JPH04110817U - ユニツト式カーテンウオールの接合部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ４枚のフレームユニットが集合する接合部に
おける上側のフレームユニットの位置決めの正確さと確
実さを高める。 【構成】 横方向に隣接する下側の２枚のフレームユニ
ットＵ，Ｕの上枠F₃，F₃間に、上面にフレームユニット
Ｕの面に平行な係合片5aを突設した連結ピース５を跨設
して両者を連結し、この連結ピース５の係合片5aが嵌合
する切欠きf₁，f₂が形成された、上側の２枚のフレーム
ユニットＵ，Ｕの縦枠F₁，F₂を連結ピース５に係合させ
てこれを下側のフレームユニットＵ，Ｕと連結するもの
で、上側のフレームユニットＵ，Ｕを切欠きf₁，f₂と係
合片5aとを単に噛み合わせるのみで面外方向に位置決め
して建て入れ、位置決め作業を正確，且つ確実に行うも
のである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はユニット化された４枚のフレームユニットを互いに連結しながらそ の位置決めを容易にした、ユニット式カーテンウォールの接合部に関するもので ある。

【０００２】

【従来技術及び考案が解決しようとする課題】

縦枠と横枠を方形状に組み立ててユニット化されたフレームユニットを用いた カーテンウォールは組み立てが単純化される結果、施工性と組立精度が高い、等 の利点を持つためカーテンウォールの構成方法として多用される傾向にある。

【０００３】 このユニット式のカーテンウォールでは、４枚のフレームユニットが集合する 接合部における、隣接するユニット間の連結状態が外観に直接的に表れる箇所で あるためユニットの建て入れには高い施工精度が要求され、特に面外方向の位置 決めが重要となる。

【０００４】 従来は例えば実開平２-49410号のように、隣接するユニットの下枠と上枠の対 向する面に突設された凹部と凸部とを噛み合わせることにより連結する構造が一 般的であるが、これらは、フレームユニットの直線部分における接合は良好であ るものの、ユニットが集まるコーナー接合部では互いに噛み合う凹凸部が途切れ るため、建て入れ後のコーナー部の位置決め作業に時間を費やすのが実情である 。

【０００５】 この考案はこのフレームユニットの接合部における施工上の問題を踏まえてな されたもので、建て入れと位置決めを容易に行う構造を新たに提案しようとする ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案では上面にフレームユニットの面に平行に立ち上がる係合片が突設され た連結ピースを、下側の隣接するフレームユニットの上枠間に跨設し、上側の隣 接するフレームユニットの縦枠の下端に連結ピースの係合片が嵌合する切欠きを 形成することにより、接合部における上側のフレームユニットの建て入れと位置 決めの確実さと正確さを高める。

【０００７】 連結ピースは横方向に隣接するフレームユニットの縦枠間に跨る長さを持ち、 その下側のフレームユニットの上枠への設置によって下側のフレームユニットを 互いに連結し、上側のフレームユニットの縦枠の切欠きに係合片が係合すること によりこれらを互いに連結しながら下側のフレームユニットに連結する。

【０００８】 上側のフレームユニットは共に縦枠の切欠きを単に係合片に噛み合わせるのみ で面外方向の位置決めが行われた状態で建て入れられ、そのまま面外方向の移動 を拘束された状態で面内方向にスライドさせられることにより所定位置に正確に 配置される。

【０００９】 連結ピースはまた、下側のフレームユニットの両上枠に重なって跨り、上側の フレームユニットの両縦枠に面外方向に係合することにより接合部における全フ レームユニットの一体性を確保して接合部の面外方向のせん断強度を高める働き をする。

【００１０】

【実施例】

以下本考案を一実施例を示す図面に基づいて説明する。

【００１１】 この考案は縦枠F₁，F₂と上枠F₃及び下枠F₄を方形状に組み立ててユニット化さ れたフレームユニットＵを図３に示すように高さ方向と横方向に連続させて構成 されるカーテンウォールにおいて、接合部Ａに集合する４枚のフレームユニット Ｕ，Ｕ，Ｕ，Ｕを連結ピース５を介して連結したものである。フレームユニット Ｕは図３の縦断面を示す図４に示すように例えば下階側の窓台位置から一層分の 高さを持ち、躯体から張り出すブラケットＢに断面上一箇所で支持される。

【００１２】 連結ピース５は図３のＹ−Ｙ線断面図である図２に示すように横方向に隣接す るフレームユニットＵ，Ｕの縦枠F₁，F₂間に跨る長さを持ち、双方の上枠F₃，F₃ に跨って設置される。その上面には図３のＸ−Ｘ線断面図である図１に示すよう にフレームユニットＵの面、すなわちカーテンウォールの壁面に平行に立ち上が る係合片5aが突設されている。

【００１３】 図１に示すように高さ方向に隣接するフレームユニットＵ，Ｕの上枠F₃と下枠 F₄の対向する面には互いに凹溝と凸条とで噛み合う噛合い部３，４が見込み幅方 向に並列して形成されており、上下に隣接するフレームユニットＵ，Ｕはこの一 対の噛合い部３，４が噛み合うことにより連結される。図示する実施例では下側 のフレームユニットＵの上枠F₃の室外側と室内側の噛合い部３，３をそれぞれ凸 条と凹溝に形成し、上側のフレームユニットＵの下枠F₄の噛合い部４，４をこれ と逆に形成している。

【００１４】 同様に図２に示すように横方向に隣接するフレームユニットＵ，Ｕの縦枠F₁， F₂の対向する面には互いに凹溝と凸条とで噛み合う噛合い部１，２が並列して形 成され、フレームユニットＵ，Ｕは高さ方向と同じくこの噛合い部１，２が噛み 合うことにより連結されている。

【００１５】 連結ピース５は図５に示すように上枠F₃の並列する噛合い部３，３間距離程度 の幅を持ち、その幅方向の両側にはこの噛合い部３，３に重なる起立片5b，5bが 形成されており、上枠F₃にはこの起立片5b，5bが噛合い部３，３に内接して収納 され、一方のフレームユニットＵの上枠F₃にビス等により固定されるとともに、 隣接するフレームユニットＵに対して面内方向へスライド可能に挿入されている 。連結ピース５はこの下側のフレームユニットＵ，Ｕの上枠F₃，F₃の噛合い部３ ，３に内接して重なることにより上枠F₃，F₃を補強し、また横方向に隣接するフ レームユニットＵ，Ｕ間のせん断力に対して抵抗する機能を持つ。

【００１６】 この連結ピース５はまた、下側の隣接するフレームユニットＵ，Ｕの上枠F₃， F₃に跨って設置されることによってその上方の、隣接するフレームユニットＵ， Ｕの縦枠F₁，F₂間を落下する水滴を受け、両脇の上枠F₃，F₃上に流し、更に上枠 F₃，F₃の室外側の噛合い部３，３等に形成される水抜き孔６から排出するキャッ チパンの役目も果たす。

【００１７】 上側のフレームユニットＵ，Ｕの対向する縦枠F₁，F₂の下端には図１，図５に 示すように連結ピース５の係合片5aが嵌合する切欠きf₁，f₂が形成されており、 上側のフレームユニットＵ，Ｕはこの切欠きf₁，f₂を係合片5aに差し込むととも に、下枠F₄の両噛合い部４，４を上枠F₃の噛合い部３，３に噛み合わせることに より面外方向の規制を受けた状態で建て入れられる。

【００１８】 係合片5aが切欠きf₁，f₂に係合して建て入れられた上側のフレームユニットＵ ，Ｕはそのまま面内方向にスライドされることのみによって所定位置に配置され る。

【００１９】 上側のフレームユニットＵ，Ｕは連結ピース５の係合片5aによって縦枠F₁，F₂ と係合するため面外方向力に対する抵抗力と面外剛性を保有している。

【００２０】 上側のフレームユニットＵ，Ｕが所定位置に建て入れられた状態では、図１に 示すように切欠きf₁，f₂と係合片5aとの間には深さ方向にクリアランスが設けら れるが、このクリアランスはフレームユニットＵの面外方向の層間変位時に、フ レームユニットＵが躯体の支持点回りに回転変形するときの鉛直変位量に対応し ている。

【００２１】

【考案の効果】

この考案は以上の通りであり、下側の横方向に隣接するフレームユニットの上 枠間に、上面に係合片が突設された連結ピースを跨設し、この係合片に嵌合する 切欠きを有する縦枠を係合片に噛み合わせることにより上側の隣接するフレーム ユニットを建て入れる構造としたものであるため、上側のフレームユニットは単 に上方から落とし込むのみで面外方向に正確に位置決めされ、そのままスライド させることにより所定位置に建て入れることができ、その作業を容易，且つ確実 に行うことができる。

【００２２】 また連結ピースは下側のフレームユニットの上枠に重なって跨りながら４枚の フレームユニットの面外方向の移動を拘束してこれらを連結するため全フレーム ユニットの一体性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】高さ方向に隣接するフレームユニットの連結部
分を示したもので、図３のＸ−Ｘ線の断面図である。

【図２】横方向に隣接するフレームユニットの連結部分
を示したもので、図３のＹ−Ｙ線の断面図である。

【図３】本考案のカーテンウォールの一部を示した立面
図である。

【図４】図３の縦断面図である。

【図５】フレームユニットの接合部における連結状況を
示した斜視図である。

【符号の説明】

Ｕ……フレームユニット、F₁……縦枠、f₁……切欠き、
F₂……縦枠、f₂……切欠き、F₃……上枠、F₄……下枠、
１，２，３，４……噛合い部、Ａ……接合部、Ｂ……ブ
ラケット、５……連結ピース、5a……係合片、5b……起
立片、６……水抜き孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦枠F₁，F₂と上枠F₃及び下枠F₄を方形状
   に組み立ててユニット化されたフレームユニットＵを高
   さ方向と横方向に連続させて構成されるユニット式カー
   テンウォールにおいて、４枚のフレームユニットＵ，
   Ｕ，Ｕ，Ｕを、横方向に隣接する下側の２枚のフレーム
   ユニットＵ，Ｕの上枠F₃，F₃間に跨って設置される連結
   ピース５を介して接合した接合部構造であり、連結ピー
   ス５は横方向に隣接するフレームユニットＵ，Ｕの縦枠
   F₁，F₁間に跨る長さを持ち、その上面にはフレームユニ
   ットＵの面に平行に立ち上がる係合片5aが突設され、上
   側の２枚のフレームユニットＵ，Ｕの縦枠F₁，F₂の下端
   にはこの連結ピース５の係合片5aが嵌合する切欠きf₁，
   f₂が形成されており、下側のフレームユニットＵ，Ｕは
   互いに連結ピース５で連結され、上側のフレームユニッ
   トＵ，Ｕは縦枠F₁，F₂が連結ピース５の係合片5aに係合
   して互いに連結されると同時に、下側のフレームユニッ
   トＵ，Ｕに噛み合い、連結されていることを特徴とする
   ユニット式カーテンウォールの接合部。