JPH04128020U - 延線装置とばねバランサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 新設電線の延線に於いて、既設電線に沿い移
送可能に吊下されたロープ下端の吊金車を用いる場合、
電線荷重が複数箇の吊金車へ均等にかかるようにする。 ［構成］ ロープを上下に２分し、上ロープに懸垂され
るケース１の中心軸に、外輪内輪を備える円盤８を回転
自在に軸支する。内外輪の間隙へ臨ませ渦巻ばね１０を
巻きつけたコマ９をケースに植えた軸芯１２へ回転自在
に挿入し、ばねの内端は係止せず外端は内輪に係止す
る。外輪に巻きとめた下ロープをケース外へ引きだし、
吊金車を懸垂する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

既設電線を利用して新線を張設する場合の延線装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記の目的に用いる装置が特公昭５４−７３５２中に開示されている。既設線 に沿い移送可能なキャリヤ及び複数の上輪と、各上輪から垂下され下端に新線を 支持可能な吊金車を備える吊下ロープと、各吊下ロープをつぎつぎと適当間隔で 係止し、端末をキャリヤに結んだ曵きロープから成る装置である。

【０００３】 この装置は利用の際、吊金車を完全に同一直線上に揃えることは困難であり、 また新線は多少とも曲がりくせをもつ。このため複数の吊金車にかかる荷重は必 ずしも均等とならない。ある吊金車は無負荷、隣の吊金車は過大荷重となること も起こる。この場合過大荷重を受ける吊金車は故障を生じやすく、通過する電線 も表面に損傷を受けやすい。この点の改善が望まれていた。

【０００４】

【課題解決の手段】

一見ぜんまいばねに似ているが、内端を心棒に固定せず自由に回転するように しておくと、ばねのたわみが変わっても荷重は、殆ど変わらないことが知られて いる。この原理を利用することとし、前記の吊下ロープを上ロープと下ロープに ２分し、両者間に次の構造のバランサを介在させる。

【０００５】 上ロープに懸垂されるケースと、外輪内輪を備えケース内へ回転可能に支持さ れた円盤と、ケースに固定された軸芯上を回転可能な糸巻き状コマと、内端はコ マに係止せずに巻きつけ、外端は前記内輪に係止したテープ状ばねと、一端は外 輪に係止され外輪を巻回して他端をケース外へ引出した下ロープとから成る構造 である。下ロープを引けば円盤とともに内輪が回ってばねを巻取る。ゆるめると ばね力が復元する。

【０００６】

【実施例】

既設電線Ｅ１の下方で新線けん引用のパイロットロープＰをけん引する場合に 例をとり、図面について説明する。キャリヤ１は電線Ｅ１に沿い自走できる。複 数の上輪２も同じく電線Ｅ１に沿い移送可能で、夫々が上ロープ３を垂下し、そ の下端でバランサＢを支持する。下ロープ４は上端がバランサＢに接続し、下端 で吊金車５を支持する。吊金車５はパイロットロープＰおよびそれに後続する新 設電線を支持可能で、パイロットロープＰの先端はキャリヤ１に結ばれている。 曵きロープ６は適当間隔でつぎつぎと複数の上ロープへ係止され、その先端は同 じくキャリヤ１へ引止められている。

【０００７】 バランサＢは吊金車５にかかる新設電線の荷重を一定にするもので、図３，４ に示す如く、ケース７、円盤８、コマ９、渦巻ばね１０、下ロープ１１から成る 。ケース７は円筒形で上端を上ロープ３に係止され、中心に軸７ａを備える。円 盤８は外輪８ａと内輪８ｂとを備え、片面開放され、内輪の中心孔で軸７ａへ回 転自在に軸支される。糸まき状コマ９はケース側壁へ植込んだ軸芯１２へ回転自 在に支持され、内輪８ｂと対応位置に臨ませてある。定荷重渦巻ばね１０はコマ ９に巻きつけてあり、その内端はコマ９に係止せず、外端は内輪８ｂに係止して ある。下ロープ１１は一端が外輪８ａに係止され、外輪を巻回したあと、ケース 下端の孔１ａを通って垂下される。その下端には前記の如く吊金車５が懸垂され る。

【０００８】

【作用】

図１はキャリヤの発進前を示す。各吊金車は鉄塔Ａ１附近にあり、曵きロープ ６は何れもＵ形に垂れ下がって、先端をキャリヤに係止されている。パイロット ロープＰは各吊金車に支持され、前端は同じくキャリヤに係止され、後端部には 新設電線を接続する。キャリヤ１を図の右方へ発進させると、曵きロープに曵か れて吊金車も順番に右方へ移動する。

【０００９】 キャリヤが鉄塔Ａ２に到達したとき、曵きロープの前端を鉄塔Ａ２に係止し、 キャリヤは既設電線Ｅ２へ移しかえる（図２）。パイロットロープＰは鉄塔Ａ２ の金車１３を介してけん引し、これに後続する新線を吊金車上で移送する。その 際新線はバランサＢの作用で、各吊金車にかかる荷重が均等であるため、円滑に 移送される。新線との交換で既設線を抜きとる場合も上記方法の応用で行われる （特公昭５３−３６１５３）。なお図１，２ではバランサのコマ９が１箇の場合 を示したが、複数箇でもよい。図５には４箇の場合を示した。

【００１０】

【効果】

吊金車上を通過する電線は、各吊金車に均等な荷重で支えられ、円滑な延線作 業ができる。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の正面図である。

【図２】作用説明の正面図である。

【図３】バランサの側面図である。

【図４】バランサの正面図である。

【図５】バランサの他の実施例正面図である。

【００１２】

【符号の説明】

Ａ１，Ａ２ 鉄塔 Ｂ バランサ Ｐ パイロットロープ １ キャリヤ ２ 上輪 ３ 上ロープ ４ 下ロープ ５ 吊金車 ６ 曵きロープ ７ ケース ８ 円盤 ８ａ 外輪 ８ｂ 内輪 ９ コマ １０ 渦巻ばね １１ 下ロープ １２ 軸芯 １３ 金車

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 青 木 勝 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テツキ株式会社内 (72)考案者 浜 田 光 生 愛知県名古屋市中村区椿町５−17 三和テ ツキ株式会社名古屋営業所内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 既設電線に沿い移送可能なキャリヤ及び
   複数の上輪と、上ロープを介して各上輪から垂下され定
   荷重ばねを内蔵するバランサと、同バランサから垂下さ
   れ新設電線支持用吊金車を懸垂する下ロープと、前記複
   数本の上ロープを適当間隔でつぎつぎと係止し端末をキ
   ャリヤに係止した曵きロープとから成る吊金車式延線装
   置
2. 【請求項２】 上ロープで懸垂され中心軸を有する円筒
   形ケースと、内輪外輪を備え内輪でケースの中心軸へ回
   転可能に支持され一側面の開放された円盤と、円盤の開
   放面内で内輪と対応位置に臨ませケースに固定した軸芯
   上を回転可能な糸まき状コマと、内端をコマに係止せず
   に巻きつけ外端を前記内輪に引止めたテープ状定荷重ば
   ねと、一端を前記外輪に引止めて巻回しケース下部の孔
   を通り下端で荷重を支持する下ロープとから成る定荷重
   ばねバランサ。