JPH04124730U - 符号照光押釦スイツチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 押釦スイッチ用カバー部材の押釦部上面に表
示される符号の輪郭を鮮明にする。 【構成】 押釦スイッチカバーの押釦部１を押圧して可
動接点と固定接点を接触させる符号照光押釦スイッチに
おいて、表面に符号を表示した押釦部１の裏面に、印刷
した白色絶縁層よりなる遮蔽膜８と、その上に重ねて印
刷した同形の黒色導電層からなる可動接点９とを有す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、押釦部表面に表示された符号が認識され易い符号照光押釦スイッチ に関する。

【０００２】

【従来の技術】

押釦スイッチは、図２（ａ）、（ｂ）に示すように、押釦部１を押すと可動接 点２が固定接点３に接触してスイッチ端子４、５を閉じるものである。 従来の文字照光押釦スイッチは、透明または半透明のゴムで作られた押釦スィ ッチカバーの押釦部１の表面に、文字、数字、記号等の符号６が表示され、これ に下方の回路基板（図示しない）から光７を投射して、暗所でも符号６を明確に 識別できるようにしたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、押釦部１の裏面に透明ゴムにカーボンブラックを分散した黒色 導電剤よりなる可動接点２を直接取付けた場合は、可動接点２が押釦部表面の符 号６を照射する光７の通路を遮り、符号の識別性が部分的に妨げられ、外観上好 ましいものではなかった。

【０００４】 この欠点を解消するため、図３に示すように、黒色の導電性ゴムよりなる可動 接点２の片面に白色の絶縁性ゴム８をあらかじめラミネートし、このゴムを介し て可動接点２を押釦部１の裏面に接合一体化し、光が白色の絶縁性ゴムの側方よ り符号の直下に廻り込むようにした構造が提案されているが、押釦スイッチカバ ーを製造する場合、金型に固定接点２を挿入するには、常に白色の絶縁性ゴム８ の側を押釦部２の裏面の方向に向けなければならず、また固定接点２にダレ、カ ケ等の不良が発生し易いうえ、異形接点への対応性が低く、製品のデザインに制 約を受けるという不利があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案者らは、種々検討を重ねた結果、符号の輪郭を鮮明に認識させる押釦 スイッチの構成を見出し、本考案を完成したのであって、これは押釦スイッチカ バーの押釦部を押圧して可動接点と固定接点を接触させる符号照光押釦スイッチ において、表面に符号を表示した押釦部の裏面に、印刷した白色絶縁層からなる 遮蔽膜と、その上に重ねて印刷した同形の黒色導電層からなる可動接点とを有す ることを特徴とする符号照光押釦スイッチを要旨とするものである。

【０００６】

【作用】

以下図面によって本考案を説明する。 図１（ａ）において、押釦部１の表面には符号６が印刷等により形成され、裏 面には印刷により遮蔽膜８、可動接点９が順次形成されている。押釦部１を押す と可動接点９は固定接点１０に接触しスイッチ動作が行われるが、固定接点側よ り照射される光は、遮蔽膜８の側方より廻り込んで符号の方へ進み符号の輪郭は 鮮明に認識される。 また図１（ｂ）に示すように、遮蔽膜８、可動接点９、固定接点１０をリング 状とし、光が直行して符号の方へ進行できるようにすれば、一層鮮明に符号を識 別することができる。

【０００７】 透明または半透明の押釦スィツチカバーは、例えばゴム、可塑性エラストマー のいずれでもよい。 また遮蔽膜８には、スイッチ部材と同系材質の樹脂に、高い抗板力を有する酸 化チタン、亜鉛華等の白色無機顔料を、樹脂重量の２０〜６０％添加配合した白 色インキが好ましい。遮蔽膜の厚さは、使用するインキの樹脂材質、白色無機顔 料の含有量、回路側より投射する光の照度等によって定められるが、通常は５μ ｍ以上とすることが望ましい。可動接点は、スイッチ部材と同系の樹脂にカーボ ンブラック等の導電粒子を分散した黒色インキが適当である。 これらのインキは、従来公知の方法、例えばスクリーン印刷、ペッド印刷、細 い棒または管の先端にインキを付着させ、これを転写する方法等で押釦部１の裏 面に印刷した後、加熱、紫外線照射、電子線照射等の適宜な方法で乾燥、固着さ せる。固定接点１０は従来の符号照光押釦スイッチのものと同様にして形成させ る。

【０００８】

【実施例】

シリコーンゴム・ＫＥ９５１Ｕ〔信越化学工業（株）製、商品名〕を用い、形 状が１０（Ｗ）×１０（Ｄ）×５（Ｈ）ｍｍの１０個の押釦部をもつ透明なゴム 製押釦スイッチカバーを作製し、このゴム製押釦スイッチカバーの各押釦部表面 中央に、黒色のシリコーン系印刷インキ・シルマークＢＬＭ（同社製、商品名） を用い、厚さ約２０μｍ、外径約５ｍｍの「０」〜「９」の数字をスクリーン印 刷により形成させた。

【０００９】 つぎにこのゴム製押釦スイッチカバーの押釦部裏面中央に、白色のシリコーン 系印刷インキ・シルマークＷＭ〔同社製、商品名〕を、スクリーン印刷により印 刷した後、これを乾燥器中において２００℃で６０分乾燥して、厚さ約２０μｍ の白色遮蔽膜を得た。

【００１０】 ついでこの白色遮蔽層に重ねて、導電性インキＰＲＫ−３Ｃ（東レ、ダウコー ニングシリコーン（株）製、商品名）を、スクリーン印刷した後、これを乾燥器 中において２００℃で６０分乾燥して、厚さ約５０μｍの可動接点を得た。 上記した方法により得られた符号照光押釦スイッチに、回路基板側から４７０ カンデラの光を投射し、押釦部上面に形成された「０」〜「９」の数字の識別性 を試験したところ、可動接点に妨げられることなく「０」〜「９」の数字が良好 に識別された。

【００１１】

【考案の効果】

本考案による符号照光押釦スイッチでは、回路基板側から光を投射すると、押 釦部表面の符号は良好に識別される。また白色遮蔽層、可動接点とも印刷により 形成されるため、従来の方法に比べ生産性が向上し、不良率が低減できるのみで なく、接点形状に対する自由度が増し、製品デザインへの対応性が向上するとい う有利性が与えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本考案の符号照光押釦スイッチの、
図２（ａ）のＸ−Ｘ線と同じ場所における縦断面図、
（ｂ）は、本考案の他の例の、図２（ａ）のＸ−Ｘ線と
同じ場所における縦断面図である。

【図２】（ａ）は従来の符号照光押釦スイッチの押釦部
の平面図、（ｂ）は（ａ）のＸ−Ｘ線に沿う縦断面図で
ある。

【図３】従来の他の例の符号照光押釦スイッチの、図２
のＸ−Ｘ線と同じ場所における縦断面図である。

【符号の説明】

１ 押釦部 ７ 光 ２ 可動接点 ８ 遮蔽膜 ３ 固定接点 ９ 可動接点 ４、５ 端子 １０ 固定接点 ６ 符号

Claims (1)

整理番号 Ｕ３９０１０９ 【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 押釦スイッチカバーの押釦部を押圧して
   可動接点と固定接点を接触させる符号照光押釦スイッチ
   において、表面に符号を表示した押釦部の裏面に、印刷
   した白色絶縁層からなる遮蔽膜と、その上に重ねて印刷
   した同形の黒色導電層からなる可動接点とを有すること
   を特徴とする符号照光押釦スイッチ。