JPH04122785U - 合成樹脂製ｕ字溝部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溝部材本体を地面に埋設した後で外面から圧
力を受けても溝部材本体が変形せず、しかも間隔保持材
の装着が容易な合成樹脂製Ｕ字溝部材を提供する。 【構成】 底面部２と左右の側壁３とで断面略Ｕ字型に
形成された溝部材本体１と、該溝部材本体１の上部内壁
面間に横架される棒状の間隔保持材２０とからなり、上
記溝部材本体１の左右側壁３の上端には、外側に向かっ
てＬ字状の屈曲して延出させた段状の上縁部３ａが一体
に成形されている。左右側壁３には間隔保持材２０と略
同一幅の保持材係合用凸リブ６が設けられており、この
係合用凸リブ６の内面に、溝部材本体１の上端から前記
間隔保持材２０の高さ寸法と同一寸法だけ下方に位置さ
せて段部７が各々形成され、この段部７の上方に、間隔
保持材２０の上面を押さえ込む抜け止め爪８が左右側壁
３の上端部内側に一体に突設されている。この抜け止め
爪８の端部は下面に若干屈曲して形成されており、間隔
保持材２０の上面を確実に押さえ込む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、排水のために地面に埋設される合成樹脂製Ｕ字溝部材に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、排水用にＵ字溝部材としてコンクリート製のものが多用されていた。し かし、コンクリート製Ｕ字溝部材は、重くて搬送がやり難く、また衝撃で破損し やすい問題があった。そこで、コンクリート製のＵ字溝部材に代えて、連続押出 成形、インジェクション成形、ブロー成形などによって形成した合成樹脂製のＵ 字溝部材が使用されつつある。上記合成樹脂製のＵ字溝部材は、軽くて運搬が容 易であり、また、耐衝撃性も良好であるという利点を有するが、つぎのような問 題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、合成樹脂製のＵ字溝部材は、コンクリート製のＵ字溝部材に比べて 靭性に優れている反面、側面からの押圧力で溝形状が変形し易く、地面に埋設し た後の周囲の土の圧力で側壁で内側に倒れこんでしまう問題があった。したがっ て、従来の合成樹脂製のＵ字溝部材は、図１１に示すように、Ｕ字溝部材Ａの表 面に蓋体Ｂを嵌着して、Ｕ字溝部材の側壁面が外圧で内側に倒れこむのを防止し ていた。しかし、蓋体をＵ字溝部材の上端面に嵌着させる作業が面倒であり、し かも、一旦嵌着させると取り外し難くなり、Ｕ字溝部材の上面が塞がれてしまっ て、排水溝の中の清掃がやり難いものがあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、合成樹脂によって形成さ れた断面略Ｕ字型の溝部材本体と、該溝部材本体の上部内壁面間に横架される棒 状の間隔保持材とからなり、上記溝部材本体の内壁面に間隔保持材の端部が係合 される係合部が相対して設けられているとともに、該係合部の上方に間隔保持材 の抜け止め防止爪が内側に向かって突設されていることを特徴とする合成樹脂製 Ｕ字溝部材である。

【０００５】

【作用】

上記の構成によって、棒状の間隔保持材が、溝部材本体の内面に係合部を介し て差し渡し状態で横架されるので、溝部材本体を地面に埋設した後で外面から圧 力を受けても溝部材本体が変形することがない。また、間隔保持材の端部上面が 抜け止め防止爪で押さえられることになり、棒状の間隔保持材が衝撃で外れるこ とがない。さらに、間隔保持材が棒状であるので、溝部材本体の内壁面への装着 が容易であり、しかも間隔保持材が溝部材の内部の清掃の邪魔にならないで、内 部の清掃が容易である。

【０００６】

【実施例】

図１、図２および図３は、本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材の一実施例を示し、 底面部２と左右の側壁３、３とで断面略Ｕ字型に形成された溝部材本体１と、該 溝部材本体１の上部内壁面間に横架される棒状の間隔保持材20、20とからなり、 上記溝部材本体１の左右側壁３、３の上端には、外側に向かってＬ字状に屈曲し て延出させた段状の上縁部3a、3aが一体に成形されている。

【０００７】 上記溝部材本体１と間隔保持材20、20は、合成樹脂から成形されており、ポリ プロピレン、ポリエチレン、塩化ビニール等の熱可塑性樹脂、或いはジクロベン タジエン等の熱硬化性樹脂の成形あるいは、これらにガラス繊維などを混合した 繊維強化プラスチックの成形等で形成されている。

【０００８】 間隔保持材20、20は、コ字型断面の合成樹脂発泡体の棒状体よりなり、上記溝 部材本体１の対向する左右の上縁部3a、3aの間隔と略同一長さ寸法にして形成さ れている。この間隔保持材20の形状としては、上記以外に四角筒や中実角形やＬ 型等の種々のものが考えられる。また材質も無発泡合成樹脂等が使用される。

【０００９】 溝部材本体１の長さ方向の一端部および中間部には、溝部材本体の外周面に沿 って膨出させた凸リブ４、４が一体に成形されており、また溝部材本体１の長さ 方向の他端部および中間部には、上記膨出凸リブ４、４に嵌入し得る突出長さの フランジ５、５が２条一組にして設けられている。

【００１０】 また、上記フランジ５に隣接して間隔保持材20と略同一幅の保持材係合用凸リ ブ６、６が溝部材本体外周面に沿って設けられており、この係合用凸リブ６、６ の内面に、溝部材本体１の上端から前記間隔保持材20の高さ寸法と同一寸法だけ 下方に位置させて段部７、７が各々形成されている。

【００１１】 この段部７、７の上方には、間隔保持材20の上面を押さえ込む抜け止め爪８、 ８が左右側壁３、３の上端部内側に一体に突設されている。この抜け止め爪８の 端部は下面に若干屈曲して形成されており、間隔保持材20の上面を確実に押さえ 込むようにしてある。抜け止め爪８の幅は、段部７の全幅に必ずしも亘る必要は なく、一部分であってもよく、間隔保持材20の押し込み易さと外れにくさとを懸 案して適宜定めればよい。

【００１２】 したがって、溝部材本体１を土中に埋設するときには、図４に示すように、一 方の溝部材本体１の一端部に設けた膨出凸リブ４に、他方の溝部材本体１の端部 に設けられたフランジ５を重ね合わせるようにして係合させて連結することで、 溝部材本体１同士を確実に連結することができる。

【００１３】 なお、溝部材本体１を地面に埋設するだけでは、周囲の土圧や溝部材下方の水 によって溝部材全体が浮き上がる恐れがあるので、この端部の膨出凸リブ４に浮 上防止金具30を係着して、この浮上防止金具30の内側に溝部材本体の幅よりも長 い棒材31を挿通して、土中にアンカリングすることが好ましい。

【００１４】 このように、溝部材本体を地面に埋設したあとで、上記保持材係合用凸リブ６ の内面に間隔保持材20の両端部を臀部７に当接するまで押し込むと、図５に示す ごとく、間隔保持材20の端部上面が抜け止め爪８、８で押さえられて、段部７と 抜け止め爪８との間に挟着固定される。この間隔保持材20の固定によって、溝部 材本体１の左右側壁３、３が外側面から圧力によっても内側に倒れ込むことがな く、地面に埋めた後土砂の圧力を受けてもＵ字溝部材が変形や破壊を生じない。

【００１５】 また、上記実施例では、溝部材本体１の左右側壁３、３に保持材係合用凸リブ ６、６を設けて、該係合用凸リブ６、６の内面に間隔保持材20、20を嵌着固定す るものであるので、上記係合用凸リブ６、６と間隔保持材20、20と一体化して、 恰も竹節の如く環状に配されることになり、Ｕ字溝部材の側面からの圧力に対す る抵抗力が一層高められる。さらに、間隔保持材20は係合用凸リブ６内の段部７ に嵌着されているので、間隔保持材20が荷重などで溝内に落ちこむことが防止さ れるとともに、位置ズレが防止される。

【００１６】 図６は、本考案の第１変形例を示し、溝部材本体１の側壁３の段状の上縁部に 間隔保持材20の端部下縁を係合させる係合用凹所が凹設されており、この凹所９ の上方に抜け止め爪８が突設されている。なお、凹所９の幅は、間隔保持材20の 幅と略同一幅で形成されており、間隔保持材20のグラツキや位置ズレを防止して いる。

【００１７】 図７は、本考案の第２変形例であり、間隔保持材20の端部をＴ字形にするとと もに、凹所９による係合部の上方に抜け止め爪８、８を２片に別けて設けてあり これによって、間隔保持材20を溝部材本体１の側壁間に安定して固定させるとと もに、側壁３、３の広範囲にわたって倒れ込みを防止している。

【００１８】 図８は、本考案の第３変形例を示し、上記実施例が凹所９によって係合部を形 成したのに対して、本実施例は、溝部材本体１の左右側壁の段部上面に一対の凸 部10、10を、間隔保持材20の幅と略同一寸法間隔をおいて突設してあり、凸部間 で間隔保持材20の端部を係合させて上方の抜け止め爪８と段部上面との間に固定 させるものである。

【００１９】 図９は、本考案の第４変形例を示し、溝部材本体１の側壁３の上縁部3aにＬ字 状の凹部91を設けるとともに、凹部91の上方に抜け止め爪８を突出させてある。 この抜け止め爪８によると間隔保持材20が嵌着しやすくなり、抜け防止、位置ず れも防止できる。

【００２０】 なお、図１０は、溝部材本体１の上部を間隔保持材20で横架するとともに、溝 部材本体１の底部２に穴32を設けたものであり、溝部材本体１の下方に回り込ん だ雨水を、溝部材本体１の中に導入して溝内で排出可能にしてある。したがって 溝部材本体１が地面との間に浸透した雨水の水圧で押上げられるのを防止してい る。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材は、合成樹脂によって形成 された断面略Ｕ字型の溝部材本体と、該溝部材本体の上部内壁面間に横架される 棒状の間隔保持材とからなり、上記溝部材本体の内壁面に間隔保持材の端部が係 合される係合部が相対して設けられているとともに、該係合部の上方に間隔保持 材の抜け止め爪が内側に向かって突設されているので、溝部材本体を地面に埋設 した後で外面から圧力を受けても溝部材本体が変形することがない。また、間隔 保持材の端部上面が抜け止め防止爪で押さえられることになり、棒状の間隔保持 材が衝撃で外れることがない。さらに、間隔保持材が棒状であるので、溝部材の 内部の清掃が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材の一実施例を説
明する斜視図である。

【図２】本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材の一部拡大斜視
図である。

【図３】本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材の一部拡大断面
図である。

【図４】本考案の合成樹脂製Ｕ字溝部材の連結状態を示
す一部段面図である。

【図５】間隔保持材の係合状態を説明する断面図であ
る。

【図６】本考案の第１変形例を説明する一部拡大斜視図
である。

【図７】本考案の第２変形例を説明する一部拡大斜視図
である。

【図８】本考案の第３変形例を説明する一部拡大斜視図
である。

【図９】本考案の第４変形例を説明する一部切断斜視図
である。

【図１０】本考案の第５変形例を説明する一部切断斜視
図である。

【図１１】従来のＵ字溝部材を説明する斜視図である。

【符号の説明】

１ 溝部材本体 ２ 底面部 ３ 側壁 ６ 係合用凸リブ ８ 抜け止め爪 ２０ 間隔保持材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂によって形成された断面略Ｕ字
   型の溝部材本体と、該溝部材本体の上部内壁面間に横架
   される棒状の間隔保持材とからなり、上記溝部材本体の
   内壁面に間隔保持材の端部が係合される係合部が相対し
   て設けられているとともに、該係合部の上方に間隔保持
   材の抜け止め爪が内側に向かって突設されていることを
   特徴とする合成樹脂製Ｕ字溝部材。