JPH0413503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はLNG等を貯蔵する低温タンクの屋根
裏保冷構造に関するものである。

［従来技術］ LNGを貯蔵する低温タンクにおいては、タン
ク内の液面が高い位置にあるときに地震が起きる
と、スロツシングによつてタンク内の液が常温材
である屋根にかかり、低温のため屋根に亀裂など
が生じることが問題となる。

［考案の目的］ 本考案は屋根裏に液密であつてしかもスロツシ
ング時の衝撃圧に耐え得る保冷構造体を設けるこ
とにより屋根を低温から保護する低温タンクの屋
根裏保冷構造を提供するためになしたものであ
る。

［考案の構成］ 本考案は、低温タンクの屋根板裏面に複数のス
タツドボルトを固着し、グラスウールパネルの下
面に金属製の薄板を張り付けた保冷ブロツクを、
前記スタツドボルトを挾むようにして配設し、屋
根板と平行な張出部を有する押え板を、張出部が
前記薄板の下面に当接するように各スタツドボル
トに吊り下げ、各保冷ブロツク間の保冷ブロツク
目地部にグラスウールを充填し、前記保冷ブロツ
ク目地部をシール板で被覆するとともに、該シー
ル板の両側縁部と前記張出部と薄板とをリベツト
により一体的に固着し、シール板と前記薄板の接
合部を金属性の粘着テープにより覆つた構成を備
えている。

［実施例］ 以下本考案の構成を図面に基づき説明する。

第１図〜第３図は低温タンクの屋根一般部の保
冷構造を示すもので、屋根板１の裏面に固着した
スタツドボルト２を挾むようにして屋根板１の裏
面に、下面を金属製の薄板４で被覆したグラスウ
ールパネル５をグラスウールパネル３の下面に接
着し一体化したパネルを並べる。このように露出
する側を金属製の薄板４で被覆した保冷ブロツク
６の間の目地部７に、前記薄板４の下面に係合す
る張出部８を備えた押え板９を入れ、該押え板９
に設けた取付孔１０にスタツドボルト２を通し、
該ボルト２にナツト１１を螺合して押え板９及び
スタツドボルト２により保冷ブロツク６を屋根板
１に固定する。そして目地部７にグラスウール１
２を詰め込み、押え板９及び目地部７を金属製の
シール板１３により覆い、該シール板１３の両側
縁部をリベツト１４によつて薄板４に縫い付け
る。但し押え板９の個所では押え板９と一緒に縫
い付ける。最後にシール板１３と薄板４の接続部
を金属製の粘着テープ１５により覆つて目地部７
のシールを完全なものにする。

第４図はメインビーム（又はラフター）16周辺
の保冷構造を示すもので、多数のグラスウールパ
ネル１７を組合せて屋根板１の裏面にメインビー
ム部の保冷ブロツク１８を構成し、該保冷ブロツ
ク１８の露出する面を金属製の薄板１９により覆
い、スタツドボルト２、押え板２０、シール板２
１、リベツト１４、粘着テープ１５などを使用し
て前記した要領でメインビーム部の保冷ブロツク
１８を屋根板１に固定すると共にメインビーム部
の保冷ブロツク１８と屋根一般部の保冷ブロツク
６の間の目地部７を液密にシールしている。

以上のようにして保冷ブロツクを次々と屋根板
１の裏面に固定し、目地部７をシールすることに
よつて屋根裏に液密構造の保冷構造体２２を形成
する。２３はシールプレート部の保冷構造体、２
４は側部の保冷構造体、２５は液面である。

このように屋根板１の裏面を液密構造の保冷構
造体２２により覆つたので、スロツシングによつ
て液面２５が屋根の高さまで上昇しても屋根板１
に液がかかることはなく、保冷作用により屋根板
の温度低下を抑えることができ、又保冷ブロツク
の素材を適当な密度のものとすることによりスロ
ツシング時の衝撃圧に耐える構造となる。

なお上記屋根裏保冷工事に際しては、保冷ブロ
ツク内の酸素パージをする目的で、第５図に示す
ように屋根のマンホール２６から保冷ブロツク内
に適数本の酸素パージ管２７及び酸素検知管２８
を配管しておき、保冷工事終了時に保冷ブロツク
内から酸素をパージする。

なお本考案は前記したもののみに限定されるこ
とはなく、例えば保冷ブロツクを１個のグラスウ
ールパネルにより構成してもよいこと、LNG以
外の低温液体を貯蔵する低温タンクの屋根裏保冷
構造として実施してもよいこと、その他本考案の
要旨を逸脱しない範囲において種種の変更を加え
得ることなどは勿論である。

［考案の効果］ 本考案は前記したように屋根板の裏面に保冷ブ
ロツクを並設し、該保冷ブロツクの露出側の面を
金属製の薄板により覆うと共に目地部をシール板
などでシールし、全体を液密にしたので、タンク
内の液面がスロツシングによつて屋根に届くよう
になつても、液が保冷ブロツクに浸み込むことは
なく、屋根を低温から保護でき、又保冷ブロツク
の素材密度を適当に選ぶことによつてスロツシン
グ時の衝撃圧に耐える構造にできるという優れた
効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成を示す断面図、第２図及
び第３図は本考案における屋根一般部の保冷構造
を示すもので、第２図は第１図の部拡大図、第
３図は斜視図、第４図は本考案における屋根メイ
ンビーム部の保冷構造を示す断面図、第５図は酸
素パージ管及び酸素検知管の配管状態を示す略図
である。 １は屋根板、２はスタツドボルト、３，５，１
７はグラスウールパネル、４，１９は金属製の薄
板、６，１８は保冷ブロツク、７は目地部、８は
張出部、９，２０は押え板、１２はグラスウー
ル、１３，２１はシール板、１４はリベツト、１
５は金属性の粘着テープ、２２は保冷構造体を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低温タンクの屋根板裏面に複数のスタツドボル
   トを固着し、グラスウールパネルの下面に金属製
   の薄板を張り付けた保冷ブロツクを、前記スタツ
   ドボルトを挾むようにして配設し、屋根板と平行
   な張出部を有する押え板を、張出部が前記薄板の
   下面に当接するように各スタツドボルトに吊り下
   げ、各保冷ブロツク間の保冷ブロツク目地部にグ
   ラスウールを充填し、前記保冷ブロツク目地部を
   シール板で被覆するとともに、該シール板の両側
   縁部と前記張出部と薄板とをリベツトにより一体
   的に固着し、シール板と前記薄板の接合部を金属
   製の粘着テープにより覆つたことを特徴とする低
   温タンクの屋根裏保冷構造。