JP5520556B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スリンガとこのスリンガに摺動自在に密接するシールリップを具備するシール部材とを有する密封装置に関する。
従来から、潤滑油などの密封すべき流体の漏れを防ぐ密封装置の一種として、相対回転する2つの部材のうちの一方の部材に取り付けられるスリンガと、他方の部材に取り付けられスリンガに摺動自在に密接するシールリップを具備するシール部材とを有する組み合わせタイプのものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図6は、従来の密封装置の一例を示すものである。従来の密封装置51は、相対回転する2つの部材のうちの一方の部材としての回転部材である回転軸52に取り付けられるスリンガ53と、相対回転する2つの部材のうちの他方の部材としての固定部材であるハウジング54にスリンガ53と対向するように取り付けられるシール部材55とを有している。
前記スリンガ53は、金属などにより形成されており、回転軸52の所望の位置に嵌入などにより取り付けられる筒状に形成された取付基体部56と、この取付基体部56の一端縁である図6の左側に示す密封側SSに位置する左端縁から図6の左右方向に示す取付基体部56の軸方向に対して直交するようにハウジング54に向かって径方向外側(図6の上方)に延出された環状の平板部57とを有している。そして、平板部57の一面である図6の右側に示す大気側ASに位置する右面57aは平坦面とされており、後述するシールリップ67のリップ先端67aが摺動自在に密接されるシール当接面58となっている。
前記シール部材55は、筒状の取付本体61と、この取付本体61に固着された環状のシール本体62とを有している。
前記取付本体61は、金属などにより形成されており、ハウジング54の所望の位置に嵌入などにより取り付けられる筒状の外側筒部63と、この外側筒部63の図6の右側に示す大気側ASに位置する右端縁から図6の左右方向に示す外側筒部63の軸方向に対して直交するように回転軸52に向かって径方向中心側(図6の下方)に延出された環状の接続平板部64と、この接続平板部64の内端縁から密封側SSに向かって外側筒部63の軸方向に沿って延出された内側筒部65とを有している。すなわち、取付本体61は、全体として密封側SSが開口している断面コ字状をなす環状に形成されている。また、内側筒部65の軸方向の長さは、外側筒部63の軸方向の長さより短く形成されている。
前記シール本体62は、取付本体61における内側筒部65の内周面に固着された筒状の基部66と、この基部66の軸方向の左端縁から外側筒部63の内周面に向かって径方向外側(図6の上方)に徐々に拡径するように形成された環状のシールリップ67とを有しており、全体として密封側SSに位置する左端が広く開いている横向きラッパ状に形成されている。そして、シールリップ67の密封側SSを向いた面はシール面68とされている。また、シール面68の外周縁に位置する先端は、リップ先端67aとされており、このリップ先端67aは、スリンガ53のシール当接面58に対して軸方向から所要の締め代をもって摺動自在に密接するように形成されている。したがって、シール部材55は、スリンガ53に摺動自在に密接するシールリップ67を有している。
前記シール本体62は、ゴムなどのゴム状弾性体、あるいは、耐摩耗性および低摩擦特性を備えたフッ素樹脂などの樹脂により一体に形成されている。
このような構成からなる従来の密封装置51によれば、シールリップ67のリップ先端67aがスリンガ53のシール当接面58に対して所望の締め代をもって弾性的に密接することにより、図示しない流体が漏れるのを防止、すなわち、密封側SSに存在する流体が大気側ASに流動して漏れるのを防止するという密封性を確保することができるようになっている。
特開2005−265162号公報
しかしながら、前述した従来の密封装置51においては、シールリップ67のリップ先端67aが所要の締め代をもってシール当接面58に弾性的に密接することによって密封性が確保されているが、時間の経過にともなってリップ先端67aのシール当接面58に対する締め代が徐々に減少し、密封性が損なわれてしまうという問題点があった。
そこで、長期間に亘り安定した密封性を保持することのできる密封装置が求められている。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、長期間に亘り安定した密封性を保持することのできる密封装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の密封装置の特徴は、相対回転する2つの部材のうちの一方の部材に取り付けられるスリンガと、他方の部材に取り付けられるシール部材とを有しており、前記スリンガは、前記他方の部材に向かって径方向に延出された環状の平板部を有しており、前記平板部の一面にはシール当接面が設けられており、前記シール部材は、前記他方の部材に取り付けられる取付本体と、この取付本体に固着されたシール本体とを有しており、前記シール本体は、予め設定された締め代をもって前記シール当接面に摺動自在に密接するリップ先端を具備する環状のシールリップを有している密封装置において、環状に形成され、当該環の径方向に対して直交する軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有しており、前記シール部材は、前記シールリップの背面側に、前記弾性部材が軸方向に収縮した弾性変形状態で装着される環状に形成された装着凹部を備えており、前記シール部材は、前記弾性部材が前記弾性変形状態で前記装着凹部に装着された装着状態において前記弾性部材の弾力をもって前記リップ先端を前記シール当接面に向かって押し付けるように形成されており、前記弾性部材が、ガータースプリングであり、前記装着凹部の開口端の軸方向のサイズが、前記ガータースプリングのコイル径のサイズより小さく形成されている点にある。
そして、このような構成を採用したことにより、弾性部材の弾力により、リップ先端が常にシール当接面に向かって押し付けられているから、リップ先端がシール当接面に密接する力を安定して付与できる。その結果、長期間に亘って安定した密封性を確保することができる。また、弾性部材を容易に形成することができるし、弾性部材を簡単な構造とすることができるし、ガータースプリングを軸方向に収縮した弾性変形状態で装着することが容易にできる。
請求項に記載の本発明の密封装置の特徴は、請求項1において、前記シール本体が、ゴム状弾性体あるいはフッ素樹脂により形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、シール本体がゴム状弾性体で形成されている場合には、取付本体にシール部材を焼き付けて一体成型することができるので、生産性を向上することができる。また、シール本体がフッ素樹脂により形成されている場合には、ゴム状弾性体により形成されたシールリップに比較して、フッ素樹脂のもつ低摩擦特性により、リップ先端の摩耗による締め代の低下を確実に低減することができるし、低トルク化を容易に図ることができる。
請求項に記載の本発明の密封装置の特徴は、請求項1または請求項2において、前記シールリップのシール面あるいは前記シール当接面に、ポンプ作用を発揮するねじが形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ポンプ作用を発揮するねじは、密封側から大気側に漏れようとする流体を密封側に戻すことができるので、密封性を高めることができる。
請求項1に記載の本発明の密封装置によれば、弾性部材の弾力により、リップ先端がシール当接面に密接する力を安定して付与できる。その結果、長期間に亘って安定した密封性を確保することができるなどの優れた効果を奏する。また、弾性部材を容易に形成することができるし、弾性部材を簡単な構造とすることができるし、ガータースプリングを軸方向に収縮した弾性変形状態で装着することが容易にできるなどの優れた効果を奏する。
請求項に記載の本発明の密封装置によれば、シール本体がゴム状弾性体で形成されている場合には、取付本体にシール部材を焼き付けて一体成型することができるので、生産性を向上することができるなどの優れた効果を奏する。また、シール本体がフッ素樹脂により形成されている場合には、ゴム状弾性体により形成されたシールリップに比較して、フッ素樹脂のもつ低摩擦特性により、リップ先端の摩耗による締め代の低下を確実に低減することができるし、低トルク化を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
請求項に記載の本発明の密封装置によれば、ポンプ作用を発揮するねじにより、密封性を高めることができるなどの優れた効果を奏する。
本発明に係る密封装置の第1実施形態の要部を示す拡大断面図 図1の弾性部材の自由状態における拡大概略断面図 本発明に係る密封装置の第2実施形態の要部を示す図1と同様の図 本発明に係る密封装置の第3実施形態の要部を示す図1と同様の図 本発明に係る密封装置の第4実施形態の要部を示す図1と同様の図 従来の密封装置の装着状態の要部を示す拡大断面図
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
図1および図2は本発明に係る密封装置の第1実施形態を示すものであり、図1は要部を示す拡大断面図、図2は図1の弾性部材の自由状態における拡大概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の密封装置1は、相対回転する2つの部材のうちの一方の部材としての回転部材である回転軸2に取り付けられるスリンガ3と、相対回転する2つの部材のうちの他方の部材としての固定部材であるハウジング4にスリンガ3と対向するように取り付けられるシール部材5と、環状に形成された弾性部材6とを有している。
前記スリンガ3は、回転軸2の所望の位置に嵌入などにより取り付けられるものであり、冷間圧延鋼板などの金属により形成された環状のスリンガ本体11に、ゴム状弾性体で形成された回転軸用弾性シール12が焼き付けられて一体に形成されている。
前記スリンガ本体11は、内周面が回転軸2の外周面と対向する図1の左右方向に示す軸方向に平行な筒状に形成された取付基体部13と、この取付基体部13の一端である図1の左側に示す密封側SSに位置する左端縁から取付基体部13の軸方向に対して直交するようにハウジング4に向かって径方向外側(図1の上方)に延出された環状の平板部14とを有する断面ほぼL字状をなす環状に形成されている。そして、取付基体部13の内径は、回転軸2の外径より若干大径に形成されている。また、平板部14の一面である図1の右側に示す大気側ASに位置する右面14aは平坦面とされており、後述するシールリップ32のリップ先端32aが摺動自在に密接するシール当接面15となっている。すなわち、平板部14の一面にはシール当接面15が設けられている。
前記回転軸用弾性シール12は、スリンガ本体11の取付基体部13の内周を被覆するように形成されており、この取付基体部13の内周を覆う部分は、回転軸2の外周面に対して適宜な締め代を備えた回転軸用装着部12aとされている。すなわち、回転軸用装着部12a、ひいてはスリンガ3の内径は、回転軸2の外径より小径に形成されている。
なお、回転軸用弾性シール12は、設計コンセプトなどの必要に応じて設ければよい。
例えば、スリンガ3としては、回転軸用弾性シール12を設けずに、取付基体部13の内周面を回転軸2に直接取り付けるように形成してもよい。すなわち、回転軸2に対してスリンガ3の取付基体部13の内周面を嵌合させるように形成してもよい。
前記シール部材5は、ハウジング4の所望の位置に嵌入などにより取り付けられるものであり、取付本体21と、この取付本体21に固着されたシール本体22とを有している。
前記取付本体21は、冷間圧延鋼板(SPCC)などの金属により形成された環状の取付用環体23に、ゴム状弾性体で形成されたハウジング用弾性シール24が焼き付けられて一体に形成されている。
前記取付用環体23は、筒状に形成された外側筒部25と、この外側筒部25の大気側ASに位置する右端縁から図1の左右方向に示す外側筒部25の軸方向に対して直交するように回転軸2に向かって径方向中心側(図1の下方)に延出された環状の接続平板部26と、この接続平板部26の内端縁から密封側SSに向かって外側筒部25の軸方向に沿って延出された内側筒部27とを有している。すなわち、取付用環体23は、全体として密封側SSが開口している断面コ字状をなす環状に形成されている。
前記外側筒部25の外径は、ハウジング4の内径より若干小径に形成されている。さらに、外側筒部25の内周面の左端部がスリンガ3の平板部14の外周面と対向するように、外側筒部25の内径は、スリンガ3の平板部14の外径より大径に形成されている。さらにまた、内側筒部27の内径は、内側筒部27の左端面がスリンガ3の平板部14の右面14aと対向するように、スリンガ3の取付基体部13の外径より大径に形成されている。また、内側筒部27の軸方向の長さは、外側筒部25の軸方向の長さより短く形成されている。
前記ハウジング用弾性シール24は、取付用環体23の外側筒部25の外周と、外側筒部25に接続する接続平板部26の大気側ASの面とを被覆するように形成されており、外側筒部25の外周を覆う部分は、ハウジング4の内周面に対して適宜な締め代を備えたハウジング用装着部24aとされている。すなわち、ハウジング用装着部24a、ひいてはシール部材5の外径は、ハウジング4の内径より大径に形成されている。
なお、ハウジング用弾性シール24は、設計コンセプトなどの必要に応じて設ければよい。
例えば、シール部材5としては、ハウジング用弾性シール24を設けずに、外側筒部25の外周面をハウジング4に直接取り付けるように形成してもよい。すなわち、ハウジング4に対してシール部材5の一部を構成する取付本体21の外側筒部25の外周面を嵌合させるように形成してもよい。
前記シール本体22は、ゴム状弾性体あるいは樹脂により形成されており、取付用環体23の内側筒部27の外周面に固着される筒状の基部31と、この基部31の外周面の密封側SSに位置する左端部から径方向外側に向かって徐々に拡径するように延出形成された環状のシールリップ32と、基部31の外周面の大気側ASに位置する右端部から径方向外側に向かって延出形成された環状の受圧部33とを有している。そして、シールリップ32の密封側SSを向いた面はシール面34とされている。また、シール面34の外周縁に位置する先端は、リップ先端32aとされており、このリップ先端32aは、スリンガ3のシール当接面15に対して軸方向から所要の締め代CFをもって摺動自在に密接するように形成されている。したがって、シール部材5は、スリンガ3に摺動自在に密接するシールリップ32を有している。
なお、リップ先端32aのシール当接面15に対する締め代CFを明示するために、図1においては、誇張リップ先端32aをシール当接面15に重ねるとともに締め代CFを誇張して図示してある。
前記シール本体22は、取付用環体23に固着されて一体化されている。本実施形態においては、基部31の内周面31aと内側筒部27の外周面27aが固着されているとともに、受圧部33の大気側ASの面33aと接続平板部26の密封側SSの面26aとが固着されている。
ここで、シール本体22の材料としてゴム状弾性体を用いる場合には、取付用環体23に、シール本体22を焼き付けて一体成型することによって、シール本体22を取付用環体23に固着することができる。
また、シール本体22の材料としてフッ素樹脂を用いる場合には、所望の形状に形成したシール本体22を図示しない接着剤などの接合手段によって取付用環体23に固着することができる。
なお、シール本体22に用いるフッ素樹脂は、摩擦係数の低い低摩擦特性を具備するものが好ましい。このようなフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、重合可能な微量のパーフルオロアルキルビニルエーテルの単量体と共重合させ、耐クリープ特性を向上した変性PTFEが一般的であり、PFA、FEP、ETFEなどの樹脂も必要に応じて使用するとよい。
また、フッ素樹脂としては、耐摩耗性を向上させるように、充填剤を配合してもよい。このような充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイト、モリブデン、カーボンなどを単独あるいは数種類を組み合わせて用いることができる。
前記シール部材5は、シールリップ32の大気側ASに位置する背面側に、弾性部材6が軸方向に収縮した弾性変形状態で装着される環状に形成された装着凹部35を有している。
本実施形態の装着凹部35は、シールリップ32の背面32bと、受圧部33の密封側SSの面33bとにより、径方向外側が開口とされ、径方向中心側に向かって相互間の間隔が徐々に小さくなる断面V字形に形成されている。そして、シールリップ32の背面32bと、受圧部33の密封側SSの面33bとの間に、環状に形成され、当該環の径方向に対して直交する軸方向に弾性変形可能な弾性部材6がその軸方向に収縮した状態で挟持されるように装着されており、弾性部材6の弾力は、リップ先端32aを軸方向に沿ってシール当接面15に向かって押し付けるように発揮されるようになっている。
したがって、本実施形態における装着凹部35は、シール本体22に一体に設けられているとともに、シールリップ32の背面側に設けられている。
本実施形態の弾性部材6としては、硬鋼線(SWB)などにより形成された環状のガータースプリング37が用いられている。
前記ガータースプリング37は、その径方向に対して直交する軸方向につぶれるように収縮した弾性変形状態で装着凹部35に装着されている。このように、ガータースプリング37を軸方向に収縮した弾性変形状態で装着凹部35に装着することにより、ガータースプリング37を装着凹部35に装着した装着状態においてガータースプリング37の弾力をもってリップ先端32aをシール当接面15に向かって押し付けることができるようになっている。なお、図1においては、ガータースプリング37の軸方向(図1および図2のそれぞれの左右方向)に収縮した弾性変形状態を誇張して図示してある。また、図2においては、ガタースプリング37の自由状態における拡大概略断面を実線にて示し、弾性変形状態(装着状態)を2点鎖線にて示してある。
前記ガータースプリング37は、従来周知のばね入りオイルシールのばねとして用いられるものであり、拡径させることにより、径方向中心側に緊迫力を発揮することができるものでもある。そこで、自由状態におけるガータースプリング37の環内径ID(図2)を、装着凹部35の底部の直径より小さく形成するとよい。このような構成とすることにより、ガータースプリング37を装着凹部35に装着した装着状態において、ガータースプリング37が持つ径方向の緊迫力により、ガータースプリング37が装着凹部35に食い込むので、ガータースプリング37は、装着凹部35の開口端を軸方向に沿って拡開するくさび作用を発揮する。この結果、ガータースプリング37が持つ径方向中心側に向かう緊迫力によって、リップ先端32aをシール当接面15に向かって押し付ける方向の付勢力が発揮される。この付勢力は、ガータースプリング37の弾力(軸方向に収縮したガータースプリング37がもとの形に戻ろうとするときの力)に付加されるので、弾力によるリップ先端32aをシール当接面15に向かって押し付ける力を増強するように働くことになる。
そこで、ガータースプリング37の緊迫力のみを用いる構成、すなわち、ガータースプリング37を軸方向に収縮させないで装着凹部35に装着する構成とすることもできる。
なお、装着凹部35の開口端の軸方向のサイズとしては、ガータースプリング37のコイル径CD(図2)のサイズより小さく形成されていることが、ガータースプリング37を軸方向に収縮した弾性変形状態で装着することが容易にできるという意味で好ましい。
また、装着凹部35の深さのサイズとしては、ガータースプリング37のコイル径CDの1/2のサイズより大きく形成されていることが、ガータースプリング37が装着凹部35から脱落するのを確実に防止することができるという意味で好ましい。
さらに、ガータースプリング37の5mm伸長時の荷重としては、シール本体22をゴム状弾性体によって形成した場合を100としたときに、シール本体22をフッ素樹脂によって形成した場合を175以上とすることが、ゴム状弾性体によって形成されたシールリップ32に比較して剛性の大きいフッ素樹脂によって形成されたシールリップ32のリップ先端32aをシール当接面15に向かって確実に押し付けることができるという意味で好ましい。例えば、シール本体22をゴム状弾性体によって形成した場合のガータースプリング37の5mm伸長時の荷重を80グラムとし、シール本体22をフッ素樹脂によって形成した場合のガータースプリング37の5mm伸長時の荷重を140グラムとするとよい。
なお、弾性部材6としては、ガータースプリング37に限定されるものではなく、環状に形成されその径方向に対して直交する軸方向に弾性変形可能なものであればよい。例えば、金属Cリングと同様に、径方向外側あるいは径方向中心側に環状の開口を備えたCリングなどを用いることもできる。
また、密封装置1としては、設計コンセプトなどの必要に応じて、シールリップ32のシール面34あるいはシール当接面15に、大気側ASに漏れようとする流体を常に密封側SSに吸引して戻すポンプ作用を発揮する図示しないねじを形成することができる。
なお、密封装置1は、ベアリングの内輪と外輪との間に取り付けることができる。この場合、内輪が回転軸2とされ、外輪がハウジング4とされるのが一般的である。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の密封装置1によれば、ガータースプリング37が軸方向に収縮した弾性変形状態で装着凹部35に装着されているから、軸方向に収縮したガータースプリング37の弾力によって、シールリップ32のリップ先端32aがスリンガ3のシール当接面15に密接する力を安定して付与できる。
すなわち、本実施形態の密封装置1によれば、時間の経過にともなってシールリップ32自体の弾性の低下(ゴムの劣化、フッ素樹脂のクリープ)が発生したとしても、ガータースプリング37の弾力によってリップ先端32aをスリンガ3のシール当接面15に押し付けることができるので、リップ先端32aのシール当接面15に対する締め代CFの減少、すなわち、シールリップ自体の弾性の低下によるリップ先端32aのシール当接面15に対する緊迫力の低下を確実に防止することができる。その結果、リップ先端32aがシール当接面15に密接する力を安定して付与できるので、長期間に亘って安定した密封性を確保することができる。
また、本実施形態の密封装置1によれば、弾性部材6がガータースプリング37であるから、弾性部材6を容易に形成することができるし、弾性部材6を簡単な構造とすることができる。
また、本実施形態の密封装置1によれば、シール本体22が、ゴム状弾性体で形成されている場合には、取付本体21にシール本体22を焼き付けて一体成型することができるので、生産性を向上することができる。また、シール本体22がフッ素樹脂により形成されている場合には、ゴム状弾性体により形成されたシールリップ32のリップ先端32aに比べて摩耗による締め代CFの低下をより確実に防止することができるし、低摩擦特性の付与による低トルク化を容易に図ることができる。
また、本実施形態の密封装置1によれば、シールリップ32のシール面34あるいはシール当接面15に、ポンプ作用を発揮するねじが形成されている場合、ポンプ作用を発揮するねじは、密封側SSから大気側ASに漏れようとする流体を密封側SSに戻すことができるので、密封性能を高めることができる。
図3は本発明に係る密封装置の第2実施形態の要部を示す拡大断面図である。本実施形態の密封装置1Aは、前述した第1実施形態の密封装置1における装着凹部35を変更したものである。
すなわち、本実施形態の密封装置1Aは、前述した第1実施形態の密封装置1における受圧部33を設けずに、図3に示すように、シールリップ32の背面32bと、この背面32bと対向する取付用環体23の接続平板部26の密封側SSの面26aとの間にガータースプリング37が軸方向に収縮した状態で装着される装着凹部35Aを設けたものである。
したがって、本実施形態における装着凹部35Aは、シール本体22と、取付用環体23とによって形成されている。勿論、本実施形態における装着凹部35Aは、シール部材5に設けられているとともに、シールリップ32の背面側に設けられている。
その他の構成は前述した第1実施形態の密封装置1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
このような構成により、本実施形態の密封装置1Aは、前述した第1実施形態の密封装置1と同様の効果を奏することができるとともに、第1実施形態の密封装置1における受圧部33を設けない構成とされているから、受圧部33を形成するために必要なスペースを省略することができるので、前述した第1実施形態の密封装置1に比較して、小型化および軽量化を図ることができる。なお、小型化は、軸方向のサイズを小さくするものである。
図4は本発明に係る密封装置の第3実施形態の要部を示す拡大断面図である。本実施形態の密封装置1Bは、前述した第1実施形態の密封装置1における弾性部材6を変更したものである。
すなわち、本実施形態の密封装置1Bは、弾性部材6として、前述した第1実施形態におけるガータースプリング37のかわりに、図4に示すように、板ばねなどの弾性板によって、径方向外側が開口とされた断面V字形の環状に形成されたVリング38が用いられている。このVリング38の図示しない自由状態における開口端の軸方向のサイズは、装着凹部35の開口端の軸方向のサイズより大きく形成されている。
その他の構成は前述した第1実施形態の密封装置1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
このような構成により、本実施形態の密封装置1Bは、前述した第1実施形態の密封装置1と同様の効果を奏することができる。
図5は本発明に係る密封装置の第4実施形態の要部を示す拡大断面図である。本実施形態の密封装置1Cは、前述した第1実施形態の密封装置1における弾性部材6および装着凹部35を変更したものである。
すなわち、本実施形態の密封装置1Cは、弾性部材6として、前述した第1実施形態におけるガータースプリング37のかわりに、図5に示すように、板ばねなどの弾性板によって、径方向中心側が開口とされた断面U字形の環状に形成された逆Uリング39が用いられている。また、装着凹部35Cは、シールリップ32の径方向外側に向かって延出された背面32cと、受圧部33の密封側SSにおいて径方向外側に向かって延出された面33cと基部31の外周面とにより、径方向外側が開口とされた断面U字形に形成されている。この装着凹部35Cは、シール本体22に一体に設けられているとともに、シールリップ32の背面側に設けられている。
前記逆Uリング39の図示しない自由状態における開口端の軸方向のサイズは、装着凹部35Cの開口端の軸方向のサイズより大きく形成されており、逆Uリング39が軸方向に収縮した弾性変形状態においては、断面逆U字状とされ、この断面逆U字状となった状態で装着凹部35Cに装着されている。
その他の構成は前述した第1実施形態の密封装置1と同様とされており、その詳しい説明は省略する。
このような構成により、本実施形態の密封装置1Cは、前述した第1実施形態の密封装置1と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本発明の密封装置1は、シールリップのリップ先端を大気側に向かって、すなわち、回転軸およびハウジング対して、スリンガおよびシール部材のそれぞれを軸方向に沿って左右反転して取り付けることにより、大気側から密封側に向かって塵埃、泥水などの異物が侵入するのを防止する異物の侵入防止という密封性を発揮するダストシールとして用いることができる。
また、本発明の密封装置は、スリンガとシール部材を回転軸を中心として径方向に反転する構成とすることもできる。このような構成とすることにより、回転部材が外側に配置され、固定部材が内側に配置される密封箇所に用いることができる。
1、1A、1B、1C 密封装置
2 回転軸
3 スリンガ
4 ハウジング
5 シール部材
6 弾性部材
11 スリンガ本体
13 取付基体部
14 平板部
15 シール当接面
21 取付本体
22 シール本体
32 シールリップ
32a リップ先端
35、35A、35C 装着凹部
37 ガータースプリング
38 Vリング
39 逆Uリング
CF (リップ先端のシール当接面に対する)締め代
SS 密封側
AS 大気側

Claims (3)

  1. 相対回転する2つの部材のうちの一方の部材に取り付けられるスリンガと、他方の部材に取り付けられるシール部材とを有しており、
    前記スリンガは、前記他方の部材に向かって径方向に延出された環状の平板部を有しており、前記平板部の一面にはシール当接面が設けられており、
    前記シール部材は、前記他方の部材に取り付けられる取付本体と、この取付本体に固着されたシール本体とを有しており、
    前記シール本体は、予め設定された締め代をもって前記シール当接面に摺動自在に密接するリップ先端を具備する環状のシールリップを有している密封装置において、
    環状に形成され、当該環の径方向に対して直交する軸方向に弾性変形可能な弾性部材を有しており、
    前記シール部材は、前記シールリップの背面側に、前記弾性部材が軸方向に収縮した弾性変形状態で装着される環状に形成された装着凹部を備えており、
    前記シール部材は、前記弾性部材が前記弾性変形状態で前記装着凹部に装着された装着状態において前記弾性部材の弾力をもって前記リップ先端を前記シール当接面に向かって押し付けるように形成されており、
    前記弾性部材が、ガータースプリングであり、
    前記装着凹部の開口端の軸方向のサイズが、前記ガータースプリングのコイル径のサイズより小さく形成されていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記シール本体が、ゴム状弾性体あるいはフッ素樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記シールリップのシール面あるいは前記シール当接面に、ポンプ作用を発揮するねじが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の密封装置。
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