JPH04133209U - 光コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ロック部材１１ｄ、１２ｄが係合するストロ
ーク位置を、端子１４が端子受１２ａに嵌入するストロ
ーク位置よりも、コネクタ接続方向下流側に設定する。
さらに上記ロック部材１１ｄ、１２ｄが係合した直後の
慣性によって上記端子１４が上記端子受１２ａに嵌入す
るように、上記ロック部材１１ｄ、１２ｄを係合させる
ための衝合荷重のしきい値を、上記端子１４を端子受１
２ａに嵌入させるための衝合荷重のしきい値よりも高く
設定する。 【効果】 最初の荷重のピークを感じるまで一方のハウ
ジング１１（１２）を他方のハウジング１２（１１）に
押し込むと、ロック部材１１ｄ、１２ｄが係合し、その
衝合解除に伴う慣性によって端子１４を端子受１２ａに
嵌入することができるので、両ハウジング１１、１２の
接続不良を確実に防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は光コネクタに関し、より詳細には、光ファイバを他の光ファイバ、或 いは光電変換素子等と接続するための光コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の光コネクタは、例えば実開平１−７３７７５号公報に開示されて いる。その構造では、光ファイバの端子を支持する端子側ハウジングと、この端 子側ハウジングと嵌合すると共に、上記端子を嵌入するための端子受を有する端 子受側ハウジングとを有しており、両ハウジングには、互いの嵌合状態を維持す るためのロック機構が設けられている。ロック機構は、端子側ハウジングに設け られた、弾性的に湾曲可能な係合片と、端子受側ハウジングに設けられた係合突 起とを有するもので、係合片は、端子側ハウジングを端子受側ハウジングに押し 込んでいく途中で係合突起に衝合され、所定の衝合荷重が負荷された時点で湾曲 され、係合突起を乗り越えることによって衝合状態が解除されると同時に係合突 起に係合される。

【０００３】 ここで、通常、端子側ハウジングは、上記端子を接続方向に付勢するばね部材 を備えている。上記ばね部材は、両ハウジングを接続する際に、端子を端子受に 嵌入するときの衝撃を緩衝して、端子や、端子と接続される光学部品を保護する もので、上記端子と端子受が衝合することにより生じる衝合荷重によって撓み、 その撓み量が所定ストロークに達したときに、つまり、端子と端子受との衝合荷 重がしきい値に達したときに、端子を端子受に弾性的に押し込むためのものであ る。

【０００４】 上記従来構成によると、端子側ハウジングを端子受側ハウジングに押し込むこ とにより、先ず端子が端子受に衝合し、端子側ハウジングを所定のストローク押 し込んだときに、上記ばね部材の付勢力によって端子が端子受に弾性的に嵌入さ れ、衝合荷重は、端子が嵌入されたときのストローク位置を過ぎると一気に低下 する。そして、さらに端子側ハウジングを端子受側ハウジングに押込むことによ り、上記係合片が係合突起を乗り越えることによって衝合状態が解除され、係合 突起に係合される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、上記従来の光コネクタにおいては、端子側ハウジングを２度押し することにより、端子を端子受に嵌入すると共にロック機構を係合していたので 、光コネクタを目視できない場所で接続作業を行なう場合等において、上記端子 を嵌入した後の衝合荷重の低下を感じたときに、両ハウジングの接続が完了した ものと勘違いして作業を終了し、両ハウジングの接続不良が発生するという問題 がある。

【０００６】 本考案は、上記不具合に鑑みてなされたもので、両ハウジングの接続不良を確 実に防止することのできる光コネクタを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の光コネクタは、光ファイバの端部を導入 する端子を、コネクタ接続方向に沿って移動自在に支持する端子側ハウジングと 、端子側ハウジングと嵌合すると共に、上記端子を所定の摺接抵抗で嵌入するた めの端子受を有する端子受側ハウジングと、上記端子をコネクタ接続方向に付勢 して、上記端子を端子受に衝合させたときの衝合荷重がしきい値に達したときに 、上記摺接抵抗に抗して端子を端子受に弾性的に押し込むばね部材と、両ハウジ ングを所定のストローク嵌合した状態で互いに衝合すると共に、その衝合荷重が 所定のしきい値に達したときに、当該衝合状態が解除されて互いに係合する一対 のロック部材とを備えている光コネクタにおいて、上記ロック部材が係合するス トローク位置を、上記端子が端子受に嵌入するストローク位置よりも、コネクタ 接続方向下流側に設定し、上記ロック部材が係合した直後の慣性によって上記端 子が端子受に嵌入するように、上記ロック部材を係合させるための衝合荷重のし きい値を、上記端子を端子受に嵌入させるための衝合荷重のしきい値よりも高く 設定していることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記構成の光コネクタによれば、ロック部材が係合するストローク位置を、端 子が端子受に嵌入するストローク位置よりも、コネクタ接続方向下流側に設定し ているので、一方のハウジングを他方のハウジングに押し込んでゆくと、先ずロ ック部材が衝合し、ロック部材の衝合荷重が上昇する。そして上記ロック部材の 衝合荷重がしきい値を越えると、ロック部材の衝合状態が解除され、ロック部材 は係合される。そしてロック部材の衝合状態が解除されると同時に大きな慣性が 発生し、この慣性によって一方のハウジングがさらに他方のハウジングに押し込 まれ、そのストローク増加によって端子を端子受に嵌入することができる。

【０００９】 従って最初の荷重のピークを感じるまで一方のハウジングを他方のハウジング に押し込むと、ロック部材が係合すると共に、その衝合解除に伴う慣性によって 端子も端子受に嵌入されるので、確実に両ハウジングを接続することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、添付図面を参照しつつ、本考案の好ましい実施例について詳述する。 図１は、本考案の一実施例を示す断面図で、この実施例における光コネクタ１ ０は、端子側ハウジングとしてのメールハウジング１１と、端子受側ハウジング としてのフィメールハウジング１２とから構成される。

【００１１】 メールハウジング１１は、中空本体１１ａの中央部に内向きフランジ１１ｂを 一体に備えており、この内向きフランジ１１ｂには、光ファイバ１３の端部に固 定された端子としてのフェルール１４が嵌合している。フェルール１４は、例え ばプラスチック製の精密成形品で、ガラス繊維入りフェノールや、エポキシ樹脂 等の熱硬化性樹脂を用いてトランスファー成形によって製作されている。フェル ール１４の中間部には、フランジ１４ａが一体成形されており、このフランジ１ ４ａは、上記中空本体１１ａの、上記内向きフランジ１１ｂよりも基端部側（図 １の右側）に配置されている。

【００１２】 上記光ファイバ１３は、中空本体１１ａの上記基端部側に嵌合するフランジ１ ５内を通っている。そして上記フランジ１５とフェルール１４のフランジ１４ａ との間には、ばね部材としての圧縮コイルばね１６が縮設されており、この圧縮 コイルばね１６によってフェルール１４がメールハウジング１１の接続側（図３ の左側）に付勢されている。

【００１３】 上記中空本体１１ａは、嵌合壁部１１ｃによって上方から両側部にかけて覆わ れており、この嵌合壁部１１ｃの上部は、一部が切り欠かれて、中空本体１１ａ の接続側が上下に揺動（rocking)する、ロック部材としてのロッキングアーム１ １ｄが形成されており、その自由端上部には、係合突起１１ｅが一体に形成され ている。

【００１４】 他方、フィメールハウジング１２は、上記フェルール１４の先端が嵌入する筒 状の端子受１２ａが一体成形されている。この端子受１２ａは、フェルール１４ の先端面に当接する接合レンズ１７と、接合レンズ１７を介して入力された光情 報を電気信号に変換する光電変換素子１８とを内部に備えている。 フィメールハウジング１２の端子受１２ａは、上記メールハウジング１１の中 空本体１１ａを嵌挿させる接続用壁部１２ｂによって上方から両側部にかけて覆 われており、この接続用壁部１２ｂの上部は、一部が切り欠かれて、上記ロッキ ングアーム１１ｄの係合突起１１ｅが係合する係止溝１２ｃが形成されている。 そして係止溝１２ｃの接続側端部（図１の右側）は、上記係合突起１１ｅが係止 する、ロック部材としての係止部１２ｄによって区画されている。

【００１５】 ここで本実施例においては、図３の実線Ａで示すように、フェルール１４を端 子受１２ａに衝合させたときの衝合荷重が、しきい値Ｆ１に達したときに、フェ ルール１４を端子受１２ａに弾性的に押し込むように、圧縮コイルばね１６のば ね定数や長さ等を設定している。上記しきい値Ｆ１は、例えば１．５ｋｇｆ程度 に設定されている。

【００１６】 またロッキングアーム１１ｄの先端突起１１ｅが係止部１２ｄに衝合している ときの衝合荷重が、しきい値Ｆ２に達したときに、ロッキングアーム１１ｄが下 方へ撓んで両者の衝合状態が解除され、図２に示すように、先端突起１１ｅが所 定ストローク接続方向に押し込まれて係止部に係止し得る形状に、先端突起１１ ｅが形成されている。

【００１７】 そして、図３の実線Ａに示すように、しきい値Ｆ２の生じる荷重を、例えば２ ．５〜３．５ｋｇｆ程度に設定して、しきい値Ｆ１よりも高く設定すると共に、 しきい値Ｆ２の生じるストローク位置Ｓ２を、しきい値Ｆ１の生じるストローク 位置Ｓ１よりもコネクタ接続方向下流側に設定することにより、メールハウジン グ１１とフィメールハウジング１２とを接続する際に、先端突起１１ｅの方が、 フェルール１４よりも先に衝合するようにしている。

【００１８】 上記構成によると、メールハウジング１１をフィメールハウジング１２に押し 込んでゆくと、先ずロッキングアーム１１ｄの係合突起１１ｅと係止部１２ｄと が衝合し、両者の衝合荷重が上昇する。そして、この衝合荷重がしきい値Ｆ２を 越えると、ロッキングアーム１１ｄが図２に示すように、湾曲して衝合状態が解 除され、さらに所定ストローク接続方向に進んだ後、係合突起１１ｅが係止部１ ２ｄに係合する。この時上記衝合状態の解除に伴って大きな慣性が発生し、この 慣性によってメールハウジング１１がさらにフィメールハウジング１２に押し込 まれ、そのストローク増加によってフェルール１４を端子受１２ａに嵌合するこ とができる。

【００１９】 このように本実施例によれば、最初の荷重のピーク、即ちしきい値Ｆ２を越え たときの荷重のピークを感じるまで一方のハウジング１１（１２）を他方のハウ ジング１２（１１）に押し込むと、ロック部材としての係合突起１１ｅが係止部 １２ｄが係合すると共に、その衝合解除に伴う慣性によってフェルール１４も端 子受１２ａに嵌入されるので、確実に両ハウジング１１、１２を接続することが できる。従って光コネクタ１０を目視できない場所で接続作業を行なう場合であ っても、両ハウジングの接続不良を確実に防止することができる。

【００２０】 なお上述した実施例では、メールハウジング１１にロッキングアーム１１ｄを 設けているが、フィメールハウジング１２に設けてもよく、その他本考案の要旨 を変更しない範囲内で、種々の設計変更を行なうことができることは云うまでも ない。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の光コネクタによれば、最初の荷重のピークを感 じるまで一方のハウジングを他方のハウジングに押し込むと、ロック部材が係合 すると共に、その衝合解除に伴う慣性によって端子も端子受に嵌入されるので、 確実に両ハウジングを接続することができ、両ハウジングの接続不良を確実に防 止することができる。

【提出日】平成４年５月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】 ここで、通常、端子側ハウジングは、上記端子を接続方向に付勢するばね部材 を備えている。上記ばね部材は、光コネクタの正規嵌合状態において、光ファイ バの端面どうしや光ファイバ端面と光電変換素子との距離を一定に保つために使 用されている ものである。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】 上記光ファイバ１３は、中空本体１１ａの上記基端部側に嵌合するフランジ１ ５内を通っている。そして上記フランジ１５とフェルール１４のフランジ１４ａ との間には、ばね部材としての圧縮コイルばね１６が縮設されており、この圧縮 コイルばね１６によってフェルール１４がメールハウジング１１の接続側（図１ の左側）に付勢されている。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１４】 他方、フィメールハウジング１２は、上記フェルール１４の先端が嵌入する筒 状の端子受１２ａが一体成形されている。この端子受１２ａは、フェルール１４ の先端面に当接する光導波路１７と、光導波路１７を介して入力された光情報を 電気信号に変換する光電変換素子１８とを内部に備えている。 フィメールハウジング１２の端子受１２ａは、上記メールハウジング１１の中 空本体１１ａを嵌挿させる接続用壁部１２ｂによって上方から両側部にかけて覆 われており、この接続用壁部１２ｂの上部は、一部が切り欠かれて、上記ロッキ ングアーム１１ｄの係合突起１１ｅが係合する係止溝１２ｃが形成されている。 そして係止溝１２ｃの接続側端部（図１の右側）は、上記係合突起１１ｅが係止 する、ロック部材としての係止部１２ｄによって区画されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１の実施例における嵌合途中の状態を示す断
面図である。

【図３】図１の実施例における慣性ロック特性を示すグ
ラフである。

【符号の説明】

１０ 光コネクタ １１ メールハウジング（端子側ハウジング） １１ｄ ロッキングアーム １２ フィメールハウジング（端子受側ハウジン
グ） １２ａ 端子受 １２ｄ 係止部 １３ 光ファイバ １４ フェルール（端子） １６ 圧縮コイルばね（ばね部材） Ｆ１ しきい値 Ｆ２ しきい値

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光ファイバの端部を導入する端子を、コネ
   クタ接続方向に沿って移動自在に支持する端子側ハウジ
   ングと、端子側ハウジングと嵌合すると共に、上記端子
   を所定の摺接抵抗で嵌入するための端子受を有する端子
   受側ハウジングと、上記端子をコネクタ接続方向に付勢
   して、上記端子を端子受に衝合させたときの衝合荷重が
   しきい値に達したときに、上記摺接抵抗に抗して端子を
   端子受に弾性的に押し込むばね部材と、両ハウジングを
   所定のストローク嵌合した状態で互いに衝合すると共
   に、その衝合荷重が所定のしきい値に達したときに、当
   該衝合状態が解除されて互いに係合する一対のロック部
   材とを備えている光コネクタにおいて、上記ロック部材
   が係合するストローク位置を、上記端子が端子受に嵌入
   するストローク位置よりも、コネクタ接続方向下流側に
   設定し、上記ロック部材が係合した直後の慣性によって
   上記端子が端子受に嵌入するように、上記ロック部材を
   係合させるための衝合荷重のしきい値を、上記端子を端
   子受に嵌入させるための衝合荷重のしきい値よりも高く
   設定していることを特徴とする光コネクタ。