JPH04109252U - ピストン装置 - Google Patents
ピストン装置Info
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- JPH04109252U JPH04109252U JP1131891U JP1131891U JPH04109252U JP H04109252 U JPH04109252 U JP H04109252U JP 1131891 U JP1131891 U JP 1131891U JP 1131891 U JP1131891 U JP 1131891U JP H04109252 U JPH04109252 U JP H04109252U
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Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ピストンの焼付きを防止すると共に、潤滑油
の消費量を低減した2サイクルユニフロー掃気機関用の
ピストン装置を提供する。 【構成】 ピストンピン穴を有するトランクピストンに
於て、ピストンピン6の両端に、シリンダライナ2内面
との摺動面がピストン5外周面と同一形状の部分円柱面
で形成された塞栓19を、一定温度以上では外方に拡張
し、一定温度以下では内方に収縮する形状記憶合金製の
止め輪20でピストンピン穴に装着し、且つ、回り止め
用ピン21を取付け、潤滑油がピストンピン穴部に溜る
ことを防止する。
の消費量を低減した2サイクルユニフロー掃気機関用の
ピストン装置を提供する。 【構成】 ピストンピン穴を有するトランクピストンに
於て、ピストンピン6の両端に、シリンダライナ2内面
との摺動面がピストン5外周面と同一形状の部分円柱面
で形成された塞栓19を、一定温度以上では外方に拡張
し、一定温度以下では内方に収縮する形状記憶合金製の
止め輪20でピストンピン穴に装着し、且つ、回り止め
用ピン21を取付け、潤滑油がピストンピン穴部に溜る
ことを防止する。
Description
【0001】
本考案は主としてZサイクルトランクピストン型ユニフロー掃気機関に使用さ
れるピストン装置に関する。
【0002】
Zサイクルトランクピストン型ユニフロー掃気機関(以下、Zサイクルユニフ
ロー掃気機関という)は、シリンダ軸方向のほぼ中央部に全周に亘って掃気孔を
設けているので、ピストンの往復動の度にピストンとシリンダ内面との潤滑油膜
が掃気孔とピストン上面、ピストンリング等で切断されるため潤滑不良となり焼
付き等を起こすことが多い。
【0003】
図9に従来のピストンとシリンダライナの組合せ状態の断面図の1例を示す。
図10は図9のF矢視図、図11は図9のGG断面図である。
掃気孔3(本例では、掃気孔3はシリンダライナ2のピストンピン方向にのみ
設けたものを示したが、掃気孔3をシリンダライナ2の全周に設けた通常の型式
のものでも差支えない)を設けたシリンダライナ2にピストン5が挿入されてお
り、中空のピストンピン6がピストン5とコンロッド7の小端ブッシュ18の双
方に嵌入してピストン5とコンロッド7を連結している。又、ピストンピン6の
軸方向の移動を止め輪20で規制している。尚、図11にてピストン5の外周側
面をピストンピン穴がある部分をαP 、ピストンピン穴がない部分をαT とする
。
【0004】
機関の運転中、ピストン5が往復動すると、シリンダライナ2とピストン5の
油膜は掃気孔3で下記のように切断される。
1.スラスト及び反スラスト方向のαT 間、
ピストンリング及びピストン上面が掃気孔を通過する時、
2.ピストンピン方向のαP 間、
ピストンリング及びピストン上面の外に、ピストンピン穴の下縁及び上縁が掃
気孔を通過する時、
従って、ピストンの往復動による油膜の切断回数は、ピストンピン方向のαP
間ではαT 間よりも多い。更に、図9〜図11に示した通常の型式のものは、ピ
ストンピン6が中空で、中空穴に塞栓がないので掃気室の空気又は混合気(以下
、単に空気と称す)は下記の不具合を発生する。
1.ピストン下降時、ピストン上面が掃気孔3を開いてシリンダ内に掃気を行な
う前に、中空のピストンピン穴と両側の掃気孔が連通して掃気室の空気がピスト
ンピン穴に流入、衝突して掃気室内の圧力変動及び圧力波を発生し、この直後に
行われるシリンダ内の掃気効率を低下させる。
2.ピストンピン穴の端部デッドボリューム22内に充満した潤滑油が掃気孔3
とピストンピン穴が連通した際に掃気室内の空気が流入、衝突して、端部デッド
ボリューム22内の潤滑油を掃気室内に噴出させて掃気室を潤滑油で汚ごす。
3.ピストン上昇時にもシリンダ内の掃気終了後、上記1,2項の不具合を発生
する。
【0005】
即ち、従来の機関は潤滑の不良と掃気効率の低下の重大欠陥があった。
図12〜図14に他の形式の従来装置を示す。図示のように図9〜図11のも
のとの差異は、ピストンピン穴の止め輪溝と止め輪20を廃止して、代りにピス
トンピン6の両側に塞栓23を設けたものである。この塞栓23はアルミニウム
合金又は銅合金等で作られピストンピン6の中空穴に圧入して取付けられ、両端
外周部はピストン5の半径と同じ半径の球面である。
【0006】
ピストンピンの中空穴は塞栓23で塞がれているので、図9〜図11の場合の
ように掃気孔3から中空のピストンピン穴に掃気が流入、衝突して掃気効率を低
下させる不具合は解消されるが、ピストンピン穴の端部デッドボリューム24は
前述(図9〜図11)のものより容積は小さくなるが基本的には変らない。又、
デッドボリューム24内に溜った潤滑油は掃気孔3から掃気室に排出され掃気室
を潤滑油で汚ごす。従って、本形式(図12〜図14)のものは、前述(図9〜
図11)のものと比較して掃気効率は若干改良されるが、他の事項に関しては前
述のものと殆んど変らない。
【0007】
尚、本形式のものは、ピストンピン6の軸方向の位置規制は塞栓23とシリン
ダライナ2の円周面との接触により行われるので、塞栓23が異常摩耗したり、
シリンダライナ内周面を傷つける等の不具合が発生するので最近は殆んど使用さ
れない。
【0008】
前述の従来技術は次のような問題点を有する。
従来のZサイクルユニフロー掃気機関は、シリンダライナの軸方向のほぼ中央
部に全周に亘って掃気孔を設けているので、ピストンの往復動に伴ない、ピスト
ンヘッド、ピストンリング、ピストンピン穴部が掃気孔を通過する際、シリンダ
ライナとピストン間の油膜を切断するので潤滑不良となり、焼付くことがあった
。これを防止するために大量の潤滑油を供給しなければならなかったので、潤滑
油の消費量が多かった。
【0009】
潤滑油の過大消費は不経済(潤滑油価格は燃料のほぼ10倍)であるのみなら
ず、排気色の不良、排気管系統の汚損等の不具合を発生する。
本考案は、ピストンの焼付きを防止すると共に、潤滑油の消費量を低減した2
サイクルユニフロー掃気機関用のピストン装置を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
ピストンピン組込時に、ピストンピンの両端に、アルミニウム合金又は銅合金
製でシリンダライナ内面との摺動面がピストン外周面と同一形状の部分円柱面で
形成された塞栓を装着する。一定温度以上では外方に拡張し、一定温度以下では
内方に収縮する形状記憶合金製の止め輪により、前記塞栓をピストンピン穴に装
着し、且つ、回り止め用ピンを取付ける。
【0011】
ピストンピンの両端面に、ピストン外周と同一形状の塞栓を取付け、この塞栓
を形状記憶合金製の止め輪にてピストンピン穴に支持することにより、ピストン
ピンの軸方向の移動を規制する。塞栓外周とピストン外周とは同一形状とするこ
とにより、塞栓とシリンダライナ内周面にはデッドボリュームがなくなり、この
塞栓を取付けたピストンの効果は、実質、ピストンピン穴のないピストンと同等
となる。従って本ピストンを使用すると、ピストンの往復動に伴ない、ピストン
ヘッド、ピストンリングが掃気孔を通過する際にはシリンダライナとピストン間
の油膜は切断されるが、ピストンピン穴部での油膜切断がないので、潤滑性能が
改善され、潤滑油の消費量が低減し、それに伴ない排気色不良、排気管系統の汚
損等の不具合も改善される。
【0012】
先ず、Zサイクルユニフロー掃気機関の概要を図8について説明する。シリン
ダブロック1には掃気孔3を有するシリンダライナ2が嵌入されている。シリン
ダライナ2にはピストン5が挿入され、ピストンピン6、コンロッド7を介して
図示していないクランク軸に連結されている。
【0013】
シリンダブロック1の上面にはシリンダヘッド4が取り付けられ、図示してい
ないクランク軸と連動し同一回転速度で回転するカム軸上のカム8によってタペ
ット9、プッシュロッド10、ロッカ11、ブリッジ12を介して排気弁13(
通常2〜4個)を開閉する。
又、シリンダブロック1の側面にはクランク軸と適当な回転比で連動して回転
する掃気ポンプ14及び給気管15が取り付けられ、シリンダヘッド4の排気口
側には排気管16が取り付けられている。尚、シリンダヘッド4の上面にはヘッ
ドカバー17が取付けられている。
【0014】
次に、図8に示した2サイクルユニフロー掃気機関のシリンダライナ2、ピス
トン5、ピストンピン6、コンロッド7等の組合せ状態の詳細図を図1乃至図7
に示す。ピストン5のピストンピン穴とコンロッド7の小端部ブッシュ18に中
空のピストンピンが図示の如く組合わされ、ピストンピン6の両端には塞栓19
が止め輪20によって図示の如く取付けられている。塞栓19はアルミニウム合
金又は銅合金製で外周はピストン5の外周と同じ円柱形をしており、止め輪20
の取付用円周溝が設けられ、更に回り止め用ピン21が打ち込まれている。尚、
止め輪20の取付用円周溝の深さは、塞栓19をピストンピン穴に挿入時、止め
輪20の外径を塞栓19の嵌込部外径以下に収縮させて組込むことができるよう
な寸法にする。止め輪20は形状記憶合金製で、一定温度以上では外方拡張し、
組込状態では、図1,3,4,5のようになり、塞栓19、ピストンピン6の軸
方向の位置を規制する。
【0015】
上述のように、ピストン5の外周面と塞栓19の外周面が同一となるので、ピ
ストン5の往復動によってシリンダライナ2の掃気孔3をピストンピン穴部が通
過してもピストンピン穴部はピストン外周と同じ形状の塞栓で密閉されているの
で、油膜が切断されたり、潤滑油が溜ったり、溜った潤滑油で掃気孔3や掃気室
を汚ごす不具合が解消される。
【0016】
次にピストン5から塞栓19を外す際には、冷却空気を塞栓19の外周に吹き
つければ、塞栓は熱の良導体なので止め輪20が一定温度以下になって図6,7
の状態に収縮する。そこで吸着盤等で容易に塞栓19を取外すことができる。
尚、長期間運転して止め輪20が塞栓19の円周溝19−1に膠着して塞栓1
9の外周を冷却空気等で冷却しても、塞栓19が外れない場合には、塞栓19の
外周面を軟質ハンマー(木ハンマー等)で軽く叩けば、止め輪20は簡単に図6
,7の状態になり、容易に取外すことができる。
【0017】
本考案によるピストン装置の組立てに際しては、ピストン5のピストンピン穴
にピストンピン6を挿入し、ピストンピン6の両端にアルミニウム合金又は銅合
金製の塞栓19を図示の如く止め輪20でピストンピン穴に取付ける。尚、塞栓
19をピストンピン穴に取付ける際には、塞栓19に、先ず回り止め用のピン2
1を打込み、止め輪20を塞栓19の円周溝に嵌め込み、ピン21の位置をピス
トン5の回り止め用凹部5−2に合わせてから止め輪20の外周を適当な工具(
例えば、ピストンリング締付バンドのようなものでも可)で締付けて、ピストン
ピン穴に嵌め込む。
【0018】
塞栓19の外周(シリンダライナ内面との摺動部)の形状は、図1〜図3に示
すように、ピストン外周と同一形状(同一円柱面)である。そのため回り止めが
必要なのでピン21を設けた。
上述の如く組立てると、塞栓19の外周面はピストン5の外周面と同一となる
ので、ピストンが往復動する際、ピストンピン穴部がシリンダライナの掃気孔3
を通過する際に発生する不具合は解消される。
【0019】
本考案によるピストン装置は、Zサイクルユニフロー掃気期間のピストンピン
穴のピストンピンの両端に、シリンダライナ内面側の外周面がピストンの外周面
と同一の円柱面で形成した塞栓を、形状記憶合金製の止め輪を用いてピストンピ
ン穴に取付けることにより、ピストンの往復運動によってシリンダライナの掃気
孔をピストンピン穴部が通過しても、ピストンピン穴部の外周面はピストンの外
周面と同一であるから、油膜が切断されたり、潤滑油が溜ったり、溜った潤滑油
で掃気孔や掃気室を汚ごす不具合が解消される。更に、潤滑油消費量が低減し、
排気色及び排気系統の潤滑油による汚損等が改善される。
【0020】
又、塞栓が密封されていても、冷却と吸着盤等の使用により容易に分解でき、
メインテナンスも容易である。
【図1】本考案ピストン装置の実施例を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視断面図である。
【図4】図1のC部の組立時の詳細図である。
【図5】図4のD−D矢視断面図である。
【図6】図1のC部の分解時の詳細図である。
【図7】図6のE−E矢視断面図である。
【図8】一般的な2サイクルユニフロー掃気機関の縦断
面図である。
面図である。
【図9】従来のピストン装置の縦断面図である。
【図10】図9のF矢視図である。
【図11】図9のG−G矢視断面図である。
【図12】従来の他のピストン装置の縦断面図である。
【図13】図12のH矢視図である。
【図14】図12のJ−J矢視断面図である。
2 シリンダライナ
3 掃気孔
5 ピストン
6 ピストンピン
19 塞栓
20 止め輪
21 回り止め用ピン
Claims (1)
- 【請求項1】 ピストンピン穴を有するトランクピスト
ンに於て、ピストンピンの両端にシリンダライナ内面と
の摺動面がピストン外周面と同一形状の部分円柱面で形
成された塞栓を、一定温度以上では外方に拡張し、一定
温度以下では内方に収縮する形状記憶合金製の止め輪で
ピストンピン穴に装着し、且つ、回り止め用ピンを取付
けたことを特徴とするピストン装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1131891U JPH04109252U (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | ピストン装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1131891U JPH04109252U (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | ピストン装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04109252U true JPH04109252U (ja) | 1992-09-22 |
Family
ID=31900696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1131891U Withdrawn JPH04109252U (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | ピストン装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04109252U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005059345A1 (ja) * | 2003-12-16 | 2005-06-30 | Daihatsu Motor Co., Ltd. | 二サイクル内燃機関 |
-
1991
- 1991-03-05 JP JP1131891U patent/JPH04109252U/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005059345A1 (ja) * | 2003-12-16 | 2005-06-30 | Daihatsu Motor Co., Ltd. | 二サイクル内燃機関 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19950615 |