JPH04130762U - 片手で刃の開閉操作ができる折りたたみナイフ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 片手で刃の開閉操作ができる折りたたみナイ
フを提供する。 【構成】 軸１の円筒面には突起が設けてある。刃２と
右側握り柄３とには、突起のある軸１がはまり込む溝の
付いた穴が、また、左側握り柄８には軸１の円筒部がは
まり込む穴が設けてあり、それらに軸１を通す。軸１は
指で押すことにより長手方向ヘ移動できるが、軸の突起
部Ａが、刃の溝付き穴Ｂおよび右側握り柄の溝付き穴Ｃ
の溝にはまり込んでいるときは、刃２を固定するよう
に、また、軸１が移動して、軸の突起部Ａが刃の溝付き
穴Ｂの溝から外れたときは、刃２は軸１を回転の中心に
して回るようにする。以上のものに、刃２を親指で回せ
るように、刃２に指掛け４を設け、また、軸１の停止位
置と移動範囲とを決める軸止め装置として、軸１に凹部
を設けてばね６をはめ、右側握り柄３に軸止め５を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、片手で刃の開閉操作ができる折りたたみナイフに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の片手で刃の開閉操作ができる折りたたみナイフには、次のものがある。 すなわち、刃と握り柄とを結合している軸に突起が設けてあり、その突起部が刃 と握り柄の両方の溝付き穴にはまり込んでいるときには、それらを固定するよう に、また、軸を押すことにより軸の突起部が移動するが、軸の突起部が刃の溝付 き穴から外れたときには、固定が外れて、刃が回転することができるようなもの である。そして、軸の移動範囲と停止位置とを決める軸止め装置として、握り柄 の両側には右側軸止めと左側軸止めとを設け、軸の凹部にはばねをはめている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上に紹介した従来の折りたたみナイフは、軸の突起部が、中央にある刃の溝 付き穴と、刃の両側にある握り柄の溝付き穴とにはまり込んで、それらを固定し ている。このため、軸を押すことにより軸の突起部が移動するが、刃と握り柄と の固定を外すためには、軸の移動長さは、少なくとも、片側の握り柄の厚さと刃 の厚さとの合計長さ以上でなければならない。しかし、軸の移動長さを少なくす ることができれば、軸を押し込むためにナイフの外側に突き出している軸の長さ を短くすることができる。また、上記の従来の折りたたみナイフは、握り柄の両 側に右側軸止めと左側軸止めとがあるが、左側軸止めを無くして軸の抜け止めの 方法を変えれば、その厚さの分だけ軸の長さを短くすることができるので、ナイ フの全幅を小さくすることができる。 この考案が解決しようとする課題は、かさばらないようにするために、ナイフ の全幅を小さくするには、どのような手段を講じればよいかという点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わる折りたたみナイフは、以上のような課題を解決するもので、 次のような構造である。図２に基づいて説明する。 刃（２）および右側握り柄の溝付き穴（Ｃ）に通した軸（１）は、軸の長手方 向へ移動できるようにする。そして、軸の突起部（Ａ）が、刃の溝付き穴（Ｂ） および右側握り柄の溝付き穴（Ｃ）のそれぞれの溝にはまり込んでいるときは、 刃（２）を固定するように、また、軸（１）が移動して、軸の突起部（Ａ）が、 刃の溝付き穴（Ｂ）の溝から外れたときは、刃（２）は軸（１）を回転の中心に して回るようにする。したがって、刃（２）と右側握り柄（３）との固定を外す ために、軸の突起部（Ａ）が移動する長さは、軸の突起部（Ａ）が刃の溝付き穴 （Ｂ）から外れるまでの長さとなり、これは刃（２）の厚さの分となる。 軸（１）が抜けないようにするためには、軸止め（５）と左側握り柄（８）と に、軸（１）の円筒面だけが通る穴をあけておく。そして、軸（１）が移動した ときには、軸の突起部（Ａ）が軸止め（５）または左側握り柄（８）に当るよう にして、それ以上は移動しないようにする。 軸（１）に凹部を設けてばね（６）をはめる。これにより、刃（２）を固定し ているときには、軸（１）が不用意に移動するのを防ぐことができる。刃（２） の固定を外すために軸（１）を押したときには、ばね（６）が開いて軸（１）は 移動することができる。

【０００５】

【作用】

図１および図２のものは、右手で使う右利き用のものを示しているが、次のよ うにして使用する。 刃（２）を開くときは、右側握り柄（３）、スペーサ（７）および左側握り柄 （８）で構成した握り柄全体を右手で持ち、右手親指で軸（１）を押す。これに より、刃（２）の固定が外れるので、刃（２）は、軸（１）を中心にして回るこ とができるようになる。次に、右手親指を指掛け（４）に当てて、軸（１）を中 心に右へ半回転すると、刃（２）が開く。そのあと、右手人差指で軸（１）を反 対側から押し戻して、刃（２）を固定する。 刃（２）を閉じるときは、開くときと同じように、右手親指で軸（１）を押し て刃（２）の固定を外す。次に、右手親指を指掛け（４）に当てて、軸（１）を 中心に左ヘ半回転して刃（２）を閉じる。そのあと、反対側から右手人差指で軸 （１）を押し戻して、刃（２）を固定する。

【０００６】

【実施例】

実施例について図２を参照して説明する。 右側握り柄（３）と左側握り柄（８）とはステンレス板で、間にアルミ製のス ペーサ（７）をはさみ、ねじ止め結合する。刃（２）は刃物用鋼材を熱処理した もので、側面に指掛け（４）をねじ止めする。軸（１）はステンレス製で、軸の 突起部（Ａ）は鍛造成形したものである。軸止め（５）は、しんちゅう製で、右 側握り柄（３）にねじ止めする。軸止め（５）はばね（６）を内蔵する。 軸の突起部（Ａ）は一つの場合を示しており、右側握り柄の溝付き穴（Ｃ）の 溝も一つであるが、刃の溝付き穴（Ｂ）の溝は、開いたときと閉じたときとの二 つである。

【０００７】

【考案の効果】

この考案は、以上のように構成されているので、次のような効果がある。 軸の移動長さが刃（２）の厚さの分だけになること、および、左側の軸止めが 不要になることにより、軸の長さが短くすることができるので、ナイフの全幅を 小さくすることができる。また、上記の従来の折りたたみナイフには必要であっ た左側の軸止めが不要になるので、部品コスト、取り付け穴加工コスト、組み立 てコストを省くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の組立図である。太い実線は刃（２）
を開いた状態を示す。細い二点鎖線は刃（２）を閉じた
状態を示す。

【図２】この考案の拡散分解図である。

【図３】従来の片手で刃の開閉操作ができる折りたたみ
ナイフの拡散分解図である。

【符号の説明】

（１）は軸 （２）は刃 （３）は右側握り柄 （４）は指掛け （５）は軸止め （６）はばね （７）はスペーサ （８）は左側握り柄 （Ａ）は軸の突起部 （Ｂ）は刃の溝付き穴 （Ｃ）は右側握り柄の溝付き穴 （９）は左側軸止め （Ｄ）は握り柄の溝付き穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒面に突起のある軸（１）を、それが
   はまり込む溝の付いた穴のある刃（２）および右側握り
   柄（３）と、同じく軸（１）の円筒部がはまり込む穴の
   ある左側握り柄（８）とに通したものに、刃（２）に指
   掛け（４）を設け、軸（１）に凹部を設けてばね（６）
   をはめ、右側握り柄（３）に軸（１）が抜けないように
   軸止め（５）を設けたことを特徴とする、片手で刃の開
   閉操作ができる折りたたみナイフ。