JPH04122791A - 船舶廃油の再生方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は船舶廃油の再生方法に関する。

〔従来技術〕

船舶からは種々の廃油が発生する。例えばディーゼルエ
ンジン駆動の船舶においては、燃料油として、重油又は
軽油が用いられるが、その中には精製段階で分解、脱硫
等の処理操作を経ているため触媒等の微粒子を含有して
いることが多い。

これらの固形分を含んだ燃料油をディーゼルエンジンに
供給した場合には、エンジンの損傷の原因になるので現
在では分離板式遠心分離機（油清浄機）等で処理し、固
形分を除去してからエンジンに供給している。この際、
固形分く以下スラッジという）を含んだ廃油が相当量発
生するが、この廃油は遠心分離機のスラッジ排出の際の
置換水もかなり含んでいるのが通例である。またディー
ゼルエンジン燃料油の最近の劣悪化にともないエンジン
の潤滑油の汚れ方もひどく、この潤滑油の清浄化にも分
離板式遠心分離機が使用されており、この清浄において
もスラッジを含んだ廃油が相当量発生している。さらに
はビルジ処理装置からも廃油が回収される。

従来これらのスラッジを含んだ廃油は、船内の焼却炉で
焼却したり、あるいは船内のボイラの燃料として使用し
たり、又は船内の貯槽に溜めておき入港時に陸揚げする
方法がとられているが、これらの方法には次のような問
題がある。すなわち第１の方法では貴重な石油系燃料を
有効利用せずに単に焼却処分しており、石油資源の有効
利用の点からも問題であること、第２の方法では廃油ス
ラッジ中のアルカリ系無機分がボイラーチューブに付着
してボイラ損傷の原因になっていること、そして第３の
方法では船内の貴重な場所を占有したり、あるいは廃油
の陸揚費用が高価であるため経済的でないという問題で
ある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は叙上の従来技術の問題点に鑑みてなされたもの
であって、船内で発生するスラッジ及び水分を含有する
廃油を処理して、スラッジ及び水分を効率よく除去しデ
ィーゼルエンジンの燃料油として使用できる良質の油に
再生する方法を提供することを課題と“するものである
。

〔課題を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、スラッジ等を含有する船
舶廃油を次の（イ）〜（ハ）工程、すなわち　（イ）予
熱槽中の廃油を加熱し廃油中の水分を蒸発して除去する
工程、（ロ）前記（イ）工程から出る廃油をデカンタ−
型遠心分離機で遠心分離して廃油中のスラッジ分を除去
する工程、　（ハ）前記（ロ）工程から出る廃油を沈澱
槽にて凝集沈澱剤を添加して廃油中の微粒子を凝集沈澱
して除去する工程で処理することを特徴とする船舶廃油
の再生方法である。

〔作　　用〕

廃油中には、遠心分離機でスラッジを排出する際に導入
する置換水等にもとづく水分が混入している。この水分
は廃油中でエマルジョン化していたり、あるいは廃油と
の比重差が少いため静置分離やデカンタ−型遠心分離機
では分離が困難である。このため本発明においては水と
廃油との沸点差を利用して蒸発により除去している。す
なわち水の沸点は１００℃であるが、重油あるいは軽油
はいずれも２００℃前後であり、廃油を１００℃前後迄
加熱すれば水分は蒸発して除去できる。またこの加熱は
、次工程のデカンタ−で処理する場合の予熱温度として
も好ましいことである。なぜなら常温では、重油、潤滑
油は粘度が高くて、遠心分離機の分離効率は低くなるが
、１００”ｃ前後に予熱してから処理すれば分離効率は
大巾に向上するがらである。水分が除去され、好適に予
熱された廃油は、次いでデカンタ−型遠心分離機に供給
され、遠心分離の作用を受けてスラッジ分は分離濃縮さ
れて、スラッジ排出孔から固形分濃度が３５〜４５％程
度のケーキとして機外に排出される。高濃度に濃縮され
るため大巾に減容されるので船内に貯留しても貯槽は小
容量のもので済む、デカンタ−としては回転体と若干の
差速をもって同軸的に回転するスクリュウコンベヤとか
らなる通常のデカンタ−でもよいが、特公昭６３−２２
１８号で開示されたような縦通分離板を具備したデカン
タ−の方が分離精度が高いため好適である。デカンタ−
型遠心分離機から流出する分離油中には、遠心分離では
除去されなかった１０μ園以下の微粒子のスラッジが残
存しており、このままではディーゼルエンジンの燃料油
としては使用できない。このため沈澱槽の凝集部で、凝
集沈澱剤を添加して撹拌した後に沈降部で静置して凝集
した微細粒子を沈澱槽底部に濃縮して抜出し分離する。

この凝集沈澱して分離した固形分は、粒子径が大きくな
っているため、前記の予熱槽に戻してデカンタ−型遠心
分離機で再度処理して除去することも可能である。

〔実施例〕

以下実施例に基づいて、本発明の内容をさらに説明する
。第１図は本発明を適用した装置の系統図である０図に
おいて１はドラパル型の分離板式遠心分離機であり、船
内のディーゼルエンジンの燃料油Ｆあるいは潤滑油りを
処理してスラッジ含有廃油Ｗをスラッジタンク２に排出
している。

スラッジタンク２中の廃油はポンプ３により予熱槽４に
移送され、所定量が溜れば、槽内に装着したスチームコ
イル４°によりｌ　００’Ｃ前後迄加熱される。スチー
ムコイル４°の構造としては槽壁にそった水平蛇管式の
ものが好ましく、場合によっては撹拌翼や排気ブロアを
設置して槽内の廃油を循環し伝熱と水分の蒸発を促進す
ることも必要である。水分が除去された廃油は、次いで
ポンプ５により予熱槽４から抜き出されデカンタ−６に
供給される。大部分の固形分を除去されてデカンタ−６
を出る分離油は、−旦中間タンク７に入り、次いでポン
プ８により沈殿槽９に供給される。デカンタ−での分離
効果を最大限に利用したい場合には、分離液を再度予熱
槽に戻し循環処理することも可能である。一方デカンタ
−のスラッジ排出孔から機外に排出される固形分と油か
らなるケーキは、−旦ケーキタンク１１に抜出された後
に図示はされない船内のケーキ貯槽に貯留される。沈澱
槽９の凝集部９′には有機系の高分子凝集剤Ｃが適宜添
加され、撹拌機ｌＯによって緩速撹拌されて、沈降部９
”に流入する。廃油中の凝集した粗大粒子は底部に沈澱
し、適宜沈澱槽底部から抜き出される。以上のようにし
て微細粒子も除去され清浄された廃油は再生油Ｐとして
沈澱槽を溢流し、図示はされない燃料油タンクに送出さ
れる。また沈澱槽底部から抜き出された粗大粒子を含む
油は、予熱槽に戻してデカンタ−６で再処理し前記のよ
うに濃縮ケーキとして系外に送出される。

以上説明した装置により、ドラパル型遠心分離機（油清
浄機）から排出したディーゼルエンジンの燃料油と潤滑
油のスラッジ及びビルジ処理装置の水分含有の混合廃油
を処理して次の結果を得た。

注 上記数値は油分を１００とした場合を 示す。

沈降槽に添加した凝集剤は市販の有 機系高分子凝集剤を調合使用し、添 加量は５．０００〜１０．０００ｐｐ＋＊であった。

８８分はキシレン不溶解舒を示す。

〔発明の効果〕

以上説明した構成と作用を有する本発明によれば、船舶
ディーゼルエンジンがら発生するスラッジを含む廃油を
処理して、ディーゼルエンジンの燃料油に再生できるた
め、船舶の燃料費が向上するあるいは貴重な石油資源を
有効に活用できる等の効果が得られるので本発明は産業
上極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した装置の実施例の系統図である
。 １；遠心分離機（油清浄機〉、２；スラッジタンク、３
；ポンプ、４；予熱槽　、５；ポンプ、６；デカンタ−
７；中間タンク、８；ポンプ、９；沈澱槽、１０；撹拌
機、ｌｌ：ケーキタンク、Ｆ；燃料油、Ｗ；廃油、Ｃ；
凝集剤、Ｐ；再生油。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 スラッジ等を含有する船舶廃油を次の（イ）〜（ハ）工
   程で処理することを特徴とする船舶廃油の再生方法。 （イ）予熱槽中の廃油を加熱し廃油中の水分を蒸発して
   除去する工程、（ロ）前記（イ）工程から出る廃油をデ
   カンター型遠心分離機で遠心分離して廃油中のスラッジ
   分を除去する工程、（ハ）前記（ロ）工程から出る廃油
   を沈澱槽にて凝集沈澱剤を添加して廃油中の微粒子を凝
   集沈澱して除去する工程。