JPH04127345U - 二重床パネルの支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、台板に立設したねじ支柱と該ねじ
支柱に螺合された床パネル受板とからなる二重床パネル
の支持装置において、前記ねじ支柱に対する床パネル受
板の回動による支持高さの調節及び緩み止めを簡単確実
になし得るようにせんとするものである。 【構成】 ねじ支柱２にその外周軸方向に延びる平面状
又は凹溝状の切欠部３を設け、床パネル受板１０にその
上面のねじ孔を囲んで正多角形輪郭の凹陥部１２を設
け、前記ねじ支柱２外周の切欠部３に係合する内突縁及
び前記床パネル受板１０上面の凹陥部１２に適合して嵌
入係合し得る非円形の外周縁を設けた緩み止め座板１５
により、前記ねじ支柱２と床パネル受板１０の相対的回
動を不能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建物床素地面から一定の高さに、多数の方形床パネルを隣接保持して 二重床を形成するさいに床素地上に設置する二重床パネルの支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

方形床パネルによって二重床を形成するさいに、床パネルの衝合せ十字目地位 置において、それぞれの床パネルの隅角部を支えるように、支持装置を床素地面 上に配設すること、該支持装置の床パネル支持高さを調節可能とすることは、従 来一般に行なわれている。

【０００３】 前記の支持装置としては、床素地面上に面接固定される台板にねじ支柱を固着 立設し、このねじ支柱に４枚の床パネルの衝合せ十字目地部の床パネル裏面を載 置する床パネル受板を直接螺合し、あるいはねじ支柱に螺合したナット上に係止 するように嵌入して床パネル受板の支持高さを上下調節可能になし、さらには床 パネル受板の支持高さの増大とともに上下調節範囲を拡大するため前記ねじ支柱 の下部を台板上に固設立設した雌ねじ筒に螺合支持せしめてねじ支柱自体を上下 調節可能になした構造のものが普通に用いられている。

【０００４】 上記の構造を有する従来の支持装置において、調節した床パネル受板の支持高 さの変動を防止するため、前記の螺合箇所の緩み止め手段としてダブルナット方 式を採用したもの（例えば実開昭６２−１５８０４３号公報参照）、ばね座金， ロックねじを採用したもの（例えば実開平１−１２２１３４号公報参照）などが 知られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の二重床パネルの支持装置における前記の螺着箇所の緩み止め手段は、何 れもねじ締付け圧接作用を利用するものであるので、二重床面上の歩行、器物の 移動あるいは地震などの振動によって徐々に緩みを生じ易く且つ床素地面に設置 される多数の支持装置のねじ締付け条件を均一にすることも困難であり、従って 長時間にわたって床パネル受板支持高さの変動を防止して良好な二重床面を維持 することが難しく、変動修正のための面倒な作業による保守が必要であった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は台板に立設したねじ支柱と、該ねじ支柱に螺合された床パネル受板と 、その両者の相対的回動を不能にする緩み止め座板とによって、ねじ支柱に対す る床パネル受板の回動による支持高さの調節並びに調節した支持高さ位置におい て回動不能とする係止を簡単確実になし得るようにして、前記のねじ締め緩み止 め手段の課題を解決したものである。

【０００７】 すならち、本考案は上記のねじ支柱に、その外周軸方向に延びる平面状又は凹 溝状の切欠部を設け、床パネル受板に、その上面のねじ孔を囲んで正多角形輪郭 の凹陥部を設け、緩み止め座板を前記のねじ支柱外周の切欠部に係合する内突縁 及び前記の床パネル受板上面の正多角形輪郭の凹陥部に適合して嵌入係合し得る 非円形の外周縁よりなる形状としたことを特徴とするものである。

【０００８】 ねじ支柱の外周軸方向に延びる切欠部はねじ支柱の全長又は頭部から所要長さ 範囲にわたって少なくともねじ山を平面状又は凹溝状に切削除去して形成したも のであり、床パネル受板の上面のねじ孔を囲んで設けられた正多角形輪郭の凹陥 部は、後記する緩み止め座板の板厚と略等しい深さで、ねじ孔と同心状の正方形 、正六角形，正八角形などの正多角形輪郭を有したものであり、緩み止め座板は ねじ支柱に螺合した床パネル受板の凹陥部に嵌着することにより、ねじ支柱の切 欠部と床パネル受板の凹陥部の正多角形輪郭の少なくとも一つの隅角縁部間に介 在して、ねじ支柱に対する床パネル受板の回動を阻止するような内突縁と非円形 の外周縁を有した環状板あるいは該環状板を半径方向に切断して１／２以下とし た形状の半環状板である。

【０００９】 前記の緩み止め座板はねじ支柱に遊嵌し得る内径の中心孔の内周に、ねじ支柱 の切欠部に係合し得る内突縁を設け、外周縁が床パネル受板の凹陥部に正多角形 輪郭に相似形をなした僅かな小寸法の外周縁を有した正多角形の環状板又は該環 状板を直径方向に切断して得られた内突縁を有する半環状板であることが緩み止 め作用を安定確実に得られる点で好ましく、特に半環状板の場合はねじ支柱の側 方から着脱することができ、床パネル受板の支持高さの調整作業を容易にできる のでさらに好ましい。

【００１０】 さらにねじ支柱を台板に固設立設した雌ねじ筒に螺合して、ねじ支柱自体を上 下調節可能に支持した場合には該ねじ支柱の全長にわたって前記の切欠部を設け るとともに、雌ねじ筒の上面のねじ孔を囲んで前記の床パネル受板に設けた凹陥 部と同様の凹陥部を設けて、前記と同様の緩み止め座板を用いて雌ねじ筒に対す るねじ支柱の回動の係止、その解放を容易確実にできるようにすることができる 。

【００１１】

【作用】

本考案の二重床パネルの支持装置は、ねじ支柱に上下調節可能に螺合下床パネ ル受板の回動は、緩み止め座板の内突縁をねじ支柱の切欠部に、外周縁を床パネ ル受板の上面の正多角形輪郭の凹陥部に嵌入係合することによって、ねじ支柱に 対する床パネル受板の回動を確実容易に係止でき、前記凹陥部に嵌入係合した緩 み止め座板を上方に引上げることによってその係止を解放して床パネル受板を回 動可能にすることができる。

【００１２】 ねじ支柱が台板に直接固設することなく、台板に立設した雌ねじ筒に螺着立設 された場合には、前記の緩み止め手段を適用して、雌ねじ筒に対するねじ支柱の 回動係止及びその解放を簡単確実にすることができる。

【００１３】

【実施例】

本考案を図面に示す実施例によって説明する。 図１は実施例における要部を断面とした側面図であって、１は方形又は円形の 台板、２は外周軸方向に全長に凹溝状の切欠部３を形成した図４の平面図に示し た端面形のねじ支柱であって、その下部は台板１の中央に固着立設したパイプ支 柱２０の上端に密嵌固着した雌ねじ筒２１に螺合支持され、その上部に床パネル 受板１０がその中心に設けたねじ孔を螺合して支持される。

【００１４】 床パネル受板１０は図２の上面平面図に示すように、その中央のねじ孔を囲ん で正八角形輪郭の凹陥部１２、周縁に図１，図２に示すように僅かに上方に突出 したフランジ１４を有し、一点鎖線で示すように床パネルＰの隅角部に螺着した レベル調整用のねじ脚柱Ｌの下端を載置して十字目地を形成する４枚の床パネル Ｐを支持するものである。

【００１５】 緩み止め座板１５は図３の平面図に示すように、ねじ支柱２に遊嵌し得る直径 の中心孔１８とその内周にねじ支柱２に設けた凹溝状の切欠部３に嵌入係合する 内突縁１６、及び床パネル受板１０の上面に設けた正八角形輪郭の凹陥部１２に 適合嵌入し得る正八角形の外周縁１７を有し、前記凹陥部１２間深さと略等しい 厚さの環状板であり、図１に示すようにねじ支柱２の上部に螺着した床パネル受 板１０の上面に突出したねじ支柱２に、その内突縁１６を切欠部３の凹溝内に適 合せしめて嵌込み、床パネル受板１０を回動してその上面の凹陥部１２に緩み止 め座板１５が適合嵌入することにより床パネル受板１０はねじ支柱２に対して回 動不能に係止されるものである。

【００１６】 パイプ支柱２０の上端に固着した雌ねじ筒２１とこれに上下調節可能に螺着し たねじ支柱２との間にも、その相対的回動を防止する係止手段として、前記床パ ネル受板１０に対する係止手段と同等のものを設ける。 すなわち、雌ねじ筒２１の上面のねじ孔を囲んで、前記の床パネル受板１０の 凹陥部１２と同形の凹陥部２２を設けるとともに、前記と同形の緩み止め座板２ ５をねじ支柱２に遊嵌して前記凹陥部２２に適合嵌入することにより前述のとお りの回動係止をなすことがてできる。

【００１７】 なお、前記の緩み止め座板１５，２５は図３に示す環状板であるので、前記の 緩み止め係止並びにその解放のさいに、ねじ支柱１２に沿って上下移動すること を要し、やゝ操作に手間を要するが、その形状を図５の平面図に示すようにねじ 支柱２の半円周に適合し得る内周縁１８′にねじ支柱２の切欠部３に係合し得る 内突縁１６′を有し、その外周縁１７′が床パネル受板１０の凹陥部１２の正多 角形輪郭の半部に相似形をなした半環状板とすればねじ支柱２の側方から係脱す ることができ、作業能率を向上することができる。

【００１８】 なお、図１においてナツト１９，２９はそれぞれの緩み止め係止状態の緩み止 め座板１５の上面を押えて、振動等により凹陥部１２，２２からの離脱を防止す るものである。又、図２において、１３は凹陥部１２内に嵌入した緩み止め座板 １５の離脱操作を容易にするために凹陥部１２の外周縁に設けた小凹溝であり、 凹陥部２２も同様にすることが好ましい。

【００１９】 図６は、ねじ支柱２′が直接台板１に固着立設された場合の他の実施例を示す 要部を断面とした側面図であり、この場合はねじ支柱２′の上部に螺着する床パ ネル受板１０の上下調節範囲に適合してねじ部を形成し、ねじ支柱２′の頭部か ら所要長さに切欠部３′を設ける以外は前実施例の床パネル受板１０の回動係止 手段と同様にして、ねじ支柱２′に螺合した床パネル受板１０の回動係止及びそ の係止解放を、緩み止め座板１５によって行うことができるものである。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案の二重床パネルの支持装置は、床パネル受板のね じ支柱に対する回動係止、その係止の解放は、床パネル受板の上面の正多角形輪 郭の凹陥部に緩み止め座板の嵌入，離脱によって簡単確実にでき、二重床の形成 作業、並びにその後の保守管理のさいの支持高さの調整，修正変更などの作業能 率の向上が得られ、さらに形成された二重床面は長く良好な状態を維持できるな どの実用上の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の要部を断面とした側面図であ
る、

【図２】床パネル受板の上面平面図である。

【図３】緩み止め座板の平面図である。

【図４】ねじ支柱の平面図である。

【図５】緩み止め座板の他の実施態様の平面図である。

【図６】本考案の他の実施例の要部を断面とした側面図
である。

【符号の説明】

１ 台板 ２ ねじ支柱 ３ 切欠部 １０ 床パネル受板 １２ 凹陥部 １５ 緩み止め座板 １６ 内突縁 １７ 外周縁 １８ 中心孔 ２０ パイプ支柱 ２１ 雌ねじ筒 ２２ 凹陥部

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【手続補正書】

【提出日】平成４年５月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】追加

【補正内容】

【考案の名称】 二重床パネルの支持装置

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台板（１）に立設されたねじ支柱（２）
   と、該ねじ支柱（２）螺合された床パネル受板（１０）
   と、その両者の相対的回動を不能とする緩み止め座板
   （１５）とよりなり、前記ねじ支柱（２）はその外周軸
   方向に延びる平面状又は凹溝状の切欠部（３）を有し、
   前記床パネル受板（１０）はその上面のねじ孔を囲んで
   正多角形輪郭の凹陥部（１２）を有し、前記緩み止め座
   板（１５）は前記切欠部（３）に係合する内突縁（１
   ６）及び前記凹陥部（１２）の正多角形輪郭に適合して
   嵌入係合し得る非円形の外周縁（１７）を有したもので
   あることを特徴とする二重床パネルの支持装置。
2. 【請求項２】 緩み止め座板（１５）がねじ支柱（２）
   に遊嵌し得る内径の中心孔（１８）の内周に、ねじ支柱
   （２）の切欠部（３）に係合し得る内突縁（１６）を有
   し、その外周縁（１７）が床パネル受板（１０）の凹陥
   部（１２）の正多角形輪郭と相似形をなした環状板であ
   る請求項１の二重床パネルの支持装置。
3. 【請求項３】 緩み止め座板（１５′）が、ねじ支柱
   （２）の半円周以下に適合し得る内周縁（１８′）にね
   じ支柱（２）の切欠部（３）に係合し得る内突縁（１
   ６′）を有し、その外周縁（１７′）が床パネル受板
   （１０）の凹陥部（１２）の正多角形輪郭の半部以下に
   相似形をなした半環状板である請求項１の二重床パネル
   の支持装置。
4. 【請求項４】 ねじ支柱（２′）が台板（１）に固着立
   設され、その外周軸方向に延びる平面状又は凹溝状の切
   欠部（３′）がねじ支柱（２）の頭部から一定の長さで
   設けられたものである請求項１の二重床パネルの支持装
   置。
5. 【請求項５】 ねじ支柱（２）が、台板（１）に固着立
   設されたパイプ支柱（２０）の上端部に嵌合固定した雌
   ねじ筒（２１）に螺入支持され、その外周軸方向のねじ
   支柱（２）の全長にわたって平面状又は凹溝状の切欠部
   （３）を有し、前記雌ねじ筒（２１）はその上端面のね
   じ孔を囲んで正多角形輪郭の凹陥部（２２）を有し、前
   記切欠部（３）に係合する内突縁（１６）（１６′）及
   び前記凹陥部（２２）の正多角形輪郭に適合して嵌入係
   合し得る非円形外周縁（１７）（１７′）を有した緩み
   止め座板（１５）（１５′）により、ねじ支柱（２）と
   雌ねじ筒（２１）との相対的回動を不能に係止した請求
   項１の二重床パネルの支持装置。