JPH04138425U

JPH04138425U - 水高調節式田区排水ブロツク用堰板

Info

Publication number: JPH04138425U
Application number: JP4390191U
Authority: JP
Inventors: 正枝南後
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-06-12
Filing date: 1991-06-12
Publication date: 1992-12-25

Abstract

(57)【要約】【目的】水田の灌漑水の水高を、簡単に調節できるよ
うにする。【構成】田区排水ブロックに嵌め込める大きさのフレ
ームの底部にパネルを貼り付け、更に、その上部から、
上下にスライドするよう調節パネルを嵌め込んだ。【効果】調節パネルの最上部の高さを変更することに
よって、灌漑水水高が調節できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は田区排水ブロック用堰板の改良に関するものであり、本考案の堰板を用いれば、水田の灌漑水高調節が容易になる。

【０００２】

【従来の技術】

農業土木技術の発展に伴い、日本の稲作はそのほとんどが水稲栽培によって行われるようになった。この水稲栽培は、陸稲栽培よりも単位作付面積あたりの収量が多いという特徴があるが、収量をより多く保つためにはこまめに水管理をしなければならない。

【０００３】例えば、田植え後暫くの間は、深く水をはりためておく必要があるが、夏期はときどき水を抜いて根腐れを防がなければならない。また、冷涼な天候が続くときは保温のため水を深くしてやらなければならないし、１日のうちでも、夜間は水を深く、昼間は水を浅くした方が良い。

【０００４】この水深の管理は、用水の節約と管理効率の観点から、専ら水田の貯水堰の高さを変えて排水位置を変更することによって行われている。つまり、水を深くするときには堰を高くし、水を浅くするときには堰を低くするのである。

【０００５】しかし、水田を取り巻く堰全部の高さを変えるのは実際には不可能なので、現在のところは、水田の畦に田区排水ブロックを埋設し、このブロックに嵌め込む堰板の高さを調節することによって行われることが多い。なお、一応田区排水ブロックを説明しておくと、このブロックは、その排水孔から水を排水溝へ排水することができ、また排水孔直前に上から板を嵌め込めるような溝が刻まれていて、この溝に板を嵌め込むと板が堰の役割をして、排水孔からの排水を制限するようになっているものである。

【０００６】この田区排水ブロックは、大変便利なものであるが、実際にきめ細かな水管理をしようとすると、水深に合せてブロックに嵌め込む堰板を何種類も用意しておかなければならず、水田を何枚も持っている場合には、この堰板の準備と水田への運搬だけで大変な労働になるのである。

【０００７】また、二毛作を行おうとするときなども、表作から裏作への転換のときに、水田の水を全部抜いて乾燥させるときに、堰板をとっぱらって保管しておくのが面倒になるのである。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案においては、１枚の堰板で水深を何通りにも管理調節できるようにすることを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、水管理に必要なのは堰板の数ではなく堰板の高さであることに目をつけ、堰板の高さが変えられるようにすれば１枚の堰板で水管理ができるようになると考えた。

【００１０】そこで、本考案においては、田区排水ブロックの堰板用溝に嵌合するようなフレームを設け、フレーム下部には底部パネルを嵌め込み、更に、このフレームに上下スライド可能に調節パネルを嵌入するという手段を採用することによって上記課題を解決せんとした。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を実施例に基づいて説明する。

【００１２】断面コの字形の棧状材、長さ33.5cmのもの２本と長さ24.5cmのもの１本とを組み合わせて、上部開放型のコの字形フレーム１を形成する。このコの字形フレーム１は、２本の筋交い棒で火打ちされて強化され、更に、外周にスポンジが貼り付けられて保護されている。また、このフレーム１に設けられる筋交い棒の一方には、11条の溝11・11・…が刻設されている。次に、フレーム１の棧状材間に、縦約18cm、横約24cmの金属製パネルを上方から奥まで嵌め込み、筋交い棒と共にネジ止めして底部パネル２として固定する。この後、フレームに下縁の一部が90 °折り曲げられた、縦約15cm、横約24cmの把手付金属製パネルを、折り曲げられた側を筋交い側にして、調節パネル３として差し込む。すると、調節パネル３の縁と筋交い棒の溝11とが噛合してパネル３が固定される。

【００１３】このようにして構成された堰板は、田区排水ブロックの堰板用の溝にちょうど嵌まり込む。このとき、フレーム外周のスポンジが、ブロックの溝壁に接触してフレームとブロックとを保護すると共に堰としての防水効果を高めるようになっている。さて、この堰板を使用しているうちに、田の水位を変更したくなったときには、堰板上部の調節パネル３だけを上下にスライドさせ、筋交い棒の新らたな溝と噛合させながら、パネルの上部を望まれる堰の高さに調節すれば良い。また、田から水を完全に抜くときには、調節パネルを一番下まで押し下げるか、堰板をブロックから完全に引き抜いてしまうかすれば良いのである。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、１枚の堰板で田の水位調節をすることができるようになり、大変便利である。したがって、本考案の堰板は、実用的価値が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例堰板の部分分解組み立て図である。

【図２】実施例堰板の部分分解組み立て図である。

【図３】実施例堰板の使用状態説明図である。

【符号の説明】

１フレーム２底部パネル３調節パネルＢ田区排水ブロック

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】田区排水ブロック用の堰板であって、田
区排水ブロックの堰板用溝に嵌合するフレームと、フレ
ーム下部に嵌め込まれた底部パネルと、フレームに上下
スライド可能に嵌入される調節パネルとを有することを
特徴とする水高調節式田区排水ブロック用堰板。
【請求項２】調節パネルに設けられた凸縁が、フレー
ムの対応部位に段違いに設けられた複数条の溝の内の１
つに噛合するようにして、調節パネルがノッチ式に固定
可能かつ上下スライド可能となっていることを特徴とす
る請求項１記載の水高調節式田区排水ブロック用堰板。