JPH04135448U - 包装されたテープカセツト収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷内容の転写は起きず、且つ商品価値の高
い包装されたテープカセット収納ケースを低コストで提
供することである。 【構成】 包装材で包装されたテープカセット収納ケー
スであって、この包装材に印刷された印刷材がその内側
に存するものに転写することを防止する為に前記印刷材
の上に設けられる転写防止剤が、この包装材自身の包装
状態における重合部以外の範囲に対応して設けられた包
装されたテープカセット収納ケース。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、包装されたテープカセット収納ケースに関するものである。

【０００２】

【考案の背景】

オーディオ及びビデオテープレコーダ等の記録及び／又は再生装置に用いられ るテープカセットは収納ケースに収納され、この外側をポリプロピレンフィルム 等で構成された第１の包装材で包装されている。そして、この包装は、側面の折 込み部分を折り畳むようにして重合させ、この重合部を溶着することによって行 われている。更に、このように包装された包装済テープカセット収納ケースを複 数個重ね、これらの外側をポリプロピレンフィルム等で構成された第２の包装材 で折込、重合、溶着して一つの包装にパックして販売されている。

【０００３】 前記した第２の包装材の内面、つまり包装済テープカセット収納ケースの第１ の包装材と直に接する面に製品名や各種デザイン等が印刷されている。そして、 包装工程では、左右両側面に張り出した包装材の折込み部分を折り畳むようにし て重合し、この重合部をヒートブロック等を用いて熱溶着することによって包装 が行われている。

【０００４】 ところで、第２の包装材を用いて、包装済テープカセット収納ケースを複数個 重ねたものを包装する際に、特に、第１の包装材と第２の包装材に同じ素材を用 いる場合には、この第２の包装材の内面に印刷されている印刷材が熱溶着時の熱 によって第１の包装材の表面に転写し、商品価値を低下させてしまう虞がある。 従って、この転写を防止する目的で、前記印刷材の全面に亘ってポリプロピレン ワニス（以下、ＰＰワニス）を印刷（塗布）する手段が提案されている。

【０００５】 しかしながら、このＰＰワニスを印刷した部分は、熱溶着時の加熱により第２ の包装材を溶着する際、ＰＰワニスの作用により包装材の溶着具合が低下してし まうという新たな問題点を有するものであった。又、転写防止の為の表面処理が 施された素材も提案されているが、コストアップを招くといった問題点を生じて いた。

【０００６】

【考案の開示】

本考案の目的は、印刷内容の転写は起きず、且つ商品価値の高い包装されたテ ープカセット収納ケースを低コストで提供することである。 この本考案の目的は、包装材で包装されたテープカセット収納ケースであって 、この包装材に印刷された印刷材がその内側に存するものに転写することを防止 する為に前記印刷材の上に設けられる転写防止剤が、この包装材自身の包装状態 における重合部以外の範囲に対応して設けられたことを特徴とする包装されたテ ープカセット収納ケースによって達成される。

【０００７】 即ち、印刷材が印刷される部分のうち、包装時にその内側に存するものに直に 接する部分には、転写を防止する転写防止剤が設けられ、包装時には重合して、 内側に存するものに直に接しない重合部には転写防止剤の印刷は行わない。 従って、印刷材がその内側に存するものへ転写してしまう虞は転写防止剤によ って解消され、更に、熱溶着具合を低下させてしまう転写防止剤が重合部に印刷 されていないので、重合部における熱溶着の強度も充分に維持出来、商品価値の 高い包装されたテープカセット収納ケースを低コストで製造することができる。

【０００８】

【実施例】

図１〜図３は本考案に係る包装済みのテープカセット収納ケースの一実施例を 示すもので、図１は、包装済テープカセット収納ケースの三本パック包装に用い られる包装材を示した説明図、図２は、包装済テープカセット収納ケースの三本 パック包装の包装状態を示した斜視図、図３は、包装工程を示す概略説明図であ る。

【０００９】 Ａは、透明又は半透明な例えばポリプロピレンフィルムの包装材であって、こ の包装材Ａは、例えばポリプロピレンフィルムによって包装済のテープカセット 収納ケースＴを三本重ねた状態のブロックＢに適合する三本パック包装用サイズ に構成したものである。そして、包装工程においては、図１に示すように、長尺 状の包装材Ａをロール状に巻いて用いられている。

【００１０】 １は、包装材Ａの内面、つまり包装されるブロックＢの各表面が直に接触する 面の略全面に亘って印刷された印刷部であって、各種のカラーインク等の印刷材 を用いて製品名や各種デザイン等が印刷されている。即ち、この印刷部１に描か れている製品名や各種デザイン等を透明なフィルムを通して外面から透視可能な ように構成されている。

【００１１】 ２は、印刷部１上の所定の領域に塗布（印刷）されたワニス印刷部（図中、斜 線を施した部分）であり、このワニス印刷部２は、包装状態では、包装済のテー プカセット収納ケースＴを三本重ねた状態のブロックＢの上面３ａ、下面３ｂ、 前面３ｃ、後面３ｄ、左側面３ｅ、右側面３ｆにそれぞれ対応するように構成さ れている。

【００１２】 ４は熱溶着代であり、この熱溶着代４は印刷部１上の前記ワニス印刷部２以外 の領域である。そして、包装材Ａの側面を熱溶着する時には、重合し、折込まれ る為に、この熱溶着代４が直にブロックＢに接することはなく、従って転写の虞 も生じない。 上記のように構成された包装材Ａを用いた包装済のテープカセット収納ケース Ｔの三本パックＢの包装は、図３に示す如く、包装及び折込工程、加熱溶着工程 及び包装仕上げ工程を経て行われ、包装済みのブロックＢ₃ が得られる。

【００１３】 尚、包装及び折込工程は、オーバーラップマシンＫに供給される包装済のテー プカセット収納ケースＴを三本重ねた状態のブロックＢに対して、オーバーラッ プマシンＫ内にセットされる包装材Ａを用いて包装し、左右両側面の折込みを行 うものである。加熱溶着工程は、前記包装及び折込工程を経たブロックＢ₁ に対 して、左右一対に対向配置されるサイドヒータＳの熱でもって、このブロックＢ ₁ を包装している包装材Ａの左右側面の折込み部分の加熱溶着を行うものである 。そして、包装仕上げ工程は、加熱溶着工程を経たブロックＢ₂ に対して、シュ リンクトンネルＨにおいて、加熱溶着が行われたブロックＢ₂ の左右両側面の折 込み部分を熱収縮させて表面のシワを伸ばして外観を整える仕上げ作業が行われ るものである。

【００１４】 上記のように構成させていると、包装材Ａに印刷されている印刷部１のうち、 印刷材がブロックＢ側の各面のポリプロピレンフィルム包装材に直に接触して転 写してしまう虞の高い部分には、転写を防止する為にワニスが印刷されている為 に転写は起きない。 更に、印刷部１のうち、転写防止の為のワニスが印刷されていない熱溶着代４ にあっては、この熱溶着代４は熱溶着の時には重合し、折込まれてしまう為に、 転写のトラブルに配慮する必要はなく、加えてワニスによる熱溶着具合の低下も 起きないので、熱溶着の強度も充分に維持出来、商品価値の高い包装されたテー プカセット収納ケースを低コストで提供することができる。

【００１５】

【効果】

本考案に係る包装されたテープカセット収納ケースは、包装材で包装されたテ ープカセット収納ケースであって、この包装材に印刷された印刷材がその内側に 存するものに転写することを防止する為の前記印刷材の上に設けられる転写防止 剤が、この包装材自身の包装状態における重合部以外の範囲に対応して設けられ ているので、印刷材がその内側に存するものへ転写してしまう虞は転写防止剤に よって解消され、更に、熱溶着具合を低下させてしまう転写防止剤が重合部に印 刷されていないので、重合部における熱溶着の強度も充分に維持出来、且つ商品 価値の高い包装されたテープカセット収納ケースを低コストで提供することがで きる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の包装済みのテープカセット収納ケース
の三本パック包装に用いられる包装材を示した説明図で
ある。

【図２】包装済みのテープカセット収納ケースの三本パ
ックの包装状態を示した斜視図である。

【図３】包装工程を示す概略説明図である。

【符号の説明】

Ａ フィルム包装材 Ｂ 包装前のテープカセット収納ケースのブロック Ｂ₃ 包装完了のテープカセット収納ケースのブロック １ （製品名や各種デザイン等の）印刷部 ２ ワニス印刷部 ４ 熱溶着代

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 包装材で包装されたテープカセット収納
   ケースであって、この包装材に印刷された印刷材がその
   内側に存するものに転写することを防止する為に前記印
   刷材の上に設けられる転写防止剤が、この包装材自身の
   包装状態における重合部以外の範囲に対応して設けられ
   たことを特徴とする包装されたテープカセット収納ケー
   ス。