JPH04106921U - 収穫機の茎葉制御ブラシ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 制御ブラシ６の下端のブラシ先端を略水平面
状に揃え、機体に制御ブラシ６をブラシ先端略水平面状
のまま上下位置調整自在に案内するガイドレール８と、
回動することによりリンク９を介して制御ブラシ６を上
下位置調整する昇降レバー１０Ａと、この昇降レバー１
０Ａを回動した位置でロックする位置設定具１１とを設
けている。 【効果】 後上方へ持ち上げられる作物４は、静止し且
つ略水平面状の制御ブラシ６に下側から当接していき、
制御ブラシ６と広い面積で且つ時間をかけて接して抵抗
を受け、全作物４の茎葉４ａを確実に前方側へ倒して茎
葉４ａ方向性を確実且つ均一に揃えることができ、雑草
又は作物４の茎葉４ａが絡みついたりすることがなく、
常に正常な姿勢になるように上下位置調整もすることが
でき、根部４ｂに付着している土も除去できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、玉葱、ジャガイモなどの根菜作物を掘り取った後に収穫する収穫機 の茎葉制御ブラシ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、玉葱掘り取り収穫機においては、機体の前部に櫛形状の掘り取り部材 を設け、この掘り取り部材の後方に持ち上げコンベヤを設け、その後方に持ち上 げられた作物を茎葉切断及び収納する処理部を設けて構成されている。 このような収穫機では、良好な茎葉切断、確実な搬送ができるように、また、 土を落としたりするために、持ち上げコンベヤの上方に制御ブラシを設けて、作 物の茎葉を一方向に揃えるようにしている。この制御ブラシは揺動アームの先端 に円形ブラシを回転自在に設けたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来技術の制御ブラシは、円形ブラシが作物搬送方向と反対方向に回転す るものであり、茎葉と瞬間的に当たるため、茎葉を揃える効果は低く、根部を打 撃により傷めることがあり、また、雑草又は作物の茎葉自体が円形ブラシに絡み ついたりするため、櫛歯状のスクレーパなどの高価な巻き付き防止装置が必要で あった。

【０００４】 本考案は、制御ブラシの下端のブラシ先端を略水平面状に揃え、制御ブラシを ブラシ先端略水平面状のまま上下位置調整自在にすることにより、前記従来技術 の問題点を総て解決できるようにした収穫機の茎葉制御ブラシ装置を提供するこ とを目的する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案における課題解決のための具体的手段は、畝３から収穫した作物４を後 上方へ持ち上げる持ち上げコンベヤ５の上方に、作物４と接する制御ブラシ６を 上下位置調整自在に設けた収穫機の茎葉制御ブラシ装置において、前記制御ブラ シ６の下端のブラシ先端を略水平面状に揃え、収穫機機体７に制御ブラシ６をブ ラシ先端略水平面状のまま上下位置調整自在に案内するガイドレール８と、回動 することによりリンク９を介して制御ブラシ６を上下位置調整する昇降レバー１ ０と、この昇降レバー１０を回動した位置でロックする位置設定具１１とを設け ていることである。

【０００６】

【作用】

制御ブラシ６の下端のブラシ先端は略水平面状に揃っていて、持ち上げコンベ ヤ５によって持ち上げられる作物４が制御ブラシ６の前下部から次第に当接する 。従って、作物４は静止し且つ略水平面状の制御ブラシ６に下側から上へ当接し ていくことになり、制御ブラシ６と広い面積で且つ時間をかけて接して抵抗を受 けるので、全作物４の茎葉４ａは確実に前方側へ倒されて揃えられ、根部４ｂに 付着している土も除去される。昇降レバー１０を操作すると制御ブラシ６はガイ ドレール８に案内されて、ブラシ先端が略水平面状を保ったまま上下移動し、大 小各作物４に対して常に最良の姿勢を維持する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基ずいて説明する。 図４、５において、収穫機１はエンジン１２で駆動されるクローラ式走行装置 １３を有する自走作業車両であり、走行機体３の前部に掘り取り部１４を、中途 部から後部にかけて処理部１５を有しており、処理部１５の右側部には前側に操 縦部１６を、その後側に搬出部１７を有している。

【０００８】 前記掘り取り部１４は左右一対のデバイダ１９と、この左右デバイダ１９間に 配置されていて畝３内の玉葱（作物）４を掘り起こす櫛状の掘り取り部材２０と 、掘り取り部材２０で掘り起こした玉葱４を後上方へ持ち上げる持ち上げコンベ ヤ５と、この持ち上げコンベヤ５の上側に配置されていて玉葱４の茎葉４ａの方 向を揃えると共に付着土を払い落とす茎葉制御ブラシ装置２とを有している。

【０００９】 処理部１５は持ち上げコンベヤ５から玉葱４を受け取って把持しながら搬送す る処理コンベヤ２１と、この処理コンベヤ２１の上水平搬送部２１Ａの上側に配 置された茎葉揃えブラシ２２と、玉葱４を上下反転させて搬送する下水平搬送部 ２１Ｂの下側に配置された茎葉切断装置２３と、茎葉切断後の玉葱４の根部４ｂ を処理コンベヤ２１から受け取る横送りコンベヤ２４とを有している。

【００１０】 走行機体７の右側部には搬出部１７のコンテナ受け台２５が固定されている。 このコンテナ受け台２５は畝３間の溝の上方に位置し、その前部に操縦部１６の 操作パネル２６と運転席２７を取り付けたステー２８とが固定されている。 図１〜５において、持ち上げコンベヤ５は後上方傾斜状に配置され、機体７の 左右側板３０に支持された駆動スプロケット３１と從動スプロケット３２との間 に、多数本の横桟３３を連結した左右一対のチェーン３４を巻き掛けて構成され 、横桟３３は４本でひとつの玉葱載置部３５を形成している。そして、掘り取り 部材２０で畝３から掘り且つ掬い上げた玉葱４を玉葱載置部３５に載せて、後上 方へ搬送し、処理コンベヤ２１へ受け渡す。

【００１１】 茎葉制御ブラシ装置２は持ち上げコンベヤ５の上方に配置されていて、制御ブ ラシ６とガイドレール８と上下位置調整機構３８とを有している。制御ブラシ６ は基台３９に多数本の毛４０を垂下状に植設したものであり、下端のブラシ先端 は略水平面状に揃わされており、持ち上げコンベヤ５に対して前部から後部にか けて漸次近ずくように配置され、入口側が広く、出口側が狭くなっている。

【００１２】 ガイドレール８は左右側板３０に垂直状に固定されており、前後一対のアング ル材４１を板４２で連結して形成し、制御ブラシ６の基台３９を上下位置調整自 在に案内しており、基台３９の前後方向及び左右方向の動きを制限している。こ のガイドレール８はチャンネル材その他で形成しても良い。 制御ブラシ６の基台３９の上面には左右一対のブラケット４３が固定され、各 ブラケット４３にはリンク９が連結され、各リンク９の上端は昇降レバー１０Ａ 、１０Ｂとピン連結されている。２本の昇降レバー１０Ａ、１０Ｂは機体７を構 成する支持体４４に軸４５を介して枢支され、連結杆４６を介して伝動連結され ている。一方の昇降レバー１０Ａは上方に長くなっていて、回動するために手で 持てるようになっており、この昇降レバー１０Ａ機体７との間に昇降レバー１０ Ａを回動した位置でロックする位置設定具１１が設けられ、これらによって上下 位置調整機構３８が構成されている。

【００１３】 前記位置設定具１１は昇降レバー１０Ａに対向して位置設定板４７が設けられ 、この位置設定板４７には軸４５を中心とした円弧位置に複数の孔４８が穿設さ れ、昇降レバー１０Ａには孔４８に係脱自在に係合する係合ピン４９が設けられ ている。昇降レバー１０Ａには操作レバー５０が枢支され、この操作レバー５０ の先端が係合ピン４９とピン連結され、操作レバー５０を揺動することにより、 係合ピン４９を孔４８に係脱可能である。従って、操作レバー５０を操作して係 合ピン４９を孔４８から離脱させ、昇降レバー１０Ａを回動した後に他の孔４８ に係合させることにより、昇降レバー１０Ａは回動した位置にロックされ、制御 ブラシ６は上下位置調整された位置に固定される。

【００１４】 前記昇降レバー１０Ａは図４に示すように、操縦部１６の近くに配置され、掘 り取る玉葱４の大きさを見ながら操作し、制御ブラシ６を玉葱４の大きさに合っ た高さに設定する。 前記茎葉制御ブラシ装置２においては、持ち上げコンベヤ５によって玉葱４が 後上方傾斜状に持ち上げられていくと、制御ブラシ６の下端の略水平面状に揃っ たブラシ先端の前下部から次第に当接し、制御ブラシ６に下方から上方へ入って いくように移動する。即ち、静止し且つ略水平面状の制御ブラシ６に対し、玉葱 ４は下側から当接していくことになり、制御ブラシ６と広い面積で且つ時間をか けて接して抵抗を受け、これにより、全玉葱４の茎葉４ａは確実に前方側へ倒さ れて均一方向に揃えられ、根部４ｂに付着している土も除去される。昇降レバー １０Ａを操作すると、制御ブラシ６はガイドレール８に案内されて、ブラシ先端 が略水平面状を保ったまま上下移動し、大小玉葱４に対して常に最良の姿勢を維 持するように調整される。

【００１５】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、種種変形することができ る。例えば、上下位置調整機構３８はブラケット４３、リンク９及び昇降レバー １０を２本ずつ設け且つ連結杆４６で連結して、制御ブラシ６を水平姿勢で上下 動できるようにしているが、ブラケット４３、リンク９及び昇降レバー１０を１ 本ずつにしても良い。その場合、制御ブラシ６はガイドレール８に対して傾かな いようにしておく。また、位置設定具１１は昇降レバー１０Ａと位置設定板４７ とに、１本の頭付きピンを貫通する構成、又は孔４８に位置決めボールを弾圧す る構成でも良い。更に、茎葉制御ブラシ装置２は処理コンベヤ２１の後上方傾斜 した持ち上げ部分に、茎葉揃えブラシ２２の代わりに適用しても良い。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳述した本考案によれば、制御ブラシ６の下端のブラシ先端を略水平面状 に揃え、機体７に制御ブラシ６をブラシ先端略水平面状のまま上下位置調整自在 に案内するガイドレール８と、回動することによりリンク９を介して制御ブラシ ６を上下位置調整する昇降レバー１０と、この昇降レバー１０を回動した位置で ロックする位置設定具１１とを設けているので、後上方へ持ち上げられる作物４ は、静止し且つ略水平面状の制御ブラシ６に下側から当接していくことになり、 制御ブラシ６と広い面積で且つ時間をかけて接して抵抗を受け、全作物４の茎葉 ４ａを確実に前方側へ倒して茎葉４ａの方向性を確実且つ均一に揃えることがで き、従来のように雑草又は作物４の茎葉４ａが絡みついたりすることがなく、常 に正常な姿勢になるように上下位置調整もすることができ、根部４ｂに付着して いる土も除去できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の断面側面図である。

【図２】要部の正面図である。

【図３】平面図である。

【図４】収穫機全体の斜視図である。

【図５】収穫機全体の側面図である。

【符号の説明】

１ 収穫機 ２ 茎葉制御ブラシ装置 ３ 畝 ４ 作物 ５ 持ち上げコンベヤ ６ 制御ブラシ ７ 機体 ８ ガイドレール ９ リンク １０ 昇降レバー １１ 位置設定具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 畝（３）から収穫した作物（４）を後上
   方へ持ち上げる持ち上げコンベヤ（５）の上方に、作物
   （４）と接する制御ブラシ（６）を上下位置調整自在に
   設けた収穫機の茎葉制御ブラシ装置において、前記制御
   ブラシ（６）の下端のブラシ先端を略水平面状に揃え、
   収穫機機体（７）に制御ブラシ（６）をブラシ先端略水
   平面状のまま上下位置調整自在に案内するガイドレール
   （８）と、回動することによりリンク（９）を介して制
   御ブラシ（６）を上下位置調整する昇降レバー（１０）
   と、この昇降レバー（１０）を回動した位置でロックす
   る位置設定具（１１）とを設けていることを特徴とする
   収穫機の茎葉制御ブラシ装置。