JPH04126347U - デイスクチヤツキング機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスクプレーヤのチャッキング機構におい
て、チャックバネの弾性力に対して安定動作を行うよう
に駆動力を高め、かつチャッキング動作時間を短縮させ
る。 【構成】ドライブ機構を昇降させるカム板に大小のラッ
クを設け、該ラックをピッチの異なる歯車で駆動し、荷
重のかかるチャッキング時に小ラックに噛合させて駆動
力を高め、ドライブ機構の昇降のみには大ラックに切替
え噛合させて昇降速度を速くする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディスクプレーヤに係り、詳しくはドライブ機構を昇降させるディス クチャッキング機構に関する。 尚、該機構が組み込まれるディスクプレーヤには再生専用のものと記録再生両用 のものがあり、また該ディスクプレーヤに使用されるディスクには光学式、静電 式等種々の方式がある。 ディスクに記録される内容も音響映像等の家庭用ものから、コンピュータのデ ジタル信号の外部記録等の産業用まであり、デイスクの径も８ｃｍ、１２ｃｍ、 ２０ｃｍ、３０ｃｍ等種々のものがある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図３に示したように箱型の本体ケース（１）に対して進退するスライド トレイ（２）と該スライドトレイ（２）がケース（１）内に完全に収納された後 ケース（１）内で上昇し、そのターンテーブル（３）がスライドトレイ（２）上 のディスク中心孔（４）へと嵌まり込むドライブ機構（５）とケース（１）内に 固定したチャックシャーシ（６）の中央部下面側にチャックバネ（１０）を介し て下方に弾圧支持させ、上記ターンテーブル（３）の直上に配設させたチャック 板（７）とからなり、ドライブ機構（５）の昇降によりディスク（１３）のチャ ッキングを行う技術がある。

【０００３】 すなわち、ドライブ機構（５）の昇降枠（８）の側面にはカムローラ（９）が 設けてあって、カムローラ（９）に係合するカム面（１１）を有するカム板（１ ２）をピニオンギヤ（１６）の回転により進退させればドライブ機構（５）が昇 降するようになっている。

【０００４】 ピニオンギヤ（１６）は本体ケース（１）内に立設されたモータ出力軸（１４ ）に固定されており、カム板（１２）の端部にはピニオンギヤ（１６）に噛合う ラック（１５）が形成してある。

【０００５】 まず、スライドトレイ（２）がケース（１）内に完全に収納された状態でピニ オンギヤ（１６）を反時計回りに回転させると、ピニオンギヤ（１６）とラック （１５）との噛合いにより、カム板（１２）が矢印方向に移動し、カムローラ（ ９）がカム面（１１）を上ってドライブ機構（５）が上昇する。

【０００６】 ドライブ機構（５）の上昇により、ターンテーブル（３）はディスク（１３） の中心孔へ嵌り込み上記チャック板（７）に圧接され、該ディスク（１３）はタ ーンテーブル（３）とチャック板（７）に挟持されチャッキングが完了する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の技術ではターンテーブル（３）及びディスク（１３ ）をチャック板（７）に圧接する時にチャックバネ（１０）の荷重がかかる為、 該圧接の前後においてドライブ機構（５）の移動速度が一定であると動作が不安 定となり、また動作を安定させる為，該移動速度を遅くするとチャッキング動作 時間が長くなり、チャッキング動作に適切な速度にすることができず、また、歯 車列等を使用して変速する技術も知られているが、部品点数が増え機構が複雑に なる等の欠点があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るディスクチャッキング機構は上記欠点を解消する為なされたも のであり、ドライブ機構を該ドライブ機構に設けられたラックに歯車の回転力を 伝達させることにより昇降させてデイスクのチャッキングを行うデイスクチャッ キング機構において、ピッチの異なる複数の歯車を同軸に連設し、前記歯車各々 に噛合する複数のラックを該ドライブ機構に設けたことを特徴とする。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１及び図２にもとづいて説明する。 図１はチャッキング機構部の側面図であり、図２は同機構部の平面図である。 単一駆動源としてのピニオンギヤ（１６）（１７）は本体ケース（１）内に立 設した１本の駆動軸（１４）に固定してあり、カム板（１２）は図示しないガイ ドにより、図２上下方向にのみ移動自在であって、カム板（１２）の一端には昇 降枠（８）のカムローラ（９）に係合するカム面（１１）が形成してあり、他端 にはラック（１８）（１９）が形成してある。該ラック（１８）とラック（１９ ）とのピッチは異っており、図１上下方向に段違いに形成されている。

【００１０】 昇降枠（８）にはドライブ機構（５）が固定してあり、このドライブ機構（５ ）上面側に図示しないモータの出力軸（２０）を突出させ上端にターンテーブル （３）を設けている。 スライドトレイ（２）は一点鎖線で示してあり、ドライブ機構（５）が下降位 置にある状態でのみ進退し、ディスク（１３）の出し入れを行う。

【００１１】 また、本体ケース（１）内に固定したチャックシャーシ（６）中央部下面側にチ ャックバネ（１０）を介して下方に弾圧支持させ、前記ターンテーブル（３）の 直上にチャック板（７）を配設させ、ドライブ機構（５）を上昇させたとき、タ ーンテーブル（３）上面側をチャック板（７）に圧接させ、スライドトレイ（２ ）に載せるディスク（１３）をチャック板（７）とターンテーブル（３）とで挟 持するよう構成されている。

【００１２】 まず、スライドトレイ（２）に載せられたディスク（１３）が本体ケース（１ ）内に収納された後（図１）、ピニオンギヤ（１６）（１７）を図２反時計回り に回転させるとピニオンギヤ（１６）とラック（１８）の噛合いにより、カム板 （１２）が、矢印方向に移動し始める。

【００１３】 該カム板（１２）の移動により、カムローラ（９）がカム面（１１）を昇って ドライブ機構（５）が上昇し、ターンテーブル（３）上面側がディスク（１３） 中心孔に嵌まり込んで、該ディスク（１３）を持ち上げる。この時、ラック（１ ８）とピニオンギヤ（１６）は、ピッチが大きいのでカム板（１２）は速く移動 する。

【００１４】 また、カムローラ（９）がカム面（１１）の斜面部の途中で、すなわち、ディ スク（１３）がチャック板（７）に圧接される直前で、ラック（１８）はピニオ ンギヤ（１６）から外れる長さに形成してあり、この噛合が外れた後にラック（ １９）がピニオンギヤ（１７）に噛合い、２本のラック（１８）（１９）は、交 互にピニオンギヤ（１６）（１７）に噛合い切替わるようになっている。

【００１５】 すなわち、カムローラ（９）が斜面部の途中まで昇ると、ピニオンギヤ（１６ ）とラック（１８）の噛合いが外れ、ピッチの小さいピニオンギヤ（１７）とラ ック（１９）が噛合い、カム板（１２）がさらに移動を続け、ドライブ機構（５ ）が上昇する。 ピニオンギヤ（１６）（１７）の駆動軸（１４）は常に一定速度で回転してい るので、ピニオンギヤ（１７）とラック（１９）との噛合いに切替わると、カム 板（１２）の移動速度が遅くなり、駆動力が大きくなる。

【００１６】 そして、ピニオンギヤ（１７）を更に回転させると、ドライブ機構（５）が上 昇を続け、ターンテーブル（３）によって持ち上げられたディスク（１３）がチ ャック板（７）に圧接され、チャックバネ（１０）の弾性力に反発してチャック 板（７）を上方に押え、ディスク（１３）がターンテーブル（３）とチャック板 （７）とで挟持されてチャッキング動作が完了する。

【００１７】 このチャッキング動作後にディスク（１３）を回転させ、所定の再生あるいは 記録動作を行い、再生、記録動作後は駆動軸（１４）を逆回転させることにより 、上述と逆動作が行われるもので、まず、カム板（１２）を摺動させてターンテ ーブル（３）を下降させてディスク（１３）とチャック板（７）との当接を外す と共に、ピニオンギヤ（１６）とラック（１８）との噛合に切替えて、カム板（ １２）の速度を速くし、スライドトレイ（２）上にディスク（１３）を載せるも のである。

【００１８】 以上の説明はドライブ機構（５）に対しチャックシャーシ（６）チャック板（ ７）が上側にありドライブ機構を上昇させることによりチャッキングする方法に ついて述べたがドライブ機構（５）に対しチャックシャーシ（６）及びチャック 板（７）が下側にありドライブ機構（５）を下降させることによりチャッキング する構造であってもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上の様に本考案によれば、ピッチの異なる歯車とそれに噛合するラックをカ ム板に設けて、移動体であるカム板の速度を荷重のかかるチャッキング動作の前 後で変えたので、ディスクのチャッキング動作が安定し、動作速度及び駆動力を 適切に設定できる。また、歯車列等を必要としないので機構が簡単となり、部品 点数が削減されコストダウン並びに装置の小型化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案を適用した一実施例のチャッキング機
構の側面図

【図２】 本考案を適用した一実施例のチャッキング機
構の平面図

【図３】 従来のディスクプレーヤの斜視図

【図４】 従来のチャッキング機構の側面図

【符号の説明】 （１） 本体ケース （２） スライドトレイ （３） ターンテーブル （４） 中心孔 （５） ドライブ機構 （６） チャックシャーシ （７） チャック板 （８） 昇降枠 （９） カムローラ （１０） チャックバネ （１１） カム面 （１２） カム板 （１３） ディスク （１４）（２０） 出力軸 （１５）（１８）（１９） ラック （１６）（１７） ピニオンギヤ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドライブ機構を該ドライブ機構に設けられ
   たラックに歯車の回転力を伝達させることにより昇降さ
   せてディスクのチャッキングを行うディスクチャッキン
   グ機構において、ピッチの異なる複数の歯車を同軸に連
   設し、前記歯車各々に噛合する複数のラックを該ドライ
   ブ機構に設けたことを特徴とするディスクチャッキング
   機構。