JPH0411562B2 - - Google Patents

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JPH0411562B2
JPH0411562B2 JP61103817A JP10381786A JPH0411562B2 JP H0411562 B2 JPH0411562 B2 JP H0411562B2 JP 61103817 A JP61103817 A JP 61103817A JP 10381786 A JP10381786 A JP 10381786A JP H0411562 B2 JPH0411562 B2 JP H0411562B2
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plasma
hydrophilic
reactor
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nitroethane
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プラズマ重合法により物質の表面を
親水性にする方法に関する。
(従来の技術) 疎水性の物体表面を親水性にする方法の一つと
して、物体表面をプラズマ処理することが知られ
ている。プラスチツク表面を、無機ガスたとえば
アルゴン、ヘリウム、酸素あるいは窒素ガスのプ
ラズマに曝すことにより、プラスチツク表面は親
水性となる。この方法は、プラズマ処理と通常呼
ばれている。しかし、このプラズマ処理による親
水性化の効果は、1〜2日後には急速に消失して
しまう。その理由は、プラスチツク表面に発生し
た極性基が時間がたつにつれて回転してプラスチ
ツクの内側の方向に向くためであると考えられ
る。
また、メタン、エタン、アセチレンのような有
機ガスのプラズマを用いて物体表面を処理するこ
とも知られている。この場合、物体表面に用いた
有機ガスから作られたポリマーの析出が認められ
る。この方法は、一般にプラズマ重合と呼ばれ
る。親水性化のためには、窒素含有化合物のプラ
ズマを用いてプラズマ重合することも知られてい
るが、その効果は満足すべきものではない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、物体の表面を親水性にする方法にお
いて、従来の方法に比べて親水性化の効果に持続
性があり、かつ効果の程度が高い方法を提供する
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、プラズマ重合法において低級アル
キルニトロ化合物を用いることにより、上記問題
点を解決する優れた親水性化が達成されることを
見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、プラズマ重合法において一
般式 R−NO2 (Rは炭素数1〜4の飽和又は不飽和脂肪族基
を示す)で表わされるニトロ化合物を用いてコー
テイングを基体表面上に形成することを特徴とす
る、基体表面の親水性化処理法である。
本発明において用いられる一般式R−NO2
表わされる化合物は、炭素数1〜4の脂肪族ニト
ロ化合物である。本発明において、プラズマ重合
のための化合物が窒素原子と酸素原子の両者を含
むことが大きな特徴である。化合物の基Rは、飽
和していても不飽和であつてもよく、直鎖状でも
分枝状でもよい。Rの炭素原子数が大きくなると
プラズマ重合したコーテイングの親水性が低下す
るので、Rは4以下の炭素原子を持つことが望ま
しい。特にはRは2又は3個の炭素原子を含むの
が好ましい。ニトロエタンが、その入手容易性及
びプラズマ重合コーテイングの性質の観点から最
も好ましい。
本発明方法を施される基本としては特に限定さ
れない。合成樹脂たとえばポリエステル、ポリア
ミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニルなど、またゴムた
とえばSBR、NBR、IR、天然ゴムまたはこれら
の変性ゴムが挙げられる。これら基体の形状は特
に限定されず、繊維状であつてもよい。ガラス、
セラミツク又、炭素繊維のような無機物基体でも
よい。また、アルミニウム、鉄、銅のような金属
を基体とすることができる。このように広範囲の
基体を対象として実施できることは、プラズマ重
合法の一つの特徴である。
プラズマ重合法自体は公知であり、プラズマの
発生のために公知法のいずれをも使用できる。容
量結合型(有極放電方式)あるいは誘導結合型
(無極放電方式)の二方式が知られており、
13.56MHzのラジオ波が一般に利用される。簡単
に言えば、まず被処理物体を入れた反応器を
1torr以下、特には10-1〜10-4torrの減圧にする。
一方、気体状の原料化合物に放電による電気エネ
ルギーを与えてプラズマ状態として、これを被処
理物体に連続的に1〜180分間供給すると被処理
物体上に薄いコーテイングが形成される。所望の
コーテイング厚さに応じて処理時間を決めること
ができる。
本発明の実施態様を図を参照して詳しく説明す
る。図において、反応器1は拡散ポンプ2及び回
転ポンプ3により減圧され、圧力は真空計4によ
りモニターされる。反応器中には、被処理基体5
が入れられている。プラズマ発生のためにRF誘
導コイル6が反応器の外側に置かれ、これは図示
しない電源に接続される。つまり図では、誘導結
合型が使用される。容器7からモノマー原料気体
がストツプバルブ8及びニードルバルブ9を経て
モノマー導入口10から反応器に供給される。ボ
ンベ11にはアルゴンが入つており、ストツプバ
ルブ12及びニードルバルブ13を経て反応器に
供給される。
まず、反応器内の圧力を10-3torrまで減圧す
る。次にストツプバルブ12を開けてモノマー導
入口を通じてアルゴンガスを反応器内に導入す
る。このときモノマーのストツプバルブ8は閉じ
たままである。ニードルバルブ13を調節して反
応器内の圧力を10-1torrに保つ。RF誘導コイル
を作動させて反応器内にプラズマを発生させる。
たとえば20〜100ワツトのRF出力で約10分間、被
処理物体をアルゴンプラズマに曝すことによつ
て、物体表面の水分が除去され、表面がきれいに
なる。RF出力を切つてプラズマを消滅し、スト
ツプバルブ12を閉じ、再び減圧して圧力を10-3
torrとする。次にストツプバルブ8を開けてモノ
マー、たとえばニトロエタンをモノマー導入口1
0より供給する。容器7中でニトロエタンは液状
であるが、反応器1内の減圧とつながると気化す
る。ニードルバルブ9を調節してニトロエタン流
量をたとえば0.5〜5cm3(STP)/分にする。RF
コイルに入力して反応器内にプラズマを発生させ
る。たとえば出力25ワツトで30分間ニトロエタン
プラズマに被処理物体を曝す。RFコイル電源を
切つてプラズマを消滅し、ストツプバルブ8を閉
じ、圧力を再び10-3torrとする。拡散ポンプ2及
び回転ポンプ3を停止し、反応器1内の圧力を大
気圧に戻した後に被処理物体を取り出す。物体上
には、たとえば1〜10μg/cm2・分の速度でコー
テイングが付着される。
なお、上記ではアルゴンプラズマによる前処理
を行つたが、アルゴンに代えて窒素ガス、酸素ガ
ス、アンモニアガス、又はこれらの混合物を用い
ることができる。窒素ガスと酸素ガスの混合物を
用いる場合、その混合比率は20:80〜80:20が好
ましい。また、このような気体による前処理の代
りに、又はこれに加えて、プライマーを被処理物
体に施与することができる。プライマーの施与に
より、コーテイングと被処理物体表面の接着が改
良される。プライマーとしては、エポキシ系、ウ
レタン系、アクリル系ポリマーの公知の物を用い
ることができる。また、シランカツプリング剤を
好ましく用いることができ、シランカツプリング
剤は、ほとんどすべての無機物の接着性を良く
し、有機物に対しては各々選択性を持つた各種の
シランカツプリング剤が知られている。たとえば
NUCシランカツプリング剤A−174、A−186及
びA−187(商標、日本ユニカー株式会社)を用い
ることができる。これらプライマーは溶液として
塗付、浸漬、あるいはスプレー法により被処理基
体表面される。
次に実施例により本発明を説明する。
(実施例) 実施例 1 被処理基体として、NBRスポンジ(直径5cm、
厚さ1.2cmの円盤)を用いた。モノマーとしては
ニトロエタンを用いた。装置は図に示した構成を
持つた。反応器は100mm内径、長さ400mmのパイレ
ツクスガラス製である。アルゴンプラズマによる
前処理は13.56MHzのラジオ周波数源を用いて25
ワツトの出力で10分間行つた。ニトロエタンによ
る本発明に従う処理は、25ワツトの出力で30分間
行つた。
このように処理したNBRスポンジの親水性を
調べるため、スポンジに水を滴下して、その拡散
時間をJIS L1096 A法(滴下法)に準じて測定
した。本発明により処理したスポンジを6秒間で
水が拡散した。未処理のスポンジは水滴が気化す
るまでの間に事実上拡散しなかつた。
本発明により得られた親水性NBRスポンジは
親水性に富み、化粧用パフとして好ましく使用で
きた。
ニトロエタンの代りに、ニトロメタン、ニトロ
プロパン又はニトロブタンを用いて同様に実施し
て類似の結果を得た。但し、ニトロブタンの場合
に親水性の程度がやや低かつた。
実施例 2 被処理基体としてスライドガラスを用い、モノ
マーとしてニトロエタン、トリエチルアミン及び
メタンを各々用い、実施例1と同様にしてプラズ
マ重合を行つた。
ニトロエタンをプラズマ重合したコーテイング
は水に対して7°の接触角を示し、良好な親水性を
有した。この親水性は、少くとも二ケ月の間変ら
なかつた。一方、トリエチルアミン及びメタンの
プラズマ重合コーテイングは、各々70°及び96°の
接触角を示した。未処理ガラスでは35°である。
つまり、本発明に従う低級アルキルニトロ化合物
からのプラズマ重合コーテイングが、低級炭化水
素又はアミンからのプラズマ重合コーテイングよ
りも顕著な親水性を示す。
本発明に従うニトロエタンからのプラズマ重合
コーテイングをガラスから剥り落して元素分析し
た。実験式C2.0H2.6N1.0O1.4が得られた。H/Cは
1.3であり、ニトロエタンのH/C(2.5)よりか
なり小さい。つまり脱水素が起つている。赤外ス
ペクトル分析によると、3341cm-1(吸収された水
及びNH)、1679cm-1(NC(o))、1399及び1386
cm-1(CH)に強い吸収、1549cm-1(NO2)、1531
cm-1(NH)、1233cm-1(C−N)及び768cm-1
(未知)に弱い吸収があつた。NO2基に対する吸
収(1335、880及び815cm-1)は、認められなかつ
た。CH2及びCH3基のストレツチング吸収(2960
及び2925cm-1)は強くなかつた。また島津製作所
製ESCA750を用い6.5×10-6Paで8kV、30mAで
のMgKα励起放射によるESCAによると、C1S
三つの成分に分解され、285.0(C−C)、286.6−
287.0(C−O、C−N)及び288.5−288.7eV(C
=O)の位置に、相対濃度38、23及び39%と認め
られた。N1Sは400.3−400.9eVに対称ピークが認
められ、NC(o)基に対応する。ニトロ基に対
応するピーク(405eV)は認められなかつた。
以上より、ニトロエタンのニトロ基は消失し、
脱水された炭素鎖がアミド結合により重合してい
るものと考えられる。
(発明の効果) 本発明は、従来知られていない低級アルキルニ
トロ化合物のプラズマ重合により基体上に親水性
のコーテイングを形成するものであり、この親水
性は一時的ではなくて持続性があり、かつ親水性
の程度は極めて高い。本発明は、コーテイングさ
れる基体の材質のいかんに拘らず実施できる。基
体とコーテイングとの密着性は良い。モノマーの
重合と皮膜形成を一段階で行うことができ、また
コーテイングの厚さは処理時間等により自由に変
えられる。
以上の通り、本発明は従来なかつた優れた効果
を有する親水性化処理法である。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を一実施するための装置の構成を示
すブロツク図である。図中の数字は下記のものを
示す。 1……反応器、2……拡散ポンプ、3……回転
ポンプ、4……真空計、5……被処理基体、6…
…RF誘導コイル、7……容器、8……ストツプ
バルブ、9……ニードルバルブ、10……モノマ
ー導入口、11……ボンベ、12……ストツプバ
ルブ、13……ニードルバルブ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 プラズマ重合法において一般式 R−NO2 (Rは炭素数1〜4の飽和又は不飽和脂肪族基
    を示す)で表わされるニトロ化合物を用いてコー
    テイングを基体表面上に形成することを特徴とす
    る、基体表面の親水性化処理法。 2 Rが炭素数2又は3を有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
JP61103817A 1986-05-08 1986-05-08 プラズマ重合による表面処理法 Granted JPS62260836A (ja)

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JP61103817A JPS62260836A (ja) 1986-05-08 1986-05-08 プラズマ重合による表面処理法

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JPS62260836A JPS62260836A (ja) 1987-11-13
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JP61103817A Granted JPS62260836A (ja) 1986-05-08 1986-05-08 プラズマ重合による表面処理法

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KR101007775B1 (ko) 2010-03-09 2011-01-12 김재천 친수성 고분자 혼합물을 이용한 거울용 친수성 고분자막의 형성방법
EP2559806A1 (en) 2011-08-17 2013-02-20 Center of Excellence Polymer Materials and Technologies (Polimat) Method for increasing the hydrophilicity of polymeric materials

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