JPH04116951U - 手動利器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中子部分を設ける必要がなく製造コストを低
減することができ、簡単な構造であるにも関わらず耐久
性及び取扱性に優れ、かつ衛生的に保つことが可能な手
動利器を提供する。 【構成】 ステンレス製の線材１１を屈曲することによ
り形成された柄７を有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は金属製の柄を有する手動利器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より調理用具等に代表される手動利器としては、ナイフ、しゃもじ、スプ ーン、フォーク等がよく知られている。前記手動利器には使用者が把持し易いよ うに柄が設けられており、その材料としては一般にプラスティックが用いられて いる。例えばナイフ等では、プラスティック製の柄は刃の基端に設けられた中子 部分に対して、両側からピンによって固定されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、プラスティック製の柄は熱に弱いため、繰り返し熱水洗浄を行うう ちに変形したり、柄の色が退色するという欠点がある。また、柄の変形に起因し て刃と柄とを固定しているピンが緩み、使用中に刃がぐらつくようになる虞れが ある。更に、柄を柄を取り付けるために中子部分を設ける必要があるため、製造 コストが高くなるという問題もある。

【０００４】 本考案はこのような問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、中子部 分を設ける必要がなく製造コストを低減することができ、しかも簡単な構造であ るにも関わらず耐久性及び取扱性に優れ、かつ衛生的に保つことが可能な手動利 器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、金属製の線材を屈曲することにより形成 された柄を有している。

【０００６】

【作用】 柄の部分が金属製であるため、従来のようなプラスティック製の柄のように熱 変形することがない。従って、耐久性が向上すると共に取扱性も改善される。ま た、加熱殺菌が可能なため常に衛生的に保つことができる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案をローストビーフ等をスライスするためのテーブル用ナイフ１に 具体化した一実施例について、図面に基づき説明する。 図１に示すように、刃２の基端部近傍には直径約５mmの前後の一対の穴３，４ が所定の間隔を隔てて穿設されている。これらの穴３，４には円柱状のピン５， ６が固定されている。図２（ｂ）に示すように、ピン５，６は穴３，４の径より も若干小さく形成されている。このピン５，６を刃２に固定する際には、ピン５ ，６をそれぞれ穴３，４に装入した後、刃２の両側部分において、各ピン５，６ を矢印方向に押圧して、図２（ａ）に示すようにピン５，６の中央部分を膨らま せることにより、ピン５，６が刃２の穴３，４に固定される。

【０００８】 柄７は刃２に対する取付部８と、ナイフ１の長手方向に延びる把持部９と、把 持部９の刃２側端部に位置する指かけ部１０とを備えている。そして、これら各 部８，９，１０が例えば直径５mmのステンレス製の一本の線材１１を折り曲げる ことによって一体に形成されている。 即ち、一本の線材１１は互いに平行に延びる４本の線条１２により枠状の把持 部９を形成するように、指かけ部１０及び把持部９の端部にて折り曲げられてい る。指かけ部１０は対向する２本の線条１２を略逆Ｕ字状に折り曲げることによ って形成され、ナイフ１の使用時に人指し指等を挿入して把持位置の位置決めを 行い得るようになっている。

【０００９】 取付部８は線材１１の一対の開放端部１３によって構成され、指かけ部１０よ りも刃２側に延長されている。そして、両開放端部１３が刃２の両側に配置され 、各ピン５，６の互いに対向する周面にスポット溶接によって固定されている。 また、把持部９の基端には互いに対向する線条１２間の間隔を一定に保持するた めのピン１４がスポット溶接によって固定されている。

【００１０】 以上のように構成されたテーブル用ナイフ１ではステンレス製の柄７が採用さ れているため、耐久性が向上すると共に長期間にわたって使用可能になる。また 、従来のように熱変形の虞れがないため熱水洗浄や加熱殺菌が可能になり、従っ て、ナイフ１を常に衛生的に保つことができる。 また、本実施例の柄７は、一本の線材１１を屈曲することによって簡単に形成 できるという利点がある。その結果ナイフ１全体が軽量化され、かつ使用者は枠 状の把持部９を確実に把持できるため、ナイフ１の取扱性が向上する。尚、ナイ フ１を使用しない時には柄７の部分を懸架して収納することもできる。

【００１１】 更に、本実施例のナイフ１では、刃２の穴３，４には上記方法によって簡単か つ確実にピン５，６が固定されるため、従来のように長期間使用してもピン５， ６が緩むようなことがないという利点がある。 尚、本考案は前記実施例のみに限定されることなく、考案の趣旨の範囲内であ れば柄７部分の形状や材質等を任意に変更したり、ナイフ１以外の手動利器、例 えば、しゃもじ等にこの実施例を具体化することも可能である。

【００１２】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案の手動利器によれば、中子部分を設ける必要がなく 製造コストを低減することができ、簡単な構造であるにも関わらず耐久性及び取 扱性に優れ、かつ衛生的に保つことができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の手動利器をテーブル用ナイフに具体
化した一実施例を示す斜視図である。

【図２】 （ａ）は図１のナイフのＡ−Ａ線における断
面図であり、（ｂ）は（ａ）におけるピンの固定前の状
態を示す断面概略図である。

【符号の説明】

７ 柄、１１ 線材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製の線材（１１）を屈曲することに
   より形成された柄（７）を有することを特徴とする手動
   利器。