JPH04135656U - 静油圧破砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術の静油圧破砕機では、可動顎体の下
面部に設けた大押し割り刃り形状を算盤珠形あるいは角
錘形に形成しているので、被破砕物の亀裂発生方向が一
方向だけあるいは方向不定などにより亀裂発生効果が低
かった。しかも被破砕物が前方へ抜け外れるので、都合
が悪かった。本考案は、上記の問題点を解決することを
目的とする。 ［構成］ 破砕機の可動顎体の下面部に設けた大押し割
り刃を芯板刃部とその左右端面に突設した角錘刃にて一
体形に形成し、その角錘刃部に上記芯板刃部の板厚方向
と直角の方向に稜線刃を形成し、被破砕物の破砕を行う
とき上記芯板刃部と角錘刃部の喰込みにより被破砕物に
対し縦及び横方向の亀裂を発生するように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビルなど構築物を解体するために使用される静油圧破砕機に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、従来技術の一実施例破砕機３１を示す斜視図である。図６は、図５に おける破砕機１の可動顎本体３の斜め下側より見た一部斜視図である。従来技術 の破砕機３１では可動顎本体３の基部を外筺１に軸支し、且つその可動顎本体３ に対応する固定顎本体６を外筺１に固着し、その可動顎本体３の下面の左右側に 複数の下向き先鋭歯５，５──を突設し、且つ可動顎本体３の先端下面略中央に は大きな直径の算盤を略半分にした大押し割り刃２２を可動顎本体３の揺動面に 沿って設け、上記固定顎本体６は複数の上向き先鋭刃７，７，──を設けた３本 の固定刃杆６ａ，６ａ，６ａよりなり、上記可動顎本体３を油圧シリンダ１３に て揺動可能とし、可動顎本体３の下面部に大押し割り刃２２を設けている。

【０００３】 図７は、従来技術の他実施例破砕機３２を示す側面図である。この破砕機３２ では、可動顎本体３’の下面部に角錐刃（又は円錐刃）２２’を設け、また固定 顎本体６’にはその固定刃杆６’ａに先鋭歯７’を形成している。そして油圧シ リンダ１３’を操作して、可動顎本体３’を揺動するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術の一実施例破砕機３１では大押し割り刃２２の形状を算盤珠の略半分 にしているので、破砕を行うとき被破砕物には縦方向（大押し割り刃２２の刃の 方向）のみの亀裂が発生していた。すなわち被破砕物に対して多方向の亀裂を発 生させることができないので、亀裂発生効果が低かった。また角錘刃２２’を設 けている他実施例破砕機３２の場合も亀裂発生方向が一方向だけで、しかも亀裂 発生方向が不足であるのでその亀裂発生効果は低かった。また上記破砕機３１， ３２では破砕時に被破砕物が前方へ抜け外れるので、それを防止するために固定 刃杆６ａ，６’ａに波状突起形の先鋭歯７，７’を形成していた。この波状突起 形の先鋭歯の歯数は多くしかもその形状が複雑であるので、製作費が高くかかっ ていた。本考案は、上記の問題点を解決できる静油圧破砕機を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、静油圧破砕機を構成している可動顎体の下面部に設けた大押し割り 刃を芯板刃部とその左右端面に突設した角錘刃部にて一体形に形成し、上記芯板 刃部の側面視形状を先端側が半円状の逆山形に形成しかつ正面視形状はその先端 部付近が先細のテーパ状荷なるよねうに形成し、また左右の確錘刃部に上記芯板 刃部の板厚方向と直角の方向に稜線刃を形成し、その稜線刃を芯板刃部の先端側 へ向けて尖らすように傾斜させて形成し、被破砕物の破砕を行うとき上記芯板刃 部と喰込みにより被破砕物に対し縦及び横方向の亀裂を発生するように構成した 。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の静油圧破砕機である破砕機３３の側面図である。図において 、３４は破砕機３３のフレーム本体、３５は建設機械用作業アタッチメント（図 示しない）の先端部へ取付けるためのブラケット、３６は可動顎体、３７は固定 顎体、３８は油圧シリンダ、３９は可動顎体３６の下面部に取付けた大押し割り 刃、４０は下向き先鋭歯、４１及び４２はそれぞれ可動顎体３６及び固定顎体３ ７に設けた切刃である。図２は、図１における大押し割り刃３９の正面図である 。図において、４３は大押し割り刃３９の芯板刃部、４４は左右の角錘刃部、４ ５は角錘刃部４４の稜線刃である。図３は、大押し割り刃３９の側面図である。 図４は、図３のＡより見た図である。

【０００７】 次に、本考案の静油圧破砕機の構成を図１〜図４について述べる。破砕機３３ の可動顎体３６の下面部に設けた大押し割り刃３９を芯板刃部４３とその左右端 面に突設した角錘刃部４４にて一体形に形成し、上記芯板刃部４３の側面視形状 を先端側が半円状の逆山形に形成しかつ正面視形状はその先端部付近が先細のテ ーパ状（図２に示す角度αなるテーパ状）に形成した。また左右の角錘刃部４４ に上記芯板刃部４３の板厚方向（図４における軸Ｘ−Ｘ’の方向）と直角の方向 に稜線刃４５を形成し、その稜線刃４５を芯板刃部４３の先端側へ向けて尖らす ように傾斜させて（図２に示す角度βを形成するように傾斜させる）形成し、被 破砕物の破砕を行うとき上記芯板刃部４３と角錘刃部４４の喰込みにより被破砕 物に対し縦及び横方向の亀裂を発生するように構成した。なお大押し割り刃３９ は分割形の芯板刃部４３と角錘刃部４４を一体形に固着とし形成してもよいし、 また鍛造加工などにより粗材を最初から一体形のものにしてもよい。また角錘刃 部４４の側面視形状においても、図３における角度γなる先細のテーパが付けら れている。

【０００８】 次に、本考案の静油圧破砕機の作用について述べる。油圧シリンダ３８を作動 せしめて可動顎体３９を回動し、被破砕物を押圧すると、大押し割り刃３９の芯 板刃部４３と角錘刃部４４の先端部が被破砕物上面部に十文字形に喰込む。それ により被破砕物が前方へ抜け外れるのを防止できるとともに、被破砕物に対して 少なくとも縦横２方向の亀裂を発生させて破砕を行うことができる。

【０００９】

【考案の効果】

従来技術の静油圧破砕機では、可動顎体の下面部に設けた大押し割り刃の形状 を算盤珠形あるいは角錘形に形成しているので、被破砕物の亀裂発生方向が一方 向だけあるいは方向不定などにより亀裂発生効果が低かった。しかも被破砕物が 前方へ抜け外れるので、都合が悪かった。しかし本考案の静油圧破砕機では、破 砕を行うとき可動顎体にて被破砕物を押圧すると、大押し割り刃の芯板刃部と角 錘刃部の先端部が被破砕物上面部に十文字形に喰込む。それにより被破砕物が前 方へ抜け外れるのを防止できるとともに、被破砕物に対して少なくとも縦横２方 向の亀裂を発生させて破砕を行うことができる。更に芯板刃部（一般には従来技 術の大押し割り刃に相当する圧砕刃であるが）は、先端テーパ状でかつ背が高い ので、大破砕力で圧砕を行うとき曲げ作用により曲損のおそれがある。しかし本 考案における角錘刃部は芯板刃部に対して補強リブの役目も果たし、芯板刃部の 曲損を防止することができる。したがって本考案の静油圧破砕機では、破砕作業 時における破砕効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の静油圧破砕機の側面図である。

【図２】図１における大押し割り刃の正面図である。

【図３】図１における大押し割り刃の側面図である。

【図４】図３のＡより見た図である。

【図５】従来技術の一実施例破砕機を示す斜視図であ
る。

【図６】図５における可動顎本体の一部斜視図である。

【図７】従来技術の他実施例破砕機を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１３，１３’，３８ 油圧シリンダ ２２，３９ 大押し割り刃 ３１，３２，３３ 破砕機 ３４ フレーム本体 ３６ 可動顎体 ３７ 固定顎体 ４３ 芯板刃部 ４４ 角錘刃部 ４５ 稜線刃

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動顎体の基部をフレーム本体に軸支
   し、その可動顎体を油圧シリンダにて揺動可能とし、か
   つ上記可動顎体に対応する固定顎体をフレーム本体に固
   着し、かつ可動顎体の下面部には大押し割り刃を設け、
   被破砕物を可動顎体と固定顎体とで破砕するようにして
   いる静油圧破砕機であって、可動顎体の下面部に設けた
   大押し割り刃を芯板刃部とその左右端面に突設した角錐
   刃部にて一体形に形成し、上記芯板刃部の側面視形状を
   先端側が半円状の逆山形に形成しかつ正面視形状はその
   先端部付近が先細のテーパ状になるように形成し、また
   左右の角錐刃部に上記芯板刃部の板厚方向と直角の方向
   に稜線刃を形成し、その稜線刃を芯板刃部の先端側へ向
   けて尖らすように傾斜させて形成し、被破砕物の破砕を
   行うとき上記芯板刃部と角錐刃部の喰込みにより被破砕
   物に対し縦及び横方向の亀裂を発生するように構成した
   ことを特徴とする静油圧破砕機。