JPH0412992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は肩凝り、腰痛、筋肉痛等の症状を緩和
するため皮膚に貼着使用するゲルマニウム医療用
具に関するものである。

従来の技術 ゲルマニウムは半導体としての性質より電子部
品として広く利用されていることは周知である
が、この特徴ある原子構造に起因する特性より生
体に対し電気的に作用して肩凝り、腰痛、筋肉痛
等の種々の症状を緩和する医療用具としても利用
可能であることが知られている。

即ち、ゲルマニウムは32個の電子を有する原子
番号32の原子で、その最外殻軌道には４個の電子
が配置されており、その内の１個の電子は非常に
遊離し易い性質を有し、この一個の電子が遊離す
ると最外殻軌道に正孔が生じ、この正孔を塞ぐた
め外から他の電子を吸引する性質を有し、一方生
体の神経系は生体内に生じる電気的作用により正
常な機能が保たれる様になつているが、生体中に
おける種々の患部においては各細胞の電位が異常
な値を示すことが知られており、そしてかかる患
部に対しゲルマニウムを貼着せしめると、患部の
痛み、炎症等が治癒することが知られている。

ゲルマニウムによる患部の治癒効果は未だ十分
には解明されていないが、ゲルマニウムの有する
イオン発生効果、ラジカル消去効果（H⁺、OH^-
等を取り込み除去すること）等の電気的特性によ
り患部との間で電子交換等が行われ、患部の異常
電位が正常化されて炎症等の疾患が治癒するもの
と思われる。

そこでゲルマニウムを患部の痛み、炎症等に対
する治療用として活用せしめたものとしては、特
公告昭58−4816号公報に記載の人体の経穴経絡あ
るいは痛み等の部位に皮接する皮接具が知られて
いるが、かかる皮接具は単にゲルマニウムの結晶
固体を薄円板状に成型せしめて成るものであり、
使用に際してはゲルマニウム成型体が皮膚面に対
し直接接触する状態で貼着使用するものである。

ところがゲルマニウムを皮膚面に直接接触せし
めた場合、皮膚面からの発汗による塩分、酸性体
液、汚物等によりゲルマニウム成型体の表面層が
溶解して皮膚の荒れ、かぶれ等の副作用を生じる
ことが確認されており、又ゲルマニウム成型体は
かかる表面層の溶解により、表面が汚れて不衛生
となると共に、摩耗が激しく長期間の使用が困難
となり、患部の痛み、炎症等に対する治療効果に
優れたゲルマニウム成型体の機能を充分に活用す
ることが出来ない等の欠点を有していた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は皮膚に対する荒れ、かぶれを生じるこ
となく、且つ耐蝕性に優れ、ゲルマニウム成型体
の有する治療効果を常に完壁な状態で発揮し得る
様にしたゲルマニウム医療用具を提供せんとする
ものである。

〔発明の構成〕

問題点を解決するための手段 本発明はかかる点に鑑み、ゲルマニウム又はゲ
ルマニウムと他の金属混合粉末より成る成型体の
表面にニツケルメツキ層を形成せしめ、該ニツケ
ルメツキ層上にパラジウムメツキ層を形成せし
め、該パラジウムメツキ層上には皮膚への接触面
としてロジウムメツキ層を形成せしめて成る本体
より成るゲルマニウム医療用具を提供して上記欠
点を解消せんとしたものである。

作 用 本発明は成型体の表面に形成せしめたニツケル
メツキ層、パラジウムメツキ層、ロジウムメツキ
層の三層のメツキ層によりゲルマニウムの成型体
が完全被覆され、各メツキ層の有する耐蝕性、耐
摩耗性等の諸特性に基づき皮膚面の荒れ、かぶれ
等の副作用が防止されると共に、耐久性の向上が
図られるのである。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
ると、 １はゲルマニウム医療用具の本体であり、該本
体１の基部を成す成型体２は高純度の精製ゲルマ
ニウム（純度99.999％）のインゴツトを溶解せし
めて所定形状の型内に流み込み成型せしめるか、
若しくはゲルマニウムインゴツトを適宜粉砕機に
より微粒子状に粉砕処理せしめ、この粉砕された
ゲルマニウムの微粒子体のみ、又はこの微粒子体
に熱伝導性が良好であり、イオン化し難い金、
銀、錫などの金属、或いはガラスの微粒子体を複
数混合した混合微粒子体を焼結用の金型内に充填
せしめると共にプレス成型機にて略５〜６トンの
圧力で所定の形状にプレス成型せしめ、プレス成
型後の成型体を焼結専用炉内で焼結せしめる等の
手段により成型せしめたものである。

上記成型体２の形状は第１図に図示する様に直
径７〜８mmの薄円板状の形態より成り、皮膚に対
する接触側を彎曲状に形成せしめたもの、或いは
第２図に図示する様に接触側の中央部に凸部３を
形成せしめ、指圧的刺激を兼用せしめる様にした
もの等その形状は任意である。

４はゲルマニウム又はゲルマニウムと他の金属
混合粉末の成型体２の表面上に施した三層のメツ
キ層であり、先ず成型体２の表面には約１ミクロ
ンのニツケルメツキ層５を形成せしめ、該ニツケ
ルメツキ層５により成型体２表面の凹凸を滑沢化
せしめ、次にニツケルメツキ層５上には約２ミク
ロンのパラジウムメツキ層６を形成せしめ、更に
該パラジウムメツキ層６上には皮膚への接触面と
して約0.2ミクロンのロジウムメツキ層７を形成
せしめている。

上記メツキ層４において、成型体２の表面に直
接形成されるニツケルメツキ層５は成型体２の表
面を滑沢化せしめて高価なパラジウムメツキ層６
の消費量を少なくすると共に、パラジウムメツキ
層６の形成を容易ならしめるための下地層として
作用し、又パラジウムメツキ層６は耐蝕性に優れ
た特性よりして、発汗による塩分、酸性体液、汚
物等による腐蝕防止層として作用し、最外面のロ
ジウムメツキ層７は耐摩耗性、耐蝕性に優れた特
性と、白金の如き金属光沢を呈する外観特性より
して表面保護を図ると共に、商品価値の向上に寄
与するものである。

次に他の実施態様のものは、三層のメツキ層４
が形成された本体１に対し、患部への貼着固定を
目的として本体１より一回り大きめの粘着片８を
設け、該粘着片８を介して人体のつぼ、圧痛点、
皮膚の荒れた場所、打撲・骨折の場所、内蔵近く
の表皮等の患部に本体１を圧接使用せしめる様に
成している。

以上の様にゲルマニウム又はゲルマニウムと他
の金属混合粉末の成型体２上に施したニツケルメ
ツキ層５、パラジウムメツキ層６、ロジウムメツ
キ層７の三層のメツキ層４が形成された本体１
は、臨床結果ではメツキ層４の形成によりゲルマ
ニウムの特性であるイオン発生効果、ラジカル消
去効果等の電気特性の減少や治療効果の減少は一
切認められず、ゲルマニウム本来の治療効果が充
分発揮され、又本体１の皮膚面への当接箇所に荒
れ、かぶれ等の副作用は一切認められなかつた。

要するに本発明は、ゲルマニウム又はゲルマニ
ウムと他の金属混合粉末より成る成型体２の表面
にニツケルメツキ層５を形成せしめ、該ニツケル
メツキ層５上にパラジウムメツキ層６を形成せし
め、該パラジウムメツキ層６上には皮膚への接触
面としてロジウムメツキ層７を形成せしめて成る
ので、従来のゲルマニウム医療用具の様にゲルマ
ニウム成型体を皮膚面に対し直接接触することが
なく、三層のメツキ層４にて被覆されているた
め、皮膚面からの発汗、酸性体液等に起因するゲ
ルマニウムの溶解摩耗およびこれに基づく皮膚の
荒れ、かぶれ等の副作用を防止出来、特に最外面
のロジウムメツキ層７は耐摩耗特性により高価な
ゲルマニウム医療用具の耐久性を著しく向上せし
めることが出来ると共に、白金の如き光沢性の外
観により商品価値の向上を図らしめることが出
来、更に表面滑沢なため水洗い程度にて本体１表
面を衛生的に維持出来、又メツキ性の良好なニツ
ケルメツキ層５を介して安定的に形成されたパラ
ジウムメツキ層６の有する耐蝕性により皮膚から
の発汗による塩分、酸性体液、汚物等による腐蝕
を完全に防止出来、皮膚面に対し直接ゲルマニウ
ムを接触せしめる従来のゲルマニウム医療用具の
欠点を全て解消せしめ、ゲルマニウムの奏する優
れた治療効果を持続的に発揮せしめることが出来
るのである。

又、他の実施態様のものにあつては三層のメツ
キ層４が形成された本体１と、該本体１上に設け
た粘着片８より成るため、本体１の患部への固定
を容易ならしめて、ゲルマニウムの奏する治療効
果に基づき、酸素増量、健康促進、血液の改善、
栄養の補給が活発化され、解熱、圧痛解消、肩凝
りの消去等の治療効果を期待することが出来る等
その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すものにして、第１
図、第２図は本発明に係るゲルマニウム医療用具
の断面図、第３図は他の実施態様を示す斜視図で
ある。 １…本体、 …成型体、５…ニツケルメツキ
層、６…パラジウムメツキ層、７…ロジウムメツ
キ層、８…粘着片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ゲルマニウム又はゲルマニウムと他の金属混
   合粉末より成る成型体の表面にニツケルメツキ層
   を形成せしめ、該ニツケルメツキ層上にパラジウ
   ムメツキ層を形成せしめ、該パラジウムメツキ層
   上には皮膚への接触面としてロジウムメツキ層を
   形成せしめて成ることを特徴とするゲルマニウム
   医療用具。 ２ 本体を、粘着片に粘着して成ることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載のゲルマニウム
   医療用具。