JPH04105788A - アルミニウム材の表面改質用溶加材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は溶加材、特にアルミニウム材の表面を硬化さ
せて耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材となすのに用
いられる溶加材に関する。

なお、この明細書においてアルミニウムの語はその合金
を含む意味で用いる。

従来の技術 周知のように、アルミニウムは汎用されている鉄系材料
等と比較して格段に軽量であるのに加え、熱伝導特性に
優れ、また耐食性も優れるところから、最近では自動車
等の各種機械部品として広く使用されるようになってき
ている。

しかしながら、一般にアルミニウムは鉄系材料と比較し
て耐摩耗性に劣り、このことが自動車等における軽量化
等を目的として鉄系部材をＡρ合金部材に代える際の大
きな障害となっていた。

そこで従来より、耐摩耗性が要求される部位に適用され
るアルミニウム材の耐摩耗性向上策として、アルミニウ
ム材の表面に耐摩耗性に優れた表面硬化層を形成する試
みがなされている。

このような表面改質層の形成法として、従来、アルミニ
ウム材料表面にＮｉ等の耐摩耗性に優れた金属をメツキ
法、陽極酸化処理法、溶射法等で被覆する方法が知られ
ている。

発明が解決しようとする課題 しかしこの方法では、アルミニウム材料と表面改質層と
の密着性が不十分なため、その後の研磨加工や切削加工
において、表面改質層の剥れ、クラック等が発生し、こ
のためアルミニウム材料の加工や使用条件に制約を受け
るというような欠点があった。

この発明は、かかる技術的背景のもとになされたもので
あって、耐摩耗性、密着性に優れた表面改質層を形成し
、もってアルミニウム材料の耐摩耗性部品への適用範囲
を拡大することを目的とし、そのための表面改質層形成
用の材料を提供せんとするものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成する材料として、この発明は、Ｃｕ　：
１５〜３５ｗｔ％を含有し、あるいはさらにＳ　ｉ　：
　０．０５〜１ｗｔ％、Ｍｇ：０．０５〜６ｗｔ％、Ｎ
　ｉ　：　０．　０１〜５ｗｔ％、Ｍｎ：０゜０１〜１
０ｗｔ％、Ｃｒ：０．０１〜１０ｗｔ％、Ｆｅ　：　０
．０５〜１０ｗｔ％、Ｔｉ：０．００５〜１０ｗｔ％、
Ｂ　：　０．　００１〜５ｗｔ％、Ｚｒ：０．００５〜
５ｗｔ％、Ｖ　：　０．　０５〜５ｗｔ％、Ｓ　　ｒ　
　二　０．　　００１　〜０．　　２ｗｔ　％、　Ｎａ
：０．００１〜０．２ｗｔ％の１種または２種以上を含
有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアル
ミニウム材の表面改質用溶加材を提供するものである。

そして、該溶加材をアルミニウム材料の表面に溶接して
表面改質層を形成することで上記目的を達成せんとする
ものである。

この発明に係る溶加材の各元素の添加意義と限定理由に
ついて説明すると、必須元素としてのＣｕは溶融によっ
てアルミニウム母材のＡΩマトリックスにＡΩ−Ｃｕ系
金属間化合物として晶出することにより、極めて硬度の
高い合金化層を形成する役割を果たす。しかし、Ｃｕが
１５ｗｔ％未満ではその効果に乏しい。一方３５νｔ％
を超えると溶加材の加工が困難となる。特に好ましいＣ
ｕの含有範囲は２０〜３０νｔ％である。

溶加材に任意的に添加されるＳ　ｉＳＭ　ｇ　ｓ　Ｎｉ
、Ｍｎ５Ｃｒ、Ｆｅ、Ｔｉ５Ｂ、Ｚｒ、Ｖ。

Ｓｒ、Ｎａはいずれも溶加材ひいては表面改質層の機械
的性質の改善に寄与するものである。

なかでも特にＳｔＳＭｇは強度向上に、Ｎｉは強度及び
耐熱性の向上に、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｆｅは強度及び耐食性の
向上に、Ｔ　１　ｓ　Ｂ　、Ｚ　ｒ　、Ｖは結晶粒の微
細化にそれぞれ寄与するものである。また、５ｒＳＮａ
はＳｉが含有された場合に鋳造時のＳｔ粒子の微細化に
寄与する。しかし、これらの各元素が下限値未満では該
効果に乏しく、逆に上限値を超えて過多に含有されると
加工性の悪化等の不都合を派生する。特に好ましい含有
量は、Ｓｉ：０．１〜０，５ｗｔ％、Ｍｇ：１〜３ｗｔ
％、Ｎ　ｉ　：　１〜３ｗｔ％、Ｍｎ：１〜３ｗｔ％、
Ｃｒ　：　１〜３ｗｔ％、Ｆｅ：１〜３ｗｔ％、Ｔ　ｉ
　　：　　１〜５ｗｔ％、Ｂ：１〜３ｗｔ％、Ｚｒ：１
〜３ｗｔ％、Ｖ：ｌ　〜３ｗｔ％、Ｓｒ：０゜００５〜
０．　０１ｗｔ％、Ｎａ　　：　０．　００５〜０゜０
１ｗｔ％である。

なお、溶加材の残部アルミニウムは母材たるアルミニウ
ム材に対する溶加材の十分な濡れ性を確保する役割を果
たす。

この発明に係る溶加材の製造方法は、特に限定されるこ
とはなく、常法に従う展伸材、鋳物材の製造工程の実施
により行えば良い。

こうして製作した溶加材は、−船釣には溶接棒あるいは
溶接芯線として用いられ、ＴＩＧ溶接、ＭＩＧ溶接等の
溶接手段によりアルミニウム材の表面改質予定部位に肉
盛溶接される。通常、ＴＩＧ溶接に用いる場合は外径２
．４〜３゜２Ｎｎ程度に設定され、ＭＩＧ溶接に用いる
場合は外径１．２〜２．４ａｍ程度に設定される。溶接
後においてはアルミニウム材の溶融部分は短詩に凝固し
、アルミニウム材のＡΩマトリックスにＡΩ−Ｃｕ系金
属間化合物が均一緻密にあるいは塊状に晶出した合金化
層が形成される。

而して、Ａρ−Ｃｕ系金属間化合物はそれ自体極めて硬
度が高いため、合金化層が全体として高い硬度を示し、
優れた耐摩耗性を具有する。

表面に硬質合金化層を形成したアルミニウム材は、その
後必要に応じて最終製品形状に機械加工し、耐摩耗性部
品として実用に供する。なお、この母材たるアルミニウ
ム材の組成は特に限定されるものではなく、純Ａρは勿
論のこと２０００系その他のアルミニウム展伸材あるい
はＡＣ８Ａ、ＡＣ２Ｂ等のアルミニウム鋳物材等を適宜
用いうる。

実施例 下記第１表に示す組成の各種溶加材を製作した。溶加材
は各組成の合金を鋳造し、多ホール押出により直径１．
６ｍの溶接芯線に製作した。

［以下余白コ 一方、表面硬化層を形成すべきアルミニウム材としてＡ
Ｃ８Ａ鋳物合金からなる厚さ７，５頗×幅４０＃１Ｉ１
１×長さ１００＃の試験片を用意した。そして、試験片
の中央部長手方向に深さ０゜５咽の浅溝を形成した。

そして、前記溶加材を用いてＭＩＧ溶接により試験片の
上記溝の部分に肉盛溶接を行った。

溶接条件は以下のとおりとした。

溶接電流２１０〜２２０Ａ、 電圧：２４Ｖ 溶接速度：６０ｃ！ｎ／ｍｉｎ シールドガス流量：２５Ω／ｗｉｎ 次に、上記により得た各溶接品につき、溶接部分の硬さ
を室温にて測定したところ、第２表に示すとおりであっ
た。

［以下余白］ 第２表 一方、アルミニウム材単体の硬度を調べたところ、Ｈｖ
３０　（荷重５Ｋｇ）であった。

以上の試験結果かられかるように、本発明に係る溶加材
を用いると、極めて硬度が高く従って当然に耐摩耗性に
も優れた表面改質層をアルミニウム材の表面に簡単かつ
確実に形成しうろことを確認しえた。

発明の効果 この発明は上述の次第で、所定量のＣｕを含有するアル
ミニウム合金溶加材を用い、これをアルミニウム母材の
所期する部位に肉盛溶接することにより、アルミニウム
材に耐摩耗性に優れた表面改質層を形成することができ
る。しかもこの改質層はＡΩマトリックスとＣｕとが合
金化した合金化層となっているから、アルミニウム材と
一体化しえて密着性に優れたものとなしうる。その結果
、自動車等に要請される耐摩耗性部品として好適なアル
ミニウム材の提供が可能となる。

また、請求項２に記載の溶加材を用いた場合には、上記
効果に加えて表面改質層の強度等の機械的性質をさらに
改善できる効果がある。

以上

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃｕ：１５〜３５ｗｔ％を含有し、残部アルミニ
   ウム及び不可避不純物からなるアルミニウム材の表面改
   質用溶加材。
2. （２）Ｃｕ：１５〜３５ｗｔ％を含有し、さらにＳｉ：
   ０．０５〜１ｗｔ％、Ｍｇ：０．０５〜６ｗｔ％、Ｎｉ
   ：０．０１〜５ｗｔ％、Ｍｎ：０．０１〜１０ｗｔ％、
   Ｃｒ：０．０１〜１０ｗｔ％、Ｆｅ：０．０５〜１０ｗ
   ｔ％、Ｔｉ：０．００５〜１０ｗｔ％、Ｂ：０．００１
   〜５ｗｔ％、Ｚｒ：０．００５〜５ｗｔ％、Ｖ：０．０
   ５〜５ｗｔ％、Ｓｒ：０．００１〜０．２ｗｔ％、Ｎａ
   ：０．００１〜０．２ｗｔ％の１種または２種以上を含
   有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアル
   ミニウム材の表面改質用溶加材。