JPH04132906U - 金型の支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型支持具から金型を簡易迅速且つ凹凸傷を
発生させることなく離脱させること。 【構成】 金型支持具（２）にマグネット（８）を配置
し、金型支持具（２）の金型支持面（２ａ）に金型
（３）をマグネット（８）の磁力で吸着固定する金型の
支持構造において、金型支持具（２）に金型離脱具（１
０）を配設し、金型離脱具（１０）の前進する押圧部
（１３）で金型（３）を押圧して金型支持面（２ａ）か
ら金型（３）を離脱させるようにしたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金型支持具の金型支持面に、金型をマグネットの磁力で吸着固定す る金型の支持構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金型を用いた成型装置の一例としては、図２（Ａ）に示すタイル素地成 型装置１がある。この成型装置１は、金型支持具２と、金型支持具２の金型支持 面２ａに支持した下金型３と、下金型３の成型面３ａの上方に坏土充填空間Ｓを 形成するように昇降自在に配設された枠型４と、坏土充填空間Ｓの坏土Ｐを加圧 成型するように昇降自在に配設された上金型５とからなる。下金型３は、鋼等の 磁着する素材からなる基盤６の上面６ａに樹脂又はゴム素材からなる型板７を貼 着して構成するか、または基盤６の上面６ａを直接に成型面としたものである。

【０００３】 前記下金型３の支持構造は、金型支持具２の支持面２ａ側にマグネット８を埋 設し、金型支持具２の支持面２ａに載置した下金型３をＯＮ状態のマグネット８ で吸着固定するようにしてある。成型品の仕様変更等により下金型３を交換する ときには、マグネット８を一旦ＯＦＦにして吸着力の無い状態とし、金型支持具 ２の支持面２ａに載置されている金型３を入替え、マグネット８を再度ＯＮ状態 にして交換後の金型３を吸着固定する。

【０００４】 この様に前記金型の支持構造は、マグネット８を用いることにより下金型３の 交換が簡易迅速にできるようにしてある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記金型の支持構造は、マグネット８の強力な磁力で下金型３が磁 化されることがあるため、マグネット８をＯＦＦにして吸着力の無い状態にして も、磁化した下金型３が金型支持具２に吸着したままの状態となることがある。 この様な状態下で下金型３を交換する場合には、図２（Ｂ）に示す如く、金型支 持具２と下金型３との間に楔９等を打ち込んで強制的に両者を離反させ、下金型 ３を取り外していた。

【０００６】 しかし、楔９等を打ち込むことは、多くの手間を必要とするため金型交換作業 能率が悪くなり、更に無理に打ち込む楔９等で金型支持具２及び下金型３に凹凸 傷を発生させることになる。この凹凸傷は、金型支持具２の支持面２ａに下金型 ３を密着させる妨げとなり、所定精度の成型が確保できなくなる。

【０００７】 本考案は、例え金型が磁化したとしても、金型支持具から金型を簡易迅速且つ 凹凸傷を発生させることなく離脱させることができる金型の支持構造の提供を目 的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案が採用した手段は、金型支持具にマグネットを配置し、該金型支持具の 金型支持面に金型を該マグネットの磁力で吸着固定する金型の支持構造において 、上記金型支持具に金型離脱具を配設し、該金型離脱具の前進する押圧部で金型 を押圧して前記金型支持面から金型を離脱させるようにしたことを特徴とする金 型の支持構造である。

【０００９】

【作用】

金型離脱具は、押圧部の前進に伴い金型を押圧し、磁化している金型の吸着力 に抗して金型支持具から金型を離反させることができる。金型の離反にともない 、金型と金型支持具との間に形成された隙間に、金型移送装置等を挿入すること が可能となる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る金型の支持構造（以下「本案構造」という）を図１（Ａ） （Ｂ）に示す実施例に基づいて説明する。

【００１１】 本案構造の改良箇所は、金型支持具２に金型離脱具１０を配設し、金型離脱具 １０の前進する押圧部１３で下金型３を押圧して下金型３を金型支持面２ａから 強制的に離脱させるようにした点である。なお、この改良箇所以外の構造は、前 記図２に示す従来の構造と同一であり、同一符号は同一構成部分を示す。

【００１２】 金型支持具２は、支持面２ａ側の適所に凹部２０が凹設されている。凹部２０ には、金型離脱具１０の適数個が埋設されている。金型離脱具１０は、その個数 が下金型３の平面寸法等に基づいて適宜選択させ、下金型３を平行状態のまま円 滑に上昇できるようにしてある。

【００１３】 金型離脱具１０は、油圧又は空気圧で作動するシリンダ形式からなり、シリン ダ部１１が金型支持具２に接続され、上下進退するロッド１２の先端側に押圧部 １３が取着され、下金型３の下面３ｂを押圧部１３で持ち上げるように構成して ある。図中の１４はロッド１２を進退させる切替えバルブ、１５は油圧又は空気 圧を発生させる装置である。なお、金型離脱具１０の複数個を配設する場合には 、各金型離脱具１０の押圧部１３が同期して進退するように配管を構成する。

【００１４】 前記金型離脱具１０は、油圧又は空気圧で作動するシリンダ形式に限定するも のではなく、図示は省略したが、固定のナットに螺合するスクリューをモータで 強制回転させて進退させ、スクリューの先端に押圧部を取着して構成したスクリ ュージャッキ形式又は平行リンクからなるテーブルリフター形式のもの等で構成 することも可能である。

【００１５】 次に、本案構造を用いて下金型３を交換する手順を図１（Ｂ）に基づいて説明 する。先ず、上金型５を上昇待機させると共に枠型４を下降待機させ、マグネッ ト８をＯＦＦ状態にする。次に、金型離脱具１０を作動させて押圧部１３を上昇 させる。金型離脱具１０は、押圧部１３の上昇に伴い下金型３を押圧して持ち上 げ、磁化している下金型３の磁着力に抗して下金型３を金型支持面２ａから持ち 上げて離反させる。

【００１６】 下金型３の離反にともない、下金型３と金型支持具２との間に形成された隙間 Ａに、金型移送装置であるホークリフトのホーク部３０，３０等を挿入し、下金 型３を保管場所等に移動させる。続けて、交換する下金型３をホークリフトで移 動させ、上昇待機中の金型離脱具１０の押圧部１３に下金型３を載置する。

【００１７】 最後に、ホークリフトを後退させると共に、金型離脱具１０の押圧部１３を降 下させて下金型３を金型支持具２の支持面２ａ上に載置し、マグネット８をＯＮ 状態にして下金型３を金型支持具２に吸着固定する。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述の如く、本案構造は、金型支持面から金型を金型離脱具で強制的に離 反させるので、金型支持具からの金型の離脱が簡易迅速且つ凹凸傷の無い状態で 行うことが可能となり、成型装置の稼働効率の向上及び成型精度の向上が図れる 等の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案構造の実施例を示すものであって、（Ａ）
は正面断面図、（Ｂ）は金型を離反させている状態を示
す正面断面図である。

【図２】（Ａ）は従来の金型の支持構造を示す正面断面
図、（Ｂ）は上金型、枠体及び下金型を分離している状
態の正面断面図である。

【符号の説明】

２…金型支持具 ３…金型 ８…マグネット １０…金型離脱具 １３…押圧部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型支持具にマグネットを配置し、該金
   型支持具の金型支持面に金型を該マグネットの磁力で吸
   着固定する金型の支持構造において、上記金型支持具に
   金型離脱具を配設し、該金型離脱具の前進する押圧部で
   金型を押圧して前記金型支持面から金型を離脱させるよ
   うにしたことを特徴とする金型の支持構造。