JPH04132376U - 氷球製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】供給された水滴を冷却槽の下層の冷却媒体内で
凝固して氷を形成するとともに、同氷を上層の分離媒体
内へ移行して氷球を得る氷球製造装置において、冷却槽
の内壁への氷の付着を防止し、冷却効率を向上させると
ともに氷球の製造効率を向上させる。 【構成】冷却槽１０の内壁１１ｂを撥水性樹脂により形
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ばり取り、ショットブラスト、液体ホーニング等に使用する球状の 氷（以下氷球という場合がある）を製造する氷球製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

氷球製造装置のー形式として、液体の冷却媒体および同冷却媒体上に液体の分 離媒体を収容した容器と、これら両媒体を冷却する冷却手段と、前記冷却媒体内 に水滴状に水を供給する水供給手段を備え、前記冷却媒体内に供給された水を同 冷却媒体内を上昇する間に凝固させて氷に形成するとともに、同氷を前記分離媒 体内へ移行させて前記冷却媒体から分離して球状の氷（氷球）を得る氷球製造装 置があり、そのー例が特開平１−２１０７７３号公報に示されている。かかる形 式の氷球製造装置においては上記公報に示されているように、冷却媒体としてフ ロン液が採用されかつ分離媒体として水が採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記した氷球製造装置においては、水供給手段から供給された水滴 状の水が冷却媒体内で氷結しながら同冷却媒体内および分離媒体内を上昇する間 、水滴および氷球は各媒体内をまっすぐには上昇せずに蛇行しながら上昇する。 このため、多くの水滴および氷球が容器の内壁に接触して氷結付着し、同内壁を 覆ってしまうおそれがある。特に氷球の製造効率を高めるべく水滴の噴出手段を 増加したり供給する水滴量を増加すると、容器の内壁に対する氷の付着量は著し く増大して冷却手段による冷却能力を低下させるとともに、氷球の製造効率を著 しく低下させることになる。従って、本考案の目的はかかる問題に対処すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記した形式の氷球製造装置において、前記容器の内壁を撥水性樹脂 により被覆したことを特徴とするものである。しかして、撥水性樹脂としてはポ リテトラフルオロエチレン等のフッソ樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン 樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂等が好的に採用される。

【０００５】

【考案の作用】

本考案に係る氷球製造装置においては氷球を製造するに先立って容器内の両媒 体が０℃以下所定の温度に設定されていて、水供給手段により冷却媒体内に供給 された水滴は冷却媒体内を上昇する間に凝固して分離媒体内に至り、冷却媒体と は分離される。また、分離媒体内に移行した氷は分離媒体内を更に上昇して同媒 体の表面に浮上する。

【０００６】

【考案の効果】

しかして、当該氷球製造装置においては容器の内壁が上記したごとく撥水性樹 脂で被覆されているため、水滴が冷却媒体内を上昇する間および氷球が冷却媒体 、分離媒体内を上昇する間に容器の内壁に接触しても、水滴および氷球が容器の 内壁に氷結付着することがない。このため、たとえ氷球の製造効率を高めるべく 水滴の噴出手段を増加したり供給する水滴量を増加しても、容器の内壁に対する 氷の付着はほとんどなくて冷却手段における冷却能力を低下させることがなく、 氷球の製造効率を著しく増大させることができる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明するに、図１には本考案に係る氷 球製造装置が示されている。当該氷球製造装置は冷却槽１０、水供給機構２０お よび氷搬出機構３０を備えている。冷却槽１０は内筒１１および外筒１２からな り、これら両筒１１，１２間に冷却コイル１３が配設されている。かかる冷却槽 １０においては、内筒１１が本考案の容器に該当し、かつ冷却コイル１３が本考 案の冷却手段に該当する。なお、冷却コイル１３には図示しない公知の冷却機構 に接続されていて、同冷却機構の運転時には同機構から冷却媒体が循環供給され る。

【０００８】 内筒１１は底部略中央部に凹所１１ａを備えていて、同凹所１１ａには後述す る水供給機構２０を構成するノズル２３が配設され、かつノズル２３の先端部に 近接してヒータ１４が配設されている。かかる内筒１１においては、内側全面が 撥水性樹脂により被覆されて内壁１１ｂの全てが撥水性樹脂の内壁となっており 、冷却媒体１５および分離媒体１６が収容されている。本実施例においては、冷 却媒体１５として水銀が採用され、かつ分離媒体１６として疎水性液体であるヒ マシ油が採用されている。分離媒体１６は冷却媒体１５である水銀との比重差に より同冷却媒体１５の上層に位置している。

【０００９】 水供給手段２０は水タンク２１、給水管路２２、ノズル２３および圧空管路２ ４を備えてなり、水タンク２１内には所定量の水が常に収容され、圧空管路２４ からの加圧空気の作用により水タンク２１内の水が水滴状に設定量ずつノズル２ ３から内筒１１の底部に供給されるように構成されている。なお、水タンク２１ 内の空気圧は電磁弁２５の制御により行われる。

【００１０】 氷搬送機構３０は分離媒体１６を搬送媒体とするもので、分離媒体用タンク３ １、循環管路３２、循環ポンプ３３、氷の分離搬送手段３４を備えている。かか る氷搬送機構３０においては、循環ポンプ３３の作用により分離媒体１６が内筒 １１の分離媒体１６の層およびタンク３１を介して循環管路３２を循環する。

【００１１】 このように構成した氷球製造装置においては冷却層１０の内筒１１内の両媒体 １５，１６が約−１５℃の温度に設定され、かつ氷搬送機構３０の循環ポンプ３ ３の駆動により分離媒体１６が内筒１１内の分離媒体１６の層を介して循環して いる。かかる状態の冷却媒体１５内に水供給機構２０からノズル２３を通して水 が水滴１７ａとして供給される。冷却媒体１５内に供給された水滴１７ａは冷却 媒体１５の層を順次上昇し、この間に冷却媒体１５により冷却されて凝固し氷球 １７ｂとなり、その後分離媒体１６の層に移行する。分離媒体１６の層に移行し た氷球１７ｂは層表面に浮上する。分離媒体１６の層表面に浮上した氷球１７ｂ は循環する分離媒体１６の流れに乗って内筒１１から外部に流出して分離搬送手 段３４上に至り、同搬送手段３４により所定位置に搬送され、氷球１７ｂが分離 された分離媒体１６は再度循環供給される。

【００１２】 しかして、当該氷球製造装置においては内筒１１の内壁１１ｂが撥水性樹脂に より形成されているため、水滴１７ａが冷却媒体１５内を上昇する間、および氷 球１７ｂが冷却媒体１５、分離媒体１６内を上昇する間に内壁１１ｂに接触して も、水滴１７ａおよび氷球１７ｂが容器１１の内壁１１ｂに氷結付着することが ない。このため、たとえ氷球の製造効率を高めるべく水滴１７ａの噴出ノズル２ ３を増加したり供給する水滴１７ａの量を増加しても、内壁１１ｂに対する氷の 付着はほとんどなくて冷却コイル１３の冷却能力を低下させることがなく、氷球 １７ｂの製造効率を著しく増大させることができる。

【００１３】 なお、本実施例においては、冷却媒体１５として比重の大きい水銀を採用して いるため、硬くて木目の細かい氷結が得られるとともに分離媒体１６内への移行 が円滑になされて冷却媒体１５との分離が容易であり、また分離媒体１６として 疎水性液体でありかつ氷より融点の低いヒマシ油を採用しているため、分離媒体 １６内で氷球１７ｂが融解したり塊状に結合することがなく、良好な氷球１７ｂ が得られる。

【００１４】 また、本実施例においては、冷却槽１０を構成する内筒１１の底部に凹所１１ ａを設けて同凹所１１ａに水滴供給用のノズル２３を配設するとともにヒータ１ ４を配設して、ノズル２３内の水の凍結を防止するとともにヒータ１４による冷 却媒体１５の加温を最小限にするように配慮している。また、加圧空気により加 圧されて水タンク２１から供給される水滴１７ａの噴出量および噴出速度は所望 の大きさの氷球が得られるように微調節され、かかる微調節は水タンク２１内の 圧力を圧力センサー２６により検知し、その値に基づいて電磁弁２５を制御して その開閉量を微調節することによりなされる。また、氷球１７ｂの製造停止時に は加圧空気の圧力を冷却媒体１５側の圧力とバランスさせて、水滴が噴出されず かつ冷却媒体１５が逆流しない状態に保持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のー実施例に係る氷球製造装置を示す概
略構成図である。

【符号の説明】

１０…冷却槽、１１…内筒、１１ｂ…内壁（撥水性樹
脂）、１２…外筒、１３…冷却コイル、１４…ヒータ、
１５…冷却媒体、１６…分離媒体、１７ａ…水滴、１７
ｂ…氷球、２０…水供給機構、２１…水タンク、２３…
ノズル、２５…電磁弁、３０…氷搬送機構、３１…搬送
媒体タンク、３２…循環管路、３３…循環ポンプ、３４
…分離搬送手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液体の冷却媒体および同冷却媒体上に液体
   の分離媒体を収容した容器と、これら両媒体を冷却する
   冷却手段と、前記冷却媒体内に水滴状に水を供給する水
   供給手段を備え、前記冷却媒体内に供給された水を同冷
   却媒体内を上昇する間に凝固させて氷に形成するととも
   に、同氷を前記分離媒体内へ移行させて前記冷却媒体か
   ら分離して球状の氷を得る氷球製造装置において、前記
   容器の内壁を撥水性樹脂により被覆したことを特徴とす
   る氷球製造装置。