JPH04124889U - 回転伝達装置 - Google Patents
回転伝達装置Info
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Landscapes
- Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 初期トルクの変動をなくし、長期間一定のト
ルクを伝達できるようにする。 【構成】 第1の回転軸2と、その第1の回転軸2に固
着される板状永久磁石3と、その板状永久磁石3の両面
にリング20を介して吸着されるヒステリシス板6,7
と、前記ヒステリシス板6,7の円周方向については係
合の関係にあり且つ面方向については摺動可能な関係に
ある第2の回転軸8とを具備してなる。前記板状永久磁
石3と前記ヒステリシス板6,7の間のヒステリシスト
ルクにより前記第1の回転軸2と前記第2の回転軸8の
間で回転を伝達する。 【効果】 安定した制御を行うことが出来る。
ルクを伝達できるようにする。 【構成】 第1の回転軸2と、その第1の回転軸2に固
着される板状永久磁石3と、その板状永久磁石3の両面
にリング20を介して吸着されるヒステリシス板6,7
と、前記ヒステリシス板6,7の円周方向については係
合の関係にあり且つ面方向については摺動可能な関係に
ある第2の回転軸8とを具備してなる。前記板状永久磁
石3と前記ヒステリシス板6,7の間のヒステリシスト
ルクにより前記第1の回転軸2と前記第2の回転軸8の
間で回転を伝達する。 【効果】 安定した制御を行うことが出来る。
Description
【0001】
この考案は、回転伝達装置に関し、特にトルクリミッタとして有用な回転伝達
装置に関する。
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ等の給紙装置には、一定のトルク値を有する
回転伝達装置が必要とされる。従来のこの種の回転伝達装置の一例を図10に示
す。
【0003】
この回転伝達装置51では、第1の回転軸2に、円板状永久磁石3が固着され
ている。図11に、円板状永久磁石3の正面を示す。
円板状永久磁石3の両面には、ワッシャ54,55を挟んで、円板状のヒステ
リシス板6,7が吸着されている。図12に、ワッシャ4,5の正面を示す。ま
た、図13に、円板状のヒステリシス板6,7の正面を示す。
ヒステリシス板6,7は、第2の回転軸8に対して、円周方向については係合
の関係にあり且つ面方向については摺動可能な関係にある。
第1の回転軸2を回転すると、円板永久磁石3が回転し、ヒステリシストルク
によりヒステリシス板6,7が回転し、第2の回転軸8に回転が伝達される。
【0004】
上記従来の回転伝達装置51では、図14に示すように、初期トルクが大きく
、次第にトルクが低下してくる特性がある。この図14の例は、厚さ0.25(mm
),66−ナイロン製のワッシャ54,55を使用し、回転速度を400(rpm)
とした場合の測定結果である。
【0005】
このような特性を示す理由は、円板永久磁石3とワッシャ54,55とが面接
触しており、また、ワッシャ54,55とヒステリシス板6,7とが面接触して
おり、円板永久磁石3とヒステリシス板6,7の間のヒステリシストルクに比べ
て無視できない大きさの摩擦トルクが存在し、この摩擦トルクが時間と共に低下
するためと考えられる。
【0006】
しかし、このようにトルクが大きく変化すると、安定した制御が行えない問題
点がある。
そこで、この考案の目的は、トルク変動の少ない構造に改良した回転伝達装置
を提供することにある。
【0007】
この考案の回転伝達装置は、第1の回転軸と、その第1の回転軸に固着される
板状永久磁石と、その板状永久磁石の片面もしくは両面に少なくとも1個のリン
グを介して吸着されるヒステリシス板と、前記ヒステリシス板の円周方向につい
ては係合の関係にあり且つ面方向については少なくとも一方向に摺動可能な関係
にある第2の回転軸とを具備し、前記板状永久磁石と前記ヒステリシス板の間の
ヒステリシストルクにより前記第1の回転軸と前記第2の回転軸の間で回転を伝
達することを構成上の特徴とするものである。
【0008】
この考案の回転伝達装置では、第1の回転軸に固着された板状永久磁石の片面
,または,両面に少なくとも1個のリングを介してヒステリシス板が吸着されて
いる。
リングを介しての接触面積は、従来のワッシャに比べて格段に小さいので、実
質的にヒステリシストルクのみによって回転が伝達されることとなり、初期トル
クの変動がなくなり、トルクが長時間安定する。
【0009】
以下、図に示す実施例によりこの考案をさらに詳しく説明する。なお、これに
よりこの考案が限定されるものではない。
図1は、この考案の回転伝達装置を、複写機の給紙装置に適用した第1の実施
例を示す断面図である。
【0010】
この給紙装置1において、第1の回転軸2は、高摺動グレードのポリアセター
ル(POM)樹脂製である。なお、この第1の回転軸2は、前記した高摺動グレ
ードのポリアセタール樹脂のほか、カーボン繊維入りのポリアセタール樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使用できる。
【0011】
円板永久磁石3は、Nd-Fe-B系磁石であり、前記第1の回転軸2に圧入に
より固着されている。また、第1の回転軸2に設けられた溝に、板状永久磁石3
の突起が嵌合して、回り止めしている。
【0012】
上記板状永久磁石3の両面には、リング20,21を挟んで、ヒステリシス板
6,7が吸着されている。複数個のリングを挟むことも可能である。
【0013】
リング20,21は、線径0.2(mm),SUS304製のワイヤーを環状にし
たものである。一般に、磁性または非磁性の金属もしくはプラスチックの硬質ワ
イヤーを環状にしたものが使用できる。
【0014】
リング20(21)は、図2,図3のように、板状永久磁石3上に磁力で吸着
され、さらに、内側リング押え部材22a(23a)と外側リング押え部材22
b(23b)とにより位置決めされている。
【0015】
内側リング押え部材22a,23aは、厚さ0.13(mm),66−ナイロン製
の円盤で、リング20,21の内径より小さい外径を持っている。
外側リング押え部材22b,23bは、厚さ0.13(mm),66−ナイロン製
の円盤で、リング20,21の外径より大きい内径を持っている。
【0016】
図4に示すように、リング押え部材22a,22b(23a,23b)とリン
グ20(21)との隙間には、例えばコスモハイドロの如き中粘度の耐摩耗性作
動油24を保持させている。
【0017】
ヒステリシス板6,7は、Fe-Cr-Co系の半硬質磁性材料製である。
第2の回転軸8は、高摺動グレードのポリアセタール(POM)樹脂製で、前
記第1の回転軸2に同心に嵌められている。なお、この第2の回転軸8は、前記
した第1の回転軸2と同様の樹脂を使用することが出来る。
【0018】
前記ヒステリシス板6,7の切欠と前記第2の回転軸8のリブとが嵌合し、ヒ
ステリシス板6,7の円周方向については両者は係合の関係にある。すなわち、
ヒステリシス板6,7と第2の回転軸8とは同時に回転する。しかし、ヒステリ
シス板6,7の面方向については両者は一方向に摺動可能な関係にある。すなわ
ち、図1において、第1の回転軸2を右方向に,第2の回転軸8を左方向に摺動
すると、第1の回転軸2と第2の回転軸8とを外すことが出来る。
【0019】
筒状磁性体9は、磁性ステンレススチール製であり、第2の回転軸8に接着に
より固着されている。
図1に示すように、第2の回転軸8を第1の回転軸2に同心に嵌めた状態では
、板状永久磁石3およびヒステリシス板6,7によって筒状磁性体9が磁力吸引
される。第2の回転軸8の一部がヒステリシス板6,7の面に当接する位置にお
いて、ヒステリシス板6からはみ出す筒状磁性体9の長さβが,ヒステリシス板
7からはみ出す筒状磁性体9の長さαより小さい寸法にしておくと、第2の回転
軸8が外れるのを防止する方向に磁力吸引力が常に働き、回転軸2,8の所定の
位置関係を維持することが出来る。すなわち、筒状磁性体9が磁力吸引されてい
るため、通常時には第1の回転軸2と第2の回転軸8とが所定の位置関係に維持
されるが、人の力により容易に第2の回転軸8を抜抜くことが出来るため、リン
グ20,21を線径の異なるものと交換したり,ヒステリシス板6,7を種類の
異なるものと交換して、トルク値を容易に調整できるようになる。
また、筒状磁性体9が磁気もれを防ぐため、磁気による他への悪影響を生じな
くなる。
【0020】
ゴムローラ10は、第2の回転軸8に接着または圧入により装着されている。
さて、この給紙装置1において、給紙モータ(図示省略)により第1の回転軸
2が回転されると、これに固着された板状永久磁石3が回転し、ヒステリシスト
ルクによりヒステリシス板6,7が回転し、第2の回転軸8が回転する。そして
、ゴムローラ10が回転し、複写用紙を送り出すことになる。
【0021】
以上に説明した回転伝達装置では、ヒステリシストルクに比べて摩擦トルクは
無視できるくらい小さいため、初期トルクの変動がなく、長時間に渡って一定の
トルクを得ることが出来る。回転速度400rpmで測定した時間経過に対する
トルク値の変化の特性を図5に示す。
【0022】
次に、図6,図7は、この考案の第2の実施例で、板状永久磁石3に溝25を
刻設し、その中にリング20を配置したものである。溝25の切れ目とリング2
0の切れ目とで、リング20が回り止めされている。この構造は、板状永久磁石
3に磁力で吸着されない非磁性のリングの場合に適する。
図8に示すように、リング押え部材22a,22bとリング20と溝25の隙
間には、中粘度の耐摩耗性作動油24を保持させる。
【0023】
次に、図9は、この考案の第3の実施例を示す図1相当図である。
この回転伝達装置31は、図1の回転伝達装置におけるリング20,リング押
え部材22a,22bおよびヒステリシス板6をなくし、ヨーク板26を板状永
久磁石3の片面に貼りつけたものである。
ヨーク板26は、磁性ステンレス製円盤である。
【0024】
この考案の回転伝達装置によれば、初期トルクの変動がなくなり、長時間に渡
って一定のトルクを得ることが出来るため、制御性が良くなる。
【図1】この考案の回転伝達装置を適用した複写機の給
紙装置の断面図である。
紙装置の断面図である。
【図2】図1に示す装置における板状永久磁石,リン
グ,リング押え部材の正面図である。
グ,リング押え部材の正面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】図1に示す装置における作動油の保持を示す断
面図である。
面図である。
【図5】図1の回転伝達装置の時間−トルク特性図であ
る。
る。
【図6】この考案の第2の実施例における板状永久磁
石,リング,リング押え部材の正面図である。
石,リング,リング押え部材の正面図である。
【図7】図6のY−Y断面図である。
【図8】図6に示す装置における作動油の保持を示す断
面図である。
面図である。
【図9】この考案の第3の実施例における図1相当図で
ある。
ある。
【図10】従来の回転伝達装置の一例における図1相当
図である。
図である。
【図11】図10に示す装置における板状永久磁石の正
面図である。
面図である。
【図12】図10の装置におけるワッシャの正面図であ
る。
る。
【図13】図10の装置におけるヒステリシス板の正面
図である。
図である。
【図14】図10の回転伝達装置の時間−トルク特性図
である。
である。
1 複写機の給紙装置
2 第1の回転軸
3 板状永久磁石
6 ヒステリシス板
7 ヒステリシス板
8 第2の回転軸
9 筒状磁性体
10 ゴムローラ
20 リング
21 リング
22a 内側リング押え部材
22b 外側リング押え部材
23a 内側リング押え部材
23b 外側リング押え部材
24 耐摩耗性作動油
25 溝
26 ヨーク板
Claims (5)
- 【請求項1】 第1の回転軸と、その第1の回転軸に固
着される板状永久磁石と、その板状永久磁石の両面にそ
れぞれ少なくとも1個のリングを介して吸着される2つ
のヒステリシス板と、それら2つのヒステリシス板の円
周方向については係合の関係にあり且つ面方向について
は少なくとも一方向に摺動可能な関係にある第2の回転
軸とを具備し、前記永久磁石と前記ヒステリシス板の間
のヒステリシストルクにより前記第1の回転軸と前記第
2の回転軸の間で回転を伝達することを特徴とする回転
伝達装置。 - 【請求項2】 第1の回転軸と、その第1の回転軸に固
着される板状永久磁石と、その板状永久磁石の一面に密
着されるヨーク板と、その板状永久磁石の他面に少なく
とも1個のリングを介して吸着されるヒステリシス板
と、それら2つのヒステリシス板の円周方向については
係合の関係にあり且つ面方向については少なくとも一方
向に摺動可能な関係にある第2の回転軸とを具備し、前
記永久磁石と前記ヒステリシス板の間のヒステリシスト
ルクにより前記第1の回転軸と前記第2の回転軸の間で
回転を伝達することを特徴とする回転伝達装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2の回転伝達装置
において、リングの内径より小さい外径を持ち且つリン
グの線径より小さい厚みを持つ内側リング押え部材と、
リングの外径より大きい内径を持ち且つリングの線径よ
り小さい厚みを持つ外側リング押え部材とをさらに有す
ることを特徴とする回転伝達装置。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかの回転
伝達装置において、リングの内径にほぼ等しい内径を持
ち且つリングの線径より大きい幅をもつリング溝を板状
永久磁石に刻設したことを特徴とする回転伝達装置。 - 【請求項5】 請求項3または請求項4のいずれかの回
転伝達装置において、リング押え部材とリングとの隙間
またはリング溝とリングとの隙間に耐摩耗性作動油を保
持させたことを特徴とする回転伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991029532U JP2554244Y2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 回転伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991029532U JP2554244Y2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 回転伝達装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04124889U true JPH04124889U (ja) | 1992-11-13 |
JP2554244Y2 JP2554244Y2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=31913375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991029532U Expired - Fee Related JP2554244Y2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 回転伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2554244Y2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS593783U (ja) * | 1982-06-28 | 1984-01-11 | 株式会社日立製作所 | 回転体のクラツチ機構 |
JPS5975781U (ja) * | 1982-11-10 | 1984-05-23 | 第一化成株式会社 | マグネツトクラツチ |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP1991029532U patent/JP2554244Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS593783U (ja) * | 1982-06-28 | 1984-01-11 | 株式会社日立製作所 | 回転体のクラツチ機構 |
JPS5975781U (ja) * | 1982-11-10 | 1984-05-23 | 第一化成株式会社 | マグネツトクラツチ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2554244Y2 (ja) | 1997-11-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |