JPH04119328U - エキゾーストマニホールド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気温度による熱変形を緩和させ、排気ガス
の漏れを防止するとともに、組付工程の減少を図ること
を目的とする。 【構成】 本体２前部にポート部３を透設し、また、同
ポート部３先端外周にシリンダブロックＳと連結するフ
ランジ部４を形成し、前記隣接し合うポート部３間の本
体２外周に環状に形成された熱膨張吸収部５を形成し
た。また、本体２後部には長手方向の熱膨張を緩和する
リブ６を設け、さらに本体２内で集結した排気ガスを図
示しないマフラーへ送り込むための排気ポート７を透設
した。そして、本体２に高温の排気ガスによって熱膨張
が発生して長手方向に歪みが生じたとき、前記熱膨張吸
収部５によってその歪みが吸収されるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関であるエンジンと排気ガスを外部に排出するマフラーとの間 に介在されているエキゾーストマニホールドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エキゾーストマニホールドの材質としては、鋳造及び加工が容易な鋳鉄 （普通鋳鉄）が一般に使用されている。図５に示すように、前記エキゾーストマ ニホールド２０は横長で中空状に形成された本体２１前部に等間隔で穿設された ポート部２２と、同ポート部２２の先端外周に設けられたシリンダブロック２３ と連結されるフランジ部２４と、本体２１の後部に設けられ、同本体２１の長手 方向の膨張を抑制する板状の背面リブ２５とから形成されている。

【０００３】 前記エキゾーストマニホールド２０が取付固定されたシリンダブロック２３内 で燃焼した燃料は、排気ガスとなってエキゾーストマニホールド２０のフランジ 部２４を介して本体２１内部に送り込まれる。そして、その排気ガスは排出ポー ト２６よりマフラー（図示せず）を介して外気へ排出される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、シリンダブロック２３から排出される排気ガスの温度は約６０ ０℃〜９００℃と非常に高温であり、この高温の排気ガスが常時本体２１を流通 した場合には、同本体２１に熱膨張、即ち歪みが発生する。その結果、図６に示 すように、本体２１後部は背面リブ２５によって歪みが抑制されるが、本体２１ 前部に設けられたポート部２２は本体２１の歪みによって、本体２１後部との間 で伸長差が生じる。

【０００５】 即ち、シリンダブロック２３とフランジ部２４との間に隙間が生じることにな る。その結果、シリンダブロック２３とフランジ部２４との間から排気ガスが漏 れた状態でエンジンが駆動される。排気ガスがシリンダブロック２３とフランジ 部２４との間から漏れた状態でエンジンを駆動させた場合、シリンダブロック２ ３から排気ガスが排出される際の排気抵抗が大きくなってエンジンの出力が低下 するという問題が生じるとともに、マフラーを介さずに外気に排出されるため排 気音が大きくなるという問題が生じていた。

【０００６】 また、他に前記歪みを吸収する手段としては、例えば実開昭６３−１１２２１ ９号公報で提案されたものがある。前記実開昭６３−１１２２１９号公報のエキ ゾーストマニホールドは、エキゾーストマニホールド本体を２分割し、その２分 割されたエキゾーストマニホールド本体の間にフレキシブル構造をした熱膨張吸 収部を配設したものである。しかしながら、同エキゾーストマニホールド本体は ２分割され、かつ、熱膨張吸収部とから構成されているため、その部品数が増加 して構造が複雑化するとともに、エキゾーストマニホールド自身の組付のための 工程が必要となって、組付工程が増加するという問題があった。

【０００７】 本考案は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は排気 温度による熱変形を緩和させ、排気ガスの漏れを防止するとともに、組付工程の 減少を図ること可能なエギソーストマニホールドを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記問題点を解決するため、エキゾーストマニホールド本体に熱膨張 吸収部を一体形成したエキゾーストマニホールドをその要旨とする。

【０００９】

【作用】

エキゾーストマニホールド本体に一体形成された熱膨張吸収部によって、エキ ゾーストマニホールド本体に発生する熱膨張が吸収される。従って、エキゾース トマニホールド本体の熱膨張による変形が減少される。

【００１０】

【実施例】 以下、本考案を６気筒エンジン用のエキゾーストマニホールドに具体化した一 実施例を図１〜図４に従って説明する。 なお、本実施例のエキゾーストマニホールドの素材（普通鋳鉄）及び製造方法 （鋳造）は従来のエキゾーストマニホールド２０と同様である。

【００１１】 図１，２に示すように、略筒状に形成された本体２前部には、略等間隔にポー ト部３が透設され、また、同ポート部３先端外周には、シリンダブロックＳと連 結するフランジ部４が形成されている。そして、図１〜３に示すように、前記隣 接し合うポート部３間の本体２外周には、環状に形成された熱膨張吸収部５が形 成されている。さらに、本体２後部には長手方向の熱膨張を緩和するリブ６が設 けられているとともに、本体２内で集結した排気ガスを図示しないマフラーへ送 り込むための排気ポート７が透設されている。

【００１２】 前記フランジ部４には図示しないボルト挿通孔が透設され、同ボルト挿通孔へ ボルトを挿通し、そのボルトをシリンダブロックＳに締付固定することによって 、エキゾーストマニホールド１がシリンダブロックＳへ取付固定されるようにな っている。 さて、続いて上記のように構成されたエキゾーストマニホールド１の作用につ いて説明する。

【００１３】 まず、上記のエキゾーストマニホールド１が取付固定されたシリンダブロック Ｓが駆動されると、燃料が燃焼する際に発生する燃焼熱によって排気ガスの温度 が上昇し、また、その排気ガス温度に伴ってエキゾーストマニホールド１の温度 も上昇する。そして、その排気ガスの温度が上昇し続けて６００℃〜９００℃に まで達した場合、本体２には熱応力が発生して長手方向へ熱膨張、即ち歪みが生 ずる。

【００１４】 このとき、本体２は図１に示す矢印の方向に歪み、各熱膨張吸収部５の左右へ 熱応力即ち、圧縮応力を加わえることになる。その結果、図４の二点鎖線で示す ように、各熱膨張吸収部５は、本体２からの圧縮応力によって押しつぶされるよ うに変形する。つまり、各熱膨張吸収部５によって本体２に発生した熱膨張が吸 収される。

【００１５】 従って、シリンダブロックＳにフランジ部４を締付固定したときの取付位置を 保持することができるため、シリンダブロックＳとフランジ部４との間には隙間 が生じない。 以上詳述したように、本実施例のエキゾーストマニホールド１によれば、シリ ンダブロックＳから排出される排気ガスの温度によって熱膨張が発生しても熱膨 張吸収部５によって歪みが吸収されるため、シリンダブロックＳとフランジ部４ との間からは排気ガスは漏れることはなく、排気抵抗は一定に保持されてエンジ ンの出力が低下することがない。また、排気ガスはマフラーを介して外気に排出 されるため、同マフラーによって排気音が抑制される。

【００１６】 さらに、各熱膨張吸収部５によってエキゾーストマニホールド１の温度が放熱 されるため、従来と比較するとエキゾーストマニホールド１の耐久性の向上を図 ることができる。また、同エキゾーストマニホールド１は鋳造によって一体成形 されているため、エキゾーストマニホールド１自身の組付をする必要がなくなり 、作業工程の短縮化を図ることができる。

【００１７】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しな い範囲で例えば次のように構成することもできる。 （１）上記実施例では、６気筒エンジン用のエキゾーストマニホールド１で構 成したが、２気筒以上のエンジン用として構成してもよい。 （２）上記実施例では、本体２中央外周には、熱膨張吸収部５を設けないで構 成したが、これを排気ポート７と干渉しないように、本体２中央外周にも熱膨張 吸収部５を設けてもよい。

【００１８】 （３）上記実施例では、本体２後部には長手方向の熱膨張を緩和するリブ６が 設けられていたが、これを設けずにエキゾーストマニホールド１を形成してもよ い。なお、この場合熱膨張吸収部５によって本体２に発生する長手方向の熱膨張 が緩和される。

【００１９】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、排気温度による熱変形を緩和させ、排 気ガスの漏れを防止するとともに、組付工程の減少を図ることができるという優 れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を具体化した実施例を示すエキゾースト
マニホールドの平面図である。

【図２】エキゾーストマニホールドの平断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】熱膨張吸収部に応力が加わり同熱膨張吸収部が
変形したときの状態を示す平面図である。

【図５】従来のエキゾーストマニホールドの平面図であ
る。

【図６】従来のエキゾーストマニホールドが熱によって
変形した状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１ エキゾーストマニホールド ５ 熱膨張吸収部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エキゾーストマニホールド本体に熱膨張
   吸収部を一体に形成したことを特徴とするエキゾースト
   マニホールド。