JPH04112474U - ロツク機構付きコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子機器等のケーブル接続に使用されるプラ
グとソケットに、相互の抜け外れや緩みを防止するため
のロック機構を設けたコネクタに関する。 【構成】 連結時に、ソケット(１)の外周に多数に分割
して設けたばね片(10)のフック(11)がロック筒(16)の係
合凹部(17)に係合してロックされており、ケーブル(６)
(15)を引いたり、結合部に軸線を曲げるような歪みを与
えたりしても、円周方向に多数に分割され、かつ溝(5e)
に収納された多数のフック(11)は、同時に全部外れな
い。外すときには、プラグ(１)の前端部に設けた摺動筒
(12)を手に持ってプラグ(１)を引けば、摺動筒(12)は、
プラグ本体(３)における溝(5e)を設けた環状部(5c)の外
周に案内されて後方に摺動して、その摺動筒(12)の先端
の縮径環状部(12a)が、ばね筒(８)の各ばね片(10)の傾
斜段部(10a)を外方より揃って同時に押圧し、多数のば
ね片(10)が同時に求心方向に弾性屈撓するので、各フッ
ク(11)は係合凹部(17)より同時に揃って離脱し、プラグ
(１)が引き抜かれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子機器用のケーブルの接続に使用される円筒形のプラグとソケッ トに、相互の抜け外れや緩みを防止するためのロック機構を設けたコネクタに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、通信機器用の円筒形多心コネクタにおいては、プラグとソケットの外側 面に、雄ねじ部と、回動自在であるとともに、所定範囲に亘って進退可能な雌ね じ筒をそれぞれ設け、雄ねじ部に雌ねじ筒を螺合することにより、相互の抜け外 れを防止している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のコネクタは、雄ねじ部と雌ねじ筒が必要であるため、生産性が 悪く、またプラグとソケットの結合と分離に手間がかかって面倒である。 そのため、結合時の信頼性が従来のコネクタと同程度に高く、しかも結合と分 離が簡単なコネクタが望まれている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

先端に複数の電気接触子を突設するとともに、同接触子を囲む嵌合部を連設し たプラグ本体に複数の溝を設け、先端に外方に突出した後ろ向きのフックと傾斜 段部を備えた複数のばね片を、各溝の中に浮かした状態で設けるとともに、プラ グ本体の外側に摺動自在に被嵌された摺動筒を設け、その摺動筒における先端の 縮径環状部を、ばね片の傾斜段部と連係させ、しかも前記プラグ本体の各接触子 が嵌合しうる複数の接触子を貫設したロック筒内面先端に、プラグに設けたばね 筒のフックの係合しうる係合凹部を設けることにより、上述の課題は解決される 。

【０００５】

【作用】

本考案のコネクタは、プラグのケーブル固定部分を手に持って、プラグの嵌合 部をソケットのロック筒に押し入れれば、プラグとソケットが結合するとともに 、ソケットの外周に設けたばね筒のばね片が弾性屈撓して、フックがロック筒の 係合凹部に係合してロックされる。

【０００６】 一旦ソケットと結合したプラグは、プラグ本体あるいはケーブルを引いただけ では、引き抜くことはできない。 特に、円周方向に多数に分割されたフックは、各フックが独立してロック筒の 嵌合凹部に係合しているので、ソケットとプラグの嵌合部分に、軸線を曲げるよ うな歪みを生じても、いずれのフックも同時に全部外れるようなことがなく、ロ ックの信頼性を高めている。

【０００７】 プラグとソケットを外すときには、ソケットの前端部に設けた摺動筒を手に持 ってプラグを引けば、摺動筒はプラグ本体における環状部の溝近辺の外周に案内 されて後方に摺動して、その摺動筒の縮径環状部が、ばね筒の各ばね片の傾斜部 を外方より揃って同時に押圧し、多数のばね片が同時に求心方向に弾性屈撓する ので、多数に分割された各フックは係合凹部より同時に揃って離脱し、そのまま プラグが引き抜かれる。

【０００８】

【実施例】

図１〜図３は、本考案の一実施例を示すもので、(１)はプラグ、(２)はソケッ トである。

【０００９】 プラグ(１)における合成樹脂製のプラグ本体(３)の前端(図面左端)には、ソケ ット(２)を電気的に接続するための複数の雌型接触子(４)が、軸線方向に突設さ れている。

【００１０】 各雌型接触子(４)の前部は、プラグ本体(３)より前向きに連設したソケット( ２)への嵌合部(５)により囲まれ、同じく後端は、接触子保持具(5a)を貫通して 、ケーブル(６)の各芯線(6a)に接続されている。

【００１１】 雌型接触子(４)と芯線(6a)の接続部の周囲は、ケーブル(６)の端部とともに、 硬質樹脂(1a)によって、固定されている。 硬質樹脂(1a)の外側には、軟質樹脂層(1b)が設けられ、この軟質樹脂層(1b)の 後端部は、ケーブル(６)を可撓的に保護するベンド(図示略)になっている。

【００１２】 ソケット(２)へ嵌め込まれる嵌合部(５)の外側面要所には、プラグ(１)とソケ ット(２)の嵌め込み連結時の位置決め用案内溝(７)が、軸線と平行に形成されて いる。

【００１３】 プラグ本体(３)における嵌合部(５)の後方に、後方に向けて漸次拡径する傾斜 面(5b)を介して環状部(5c)を連設するとともに、前記傾斜面(5b)を中間にして嵌 合部(５)と環状部(5c)の双方に跨るように軸線方向に延び、かつ軸線と直交する 断面形を、溝壁(5d)が放射状をなすように周方向に配列した複数の溝(5e)を、嵌 合部(５)と環状部(5c)の間に設けてある。

【００１４】 プラグ本体(３)における嵌合部(５)の後方と、前記軟質樹脂層(1b)の前端との 間には、プラグ(１)とソケット(２)をロックする部材の一方であるばね筒(８)の 後部の環状部(９)が、嵌合部(５)と一体成形された中間部材(5f)の後端縮径段部 (5g)に嵌着され、その環状部(９)の周囲を硬質の合成樹脂(5h)で樹脂成形して、 ばね筒(８)の環状部(９)を中間部材(5f)の縮径段部(5g)に埋設固定するとともに 、この樹脂成形部の外形を、プラグ本体(３)の溝(5e)を設けた環状部(5c)の径と 同じ径に成形して、溝(5e)の環状部(5c)に連設した環状部(5c')を形成する。

【００１５】 ばね筒(８)における環状部(９)の前端に前向連設した複数のばね片(10)は、溝 (5e)の中に浮した状態で、溝(5e)に沿って前方に突出し、ばね片(10)の先端部分 は、溝底(5i)に対して若干の間隙(ｄ)を設けてプラグ本体(３)の周囲を囲んでい る。

【００１６】 各ばね片(10)の中央部より前部には、ばね筒(８)の環状部(９)の外径より前方 に向けて縮径しながら求心方向に向かう傾斜段部(10a)が設けられ、その傾斜段 部(10a)に続いて、各ばね片(10)が環状に前方に突出して小径部(10b)を形成して おり、小径部(10b)における各ばね片(10)の前端には、外側に突出し後方に係合 段部を向けた前向矢形のフック(11)が設けられている。

【００１７】 プラグ本体(３)環状部(5c)の外側には、摺動筒(12)が設けられ、摺動筒(12)は 、少なくともプラグ本体(３)の環状部(5c)における溝(5e)が設けられた前端部の ところで、筒内壁の所要突部(12b)を前後に摺動自在に嵌合し、かつ摺動筒(12) における先端の縮径環状部(12a)を、ばね片(10)のフック(11)と傾斜段部(10a)の 間における小径部(10b)へ、前後移動自在に嵌合され、摺動筒(12)の前端に形成 した縮径環状部(12a)の内側面は、ばね片(10)の小径部(10b)の外側面に当接して いる。

【００１８】 ソケット(２)における合成樹脂製の基体(13)には、上記プラグ(１)の各雌型接 触子(４)に嵌合しうる複数の雄型接触子(14)が貫設され、各雄型接触子(14)の後 端(図示左端)は、接触子保持具(13a)を貫通して、ケーブル(15)の各芯線(15a)に 接続されている。

【００１９】 基体(13)には、プラグ(１)の嵌合部(５)が嵌合しうるロック筒(16)の後部が嵌 合されている。 ロック筒(16)の前端には、プラグ(１)に設けたばね筒(８)のフック(11)が係合 しうる係合凹部(17)が穿設され、同じく内面前部には、プラグ(１)の案内溝(７) に嵌合しうる案内突条(18)が形成されている。

【００２０】 上述のコネクタは、プラグ(１)におけるケーブル(６)と一体構造の軟質樹脂(1 b)の部分を手に持ち、プラグ(１)の案内溝(７)をソケット(２)の案内突条(18)に 嵌合させて、プラグ(１)先端の嵌合部(５)を、ソケット(２)のロック筒(16)に押 し入れれば、プラグ(１)における各雌型接触子(４)は、対応するソケット(２)の 各雄型接触子(14)に嵌合して接続され、かつ摺動筒(12)は、それの縮径段部(10a )が、ばね片(10)の傾斜段部(10a)に接するまで無理なく後退し、さらにばね筒( ８)のばね片(10)は、フック(11)の先端斜面に案内されて、内向きに弾性屈撓し て、フック(11)がロック筒(16)の係合孔(17)に係合してロックされる。従って、 プラグ本体(３)あるいはケーブル(６)を引いただけでは、プラグ(１)とソケット (２)は分離しない。

【００２１】 また、プラグ(１)のケーブル(６)のシールド線(6b)は、ばね筒(８)に、ソケッ ト(２)のケーブル(15)のシールド線(15b)は、ロック筒(16)に、それぞれ接続さ れているので、ロック筒(16)にばね片(10)が係合すると、ケーブル(６)(15)のシ ールド線(6b)(15b)同士は接続される。

【００２２】 摺動筒(12)を手で持ってプラグ(１)を引けば、摺動筒(12)は、プラグ本体(３) 上を、溝(5e)を設けた環状部(5c)の外径に、摺動筒(12)の突部(12b)が案内され て、プラグ本体(３)の軸線、すなわちばね筒(８)の軸線に沿って後方に摺動して 、縮径環状部(12a)がばね筒(８)の各ばね片(10)の傾斜部 (10a)を外方より押圧 するので、各ばね片(10)は、全部が同調して求心方向に弾性屈撓して、各フック (11)が係合孔(17)より同時に離脱し、プラグ(１)が確実に引き抜かれる。

【００２３】 さらに各ばね片(10)は、溝(5e)に収納されているので、ばね片(10)に捩れを生 じ難く、そのため各ばね片(10)の小径部(10b)は、常に摺動筒(12)の縮径環状部( 12a)の内径と均一に密着して、その結果各ばね片(10)の求心方向に弾性屈撓する 動きに、安定した高い同調性が得られる。

【００２４】 上述の実施例においては、プラグ(１)に雌型接触子(４)を、ソケット(２)に雄 型接触子(14)を設けたが、プラグ(１)に雄型接触子(14)をソケット(２)に雌型接 触子(４)を設けてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は、次の効果を奏する。 (a) 一旦ソケットと結合したプラグは、プラグ本体あるいはケーブルを引いた だけでは、引き抜くことはできない。特に、ソケットとプラグの嵌合部分に、軸 線を曲げるような歪みを生じても、各フックが独立しているので、１つたりとも 外れるようなことがなく、ロックの信頼性を高めている。 (b) ロック用のばね片が溝に収納されているので、ばね片が捩れなく、各ばね 片の動きの同調性が高い。 (c) プラグとソケットを外すときには、摺動筒はプラグ本体における先端環状 部の溝近辺の外周に案内されて後方に摺動して、その摺動筒の先端環状部が、ば ね筒の各ばね片の傾斜部を外方より揃って同時に押圧し、多数のばね片が同時に 求心方向に弾性屈撓するので、多数に分割された各フックは係合凹部より同時に 揃って離脱し、ロックを外すときの確実性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案コネクタの一実施例におけるプラグとソ
ケットを結合した時の中央縦断面図である。

【図２】同じくプラグとソケットの分離時の一部切欠斜
視図である。

【図３】同じくプラグ本体の分解斜視図である。

【符号の説明】

(１)プラグ (1a)硬質樹脂 (1b)軟質樹脂層 (２)ソケット (３)プラグ本体 (４)雌型接触子 (５)嵌合部 (5a)接触子保持具 (5b)傾斜面 (5c)環状部 (5d)溝壁 (5e)溝 (5f)中間部材 (5g)後端縮径段部 (5h)合成樹脂 (5i)溝底 (６)ケーブル (6a)各芯線 (6b)シールド線 (７)案内溝 (８)ばね筒 (９)環状部 (10)ばね片 (10a)傾斜段部 (10b)小径部 (11)フック (12)摺動筒 (12a)縮径環状部 (12b)内壁の突部 (13)基体 (14)雄型接触子 (13a)接触子保持具 (15)ケーブル (15a)芯線 (15b)シールド線 (16)ロック筒 (17)係合凹部 (18)突条 (ｄ)間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端に複数の電気接触子を突設するとと
   もに、同接触子を囲む嵌合部を連設したプラグ本体に複
   数の溝を設け、先端に外方に突出した後ろ向きのフック
   と傾斜段部を備えた複数のばね片を、各溝の中に浮かし
   た状態で設けるとともに、プラグ本体の外側に摺動自在
   に被嵌された摺動筒を設け、その摺動筒における先端の
   縮径環状部を、ばね片の傾斜段部と連係させ、しかも前
   記プラグ本体の各接触子が嵌合しうる複数の接触子を貫
   設したロック筒内面先端に、プラグに設けたばね筒のフ
   ックの係合しうる係合凹部を設けたロック機構付きコネ
   クタ。