JPH04129388U - トラクターのノーズダイブ制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雪路走行中の制動時、降坂時等にアンチブレ
ーキシステム作動時の制動距離の増加を防止して安全運
転を図るトラクターのノーズダイブ制御装置を提供す
る。 【構造】 アンチロックブレーキシステムを備えたトラ
クターにおいて、ブレーキの作動及び又は車体のノーズ
ダウンを検出してそれぞれ出力信号を出す発信器８，９
と、シャーシフレームの前部に付設されそのフロントア
クスルを下方へ変位する左右１対の油圧シリンダー１，
１と、油圧源からの圧油の上記油圧シリンダー１への供
給を制御するコントロールバルブ６とを具え、アンチロ
ックブレーキシステムの作動に連動して上記発信器８，
９の出力に基づいて上記油圧シリンダー１，１を伸長し
トラクターのノーズダイブを回復するようにしたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトラクターのノーズダイブ制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

トラクターにおいては、図２側面図に示すように、制動時には、トレーラーが そのキングピンを介してトラクターのカプラーに推力Ｆを及ぼす関係で、トラク ターの前軸荷重は増加すると共に後軸荷重は減少するから、トラクターはいわゆ るノーズダウンの現象を生起する。 ところで、トラクターは雪路走行時の安全性を高めるために、図３系統図に示 すようなアンタロックブレーキシステム（以下ＡＢＳという）を備えることが少 なくないのであるが、ＡＢＳを作動すると、トラクターは前述のノーズダウンの 関係で軽くなった後輪はロックし易くなり、制御距離が伸びて安全運転に支障を 来たす惧れが生ずる。 こゝで、ＡＢＳでは、前後輪０１，０２の回転がロックしたことをそれぞれ回 転数センサー０３で検出し、モジュレーター０５及び電子コントロールユニット ０６の作用でそのブレーキを若干緩めて各車輪をロック寸前の状態に保つのであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、このような事情に鑑みて提案されたもので、雪路走行中の制動時、 降坂時等にＡＢＳ作動時の制動距離の増加を防止して安全運転を図るトラクター のノーズダイブ制御装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そのために、本考案は、アンチロックブレーキシステムを備えたトラクターに おいて、ブレーキの作動及び又は車体のノーズダウンを検出してそれぞれ出力信 号を出す発信器と、シャーシフレームの前部に付設されそのフロントアクスルを 下方へ変位する左右１対の油圧シリンダーと、油圧源からの圧油の上記油圧シリ ンダーへの供給を制御するコントロールバルブとを具え、アンチロックブレーキ システムの作動に連動して上記発信器の出力に基づいて上記油圧シリンダーを伸 長しトラクターのノーズダイブを回復するようにしたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

上述の構成によれば、発信器がトラクターのブレーキの作動又は車体のノーズ ダウンを検出して信号を出すと、コントロールバルブはこの信号により作動して 、油圧を油圧シリンダーに供給し、フロントアクスルをシャーシフレームに対し て下方へ押すことで、車体のノーズダウンを回復する。 また降坂時には、トラクターはトレーラーにより推力を受ける関係上、前記し た制動時と同一の力学的関係でノーズダウン現象を生ずる故、雪路走行での制動 距離が伸びることになるが、前記要領でノーズダウンを回復し、制動距離を短く する。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、図１はその全体制御系統図であ る。 上図において、図３と同一の符号はそれぞれ同図と同一の部材を示し、本考案 が図３に示した公知の構造と異なるところは、ブレーキ制御信号及び又は車体姿 勢信号を検出して、これをＡＢＳの電子コントロールユニットに導入するように したところにある。 すなわち、図１において、１はトラクターのシャーシフレームの前部にそれぞ れ付設されフロントアクスルを下方へ付勢してトラクターのノーズダウンを回復 する左右１対の油圧シリンダー、２，２はそれぞれフロントアクスルスプリング 、３は油タンク４の油を吸引加圧して油配管５を経て油圧シリンダー１を付勢す る油圧ポンプ、６は油配管５に挿入され、ＡＢＳの電子制御ユニットからの信号 により制御されるコントロールバルブ、７，７はそれぞれ油配管５，５に付設さ れたアキュムレーターである。 ８はブレーキペダルの踏み込みに連動して出力するブレーキ制御信号、９はト ラクターの降坂時の姿勢を検出して出力する車体姿勢信号であり、両信号８，９ は電子コントロールユニット１０に導入され、電子コントロールユニット１０は 信号８及び又は９に基づいてコントロールバルブ６を制御するようになっている 。 このような構造において、鎖線枠で囲んだ慣用のＡＢＳの作用により、雪路走 行時はトラクターは制動距離を最短にする安全走行を行うことは従前通りである が、その際、トラクターを制動するとき、またトラクターが降坂するときは、そ れぞれブレーキ制御信号８、車体姿勢信号９が電子コントロールユニットつまり ＥＣＵに入力する。 そうすると、ＥＣＵはコントロールバルブ６を制御し、油圧ポンプ３の吐出油 を油配管５を経て油圧シリンダー１，１に供給して、フロントアクスル２をシャ ーシフレームに対して押し下げることによりトラクターのノーズダイブを回復す る。 その結果、ノーズダイブはゼロとなり、従ってノーズダイブに基因して生じた フロントアクスル、リアアクスルの軸荷分のアンバランスは解消するので、ＡＢ Ｓは正規の作用を行い、トレーラーによる反作用にもかゝわらず、トラクターの 車輪ロックを防止してその制動距離を最短にすることができる。

【０００７】

【考案の効果】

要するに本考案によれば、アンチロックブレーキシステムを備えたトラクター において、ブレーキの作動及び又は車体のノーズダウンを検出してそれぞれ出力 信号を出す発信器と、シャーシフレームの前部に付設されそのフロントアクスル を下方へ変位する左右１対の油圧シリンダーと、油圧源からの圧油の上記油圧シ リンダーへの供給を制御するコントロールバルブとを具え、アンチロックブレー キシステムの作動に連動して上記発信器の出力に基づいて上記油圧シリンダーを 伸長しトラクターのノーズダイブを回復するようにしたことにより、雪路走行中 の制動時、降坂時等にＡＢＳ作動時の制動距離の増加を防止して安全運転を図る トラクターのノーズダイブ制御装置を得るから、本考案は産業上極めて有益なも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す全体系統図である。

【図２】公知のトラクター及びトレーラーを示す側面図
である。

【図３】図２のトラクターに付設されている公知のアン
チロックブレーキシステム装置を示す系統図である。

【符号の説明】

１ 油圧シリンダー ２ フロントアクスルスプリング ３ 油圧ポンプ ４ 油タンク ５ 油配管 ６ コントロールバルブ ８ ブレーキ制動信号 ９ 車体姿勢信号 １０ 電子コントロールユニット ０１ 前輪 ０２ 後輪 ０３ タイヤロックセンサー ０４ エアタンク ０５ ＥＣＵ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンチロックブレーキシステムを備えた
   トラクターにおいて、ブレーキの作動及び又は車体のノ
   ーズダウンを検出してそれぞれ出力信号を出す発信器
   と、シャーシフレームの前部に付設されそのフロントア
   クスルを下方へ変位する左右１対の油圧シリンダーと、
   油圧源からの圧油の上記油圧シリンダーへの供給を制御
   するコントロールバルブとを具え、アンチロックブレー
   キシステムの作動に連動して上記発信器の出力に基づい
   て上記油圧シリンダーを伸長しトラクターのノーズダイ
   ブを回復するようにしたことを特徴とするトラクターの
   ノーズダイブ制御装置。