状の凹部７ｂ，８ｂを向い合せてガス流路となるパイロット混合管 １８を形成したものである。このパイロット混合管１８は、メインバーナ部３の 混合管５の軸（形成方向）と平行であり、その端部は、ノズル台１０に固着され たパイロットノズル１２が挿入されるパイロットノズル挿入口１８ａとなってい る。従って、各ノズル挿入口９ａ，１８ａに挿入されるノズル１１，１２の挿入 方向は互いに平行となる。勿論、メインノズル１１，パイロットノズル１２は、 各ノズル挿入口９ａ，１８ａに整合するように所定距離隔てて平行にノズル台１ ０に設けられている。

【００１８】 パイロット混合管１８には、パイロットノズル１２よりやや下流側に燃焼用空 気を吸入する空気吸入孔１８ｂが形成されている。パイロット混合管１８は、バ ーナ本体２の端部からメインバーナ部３の混合室６やや手前まで形成され、この 先端部の上板７を切り欠いてパイロット炎口１８ｃが形成されている。更に、パ イロット混合管１８の延長方向には、パイロット炎口１８ｃからの炎Ｆをメイン バーナ部３の炎口１７に導くためのガイド板１９が設けられる。このガイド板１ ９は、本実施例では上板７を切り込んで上方に湾曲させて形成しているが、別の 板を上板７に固着したものであってもよい。

【００１９】 このガイド板１９の延長方向にあたる混合室６の傾斜面１５には、パイロット バーナ部４からの炎Ｆを通過させて、メインバーナ部３の炎口１７に火移りさせ るための炎通過孔２２（図１参照）が開けられている。従って、本実施例のコン ロバーナ１では、汁受け皿に炎通過孔を設ける必要はない。

【００２０】 このように構成されたコンロバーナ１において、点火操作が行なわれると、そ れに連動してノズル台１０内部に形成されたガス流路が開き、メインノズル１１ ，パイロットノズル１２からそれぞれ燃料ガスが噴出する。メインバーナ部３で は、ダンパキャップ９に形成された空気吸入孔９ａから所定の割合で空気が吸入 され、混合管５，混合室６で燃料ガスと空気とが混合される。以下、空気と混合 された燃料ガスを単にガスと呼ぶ。そして、混合室６の傾斜面１５とバーナヘッ ド２０との間に形成される炎口１７からガスが流出する。

【００２１】 一方、パイロットバーナ部４では、パイロットノズル１２からの燃料ガスの噴 出により空気吸入孔１８ｂから空気が混合され、パイロット炎口１８ｃからガス が吹出す。このとき、パイロット炎口１８ｃの近傍に設けられた電極２１からの 放電により着火して、パイロットバーナ部４にて燃焼を開始する。こうして、パ イロット炎口１８ｃからの炎Ｆがガイド板１９に導かれてメインバーナ部３の炎 口１７に達すると、火移りによりメインバーナ部３に着火する。

【００２２】 以上説明したように本実施例のコンロバーナ１は、バーナ本体２にメインバー ナ部３とパイロットバーナ部４とを一体に形成したため、両者の相対位置関係は 常に一定である。従って、パイロットバーナ部４からの炎Ｆが確実にメインバー ナ部３の所定の位置に導かれ、確実なメインバーナ部３の着火が実現される。し かも、両バーナ部３，４が一体形成されているため、製造工数や部品点数を低減 することができる。また、省スペース化を図ることも可能である。

【００２３】 更に、メインバーナ部３，パイロットバーナ部４のノズル挿入方向が平行であ るため、ノズル台１０に設けられたメインノズル１１，パイロットノズル１２を 一度に挿入することができ、装着が非常に簡単である。また、各ノズル１１，１ ２が平行でなかったりノズル間隔が適正でない場合には、コンロバーナ本体２を そのまま装着できないため、ノズル１１，１２の芯振れを検出できる。つまり、 コンロバーナ本体２の装着時に、ノズル側の不良チェックも同時に行なうことが でき、製品精度が向上する。

【００２４】 また、バーナヘッド２０の載置される傾斜面１５に、パイロットバーナ部４か らの炎Ｆを通過させる炎通過孔２２を設けているため、汁受け皿や皿受け部１６ に炎通過孔を設ける必要はない。このため、一層煮こぼれ防止効果が得られる。

【００２５】 以上本考案の実施例を説明したが、本考案はこうした実施例に何等限定される ものではなく、例えば、ガイド板１９を省略した簡易な構成であってもよく、様 々な態様で実施し得ることは勿論である。

【００２６】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案のコンロバーナは、メインバーナの本体に点火パイ ロットバーナが一体に形成されているため、メインバーナと点火パイロットバー ナとの相対位置は常に一定となり、両者の位置関係がずれることがない。このた め、コンロバーナの装着位置に関わらず、点火パイロットバーナからの炎がメイ ンバーナの所定位置に導かれる。従って、点火パイロットバーナからメインバー ナへの火移りを常に良好に維持することができる。また、両者が一体形成されて いるため、コンロバーナの製造工数，部品点数を低減することができる。

【００２７】 更に、本考案の第２のコンロバーナでは、両者のノズル挿入方向が平行である ため、コンロバーナ装着時に、各バーナのノズルを同時に挿入することができ、 しかも、このときノズルの芯振れを検出できる。従って、装着が簡単だけでなく ノズル側の不良チェックにも役立つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としてのコンロバーナの平面図であ
る。

【図２】コンロバーナの右側面図である。

【図３】図１Ｘ−Ｘ線の切断面を表す断面図である。

【図４】従来からのコンロバーナを表す平面図である。

【符号の説明】

１…コンロバーナ，２…バーナ本体，３…メインバーナ
部，４…パイロットバーナ部，９ａ…メインノズル挿入
口，１１…メインノズル，１２…パイロットノズル，１
８ａ…パイロットノズル挿入口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 点火パイロットバーナと、該点火パイロ
   ットバーナの燃焼により火移りして着火するメインバー
   ナとを備えたコンロバーナにおいて、上記メインバーナ
   の本体に上記点火パイロットバーナを一体形成したこと
   を特徴とするコンロバーナ。
2. 【請求項２】 上記メインバーナに形成されるメインノ
   ズル挿入部と、上記点火パイロットバーナに形成される
   パイロットノズル挿入部との各ノズル挿入方向が平行で
   ある請求項１記載のコンロバーナ。