JPH0413611B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は室内側熱交換器、室外側熱交換器およ
び送風機などが、一つの箱体内にあるウインドタ
イプのヒートポンプエアコンに関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 従来のウインドタイプのヒートポンプエアコン
の多くは、冷暖房専用であるので、年間を通じて
の使用期間が限られている。また、運転中に室内
空気が汚れてきた場合、室内空気を換気する必要
がある。このため、この種のヒートポンプエアコ
ンに換気機能がついているものもあるが、この場
合、換気にともなうエネルギーロスは避けられな
い。一方、換気ロスを少なくする換気扇として、
全熱交換器を使用した空調換気扇があるが、これ
には冷暖房機能はない。また、非熱交換の通常換
気機能のついていない従来のウインドタイプのヒ
ートポンプエアコンや空調換気扇では、、例えば
夏の夜間など、外気温が室温より低下した場合、
ウインドフアンのような省エネルギー的な外気冷
房が出来ないという欠点がある。

発明の目的 本発明はこれら従来の空調機の長所を生かし、
欠点を補つた、多機能で省エネルギーに貢献出
来、かつ年間を通じて使用できる新しい空調機を
提供しようとするものである。

発明の構成 本発明は、ヒートポンプの室内外熱交換器の間
に全熱交換器を配し、さらに室内外空気循環用フ
アンを用意し、さらに複数のシヤツタを用いて
冷・暖運転、全熱交換冷暖房運転、熱交換々気、
同時給排気等の機能を簡単な構成でで可能とする
ヒートポンプエアコンである。

実施例の説明 以下本発明の詳細について、実施例を示す図面
にもとづきその機能と効果を説明する。

第１図は本発明の一実施例のウインドタイプヒ
ートポンプエアコンの上方から見た断面概略図で
あり、第２図はその横断面概略図である。第３図
は本装置に組込まれている全熱交換器の一部外観
図である。図中、１はヒートポンプの室外側熱交
換器、２は室内側熱交換器、３および４はクロス
フローフアンで、それぞれ室外空気循環用送風機
と室内空気循環用送風機である。５は室外空気循
環風路、６は室内空気循環風路、２３，２４はそ
れぞれ室内側および室外側への空気排気口であ
る。７および８はフアンモータ、９はコンプレツ
サー、１０は室内空気排気風路で、１１は室内空
気の吸気口、１２は室外空気給気風路で、１３は
室外空気の吸気口である。１４は上記両風路１
０，１２の交叉部に設置された全熱交換器で、本
実施例ではクラフト紙の仕切板と間隔板を第３図
のように積層積み重ねた構造をしている。つま
り、第４図に示すように、相対する面から熱交換
器内に入つた対向するＡ気流とＤ気流を対向流で
熱交換させた後、各々左右両面にある出口にふり
分けて、それぞれＢおよびＣ気流、ＥおよびＦ気
流にして熱交換器外に出す風路を有する構造をし
ている。１５および１６はそれぞれ１７および１
８を支点として開閉するダンパーで、通常、上記
全熱交換器１４の気流の出口の一方を第１図に示
したように閉じることにより、室外空気の給気流
が室外空気循環風路５中へ抜けるのを、また、室
内空気の排気流が室内空気循環風路６中へ抜ける
のを防止している。

一方、同時給排換気運転時には、上記ダンパー
１５および１６を第６図に示したように開くこと
により、全熱交換器１４を介して、室外側空気循
環風路５と室内外空気循環風路６を短絡でき、か
つ、両クロスフローフアン３および４の気流吸入
方向を変えることができる。これらのことによ
り、室内から室内空気循環風路６中に入つた気流
を、送風機３によつて室外側へ、また、室外から
室外空気循環風路５中に入つた気流を送風機４に
よつて室内側へ導くことができるようになり、上
記換気を可能とすることができる。

１９および２０はそれぞれ室内側熱交換器２お
よび室外側熱交換器１の前面の室内および室外循
環用空気吸入口にあるシヤツターで、この開閉に
より、室内側循環空気および室外側循環空気の吸
入量を調整する。

２１，２２はそれぞれ室内空気排気風路１０の
室内空気吸気口、および、室外空気給気風路１２
の室外空気吸気口を開閉するダンパーである。

次に以上のような構造をしたウインドタイプの
ヒートポンプエアコンにおいて、種々の機能を発
揮さす運転モードの場合の各部の動作と気流の流
れの状態を説明する。

第１図は冷暖房運転時の気流の流れと各部の状
態を示したものである。ダンパー１５，１６およ
び２１，２２を閉、シヤツター１９，２０を開に
してヒートポンプ運転を行なう。

第４図は冷暖房運転中に全熱交換気を一部混合
する場合の気流の流れと、各部の状態を示すもの
である。第１図の状態から、ダンパー２１，２２
を開けることにより、室内空気および室外空気が
それぞれ送風機３および４により吸気口１１およ
び１２から吸入され、双方全熱交換器１４内で全
熱交換をした後それぞれ室外循環空気および室内
循環空気に混合される。この場合、室内側吹出し
全風量に対する換気風量の割合はシヤツター１９
および２０の開閉度合を調節することによりコン
トロールできる。

第５図は全熱交換換気時の気流の流れと各部の
状態を示すものである。コンプレツサー９を停止
して、ダンパー２１，２２を開、１５，１６を
閉、シヤツター１９，２０を閉にして行なう。こ
の場合、室外空気は送風機４により吸引され、室
外空気吸気口１３より吸入され、室外空気給気風
路１２を通り、全熱交換器１４の中で室内からの
排気空気と全熱交換した後室内へ供給される。同
様に室内からの排気空気は送風機３によつて吸引
され、室内空気吸気口１１、室内空気排気風路１
０を通り、全熱交換器１４の中で室外からの給気
空気と熱交換した後室外へ排気される。この機能
は一般の空調換気扇の場合と全く同一であり、熱
エネルギーのロスの少ない全熱交換換気ができ
る。

なお、本実施例の場合の換気風量は２m³／min
で、エンタルピーの交換効率は約60％である。

第６図は同時給排換気（非熱交換換気）時の気
流の流れと各部の状態を示すものである。コンプ
レツサー９を停止、ダンパー１５，１６を開、２
１，２２を閉、シヤツター１９，２０を開にする
ことにより、室内空気循環風路６に入つた室内空
気を送風機３によつて、全熱交換器１４を通して
室外側へ吸引、また、室外空気循環風路５に入つ
た室外空気を、送風機４によつて同じく全熱交換
器１４を通して室内側へ吸引して同時給排換気を
行なう。

この場合、全熱交換器１４は構造上気流の通路
になつているだけで、この両気流は全熱交換器１
４の中では熱交換しない。なお、図中２５は室外
空気給気風路１２の室外空気循環風路５側の開口
部、２６はその室内空気循環風路６側開口部であ
り、２７は室内空気排気風路１０の室内空気循環
風路６側開口部、２８はその室外空気循環風路５
側開口部であるが、この場合は、５および６の両
循環風路の短絡口となつている。

一方、ダンパー１５および１６は、この場合風
路の開閉だけでなく、送風機３および４の気流吸
入方向を変える制御板として重要な働きもしてい
る。

以上のような換気機能は、一般の同時給排の換
気扇やウインドフアンの場合と同じである。な
お、本実施例の場合の換気風量は約３m³／minで
ある。

発明の効果 このように本発明のウインドタイプのヒートポ
ンプエアコンでは、従来のものに比べて、冷暖房
運転中でも一部全熱交換換気ができるので、密閉
室内での長時間の冷暖房運転が可能であり、しか
も、換気ロスを極力押えることができる。また、
冷暖房エアコンとしての用途以外に、空調換気扇
や同時給排換気扇、ウインドフアンなどの用途と
しても使えるので、省エネルギー換気や一般換
気、外気冷房なども可能となり、年間を通じて使
用できる。

なお、実施例の全熱交換器の代りに、同じよう
な構造の顕熱交換器を使用しても、全熱交換機能
以外は同様の効果を発揮さすことができることは
いうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第４図、第５図および第６図は本発明
の一実施例のヒートポンプエアコンの異なる運転
モードの説明図、第２図は同ヒートポンプエアコ
ンの略構成図、第３図は同ヒートポンプエアコン
における全熱交換器の斜視図である。 １…ヒートポンプの室外側熱交換器、２…ヒー
トポンプの室内側熱交換器、３，４…送風機、５
…室外空気循環風路、６…室外空気循環風路、１
０…室内空気排気風路、１２…室外空気給気風
路、１４…熱交換器、１５，１６…ダンパー、１
９，２０，２１，２２…シヤツタ、２３，２４…
排気口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヒートポンプの室内側熱交換器と室内側空気
   循環用送風機とからなる室内空気循環風路と、ヒ
   ートポンプの室外側熱交換器と室外側空気循環用
   送風機とからなる室外空気循環風路、および、室
   内空気と室外空気を熱交換させながら換気する室
   内空気排気風路および室外空気給気風路から成る
   換気風路を同一箱体内に区画形成し、前記両換気
   風路の交叉部に対向流形熱交換器を配し、前記室
   外空気給気風路の一端が、前記熱交換器を介し
   て、前記室内空気循環風路、および室外空気循環
   風路の途中に開口し、室内空気排気風路の一端
   が、前記熱交換器を介して、前記室内空気循環風
   路、および室外空気循環風路の途中に開口し、前
   記対向流形熱交換器の１つの面に２つの風路の開
   口部を有する相対する２面の室外空気循環風路側
   と室内空気循環風路側のそれぞれに、上記開口部
   を開閉するためのダンパーを設け、前記室内空気
   排気風路および前記室外空気給気風路に開閉自在
   のシヤツタを設け、前記ヒートポンプの熱交換器
   の前面に開閉自在のシヤツタを設けたヒートポン
   プエアコン。 ２ ヒートポンプは駆動状態とし、前記ヒートポ
   ンプのシヤツタは開、熱交換器のダンパは閉、室
   内空気排気風路および室外空気給気風路のシヤツ
   タを閉として冷房あるいは暖房運転することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のヒートポン
   プエアコン。 ３ ヒートポンプは駆動状態とし、前記ヒートポ
   ンプのシヤツタは開、熱交換器のダンパは閉、室
   内空気排気風路および室外空気給気風路のシヤツ
   タを開にし、前記熱交換器を介して室内外空気を
   熱交換換気させながら、冷房あるいは暖房運転す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   ヒートポンプエアコン。 ４ ヒートポンプは停止させ、前記ヒートポンプ
   のシヤツタは開、熱交換器のダンパは閉、室内空
   気排気風路および室外空気給気風路のシヤツタを
   開にし、前記熱交換器を介して熱交換換気させる
   ことを特徴する特許請求の範囲第１項記載のヒー
   トポンプエアコン。 ５ ヒートポンプは停止させ、前記ヒートポンプ
   のシヤツタは開、熱交換器のダンパーは開、室内
   空気排気風路および室外空気給気風路のシヤツタ
   を閉にし、同時に給排気することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のヒートポンプエアコ
   ン。