JPH0410827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、シートに座つた乗員の背部、腰部な
どの特定部位を、指圧効果を持たせてマツサージ
することができるようにしたマツサージ器付車両
用シート装置に関する。

［従来の技術］ 自動車などの車両では、同じ姿勢で座つている
ことが多いので、身体の背部や腰部などが疲れ
る。

そこで従来、車両用シートにマツサージ器を取
り付け、必要に応じて使用できる構造にしたもの
もある。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の車両用シートでは、内蔵
させたマツサージ器のマツサージヘツド部が、パ
ツド材などを介して作用する構造になつている。
このため、マツサージヘツド部の作用がパツド材
などで吸収されてしまい、効果的なマツサージが
得られない問題点などを有していた。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は他の部材にマツサージ効果が減
衰されることなく、効果的に指圧力を与えてマツ
サージをすることのできる構造にしたマツサージ
器付車両用シート装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案に係るマツサ
ージ器付車両用シート装置は、シートの表面を覆
つた表皮材の内面に沿つて設けられたエアマツト
またはウオータマツトと、前記マツトの背面側に
設けられて前記マツトを介して前記シートの表面
側に繰り返し突き出されるマツサージヘツドと、
前記マツサージヘツドに前記突き出し動作を付与
する駆動手段とを有するマツサージ器を備えた構
成にしたものである。

［作用］ この構成によれば、マツトと表皮材を介してマ
ツサージヘツドが突出される。このとき、マツト
および表皮材は弾性変形し易い部材で形成されて
いるので、マツサージヘツドの先端形状がほぼそ
のまま得られた状態でシート表面に突出される。
したがつて、マツサージヘツドが、座者に直接当
たつた感触を与え、指圧効果を高めることができ
る。

［実施例］ 以下、本考案の実施例について図面を用いて詳
細に説明する。

第１図は、本考案に係るマツサージ器付車両用
シート装置を適用したシートの一例を示したもの
である。

このシート１は、大きくは、シートクツシヨン
部２と、シートバツク部３とで構成されている。

そして、シートバツク部３は、第２図ａ，ｂで
示すように、バツクフレーム４がインサートされ
たパツド材５の表面を、表皮材６で覆つた状態に
なつている。またパツド材５の中間部分は、中抜
き成形されて空間部分５ａとして形成されてい
る。さらに、この空間部分５ａにマツサージ器７
が配設された状態になつている。

マツサージ器７は、モータ８と、回転軸９と、
一対のカム１０，１０と、一対のマツサージヘツ
ド１１，１１と、マツト１２などで構成され、さ
らにモータ８、回転軸９、カム１０などでマツサ
ージヘツド１１を往復動作させるための駆動手段
を構成している。

モータ８は、バツクフレーム４に固定された基
板１３に取り付けられている。また、モータ８
は、シート１の側部などに設けられる不図示のス
イツチを介して起動・停止が行われるとともに、
このスイツチで供給電流値が制御され、低速−中
速−高速の３段階に速度が切り換え得るようにな
つている。さらに、このモータ８は減速歯車列を
内蔵しており、減速した状態で回転が回転軸９に
出力されるようになつている。

次に、モータ８で回転される回転軸９は、基板
１３に固定された一対の軸受け板１４，１４によ
つて回転自在に支持されている。そして、回転軸
９の中間部分には、所定間隔をおいて上記一対の
カム１０，１０が固定されており、この一対のカ
ム１０，１０と一体に回転するようになつてい
る。

一対のカム１０，１０は、縦断面の形状が略三
角形をした状態に形成され、外周面がカム面１０
ａとして使用される。また、このカム面１０ａに
は、それぞれ上記一対のマツサージヘツド１１，
１１の一端が常に当接された状態になつている。

一対のマツサージヘツド１１，１１は、摺動部
１１ａと、きのこ状に膨らませて形成されたマツ
サージヘツド部１１ｂとを有して、樹脂材で一体
成形されている。そして、摺動部１１ａが基板１
３の貫通穴１３ａに挿入され、この貫通穴１３ａ
によつて前後方向へ摺動自在に支持されている。
また、マツサージヘツド部１１ｂと表皮材６の裏
面との間に配置されている上記マツト１２の押し
圧力で、他端が常にカム面１０ａに圧接された状
態になつている。

上記マツト１２は、ゴムなどの表面に布材を張
り付けて補強してなる可撓性を有したシート材を
密閉された袋状に形成して、内部に空気を入れて
膨らませたエアマツト、あるいは水などの移動流
体を入れて膨らませたウオータマツトなどが使用
される。なお、このマツト１２は不図示の手段に
よつて内部に充填される空気、移動流体などの量
を、その都度任意に調整し得るようになつてい
る。また、マツト１２の両側部には、シート状の
舌片部１２ａがそれぞれ一体に設けられている。
そして、この舌片部１２ａとフレーム４との間に
張設されたスプリング１５を介して支持され、空
間部分５ａの部分における表皮材６の裏面に沿つ
た状態で配設されている。

そして、このように構成されたシート１は、モ
ータ８が起動されて回転軸９が回転されるとカム
面１０ａの制御によつて、各マツサージヘツド１
１がマツト１２側へ突き出され、次いで退出する
往復動作が交互に繰り返される。また、カム面１
０ａの制御で最大限に退出された状態では、第２
図ａに示すように、表皮材６とマツサージヘツド
１１との間でマツト１２が膨らんだ状態になつて
隙間が形成される。したがつて、この状態で乗員
がシートバツク部３に寄り掛かつていても、マツ
サージヘツド１１が乗員に触れず、この乗員には
マツサージヘツド１１の存在が感じられない。一
方、カム面１０ａの制御で、マツサージヘツド１
１が最大限に突出されるとき、第２図ｂに示すよ
うに、マツサージヘツド１１と対応している部分
におけるマツト１２内の空気または水が他の部分
に逃がされながら、マツサージヘツド１１が突出
される。また、この突出時に、マツサージヘツド
１１はマツト１２と表皮材６を弾性変形させなが
ら、このマツト１２と表皮材６を介してシート面
側に突き出した状態になる。したがつて、乗員が
シートバツク部３に寄り掛かつていると、マツサ
ージヘツド部１１ｂで強く押される。また、この
とき乗員に、マツサージヘツド部１１ｂで直接押
されて指圧を受けたような感触が得られる。そし
て、次に再びカム面１０ａの制御で、マツサージ
ヘツド１１が最大限に退出されると、第２図ａの
状態に復帰する。この繰り返し動作は、モータ８
が起動している間、連続して行われる。なお、モ
ータ停止時は、マツサージヘツド１１が最大限に
退出された位置で停止するように設定しており、
これによりマツサージを行つていない場合には、
マツト１２が通常のクツシヨンとして使用され
る。そして、通常のクツシヨンとして使用する場
合に、マツト１２の膨らみ量が乗員の好みに合わ
ないときは不図示の手段によつて、マツト１２内
に充填する空気、移動流体などの量を増減させ
る。また逆にマツサージを行う場合に、マツサー
ジヘツド部１１ｂの当たる力が弱いとき、あるい
は強いときも、マツト１２内に充填される空気、
移動流体などの量を増減させることによつてマツ
サージの強さを調整することができる。

したがつて、このシート構造では、マツサージ
を行う場合は、マツサージヘツド部１１ａが直接
当たつた感触で強く押されるので、乗員には強い
指圧力が与えられる。これにより、マツサージ効
果を向上させることができる。

なお、上記実施例では、シートバツク部３にマ
ツサージ器７を内蔵している構造を開示したが、
シートクツシヨン部２に内蔵しても良いものであ
る。また、シート１上に設ける位置も任意に設定
して良いもので、さらにマツサージヘツド１１の
数およびマツサージヘツド部１１ｂの形状なども
必要に応じて変更し得るものである。

［考案の効果］ 以上説明したとおり、本考案に係るマツサージ
器付車両用シート装置によれば、マツサージヘツ
ドの先端形状がほぼそのまま得られた状態で、シ
ート表面に突出されるので、乗員により強い押し
圧力が付与できる。これにより強い指圧作用が得
られてマツサージ効果を高めることができ、実用
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマツサージ器付車両用シ
ート装置を適用したシートの一例を一部破断して
概略的に示した斜視図、第２図ａ，ｂは同上シー
トの作動状態を一部破断して各々示した側面図で
ある。 １……シート、３……シートバツク部、６……
表皮材、７……マツサージ器、１１……マツサー
ジヘツド、１２……マツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートの表面を覆つた表皮材の内面に沿つて設
   けられた空気または水などの移動流体を内蔵した
   マツトと、前記マツトの背面側に設けられて前記
   マツトを介して前記シートの表面側に繰り返し突
   き出されるマツサージヘツドと、前記マツサージ
   ヘツドに前記突き出し動作を付与する駆動手段と
   を有するマツサージ器を備えたことを特徴とする
   マツサージ器付車両用シート装置。