JPH04135914U

JPH04135914U - 衣料用材料

Info

Publication number: JPH04135914U
Application number: JP5018191U
Authority: JP
Inventors: 康治吉田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-06-04
Filing date: 1991-06-04
Publication date: 1992-12-17

Abstract

(57)【要約】【目的】毛皮と布地からなる、何れを外側にしても着
用できるリバーシブル衣料用の材料を得る。【構成】毛皮１２と布地１８とは、芯材２０を介して
互いが一体となるように密着されている。ここで、毛皮
１２はその裏皮１４において芯材２０に縫い付けられて
おり、布地１８はその裏地面１９において芯材２０に接
着剤により接着されている。このように毛皮１２と布地
１８との間に芯材２０が介在されているので、毛皮１２
と布地１８とを直接に接着剤等で付着させる場合に比べ
て付着が容易となり、製品外観も良くなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リバーシブル形式の衣料用として好適な衣料用材料に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、コートなどの衣料（衣服）の中には、表側及裏側の何れを外側にしても着ることができる、所謂リバーシブル形式のもの（以下「リバーシブル衣料」という）が市販されている。このリバーシブル衣料用の布地は、例えば一の布の裏地面に接着剤を塗布しておき、その接着剤の塗布面に他の布の裏地面を押し当て、上からアイロンかけして二つの布を接着させる方法（以下「接着剤法」という）、又は二つの布を特殊な技術により縫い合わせる方法（以下「縫い合わせ法」という）により製造されている。かかるリバーシブル衣料としては布地同士だけではなく、例えば毛皮と布地という異なる材質の組み合わせも考えられる。しかし、このような組み合わせのリバーシブル衣料は、未だ商品化されていない。これは、上記の接着剤法や縫い合わせ法では毛皮と布地との密着、一体化が困難だからである。

【０００３】まず、接着剤法では、ざらざらとした毛皮の裏皮面と布地とが貼着し難く、一旦貼着しても剥れ易い。この問題は、接着剤の使用量を多くすることによりある程度解決可能ではあるが、その場合には接着剤による毛皮（裏皮）の変質（主に毛皮の固化）がより一層顕著になり、不適である。一方、縫い合わせ法は、布地同士ならば適用可能であるものの、毛皮と布地の場合にはどうしても布地表面に縫い目が出ることが避けられず、製品の見栄えが悪くなる。その他、布地表面にひびき（多数のしわ）が生じる問題、更には、長期間経過する間に毛皮から滲み出てきた脂分により、布地表面に染みができたり、ついには布地が剥れたりする問題もある。

【０００４】

【考案が解決しょうとする課題】このように従来技術では、毛皮と布地を密着・一体化し難く、また、接着できた場合でも剥れ易いため、裁断、縫製の過程で毛皮と布地が剥れてしまい、製品化が不能となることがある。更に、従来技術により得られた材料からリバーシブル衣料を製造したとしても、布地表面にひびき、染み等が発生するため常に毛皮を外側にして着用せざるを得ず、実質的にリバーシブル衣料として用をなさない。

【０００５】本考案は、上記問題を解決し、毛皮と布地からなるリバーシブル衣料を製造できる衣料用材料を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の衣料用材料は、毛皮と布地が芯材を介して密着、一体化されてなるものであり、該毛皮と該芯材が縫い合わされ、該布地と該芯材とが接着剤により接着されていることを特徴とする。

【０００７】

【実施例】

以下、図面をもとに本考案を説明する。図１は、一隅を折り返した本考案の衣料用材料の斜視図であり、図２は図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。図１及び図２において１０は本考案の衣料用材料、１２は毛皮、１４は裏皮、１６は毛、１８は布地、２０は芯材である。

【０００８】毛皮１２は、その裏皮１４において芯材２０の一面側に、例えばすくい縫いなどの方法により縫い付けられている。この毛皮１２は、天然のものは勿論、合成の毛皮でもよい。

【０００９】布地１８は、その裏地面１９において芯材２０の他面側（裏皮１４との接触面と反対面側）に、接着剤により接着されている。この布地１８は、公知の接着剤により接着可能なものであれば、天然及び合成繊維の何れからなる織物でもよく、その他プラスチック製のフィルム又はシートなどでもよい。また、布地１８の表面には、用途に応じて必要な処理、例えば撥水処理などをすることもできる。

【００１０】芯材２０は、毛皮１２及び布地１８の変形具合に応じて自由に変形できるような柔軟性があるものが好ましいが、糸による縫い付けや接着剤による接着ができるものであれば特に制限されない。また、この芯材２０としては、布地１８との貼着面に予め接着剤を塗布処理したものを用いることもできる。

【００１１】本考案の衣料用材料１０は、まず毛皮１２に芯材２０を縫い付け、次に布地１８と芯材２０を接着剤で接着させることにより得られる。布地１８と芯材２０の接着方法としては、予め芯材２０表面に接着剤が塗布されている場合にはアイロンを利用して接着する方法を、そして接着時に接着剤を塗布等する場合には塗布直後に布地１８を押圧して接着する方法を適用できる。

【００１２】このように毛皮１２と布地１８とは互いに直接に接触することなく芯材２０を介して密着、一体化されている。また、毛皮１２は芯材２０とのみ縫い合わせられており、布地１８は芯材２０とのみ接着剤により接着されている。従って、布地１８表面に縫い目が出たり、ひびきが生じたりすることはなく、毛皮１２（裏皮１４）が接着剤により変質することもない。更に、芯材２０が毛皮１２（裏皮１４）から滲み出た脂分を吸収するので、布地１８への脂分の移行が阻止される。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案の衣料用材料は、毛皮と布地が芯材を介して密着、一体化されてなるものであり、該毛皮と該芯材が縫い合わされ、該布地と該芯材とが接着剤により接着されている。このため、毛皮と布地とは剥れ難く、接着剤により毛皮が変質したり、布地表面にひびき、染み、縫い目等の不良箇所が発生することはない。

【００１４】従って、本考案の衣料用材料を用いれば、通常の裁断、縫製技術により、容易に毛皮と布地からなる、コート、ジャンパー、ズボン、手袋、帽子などの各種リバーシブル衣料を製造することができる。しかも、出来上がった各種リバーシブル衣料は、毛皮と布双方が持つ風合いを十分に備えた、美しく見栄えの良いものとなる。また、毛皮と布地がそれらの全面で密着・一体化しているので、着心地がよく、長期間着用後も型崩れすることがない。更に、このリバーシブル衣料は、布地として例えば耐水性や撥水性が優れたものを用いれば、寒冷期における水作業用の優れた防寒衣料としても用いることができる。従って、本考案の衣料用材料は、単なるファッション衣料用としてだけでなく、幅広い分野における作業用等の衣料用材料などとしても有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】衣料用材料の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【符合の説明】

１０衣料用材料１２毛皮１４裏皮１６毛１８布地１９布地裏地面２０芯材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｄ０６Ｍ 17/00

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】毛皮と布地が芯材を介して密着、一体化
されてなるものであり、該毛皮と該芯材が縫い合わさ
れ、該布地と該芯材とが接着剤により接着されているこ
とを特徴とする衣料用材料。