JPH04113370U - スリツパシール - Google Patents

スリツパシール

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JPH04113370U
JPH04113370U JP1804491U JP1804491U JPH04113370U JP H04113370 U JPH04113370 U JP H04113370U JP 1804491 U JP1804491 U JP 1804491U JP 1804491 U JP1804491 U JP 1804491U JP H04113370 U JPH04113370 U JP H04113370U
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幸夫 谷川
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株式会社阪上製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール性、低摩擦特性にすぐれ装着が容易な
スリッパシールを提供する。 【構成】 合成樹脂または合成ゴム等の略矩形断面のシ
ールリング2とそれより軟質のゴム状弾性体のバックリ
ング3とから構成し、軸方向に延在する突起6または周
方向に不連続の凸状部7から成る突出部をバックリング
本体4の固定側周面5に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、流体圧シリンダ等の流体圧機器のピストン部あるいはロッド部のシ ールに用いられるスリッパシールに関する。詳述すれば、本考案は、相手運動面 に接触するシールリングと前記シールリングに接触力を付与するバックリングと を組合せて構成され、特に低摩擦特性および装着作業性に優れたスリッパシール に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、従来からのスリッパシール21は、PTFEなどの軟質合成樹脂 からなる略矩形断面のシールリング22と、合成ゴム製の略矩形断面のバックリン グ23とを組合せたシール装置で、バックリング23をつぶすことによって、シール リングの相手運動面に対する接触力を得るように構成された圧縮型のシール装置 である。
【0003】 図7は同じく従来のスリッパシール21を示すもので、この場合にはシールリン グ22の内側にバックリング23が組合わされている。
【0004】 従って、スリッパシール21のシール性を向上させるには、バックリング23のつ ぶし量 (圧縮量) を大きくして、シールリング22の相手面に対する接触力を大き くする必要がある。
【0005】 ところが、図6を例にとって説明すると、バックリング23のつぶし量 (δ) は 、シールリング22の厚さ(T) とバックリング23の厚さ(t) の和と、装着溝の深さ (W) の関係 (δ=T+t−W) であるから、シールリング、バックリングの厚さ のばらつきが、つぶし量のばらつきとなり、単体のシール (例えばOリングなど ) に比べばらつきの幅が必然的に大きくなってしまう。
【0006】 つぶし量のばらつきは、摩擦特性、シール特性に影響を与え、つぶし量が大き い場合は、摩擦抵抗が大きくなり、スリッパシールの大きな特長である低摩耗性 を損ない、さらに、つぶし量が多すぎて、装着時にバックリングのつぶされた体 積の逃げがなくなると、機器の組立てが困難になるなどの問題点があった。
【0007】 そのため、シールリング22の厚さ(T) 、バックリング23の厚さ(t) の製作公差 は、シビアなレンジに規定しなければならず、要求特性によっては、寸法ランク による組合せを行い、規定のつぶし量を得るなどの工数を要していた。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、上述したようにスリッパシールのシールリングの厚さおよび バックリングの厚さを特別にシビアな寸法公差としたり、さらには選別組合わせ を行なわずとも、シール性、低摩擦特性に優れ、しかも装着作業の容易なスリッ パシールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ここに、本考案の要旨は、例えば合成樹脂、または合成ゴム等からなる略矩形 断面のシールリングと、該シールリングより軟質のゴム状弾性体からなるバック リングとを組合せて構成し、バックリング本体のシールリングとは反対側の固定 側周面に不連続突出部を有することを特徴とするスリッパシールである。
【0010】 本考案の1実施態様によれば、前記不連続突出部は軸方向に延在する複数の突 起から構成される。
【0011】 あるいは前記不連続突出部は、周方向に不連続に延設された凸状部から構成さ れていてもよい。
【0012】 すなわち、本考案によればバックリングの固定側周面に突出部を設けて所定の つぶし量を確保するとともにそれを不連続形態とすることにより突出部をつぶし たときの逃げ場を与え過度の摩擦抵抗の発生を防ぐものである。
【0013】
【作用】
ここで添付図面を参照して本考案をさらに具体的に説明する。
【0014】 図1および図2は本考案にかかるスリッパシール1を示すそれぞれ平面図およ び部分断面図であり、これはロッド部のシール装置としての構成を示すもので、 バックリングの固定側周面が最外周面にくる。
【0015】 図示例は不連続突出部として軸方向に延在する複数の突起6を備えた場合を示 す。
【0016】 図示のように、本考案によれば、略矩形断面のシールリング2の外周側に組合 わされた略矩形断面のバックリング本体4のシールリング2とは反対側の固定側 周面5には、軸方向に延在する複数の半円弧状の突起6から成る突出部が設けら れている。
【0017】 シールリング2の材料としては、一般的にはふっ素樹脂が使用されるが、流体 の種類、圧力、温度などの使用条件に応じて、各種の合成ゴム、合成樹脂、熱可 塑性エラストマーから選ぶことができ、バックリング3は、前記シールリング2 の材質より軟質のゴム状弾性材料が使用され、これも、使用条件に合わせて選択 使用される。例えばアクリロニトリルゴムが例示される。
【0018】 本考案のスリッパシール1は、図3に示すように、装着時においては、装着溝 11の底面12に、バックリング3の突起6が圧接してつぶされることによって、シ ールリング2を相手運動面に向かって押圧する力を得ている。
【0019】 本考案におけるバックリング3の前記突起6は、突起6の突出量、つぶし量お よび接触面積の設定、さらにはゴム材質の選択により接触力を設定できるため、 それらを適宜選択することによりスリッパシールのシール性、摩擦特性において も、広い特性範囲のものを容易に得ることを可能としている。
【0020】 本考案によるスリッパシール1の流体圧力のシールは、シールリング2と相手 運動面10の接触面と、バックリング3の低圧側の側面と装着溝の側面13との接触 面と、およびバックリング3とシールリング2との接触面との3か所で行ってい る。
【0021】 したがって、バックリング3の前記突起6の間の凹部8に、流体圧力が導入さ れてもバックリング3からの漏れの発生はなく、高圧時においては、前記凹部8 に流体圧力を積極的に導入することにより、バックリング3のシールリング2に 対する押付け力を流体圧力に比例的に上昇させて、シールリング2と相手運動面 間のシール性を高めるように作用するため、シール性の向上に寄与する。
【0022】 シールリング2の圧力側の側面には、図1からも明らかなように、バックリン グ側に流体圧力を素早く導入して、ブローバイを防止するための流体の流路とな る径方向の流通溝9を設けてもよい。
【0023】 このように、シールリング2の流体圧力側の側面に、外周面と内周面をつなぐ 1ないし数個の流路溝9を設けることは、高圧時あるいは圧力の変動が激しい場 合などには、バックリング3に流体圧力が作用することを容易にし、これにより 、より優れた圧力に対する応答性が得られ、シール性を向上させることができる 。
【0024】 この径方向の流通溝9は、圧力変動の激しい条件、あるいは、バッファシール としての使用においては不可欠なものであるが、ピストン部のシール装置として 両方向からの流体圧力をシールする場合は、特に設ける必要はないものである。
【0025】 本考案のスリッパシール1は、前述したように不連続突出部の一部分のみをつ ぶすだけで、バックリング本体4はつぶさないため、つぶし量を従来のバックリ ングの場合に比べ相当に大きくしても摩擦力の増大は防げ、かつ、長期の使用に おいて材質の歪が発生した場合においても、残留するつぶし量が確保されるので 、長期間シール性が維持される。
【0026】 前述したように、つぶし量の許容範囲が拡がることは、シールリング2、バッ クリング3の厚さの製作公差の許容範囲が広く取れることを意味し、スリッパシ ールの製作上の利点も大きく、また、凹部8が装着時につぶされる突起6の逃げ 領域を提供するため、つぶし量が大きすぎることによる装着作業性の不都合も解 消される。
【0027】 バックリング3の高さを、シールリング2と同程度の寸法に設定しても、つぶ される突起6の逃げ領域が確保されているため、装着作業における不具合の発生 はなく、バックリング3の装着溝内での軸方向の移動量が少なくなるため、圧力 方向の切替えによるスリッパシールの装着溝内での移動が早くなり、シール性の 向上をはかることができる。
【0028】 図4および図5は、ピストン用として構成した、本考案の他の態様を説明する それぞれ側面図および部分断面図であるが、バックリング3の内周面5に径方向 に突出し、周方向に不連続に延設された凸状部7を、不連続部10の位相を互いに ずらして2重に設けたものである。このときには凹部8ばかりでなく、不連続部 10も凸状部7をつぶしたときに逃げ領域を与える。
【0029】 このような構成をとっても突出部を突起6から構成した場合と同様の作用効果 が得られるばかりでなく、不連続部10の位相を互いにずらすことにより、シール リング2への押圧力が均一になり、シール性が向上する効果も得られる。
【0030】 いずれにしても、本考案のスリッパシール1の特徴は、バックリング2は、バ ックリング2の固定側周面5に設けた、突起6または凸条7のみをつぶすことに よって、シールリングの相手運動面への接触力を得るように構成していることに ある。なお、不連続突出部の例として突起6および凸状部7の例だけを掲げたが 、その他ランダムな配置の突起であってもさらには軸線に対し傾斜させた配置の 突起であってもよく、つぶし量と逃げ領域が確保されれば特定形態のものに制限 されない。
【0031】 本考案のスリッパシールは、他のシール装置と組合せてバッファーシールとし て使用してもよく、特にその場合、前記凹部8が流体圧の導入によるシール性の 向上と共に、低圧側の他のシール装置によりシールされ、圧力室の圧力が低圧に 切替えられた際にこのシール装置とスリッパシールとの間に溜った圧力流体 (背 圧) を戻す流路として作用し、シールリング2の側面の流路溝9と協働して、圧 力室側に逃がす流路が確保されるため、保護用シール装置としても有効な作用効 果を持つものである。
【0032】 このように、本考案のスリッパシールは、バックリングの凹部8が、流体圧力 の導入によるシール性の向上と、背圧の流路としての効果を供えているため、一 般的にかなり高圧条件下で使用される、バッファーシールとしての使用において も、優れた効果が得られる。
【0033】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案にかかるスリッパシールは、従来からのスリッパ シールと同様、往復運動、回転運動、およびそれらの複合された運動をする、ピ ストン部、ロッド部に取付け、各種流体の圧力をシールするシール装置として使 用され、その場合寸法公差などが厳しくなくてもよいため、製作・組立てが容易 となり、使用に当たっても高圧下で十分なシール性を確保しながら摩擦力の増加 を抑えることができるなど、すぐれた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるスリッパシールの平面図であ
る。
【図2】図1に示すスリッパシールの片側断面図であ
る。
【図3】本考案にかかるのスリッパシールの装着状態を
示す断面図である。
【図4】本考案の他の実施例を示す平面図である。
【図5】本考案の他の実施例を示す片側断面図である。
【図6】従来からのスリッパシールの断面図で、破線
は、装着溝を示す想像線である。
【図7】従来からのスリッパシールの断面図である。
【符号の説明】
1 : スリッパシール 2 : シールリング 3 : バックリング 4 : 本体 5 : 固定側周面 6 : 突起 7 : 凸状 8 : 凹部 9 : 流通溝 10 : 相手運動面 11 : 装着溝 12: 溝底面 13, 14 : 溝側面

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形断面のシールリング2と、該シー
    ルリング2より軟質のゴム状弾性体からなるバックリン
    グ3とを組合せて構成し、バックリング本体4のシール
    リング2とは反対側の固定側周面5に不連続突出部を有
    することを特徴とするスリッパシール。
  2. 【請求項2】 前記不連続突出部が軸方向に延在する複
    数の突起6から成る請求項1記載のスリッパシール。
  3. 【請求項3】 前記不連続突出部が、周方向に不連続に
    延設された凸状部7から成る請求項1記載のスリッパシ
    ール。
JP1991018044U 1991-03-25 1991-03-25 スリッパシール Expired - Lifetime JP2535664Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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