JPH0411084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、浴湯循環装置の収納部を有する浴
室脱衣室複合ユニツトに関するものである。

〈従来の技術〉 周知のように、浴室と脱衣室は隣接して設けら
れ、これらは施工の容易さや経費低減のためにユ
ニツト化されていて、架台に浴槽や洗場を設置す
ると共に、脱衣室床パネルや壁面パネルを組み付
けるなどして構成している。

ところで、近年は上下水道及び下水道の整備普
及に伴ない水の使用量が増加傾向にあり、水資源
の不足が叫ばれるようになつている。そして、渇
水期には給水制限が行なわれ、時間給水が実施さ
れる地方もある。

そこで、水使用量の多い浴槽が検討され、浴湯
を循環浄化して繰り返し使用することが注目を集
めている。しかし、入浴後の浴湯には垢や埃など
の有機質、無機質の不純物が浮遊していてこのま
ま再使用するのは非衛生的である。そこで、一度
使用した浴槽内の浴湯を浄化するには、浴湯をバ
クテリア層を通過させたり、オゾン気体を導入し
たりして、バクテリアやオゾンの作用によつて水
中の有機物を分解酸化する方法が採られている。
また、単に空気を微細な気泡として浴湯に導入す
ることも、有機物の分解を兼ねた健康入浴法とし
て行なわれている。

そして、上記した何れの場合も循環ポンプ及び
濾過層などを設けた循環装置が必要であつて、ま
た沈着層やオゾン発生器を併設した装置もある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 そして、この種の循環装置は浴槽に隣接して設
置しなければならないが、浴室内や脱衣室内に設
置することは狭い室内を益々狭くしてしまうので
困難であつた。一方、屋外に設置することが考え
られるが、地価高騰のおり、戸建住宅おいては土
地の余裕がないし、集合住宅においても設置場所
を確保できないのが現状である。また、屋外に循
環装置を設置する場合には風雨の影響を受けて故
障し易く、耐久性や保守点検も繁雑になるなどの
問題がある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑み提案されたもので、架台と
浴槽と脱衣室床と仕切壁とを少なくとも有する浴
室脱衣室複合ユニツトにおいて、上記仕切壁の下
方には浴槽側に開口して脱衣室側に隆出する収納
部を形成し、上記収納部内に浴槽の浴湯を循環さ
せる循環装置を設置するとともに、脱衣室側の収
納部に上記循環装置の保守点検をする点検口を設
けたことにある。

〈実施例〉 以下、本考案を図面の実施例について説明す
る。

浴室脱衣室複合ユニツトは、少なくとも架台１
と浴槽２と脱衣室床パネル３と仕切壁パネル４を
有し、洗場５や浴室壁パネル６等が付属してい
る。そして、通常は、浴室７と脱衣室８の区画に
架台１を配設し、この架台１に浴槽２や洗場５を
載置して浴槽脚９を適宜固定し、浴槽２の上縁面
１０に形成した水返し片１１を有する受部１２に
仕切壁パネル４や浴室壁パネル６を設置して浴室
７を構成すると共に、脱衣室８側の架台１には支
柱１３を介して床パネル３を敷設して施工するも
のである。

そして、従来の仕切部ａは通常10cm程度の厚さ
を有しているが、従来のユニツトにおけるこの厚
さは有効に利用されていない無駄な空間であつ
た。

本考案は上記仕切部ａ内の空間に、浴槽２内の
浴湯を循環させるための循環ポンプや濾過フイル
ターを有する循環装置１４を収納し、該循環装置
１４と浴槽２とを循環パイプ１５で接続し、上記
循環装置１４の保守点検口１６を脱衣室８側に設
けたものである。図面の実施例によれば、浴室７
と脱衣室８との間の仕切部ａの下方に、脱衣室８
側に若干隆出する循環装置収納部１７を設け、該
循環装置収納部１７内に循環装置１４を収設する
ようにしている。また、循環装置収納部１７の上
面を開口させ、ここに点検口蓋１８を開閉可能に
設けて保守点検口１６を構成している。このよう
にして循環装置収納部１７を形成すれば、浴室７
内の浴槽２の傾斜側板１９と収納部１７の前面板
２０との間に充分な空間が形成され、大型の循環
装置１４の収設も可能になる。

そして、本考案は循環装置１４の保守点検口１
６を脱衣室８内に設けているので、浴室７内の湿
気や屋外に設置した場合の雨水等の水蒸気が電気
系統に悪影響を及ぼすことがなく、故障の発生も
未然に防止することができる。尚、図示の実施例
では保守点検口１６を循環装置収納部１７の上面
に設けているが、正面や側面に設けてもよい。ま
た、脱衣室８内には洗面化粧台２１を設置した
り、浴室７内には給湯給水栓２２や排水口２３等
を適宜設ける。

以上本考案を図面の実施例について説明した
が、本考案は上記した実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載の構成を
変更しない限り適宜に実施できる。例えば、浴湯
の循環装置は、浄化機能を持たない単なる気泡発
生装置であつてもよい。

〈考案の効果〉 本考案は、架台と浴槽と脱衣室床と仕切壁とを
少なくとも有する浴室脱衣室複合ユニツトにおい
て、浴槽内の浴湯を循環させる循環装置を浴室と
脱衣室とを区画する仕切壁内に収設するようにし
たので、設置場所に悩まされることなく設置する
ことができる。また、本考案は循環装置と浴槽と
が極めて接近して位置するので、少なく運動エネ
ルギーで浴湯を循環させることができて循環ポン
プを始めとする循環装置を小型に構成して、浴槽
内の浴湯を衛生的かつ経済的に再使用できる。更
に、循環装置の保守点検口を脱衣室側に設けてい
るので、浴室内の湿気の悪影響を受ることがなく
て電気系統などに故障が発生したり、機構部分に
錆などが発生する恐れがない。そして、本考案で
は仕切壁の下方に浴槽側に開口して脱衣室側に隆
出する収納部を形成し、上記収納部内に浴槽の浴
湯を循環させる循環装置を設置しているので、浴
槽を設置した後に例えば工場生産した仕切壁や収
納部を建築現場に搬送してそのまま設置すること
ができ、狭い場所でも簡単に施工することができ
て実用的価値の高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は概略断
面図、第２図は脱衣室内の概略斜視図、第３図は
概略平面図である。 １……架台、２……浴槽、３……脱衣室床パネ
ル、４……仕切壁パネル、７……浴室、８……脱
衣室、１４……循環装置、１６……保守点検口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架台と浴槽と脱衣室床と仕切壁とを少なくとも
   有する浴室脱衣室複合ユニツトにおいて、上記仕
   切壁の下方には浴槽側に開口して脱衣室側に隆出
   する収納部を形成し、上記収納部内に浴槽の浴湯
   を循環させる循環装置を設置するとともに、脱衣
   室側の収納部に上記循環装置の保守点検をする点
   検口を設けたことを特徴とする浴室脱衣室複合ユ
   ニツト。