JPH041046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は耳付き容器の位置合せ装置に関する
ものである。

産業上の利用分野 この考案の耳付き容器とは、所望形状の立体固
形容器、例えばカツプ型容器に内容物を充填し、
蓋体を熱圧着する、いわゆるカツプシール包装に
おいて、消費者が固着された蓋体の剥離に便する
ように容器開口部を蓋体とともに外周の一部を外
方向に突出させ、蓋体をめくり易くするために耳
形状を突出構成した容器を指すものである。

上記のように構成した容器に対し、所望内容物
充填作業は、前記構成の容器が嵌合できる金型に
近似した「バケツト」と称する充填作業の可搬枠
体とする移送作業枠体の複数を連ねて無端の環状
を形成し、所定の無端環状軌道を与えられた推進
運動により間欠的に移行回動し、前記容器の係合
に始まり一巡する間に所定の部所を経由して内容
物が充填され、かつ、蓋体で密封された充填物と
なるものである。

この考案は、上記の一連の充填作業において前
記バケツトに前記構成の耳付き容器を投入係合さ
せた後、バケツト側の耳部受入位置と容器側の耳
部とを自動的に正確合致させるものである。

従来の技術 前記一連の容器に対する内容物充填ならびに蓋
体封緘作業を連続自動充填装置において、移動す
るバケツトに対し、容器の係合投入作業のみが人
為的に行われており、その係合投入作業の際、容
器側の耳と、バケツト側の耳部受入位置との正確
合致作業を「ひと手」によつて行われていたもの
で、該装置の作動中、最低人数でも１人が専属的
に従事したものである。

考案の目的 この考案は、上記の連続自動充填装置におい
て、バケツトに対し無作為にも係合投入された容
器を該容器に突出付設された耳形状部を利用して
自動的にバケツト側の耳部受入位置に正確合致さ
せようとするものである。

問題点を解決するための手段 容器１の主部形状は平面正円形で、上端開口部
２の全周にはフランジ３が張り出されており、該
フランジ３の一部は舌片状に突出されている。こ
の舌片状の突設部を以下耳４と称する。

上記容器１に所望する内容物を充填し、蓋体を
被覆し、かつ、熱圧着による封縅作業を行う各々
の作業部門間を前記容器１を移送するバケツト１
０は、前記工程中、封縅作業に便するように「金
型」に近似した構成にしてある。即ち、平面１１
には前記容器１におけるフランジ３を除く本体の
すべてが嵌合できる正円の中央凹所１２が穿た
れ、かつ、該中央凹所１２の外側に前記容器１に
設けたフランジ３の外周と同形状となる内周位置
１３とする外溝１４を凹設する。この外溝１４と
中央凹所１２との間には容器１におけるフランジ
３の全裏面が接合できる内縁部１５が形成され、
この内縁部１５の一部には前記フランジ３の一部
に形成した耳４に対応する耳部載置位置１５′が
外溝１４によつて形成されている。このように中
央凹所１２ならびに該中央凹所１２の中心位置と
一部を除いて同心をもつて形成された外溝１４、
内縁部１５を１個のバケツト１０に複数組形成さ
れてあり、これらのバケツト１０が所望数連結さ
れて軌条に沿つて無端の環状体が構成され、これ
ら形成された環状体にそれぞれの作業部門があ
る。その作業部門の１つがこの考案を構成する位
置合せ部門Ａである。この位置合せ部門Ａは、前
記環状体に形成された多数のバケツト１０の進行
軌跡を跨座するように構成されている。この位置
合せ部門Ａの位置合せ機構２０は基台に取り付け
た高さ調整を可能とする支柱２１によつて支持さ
れた基枠２２に油圧あるいは空気圧またはその他
の任意の運動源を用いた上下動推進手段２３を設
け、この上下動推進手段２３の可動側に接続して
上下動枠２４を取り付ける。上下動枠２４には水
平方向に回転する回動軸２６を下方に指向するモ
ータ等の回転源２５を設置し、前記の回動軸２６
の下端にアーム２７を水平状態になるように装設
し、その先端に下向きの位置調整ピン２８を設け
る。この位置調整ピン２８は前記バケツト１０の
平面１１に凹設した外溝１４に対し自由に係合で
きる太さとするとともに、その設置位置は前記外
溝１４の正円部分における半径ｒと同距離を装着
した回転動軸２６の中心より隔てたアーム２７の
先端位置に設置するものである。なお、この位置
調整ピン２８のアーム２７における設置位置は容
器形状変化とともにバケツト１０もそれに対応す
るものに変換し、これにより、外溝１４の半径ｒ
も変化する場合もあるので位置調整ピン２８の設
置位置も任意位置に設定できるように可変位置装
置とすべきである。

更にまた、上下動枠２４の下面に回動軸２６の
中心位置とバケツト１０における中央凹所１２の
中心位置とが一致した際に外溝１４の正円部以外
の耳部載置位置の外側に位置する箇所に嵌挿でき
る直上の位置に係止ピン２９を植設する。なお該
係止ピン２９も容器１の形状（大きさ）によつて
植設位置も一定でないので上下動枠２４の一部に
枢支した槓杆３０の先端に固着し、適宜所望位置
に回動し、対応する位置で枢支箇所を固定するよ
うにすれば形状を異にする容器用のバケツト１０
にも対応させることができるものである。

作 用 容器１を中央凹所１２に投入したバケツト１０
に対し、中央凹所１２の中心直上位置に位置合せ
機構２０の回動軸２６の軸心位置を一致させ、次
いで上下動枠２４を降下し、位置調整ピン２８を
正円形部分の外溝１４に挿入係合したのち、所定
の方向に回動する。このとき回動する位置調整ピ
ン２８の前方に位置する容器１の耳４の後辺を押
しながら回動し、該耳４が耳部載置位置１５′上
に載置したならば位置調整ピン２８の回動動作は
停止し、かつ、上昇して容器１との接触を断つと
同時に原位置に回動復帰するものである。

このようにして位置調整ピン２８の押回動のみ
によつて容器１側の耳４はバケツト１０側の耳部
載置位置１５′の正規位置に載置するものである
が、位置調整ピン２８の回動運動を受けることに
よつて、該回動運動より早く、容器１のみが独走
する場合の事態を想定して前記位置調整ピン２８
と上下運動を共にする係止ピン２９により耳４の
過剰回動を防止するものである。

考案の効果 従前は容器における耳のバケツト側の耳部載置
位置に合致係合させるために各々個々を「ひとの
手」によつて挿入係合していたものであるが、こ
の考案においては、バケツト１０の外溝１４に対
し降下して挿入係合し、かつ、回動する位置調整
ピン２８の回動開始位置が予め設定されているた
め、容器１の耳４が位置調整ピン２８の回動方向
の前方位置となるようにしてバケツト１０の中央
凹所１２内に投入することにより、該投入された
容器１の耳４の位置が多少、不定位置であつても
位置調整ピン２８の回動運動によつて正確に所定
の位置に合致停止作用を自動的にできるので、こ
れら耳付き容器内への所望内容物の充填、封縅作
業の全工程を無人化し、かつ、高精度をもつて全
自動化を高速変化することができ得るようにした
効果あることを特徴とするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は耳付き容器に対し内容物の充填ならび
に封縅等の一連の充填機構をエンドレスで行う装
置を説明するための略平面図、第２図は耳付き容
器の斜視図、第３図はバケツトの平面図、第４図
は位置合せ装置の正面略図、第５図は第４図は
−線断面図である。 １０……バケツト、１２……中央凹所、１４…
…外溝、１５……内縁部、１５′……耳部載置位
置、２１……支柱、２２……基枠、２３……上下
動推進手段、２４……上下動枠、２５……回転
源、２６……回動軸、２７……アーム、２８……
位置調整ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正円の中央凹所１２の外周に一部を残して同心
   の外溝１４を内縁部１５を介して凹設し、同心形
   成以外で同心円よりも外側に曲設した部分の外溝
   １４の内側の内縁部１５を耳部載置位置１５′と
   して形成したバケツト１０の設置位置上に、支柱
   ２１で支えられた基枠２２に上下動同推進手段２
   ３を介して装設された上下動枠２４に回転源２５
   を設置し、該回転源２５の回転軸２６の軸心と前
   記バケツト１０における中央凹所１２の中心位置
   とを一致するようにし、回転軸２６の下端より水
   平方向に設けたアーム２７の先端に前記正円部分
   の外溝１４に挿入係合し、かつ、外溝１４の正円
   部分のみ回動できるようにした位置調整ピン２８
   を設けて成る耳付き容器の位置合せ装置。