JPH04118984U - フアスナ打込工具の空打ち防止機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノーズおよびプッシャ等にコンタクトアーム
アセンブリの移動を阻止する負荷がかからないファスナ
打込工具の空打ち防止機構を提供する。 【構成】 コンタクトアームアセンブリは、ファスナ打
込材と係脱自在のコンタクト部材と、トリガと係脱する
トリガ係脱アーム部材と、これら両部材間においてノー
ズの軸方向に移動自在であるとともにノーズの横断面内
において移動自在であり、上記コンタクト部材とトリガ
係脱アーム部材とに係合のため同時に整列する位置とこ
れら両部材との同時整列から外れる位置とをとりうる中
継部材とから成り、プッシャは、マガジン内のファスナ
が上記一定本数に減少したとき、中継部材を押して上記
整列位置から外す突起を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、安全装置としてのコンタクトアームアセンブリを備えたファスナ打 込工具の空打ち防止機構に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

一般に、コンタクトアームアセンブリを備えたファスナ打込工具は、ファスナ を打ち出すノーズの先端面からノーズの軸方向に突出してコンタクトアームアセ ンブリのコンタクト部が位置している。したがって、ファスナ打込工具の操作者 は、ファスナ打込時、先ず、コンタクトアームアセンブリのコンタクト部をファ スナ打込材に押付けることによりコンタクト部先端面をノーズ先端面まで後退さ せることにより、トリガをトリガバルブと係合可能な状態にセットする。これに より、操作者は、トリガを引いてトリガバルブを開弁する。これにより、圧縮空 気を貯溜したメインエアチャンバと打撃シリンダの打撃ピストン上室との間の吸 気通路を選択的に開閉するヘッドバルブが開弁して、打撃ピストン上室内に一気 に圧縮エアを流入させ、打撃ピストンが打撃ピストン上室の方へ急速移動し、打 撃ピストンと一体のロッド状ドライバがノーズ先端部の方へ急速移動し、ノーズ 内に供給されていたファスナをファスナ打込材に打込む。

【０００３】 上記ファスナ打込工具において、ノーズ内にファスナが供給されていない状態 でヘッドバルブが開弁すると、打撃ピストンの急速移動によりドライバが、直接 、ファスナ打込材を打撃してしまう。このため、ドライバがファスナ打込材を傷 付けると同時に、打撃ピストンが打撃ピストン下室の底部に配置されたバンパを 著しく傷付ける。

【０００４】 したがって、従来のファスナ打込工具、例えば、釘打機には、例えば、実開昭 ５２−１０２９８８号（実公昭５７−３７２６）に示されているような空打ち防 止機構が設けられている。この空打ち防止機構によれば、ノーズ内に釘が供給さ れない状態でコンタクトアームアセンブリが移動することによりトリガとトリガ バルブとが係合可能な状態にセットされるのを防止するため、マガジン内の連結 された釘が３本程度に残り少なくなった時、ノーズに設けられたストップピンを プッシャによって押出し、これによって、コンタクトアームアセンブリを固定す る。しかし、実開昭５２−１０２９８８号の空打ち防止機構によれば、コンタク トアームアセンブリに掛かる負荷全部をストップピンによって受け、この負荷全 部をノーズとプッシャとにより受ける構成であるため、コンタクトアームアセン ブリ、ストップピン、ノーズおよびプッシャそれぞれにコンタクトアームアセン ブリの移動を阻止する負荷がかかる。このため、これら部材、特に、ストップピ ンの強度を高くしなければならない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、ストップピンを使用せず、ノーズ内にファスナが装填してな い場合、コンタクトアームアセンブリ、ノーズおよびプッシャにコンタクトアー ムアセンブリの移動を阻止する負荷がかからない、ファスナ打込工具の空打ち防 止機構を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、トリガと、ファスナが打ち出されるノーズ内へ連結ファスナを押す プッシャを備えたマガジンと、ノーズの軸方向においてノーズ先端面より前方に 突出した位置とトリガの位置との間に配置されノーズ先端面がファスナ打込材に 押し付けられることによりノーズの軸方向において後方に後退してトリガを作動 位置にセットするコンタクトアームアセンブリとを有するファスナ打込工具に設 けられた空打ち防止機構であって、マガジン内のファスナが一定本数に減少した ことを検出して作動しコンタクトアームアセンブリを作動不能とする空打ち防止 機構において、コンタクトアームアセンブリは、ファスナ打込材と係脱自在のコ ンタクト部材と、トリガと係脱するトリガ係脱アーム部材と、これら両部材間に おいてノーズの軸方向に移動自在であるとともにノーズの横断面内において移動 自在であり、上記コンタクト部材とトリガ係脱アーム部材とに係合のため同時に 整列する位置とこれら両部材との同時整列から外れる位置とをとりうる中継部材 とから成り、プッシャは、マガジン内のファスナが上記一定本数に減少したとき 、中継部材を押して上記整列位置から外す突起を有することを特徴とする。

【０００７】

【作用】

ファスナが使用されて、マガジン内のファスナが一定本数まで減少した時、プ ッシャのノーズの方への接近によって、プッシャの突起が中継部材を押して整列 位置から外す。このため、コンタクト部材がノーズの軸方向に移動しても、トリ ガ係脱アーム部材は、移動しない。これにより空打ちが防止される。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば、マガジン内のファスナが一定本数まで減少したとき、中継部 材によってコンタクト部材とトリガ係脱アーム部材との連係が切断されるので、 ファスナ打込材にコンタクト部材が押し付けられることによる負荷が他の部材に 掛かることがない。このため、空打ち防止機構および関連部材の耐久性が向上す る。

【０００９】

【実施例】

以下、図１〜図３を参照して、本考案の好適な実施例について説明する。圧縮 エアを動力源とする釘打機は、打撃シリンダ・ピストン機構を内蔵する釘打機本 体１を有する。釘打機本体１は、トリガ１ａを引くことにより釘打込ストローク を開始する打撃シリンダ・ピストン機構を内蔵するハウジング部２と、ハウジン グ部２から該ハウジング部２の横軸方向に突出したグリップ部３とから成る。ハ ウジング部２の先端には、打撃シリンダ・ピストン機構と同軸にノーズ４が突設 されている。ノーズ４は、その内部にマガジン５からプッシャ６によって送られ て来る連結釘１４を１本づつ受入れる。打撃シリンダ・ピストン機構の打撃ピス トンと一体のロッド状ドライバがノーズ４の内部に供給された釘を釘打込材に打 込む。ノーズ４の先端部とトリガ１ａとの間には、安全装置としてのコンタクト アームアセンブリ７が延設されている。

【００１０】 図１に示されているように、コンタクトアームアセンブリ７は、ノーズ４の軸 方向に移動自在の状態でノーズ４の先端部に外装されたコンタクト部材８と、ノ ーズ４の縦軸方向に移動自在であるとともにノーズ４の横断面内において枢動自 在の状態でマガジン５の側面に設けられ、コンタクト部材８と係脱自在の中継部 材９と、中継部材９とトリガ１ａとの間においてハウジング部２の軸方向に延び 該ハウジング部２の軸方向に移動自在のトリガ係脱アーム部材１０とから成る。

【００１１】 上記コンタクト部材８は、ノーズ４の先端面４ａが釘打込材に押付けられてい ない場合、先端面８ａがノーズ４の軸方向においてノーズ４の先端面４ａより突 出した位置にあるようにばね（図示せず）により付勢されている。コンタクト部 材８の先端面８ａは、釘打込材に押付けられることによりノーズ４の先端面４ａ まで後退し、コンタクト部材８の中継部材側突起８ｂが中継部材９のノーズ側突 起９ａに押付けられ、該中継部材９をトリガ１ａの方へシフトさせる。上記中継 部材９は、軸方向両端において互いに反対方向へ突出した、上記ノーズ側突起９ ａとトリガ側突起９ｂとを備えている。中継部材９の中心軸９ｃは、該中継部材 ９と一体であり、ノーズ４の縦軸方向にシフト自在であるとともにノーズ４の横 断面内において回動自在である。図２および図３に示されているように、中継部 材９からマガジン５に設けられた開口１１を介してマガジン５の内部にプッシャ 側突起９ｄが突出している。上記トリガ係脱アーム部材１０は、中継部材９のノ ーズ側突起９ａと係脱自在の中継部材側突起１０ａを有する。

【００１２】 上記マガジン５内には、連結釘１４をノーズ４の方へ押すプッシャ６が配装さ れている。プッシャ６は、つる巻きばね（図示せず）によってノーズ４の方へ移 動するように付勢されている。プッシャ６の前部には、板状のプッシュプレート １２が設けられている。プッシュプレート１２の前端部１２ａが連結釘１４の後 端位置の釘１４ａ当接する。プッシュプレート１２の一側面（図１中、下側面） には、中継部材９を回動させるための突起１３が設けられている。図３に示され ているように、突起１３は、連結釘１４の消費が進んで残り釘が３本になった時 、プッシャ６のノーズ４への接近によって中継部材９のプッシャ側突起９ｄを回 動させる。これにより、中継部材９が回転し、そのノーズ側突起９ａとコンタク ト部８の中継部材側突起８ｂとの整列を解除する。これにより、コンタクト部８ が釘打込材に押付けられ、コンタクト部８の先端面８ａがノーズ４の先端面と面 一となった時にも、中継部材９とトリガ係脱アーム部材１０とをノーズ４の軸方 向においてトリガ１ａの方へ移動させることがなく、トリガ係脱アーム部材１０ は、トリガ１ａと係合可能位置にセットされることがない。

【００１３】 上記実施例においては、中継部材は、回動によりコンタクト部材とトリガ係脱 アームとの同時整列位置より外れたが、ノーズの横軸方向における直線的移動に よって整列位置より外れるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の空打ち防止機構を備えた釘打機の概略
側面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図であって、空打ち防
止機構が作動していないない状態を示す。

【図３】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図であって、空打ち防
止機構が作動した状態を示す。

【符号の説明】

１ａ トリガ ４ ノーズ ４ａ ノーズ先端部 ５ マガジン ６ プッシャ ７ 連結ファスナ ８ コンタクト部材 ９ 中継部材 １０ トリガ係脱アーム部材 １３ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トリガと、ファスナが打ち出されるノー
   ズ内へ連結ファスナを押すプッシャを備えたマガジン
   と、ノーズの軸方向においてノーズ先端面より前方に突
   出した位置とトリガの位置との間に配置されノーズ先端
   面がファスナ打込材に押し付けられることによりノーズ
   の軸方向において後方に後退してトリガを作動位置にセ
   ットするコンタクトアームアセンブリとを有するファス
   ナ打込工具に設けられた空打ち防止機構であって、マガ
   ジン内のファスナが一定本数に減少したことを検出して
   作動しコンタクトアームアセンブリを作動不能とする空
   打ち防止機構において、コンタクトアームアセンブリ
   は、ファスナ打込材と係脱自在のコンタクト部材と、ト
   リガと係脱するトリガ係脱アーム部材と、これら両部材
   間においてノーズの軸方向に移動自在であるとともにノ
   ーズの横断面内において移動自在であり、上記コンタク
   ト部材とトリガ係脱アーム部材とに係合のため同時に整
   列する位置とこれら両部材との同時整列から外れる位置
   とをとりうる中継部材とから成り、プッシャは、マガジ
   ン内のファスナが上記一定本数に減少したとき、中継部
   材を押して上記整列位置から外す突起を有することを特
   徴とするファスナ打込工具の空打ち防止機構。