JPH04113778U - 車両の燃料冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等の車両の燃料冷却装置のコスト低
下、配管の単純化および燃料冷却効果の向上を図る。 【構成】 燃料噴射弁２に燃料を分配する燃料分配管１
内に、燃料通路３に隣接させて、空調装置の冷媒系統に
出入管６，７を介して接続された冷媒通路４を並設す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、燃料噴射式エンジンを備え燃料を空調装置の冷媒で冷却するように した車両の燃料冷却装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

このような燃料冷却装置として、例えば実開昭59-62260号公報に示されている ようなものが従来知られている。

【０００３】 この燃料冷却装置においては、燃料噴射弁に燃料を分配するデリバリパイプ内 にヒートパイプの吸熱部を装入し、このヒートパイプをデリバリパイプから長く 延出させ、他端の放熱部をクーラシステムにおけるエバポレータとコンプレッサ との間の低圧配管に固定し、かつ該低圧配管を前記放熱部とともに断熱材で包ん であり、デリバリパイプ内の燃料の熱がヒートパイプを介して低圧配管内の低温 の冷媒に伝えられることにより、燃料が冷却される。

【０００４】

【解決しようとする課題】

しかしこの燃料冷却装置はヒートパイプを使用するので、コストが高くつき、 また構造も複雑になる。さらに燃料から冷媒への熱伝達がヒートパイプを介して 行われるので、それだけ冷却効果が低下する。

【０００５】

【課題を解決するための手段および作用】

本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本考案においては、燃 料噴射式エンジンを備え燃料を空調装置の冷媒で冷却するようにした車両の燃料 冷却装置において、燃料噴射弁に燃料を分配する燃料分配管内に、該燃料を通す 燃料通路に隣接させかつ該燃料通路と気密に分離させて、前記冷媒を通す冷媒通 路を並設する。

【０００６】 本考案によれば、燃料分配管が燃料分配機能と燃料冷却機能とを兼備し、燃料 分配管と別個に燃料冷却装置を設ける必要がないのでコストが低下し、また配管 が単純化する。さらに燃料と冷媒とが燃料分配管内で通路壁を通じて直接的に熱 交換するので冷却効果が向上する。

【０００７】

【実 施 例】

以下図１ないし図３に示す一実施例について本考案を説明する。

【０００８】 １は燃料分配管で、図示してないエンジンの吸気管に隣接して設けられ、この 燃料分配管１に取付けられた４個の燃料噴射弁２がそれぞれ対応する吸気管内に 臨む。

【０００９】 燃料分配管１はアルミニウム材の押出し成形品からなる多層パイプで、中心部 には燃料通路３が長手方向に貫通しており、その上側および下側に隣接してそれ ぞれ冷媒通路4a，4bが該燃料通路３を包囲するように設けられている。冷媒通路 4a，4bも燃料分配管１を長手方向に貫通している。上下の冷媒通路4a，4bは燃料 分配管１の左端（図において左端、以下同様）において接続路５，５を介して互 いに接続されており、また右端部においてそれぞれ冷媒入口管６および冷媒出口 管７に連通している。冷媒入口管６および冷媒出口管７は図１に示すように上下 に重なり合って燃料分配管１の側方へ突出しており、車室空調装置の冷媒系統に 接続される。

【００１０】 燃料分配管１の左端面には接続ブロック８がねじ９により取付けられる。燃料 分配管１の端面1aと接続ブロック８の端面8aとはシール片等を介して気密に当接 し、これにより燃料通路３と冷媒通路4a，4bおよび接続路５との間に気液密が保 たれる。接続ブロック８には上面側を入口とし前記当接面8a側を出口とするかぎ 状に屈曲した油路10が形成されており、該油路10の出口となる突出管11が燃料分 配管１の燃料通路３に液密に嵌合する。油路10の入口側は接続金具12を介して燃 料管13に接続される。燃料管13は燃料ポンプを介して燃料タンクに接続されてお り、該燃料ポンプにより加圧された燃料が図３に矢印で示すように燃料管13から 油路10を経て燃料通路３に送り込まれる。

【００１１】 燃料分配管１の他端面にはフランジ状の接続ブロック14が、前記接続ブロック ８と同様に気密に当接して固着されており、該接続ブロック14により冷媒通路4a ，4bの開放端が閉塞されている。接続ブロック14には燃料通路３に連通する油路 15が設けられている。接続ブロック14には圧力調整器16が取付けられている。圧 力調整器16の内部は、スプリング17により付勢されたダイアフラム弁18により、 大気に連通する上部室19と、入口通路20および出口通路21に連通する下部室22と に区画され、出口通路21がダイアフラム弁18により開閉されるようになっている 。下部室22すなわち燃料通路３内の油圧が所定値を超えるとダイアフラム弁18が 開いて燃料通路３内の燃料が出口通路21に逃がされ、該油圧が所定値以下になる とダイアフラム弁18が閉じて燃料管13を通じて送り込まれる燃料により昇圧に転 じ、かくして燃料通路３内の燃料は常に所定の圧力に保持される。出口通路21は 燃料戻り管を介して燃料タンクに接続されている。

【００１２】 燃料分配管１内おいて、燃料通路３から４個の分岐通路23が分岐し、これらの 分岐通路23が、燃料分配管１の前記冷媒出入口６，７とは反対側の側面に、軸線 方向に等間隔に噴射弁接続口24として開口している。そしてこれらの噴射弁接続 口24にぞれぞれ前記燃料噴射弁２の差込み部2aが差し込まれ気密に固定される。 燃料噴射弁２は電磁装置を内蔵し、該電磁装置に図示してない電子制御装置から エンジンの運転状況に応じて送られて来る電気信号により、定められた時期に所 定時間だけ開弁し、これにより、前記のようにして燃料通路３内に所定圧に維持 されている燃料が、噴射口2bから所定量だけ吸気管内に噴射される。

【００１３】 一方、冷媒入口管６を通じて空調系統の冷媒が冷媒通路4aに送り込まれ、燃料 通路３の上側を燃料入口側へ向って流れ、次いで接続路５を通って下側の冷媒通 路4bに流入し、該冷媒通路4b内を燃料出口側すなわち接続ブロック14側へ向って 流れ、冷媒出口管７を通じて空調系統へ戻される。そしてこの間に、冷媒通路4a ，4bと燃料通路３とを仕切る隔壁部25を介して、冷媒と燃料との間に熱交換が行 われ燃料が冷却される。

【００１４】 本実施例においては、燃料分配管１が燃料分配機能と燃料冷却機能とを兼ね備 え、従って燃料分配管と燃料冷却装置とをそれぞれ別個に設ける必要がないので 、コストが低下するとともに、配管が単純化する。また、燃料と冷媒の熱交換が 直接的に行われ、両者間にヒートパイプ等が介在しないので、燃料が効率よく冷 却され、しかも分岐通路23も上下の冷媒通路4a，4bによって冷却されるので、燃 料通路３内で冷却された燃料が燃料噴射弁２に達するまでに昇温することがなく 、燃料冷却による効果が一層良好に発揮される。さらに、燃料分配管１で冷却さ れた燃料の一部が出口通路21から燃料タンクへ戻されるので、該タンク内の燃料 温度の上昇が防止される。

【００１５】

【発明の効果】

本考案によれば、燃料分配管と燃料冷却装置とをそれぞれ別個に設ける必要が ないので、コストが低下するとともに、配管が単純化する。また、燃料が効率よ く冷却され、燃料冷却による効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る燃料冷却装置を兼ねた
燃料分配管の分解斜視図である。

【図２】図１のII- II線に沿う断面図である。

【図３】図１の燃料分配管を概念的に示した縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１…燃料分配管、２…燃料噴射弁、３…燃料通路、４…
冷媒通路、５…接続路、６…冷媒入口管、７…冷媒出口
管、８…接続ブロック、９…ねじ、10…油路、11…突出
管、12…接続金具、13…燃料管、14…接続ブロック、15
…油路、16…圧力調整器、17…スプリング、18…ダイア
フラム弁、19…上部室、20…入口通路、21…出口通路、
22…下部室、23…分岐通路、24…噴射弁接続口、25…隔
壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料噴射式エンジンを備え燃料を空調装
   置の冷媒で冷却するようにした車両の燃料冷却装置にお
   いて、燃料噴射弁に燃料を分配する燃料分配管内に、該
   燃料を通す燃料通路に隣接させかつ該燃料通路と気密に
   分離させて、前記冷媒を通す冷媒通路を並設したことを
   特徴とする車両の燃料冷却装置。