JPH04130620U - デツキプレート用吊り金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 デッキプレートの補強リブへの取付け作業を
容易かつ迅速に、しかも正確、かつ確実に行い得るとと
もに構造簡単で部品数が少く、経済的効果大なるデッキ
プレート用吊り金具を安価に提供することを目的として
いる。 【構成】 弾性片からなる一対の補強リブ係止部２，２
を相互に内方へ所要角度折曲して交叉状態となし、かつ
前記交叉状態の各係止部側面２ａを吊りボルト３の上端
部に取付けた横長棒状拡開部材６上に各臨ませてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えば建築時に梁、桁等の躯体上に両端部を載せて敷き並べ、その上 面にコンクリートを打設するデッキプレートの補強リブに取付け各種の資材、配 管等を支持するのに用いるデッキプレート用吊り金具に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

従来のデッキプレート用吊り金具として、例えば図６示のように、上部に弾性 片からなる一対の補強リブ用係止部１１，１１を設け、前記補強リブ係止部１１ ，１１をネジ１２と座付ナット１３で締付けることができるようにするとともに 前記補強リブ係止部１１，１１の下方側面に切欠き部１４，１４を設け、該切欠 き部１４，１４に上部側ナット１５の対角部１５ａ，１５ａを係合させて吊りボ ルト１６の上端を螺挿し、さらに前記吊りボルト１６を下部側ナット１７で締付 固定するようにしたもの、または図１１示のように補強リブ係止用切欠き部１８ ，１８を設けた一対の枠型補強リブ係止部材１９，１９の下部を吊りボルト取付 体２０の二又部２１に枢軸２２にて枢着するとともに前記一対の枠型補強リブ係 止部材１９，１９をネジ２３と座付ナット２４で締付けることができるようにし 、さらに前記吊りボルト取付体２０の上部側ナット２５に吊りボルト２６の上端 を螺挿するとともに前記吊りボルト２６を下部側ナット２８で締付固定するよう にしたもの等が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来技術において、前者の場合は、施工に際して補強リブ係止 部１１，１１をデッキプレート２９の補強リブ３０へ係止するには、先ず図１３ 示のように上部側ナット１５の対角部１５ａ，１５ａを補強リブ係止部１１，１ １の切欠き部１４，１４に係合し、この状態で前記補強リブ係止部１１，１１の 上方部を矢印ａ方向に少しく回動してネジ１２と座付ナット１３で仮止めし、然 る後に前記補強リブ係止部１１，１１を図１４示のようにデッキプレート２９の 補強リブ３０に係止し前記ネジ１２と座付ナット１３を締付け、さらに図１５、 図１６示のように上部側ナット１５に吊りボルト１６の上端を螺挿し、これを下 部側ナット１７で締付固定して施工を完了するものであり、また後者の場合は、 図１２示のように枠型補強リブ係止部材１９，１９を開いた状態にしておき、次 に該枠型補強リブ係止部材１９，１９の補強リブ係止用切欠き部１８．１８を図 １３示のようにデッキプレート２９の補強リブ３０に係止してからネジ２３と座 付ナット２４で前記枠型補強リブ係止部材１９，１９を締付け、さらに図１４示 のように吊りボルト取付体２０の上部側ナット２５に吊りボルト２６の上端を螺 挿し、これを下部側ナット２８で締付固定して施工を完了するものであったため 、上記従来技術の場合はいずれも補強リブ係止部１１，１１（前者）あるいは補 強リブ係止部材１９，１９（後者）をデッキプレート２９の補強リブ３０へ取付 けるためのネジ１２，２３および座付ナット１３，２４を必要とし、その分、構 造が複雑となり、部品も多く要するという問題点があったばかりでなく、取扱い 性も悪く、その結果デッキプレート補強リブへの取付作業に手間が掛り、施工性 が著しく低いものである等の問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決することを目的とし、上部に弾性片からなる一対の補 強リブ係止部を、下部に吊りボルトを各設けてなるデッキプレート用吊り金具に おいて、前記一対の各補強リブ係止部を前記吊りボルト取付部位の上方において 相互に内方へ所要角度折曲して交叉状態となすとともに前記交叉状態の各係止部 側面を前記吊りボルトの上端部に取付けた横長棒状拡開部材上に臨ませたことを 特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】

図１乃至図１１は本考案の第１および第２実施例を示す図である。 図１は本考案の第１実施例の正面図、図２は同右側面図、図３は斜視図、図４ はデッキプレートの補強リブへの取付完了前の状態を示す正面図、図５は同取付 完了後の状態を示す正面図、図６は本考案の第２実施例の正面図、図７は同右側 面図、図８は斜視図、図９はデッキプレートの補強リブへの取付完了前の状態を 示す正面図、図１０は同取付完了後の状態を示す正面図、図１１は横長棒状拡開 部材と吊りボルトの取付状態の一例を示す一部拡大正断面図である。

【０００６】 第１実施例において１は吊り金具本体であって、所要の金属板（鉄、鋼板、ア ルミ板、その他適宜の合金板）あるいは硬質プラスチック板等をもって形成され 、上部に所要長さおよび所要幅の弾性片からなる一対の補強リブ係止部２，２を 有するとともに下部に吊りボルト３を取付けるための上部側ナット４を設けてな るものである。また前記補強リブ係止部２，２は前記吊りボルト３の上方におい て相互に内方へ所要角度折曲されて交叉状態となっているとともに前記交叉状態 の各係止部２の各側面２ａを前記吊りボルト３の上端部に設けた横長棒状拡開部 材６上に臨ませている。なお、前記横長棒状拡開部材６は図３示のように前記各 補強リブ係止部２，２の各側縁２ｂに形成した各支承片部２ｃの各ガイト孔２ｄ 内に支承されており、両端部には抜出防止用割ピン２ｅが取付けられている。ま た、前記補強リブ係止部２，２の形状およびその数は、デッキプレートＡの補強 リブＢの形状に合わせて任意とすることができる。５は吊りボルト３を締付固定 するための下部側ナット、３ａは吊りボルト３の上端部である。

【０００７】 次に作用について説明する。デッキプレートＡの補強リブＢへの取付けに際し ては、先ず、吊り金具本体１の各補強リブ係止部２，２を図４示のように係止し 、次いで吊りボルト３を上昇方向へ回転すると、前記吊りボルト３の上端部３ａ にて横長棒状拡開部材６が押上げられ、前記横長棒状拡開部材６の上端両側縁６ ａによって前記補強リブ係止部２，２の各側面２ａが押圧され、バネ力に抗して 前記各補強リブ係止部２，２の傾倒姿勢が起立状態となり、前記各補強リブ係止 部２，２によるデッキプレートＡの補強リブＢへの握持力は強められ吊り金具本 体１を図５示のように確固に取付けることができるものである。

【０００８】 また、第２実施例において１′は吊り金具本体であって、所要の金属板（鉄、 鋼板、アルミ板、その他適宜の合金板）あるいは硬質プラスチック板等をもって 形成され、上部に所要長さおよび所要幅の弾性片からなる一対の補強リブ係止部 ２′，２′を有するとともに下部に吊りボルト３′を取付けるための上部側ナッ ト４′を設けてなるものである。また、前記補強リブ係止部２′，２′は前記吊 りボルト３′の上方において相互に内方へ所要角度折曲されて交叉状態となって いるとともに前記交叉状態の各係止部２′の各側面２′ａを前記吊りボルト３′ の上端部に設けた横長棒状拡開部材６′上に臨ませている。なお、前記横長棒状 拡開部材６′は図１１示のように前記吊りボルト３′の上端に前記吊りボルト３ ′の回転を妨げないよう適宜周知の取付手段（例えば０リング等）６′ａにて取 付けられている。また、前記補強リブ係止部２′，２′の形状およびその数は、 デッキプレートＡ′の補強リブＢ′の形状に合わせて任意とすることができる。 ５′は吊りボルト３′を締付固定するための下部側ナット、３′ａは吊りボルト ３′の上端部である。

【０００９】 次に作用について説明する。デッキプレートＡ′の補強リブＢ′への取付けに 際しては、先ず、吊り金具本体１′の各補強リブ係止部２′，２′を図９示のよ うに係止し、次いで吊りボルト３′を上昇方向へ回転すると、前記吊りボルト３ ′の上端部３′ａにて横長棒状拡開部材６′が押上げられ、前記横長棒状拡開部 材６′の上端両側縁６′ａによって前記補強リブ係止部２′，２′の各側面２′ ａが押圧され、バネ力に抗して前記各補強リブ係止部２′，２′の傾倒姿勢が起 立状態となり、前記各補強リブ係止部２′，２′によるデッキプレートＡ′の補 強リブＢ′への握持力は強められ吊り金具本体１′を図１０示のように確固に取 付けることができるものである。 なお、本第１および第２実施例はデッキプレートへの取付けについて説明した が、デッキプレート以外のものにも用いることができることは勿論のことである 。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によると、上部に弾性片からなる一対の補強リブ係止部を、下部に吊り ボルトを各設けてなるデッキプレー卜用吊り金具において、前記一対の各補強リ ブ係止部を前記吊りボルト取付部位の上方において相互に内方へ所要角度折曲し て交叉状態となすとともに前記交叉状態の各係止部側面を前記吊りボルトの上端 部に取付けた横長棒状拡開部材上に臨ませたものであるから、吊り金具本体の取 付けは、単に吊りボルトを回転するのみで横長棒状拡開部材により一対の各補強 リブ係止部を左、右同時に、しかも左、右均等、かつ正確に操作して行うことが できるので、従来品に比して取扱性が非常に優れており、その結果取付作業を容 易かつ迅速に行うことができ、小人数でも作業能率を大幅に向上することができ るものであるとともに吊り金具本体の構造も簡単で、かつ部品数も少いので材料 を節減でき、経済的効果も大きく安価に供給できる等、種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例のデッキプレート用吊り金
具の正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】本考案の第１実施例のデッキプレート用吊り金
具の斜視図である。

【図４】本考案の第１実施例のデッキプレート用吊り金
具の取付完了前の状態を示す正面図である。

【図５】本考案の第１実施例のデッキプレート用吊り金
具の取付完了後の状態を示す正面図である。

【図６】本考案の第２実施例のデッキプレート用吊り金
具の正面図である。

【図７】図６の右側面図である。

【図８】本考案の第２実施例のデッキプレート用吊り金
具の斜視図である。

【図９】本考案の第２実施例のデッキプレート用吊り金
具の取付完了前の状態を示す正面図である。

【図１０】本考案の第２実施例のデッキプレート用吊り
金具の取付完了後の状態を示す正面図である。

【図１１】本考案の第２実施例の横長棒状拡開部材と吊
りボルトの取付状態の一例を示す一部拡大正断面図であ
る。

【図１２】従来のデッキプレート用吊り金具の分解斜視
図である。

【図１３】従来のデッキプレート用吊り金具の取扱い説
明図である。

【図１４】従来のデッキブレート用吊り金具のデッキプ
レートへの取付完了前の状態を示す斜視図である。

【図１５】従来のデッキプレート用吊り金具のデッキプ
レートへの取付完了後の状態を示す斜視図である。

【図１６】図１５の正面図である。

【図１７】従来の他のデッキプレート用吊り金具の分解
斜視図である。

【図１８】従来の他のデッキプレート用吊り金具の取付
前の状態を示す斜視図である。

【図１９】従来の他のデッキプレー卜用吊り金具の取付
後の状態を示す斜視図である。

【図２０】従来の他のデッキプレート用吊り金具に吊り
ボルトを装着した取付後の状態を示す斜視図である。

【図２１】図２０の正面図である。

【符号の説明】

１ 吊り金具本体 １′ 吊り金具本体 ２，２ 一対の補強リブ係止部 ２′，２′ 一対の補強リブ係止部 ２ａ 交叉状態の各補強リブ係止部の各側面 ２′ａ 交叉状態の各補強リブ係止部の各側面 ２ｂ 補強リブ係止部の各側縁 ２ｃ 支承片部 ２ｄ ガイド孔 ２ｅ 抜出防止用割ピン ３ 吊りボルト ３′ 吊りボルト ４ 上部側ナット ４′ 上部側ナット ５ 下部側ナット ５′ 下部側ナット ６ 横長棒状拡開部材 ６′ 横長棒状拡開部材 ６ａ 横長棒状拡開部材の上端両側縁 ６′ａ 横長棒状拡開部材の上端両側縁 ６′ｂ 取付手段 Ａ デッキプレート Ａ′ デッキプレート Ｂ 補強リブ Ｂ′ 補強リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に弾性片からなる一対の補強リブ係
   止部を、下部に吊りボルトを各設けてなるデッキプレー
   卜用吊り金具において、前記一対の各補強リブ係止部を
   前記吊りボルト取付部位の上方において相互に内方へ所
   要角度折曲して交叉状態となすとともに前記交叉状態の
   各係止部側面を前記吊りボルトの上端部に取付けた横長
   棒状拡開部材上に臨ませたことを特徴とするデッキプレ
   ート用吊り金具。