JPH0411920Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軸封技術の改良に係る空気式スタン
チユーブシールに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より第２図に示すごとく船尾管の軸封装置
において、シール流体の微少漏洩を図つて軸封を
行なうセグメントシール５１を船尾管５２の端部
材５３とシヤフト５４間に構成するとともに、該
セグメントシール５１の外側と内側にそれぞれリ
ツプシール５５，５６を設けてなり、上記外側の
リツプシール５５とセグメントシール５１間に適
宜圧力の空気を供給するとともに、該セグメント
シール５１を介してセグメントシール５１と内側
のリツプシール５６間に流入した空気を回収する
構造のスタンチユーブシールが使用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この種のスタンチユーブシールでは海
水側水圧に抗してリツプシール５５から所定の空
気洩れ量が確保できるように構成されているた
め、標準位置では空気の洩れ量が、大きく設定さ
れている。このため、空気の消費量が多い問題を
有するものであるが、その供給空気圧を下げると
海水圧が上昇した場合に該海水がリツプシール５
５を介して逆流し、セグメントシール５１を介し
て、内側のリツプシール５６に浸入して内部オイ
ルと混合してしまう問題を有していた。

本考案は上記問題に鑑みてなされたもので、空
気供給量が少なく、かつ海水の逆流等を生ずるよ
うな内圧の低下がないスタンチユーブシールを提
供し、安定した軸封効果を得ることを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のスタンチユーブシールは、シヤフトと
該シヤフトを内挿する本体側軸孔間にシヤフトと
該シヤフトを内挿する本体側軸孔間に、海水側を
向いた対海水用リツプシールと、その内側のセグ
メントシールを介装し、対海水用リツプシールと
セグメントシールの間の軸周空間に、対海水用リ
ツプシールから海水中へパージさせる空気を供給
する構造のスタンチユーブシールにおいて、空気
供給側連通路に設けられて空気供給量Q1を可変
にする流量自動調整弁と、上記セグメントシール
の内側に漏洩する空気の流量Q3を検出する流量
検出器と、該流量検出器からの検出値dQ3に設定
値dQ2を加算しその算出値dQ1に基づいて流量自
動調整弁を制御する中央制御装置とを具備してな
るものである。

〔作用〕

すなわち上記構成のスタンチユーブシールにお
いて、空気供給側の流量自動制御弁における空気
流量Q1は外側のリツプシールを介して海水側に
漏洩する流量Q2とセグメントシールを介して回
収側流路に流入する空気の流量Q3の和に相当す
るものであり、したがつて、セグメントシールの
内側へ漏洩する空気流量Q3を検出する流量検出
器からの検出値dQ3と、予め設定された値dQ2と
の和dQ1に基づいて流量自動調整弁を制御するこ
とによつて、空気供給量Q1を可変調整すれば、
対海水用リツプシールから海水中への空気のパー
ジ流量Q2を一定とすることができる。

〔実施例〕

以下、本考案スタンチユーブシールの一実施例
を第１図に示す説明図にしたがつて説明する。符
号１は、スクリユーシヤフト２を軸受部材３を介
して回動自在に内挿した船尾管てあり、該船尾管
１端部に対して気密的にフランジ４を固設してな
り、該フランジ４とスクリユーシヤフト２間にス
タンチユーブシールを構成してなる。符号５は、
フランジ４に対して担持されるとともに、スクリ
ユーシヤフト２に対して内径を摺接したセグメン
トシールであり、該セグメントシール５の外側に
は対海水用リツプシール６、内側にはオイルシー
ル部材７を設けてなる。また８は上記セグメント
シール５と海水シール部材６間に連通する供給側
連通路であり、流量自動制御弁９を介してエアポ
ンプ１０と連通するとともに、１１はセグメント
シール５とオイルシール部材７間に連通するシー
ルオイル回収側連通路であり、流量検出器１２を
介してオイルタンク１４と連通してなる。

上記流量自動制御弁９は流量検出器１２からの
検出信号により中央制御装置１３を介して開閉調
整されるものである。

上記構成のスタンチユーブシールは、オイルシ
ール部材７の内側にシールオイルａを充填すると
ともに、エアポンプ１０によつてセグメントシー
ル５と対海水用リツプシール６間に空気を供給
し、軸封する構造になるもので、該エアポンプ１
０から供給される空気量は流量自動制御弁９の開
閉によつて流量Q1を制御されるものであり、セ
グメントシール５の内側に漏洩した空気の流量
Q3をシールオイル回収側連通路１１に設けた流
量検出器１２で検知し、該検知情報によつて中央
制御装置１３を介して対海水用リツプシール６か
ら漏洩する空気量Q2を一定に保持するように開
閉駆動してなる。

したがつて上記対海水用リツプシール６からの
空気漏洩量Q2は海水圧およびシール性能等の変
動が生じても、常時、所定量を確保し、安定した
シール性能を発揮する。

〔考案の効果〕

以上の述べたごとく、本考案のスタンチユーブ
シールは使用条件が変動しても常に一定の空気漏
洩量を確保することができるものであり、信頼性
の高い軸封効果を得ることができる特徴を有する
もので、本考案の実用的効果はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスタンチユーブシールの一実
施例を示す軸封部略断面図とブロツク図とよりな
る説明図、第２図は従来のスタンチユーブシール
の略断面図である。 １……船尾管、２……スクリユーシヤフト、４
……フランジ、５……セグメントシール、６……
対海水用リツプシール、７……オイルシール部
材、９……流量自動制御弁、１０……エアポン
プ、１２……流量検出器、１３……中央制御装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤフトと該シヤフトを内挿する本体側軸孔間
   に、海水側を向いた対海水用リツプシールと、そ
   の内側のセグメントシールを介装し、対海水用リ
   ツプシールとセグメントシールの間の軸周空間
   に、対海水用リツプシールから海水中へパージさ
   せる空気を供給する構造のスタンチユーブシール
   において、空気供給側連通路に設けられて空気供
   給量Q1を可変にする流量自動調整弁と、上記セ
   グメントシールの内側に漏洩する空気の流量Q3
   を検出する流量検出器と、該流量検出器からの検
   出値dQ3に設定値dQ2を加算しその算出値dQ1に
   基づいて流量自動調整弁を制御する中央制御装置
   とを具備してなることを特徴とするスタンチユー
   ブシール。