JPH04111679U - 磁気記録コイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、持ち運びその他取り扱いが手軽に
行え、且つ読み取りや書き込みに使用する装置の機械部
分を小型化できる、堅牢な磁気記録媒体たる磁気記録コ
インの提供を目的とする。 【構成】 非磁性体金属製又は合成樹脂製の円盤状支持
体、該支持体の上下両平面のうち少なくとも一の平面を
実質的に覆って形成された磁気記録層、並びに該支持体
平面及び該磁気記録層表面のうち少なくとも一の面上に
形成されたデザイン層よりなることを特徴とする、磁気
記録コイン。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気記録媒体である円盤状の磁気記録コインに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、キャッシュカードや乗物用定期券等の手軽な磁気記録媒体として使用さ れているものとしては、長方形の形状を有する合成樹脂製の板の片面の全体又は 一部に磁性体材料を塗布した磁気記録カードがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる磁気記録カードは磁性体層上に一定の直線方向に沿って 情報が記録されるものであるため、情報の書き込み及び読み取りのいずれの際に もカードを磁気ヘッドに対して一定の直線方向に移動させなければならないこと となり、カードの大きさに比べてカードの移動を行わせるための機械装置部分が 大型化することが避け難い。しかも情報が一定の直線方向に記録されるものであ るため、一定の直線距離を確保するためにカードはある程度長さを大きくとる必 要があり、また折れ曲がりによる破損の危険があるので持ち運びは適当なケース に入れて行うのが極めて望ましく、そのままの持ち運びには不便で、手軽に取り 扱うには適さない。 本考案はかかる従来技術の問題点を解決して、持ち運び等の取り扱いに便利で 、情報の読み取り及び書き込み用の機械装置についても、容易にこれを小型化す ることを可能にする、コイン型の磁気記録媒体を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は、非磁性体金属製又は合成樹脂製の円盤状支 持体、該支持体の上下両平面のうち少なくとも一の平面を実質的に覆って形成さ れた磁気記録層、並びに該支持体平面及び該磁気記録層表面のうち少なくとも一 の面上に形成されたデザイン層よりなることを特徴とする、磁気記録コインを提 供する。なお本明細書において「デザイン層とは」表面に所望の文字・図柄等を 現した層をいう。

【０００５】 ここにおいて、上記支持体の材料たる非磁性体金属又は合成樹脂は、磁気記録 コインの支持体としての強度を有する限り、いかなるものでもよく、例えばアル ミニウム、真鍮等の非磁性体金属又は塩化ビニル等の合成樹脂が好適に用いられ る。 前記の磁気記録層は、前記支持体平面に適宜な磁性体材料を転写、蒸着、塗工 等することにより形成したものでもよく、また適宜な磁性体材料を転写、蒸着、 塗工等により表面上に施したシールを該支持体平面に貼着することにより形成し たものでもよい。後者の場合、該磁性体シールは該支持体側より、粘着剤層、該 層を担持する合成樹脂製フィルム、該フィルムに塗布された磁性体層及び該磁性 体層を被覆する被覆材層より構成される。前記フィルム及び磁性体層は、テープ 、フレキシブルディスク、磁気カード等通常の磁気記録媒体として使用されてい る材料であればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ 以下「ＰＥＴ」という。）に塗布した磁性酸化鉄は好適に使用される。前記被覆 材層としては、磁性体層の安定性及び機能を害しない限り、任意の塗装薄膜を使 用することができる。該被覆材層は、適当な美感を与える意匠的機能を有しまた 、磁性体層の保護の機能をも有し得る。 また上記デザイン層は、該支持体平面又は該磁気記録層表面に転写、蒸着、塗 工等により形成してなるものでもよく、またデザインシールを該支持体平面に貼 着してなるものでもよい。該「デザインシール」とは、所望の文字・図柄等を印 刷したシールであり、前記支持体に接着された粘着剤層とこれを担持し反対側の 面に印刷を施した紙又は合成樹脂シートより構成される。デザイン層は、該磁気 記録コインの使用者にコインの表裏及び用途その他該磁気記録コインの内容に関 する一定の情報を視覚的に提供するためのものである。

【０００６】

【作用】

本考案は以上の通りの構成であるから、以下の利点を有する。すなわち、全体 として円盤状であり、その片面又は両面に磁気記録のための磁気記録層を有する から、適宜な装置により、本考案の磁気記録コインをその円盤の中心を通り該円 盤に垂直な軸を中心として定位置にて一定角速度で回転させておき、情報処理装 置に連動する適宜な磁気ヘッドを用いて該コインの磁気記録層上の例えば円環状 の領域を用いて情報を書き込み、又はそこから情報を読み取ることができる。こ のように該コインを定位置にて回転させて情報の読み取り及び書き込みを行うこ とができるから、これに際して該コインの位置の移動がなく、そのため小さな容 積内にてかかる動作を行う装置を容易に構成することができる。 該コインの回転は、例えば装置内に投入された該コインの中心位置を公知の適 宜な方法で決定し、該中心をコインの上下両方向から回転軸端等により圧迫して 挟みこれを回転させるか、又は、該コインの円筒状の側面を数個のローラー等で 挟んで支持し且つ回転させる等の適宜な方法で容易に行うことができる。 またコインの回転角に応じて磁気ヘッドの位置がコインの半径方向に所定の運 動をするよう所望の設計を装置に加えることにより、フレキシブルディスクのよ うに磁気記録層上の螺旋状又は同心円状の領域に記録することも可能であり、い ずれも従来の技術に基づき容易に達成することができる。螺旋状又は同心円状の 領域に情報を書き込む場合には、円環状の場合に比して記録のための領域をより 多く確保することができるから、記録容量をより大きくすることができる。従っ て、螺旋状又は同心円状の領域に記録する場合には、磁気記録コインの直径を相 対的に小さくすることもできる。また、本考案の磁気記録コインはコイン型であ るから持ち運びに特に便利であり、またカードのように折れ曲がって破損する心 配もない。更に、本考案の磁気記録コインは、構造が簡単であるため製造が容易 であり従って低コストで製造できるばかりでなく、汎用性が高い。加えて、磁気 記録領域としてコインの平面部分を使用しているので、例えばコインの円筒状側 面を使用する場合等に比べ、使用や持ち運びに際して衝撃による微細な陥凹や磁 性体の脱落等の破損の発生が抑えられ、堅牢で安全度の高い磁気記録媒体として 使用することができる。

【０００７】 従って、本考案の磁気記録コインは、商店や交通機関等での料金支払いのため のプリペイドカードの機能を有すべく金額等を含む必要な情報を、読み取り、書 き込み、及び変更し得る形態で記録したコインとして、或いは、遊戯具における 起動と持ち点記録用のコインとして、その他適宜な用途に広く且つ簡便に使用す ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、実施例に依り本考案を具体的に説明する。実施例には、本考案の磁気記 録コインのうち、磁性体シール及びデザイシールを各々円盤状支持体の片面に貼 着して構成したものを例示する。 図１及び図２はそれぞれ本考案の磁気記録コインの側面図及び平面図であり、 図において１は塩化ビニル樹脂製の円盤状の支持体、２は磁性体シール、３はデ ザインシールである。図３は支持体１及び磁性体シール２の部分的断面図であり 、該図に示す通り磁性体シール２は４層よりなっており、４は支持体１に接着せ る粘着剤層、５はＰＥＴ製フィルム、６は磁気記録のための磁性酸化鉄を含有す る磁性体層、７はアルミニウム微粒子を含有する塗膜である被覆材層である。図 ４は支持体１及びデザインシール３の部分的断面図である。該図において８は支 持体１に接着せる粘着剤層であり、９は紙又は合成樹脂製のシートで１０はその 印刷面である。本実施例はかかる構成であり、磁性体シール２の被覆材層７の表 面上に磁気記録の書き込み及び読み取り用の磁気ヘッドを位置せしめ、該コイン を公知の適宜な手段で該支持体円盤の中心軸の回りに回転させることにより、磁 性体シール２上の円環状の領域において情報の記録・読み取りができる。また、 回転に応じて磁気シール２上の磁気ヘッドを円盤の半径方向に一定の方法で一定 の範囲の平行移動をさせることにより、磁性体シール上の螺旋状又は同心円状の 領域において情報の記録・読み取りができる。

【提出日】平成３年４月１１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】段落番号「０００８」

【補正方法】追加

【補正内容】

【０００８】

【実施例】

以下、実施例に依り本考案を具体的に説明する。実施例には、本考案の磁気記 録コインのうち、磁性体シール及びデザインシールを各々円盤状支持体の片面に 貼着して構成したものを例示する。 図１及び図２はそれぞれ本考案の磁気記録コインの側面図及び平面図であり、 図において１は塩化ビニル樹脂製の円盤状の支持体、２は磁性体シール、３はデ ザインシールである。図３は支持体１及び磁性体シール２の部分的断面図であり 、該図に示す通り磁性体シール２は４層よりなっており、４は支持体１に接着せ る粘着剤層、５はＰＥＴ製フィルム、６は磁気記録のための磁性酸化鉄を含有す る磁性体層、７はアルミニウム微粒子を含有する塗膜である被覆材層である。図 ４は支持体１及びデザインシール３の部分的断面図である。該図において８は支 持体１に接着せる粘着剤層であり、９は紙又は合成樹脂製のシートで１０はその 印刷面である。本実施例はかかる構成であり、磁性体シール２の被覆材層７の表 面上に磁気記録の書き込み及び読み取り用の磁気ヘッドを位置せしめ、該コイン を公知の適宜な手段で該支持体円盤の中心軸の回りに回転させることにより、磁 性体シール２上の円環状の領域において情報の記録・読み取りができる。また、 回転に応じて磁気シール２上の磁気ヘッドを円盤の半径方向に一定の方法で一定 の範囲の平行移動をさせることにより、磁性体シール上の螺旋状又は同心円状の 領域において情報の記録・読み取りができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の磁気記録コインの側面図である。

【図２】本考案の磁気記録コインの平面図である。

【図３】本考案の磁気記録コインの支持体及び磁性体シ
ールの部分的断面図である。

【図４】本考案の磁気記録コインの支持体及びデザイン
シールの部分的断面図である。

【符号の説明】

１・・・支持体 ２・・・磁性体シール ３・・・デザインシール ４・・・粘着剤層 ５・・・ＰＥＴ製フィルム ６・・・磁性体層 ７・・・被覆材層 ８・・・粘着剤層 ９・・・シート １０・・印刷面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｆ 1/06 1/11 Ｋ 7371−5Ｅ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】非磁性体金属製又は合成樹脂製の円盤状支
   持体、該支持体の上下両平面のうち少なくとも一の平面
   を実質的に覆って形成された磁気記録層、並びに該支持
   体平面及び該磁気記録層表面のうち少なくとも一の面上
   に形成されたデザイン層よりなることを特徴とする、磁
   気記録コイン。
2. 【請求項２】該磁気記録層が、該支持体平面に磁性体材
   料を転写、蒸着、塗工等することにより形成してなるも
   のであるか、又は磁性体材料を転写、蒸着、塗工等によ
   り固定した磁性体シールを該支持体表面に貼着してなる
   ものであることを特徴とする、請求項１に記載の磁気記
   録コイン。
3. 【請求項３】該デザイン層が、該支持体平面又は該磁気
   記録層表面に転写、蒸着、塗工等することにより形成し
   てなる層であるか、又はデザインシールを該支持体平面
   に貼着してなるものであることを特徴とする、請求項１
   又は２に記載の磁気記録コイン。
4. 【請求項４】該磁性体シールが、該支持体に接着するた
   めの粘着剤層、該層を担持する合成樹脂製のフィルム、
   該フィルムに塗布された磁性体酸化鉄を含む磁性体層及
   び該磁性体層を被覆する被覆剤層よりなることを特徴と
   する、請求項３に記載の磁気記録コイン。
5. 【請求項５】該デザインシールが、該支持体に接着する
   ための粘着剤層及び該粘着剤層を担持し反対側の面に所
   望の印刷が施された紙又は合成樹脂シートよりなるもの
   であることを特徴とする、請求項３又は４に記載の磁気
   記録コイン。