JPH0410386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は燃料タンク内に配設した燃料ポンプの
駆動用電動モータのリード線を燃料タンク外へ引
出すためのインタンク式燃料ポンプのリード線引
出し構造に関する。

〈従来の技術〉 近年、車両用内燃機関において、実開昭59−
110373号公報等に見られるように、燃料タンク内
に該タンクの燃料を気化器又は燃料噴射弁等に供
給するための燃料ポンプを配設したものがある。

この種のインタンク式燃料ポンプにおいて、燃
料ポンプの駆動用の電動モータのリード線は、例
えば第３図及び第４図に示すようなリード線引出
し構造によつて、燃料タンク外へ引出していた。

これについて説明すると、燃料タンクのアツパ
ープレート１に孔２を形成してある。

そして、燃料タンク外の電源回路（図示せず）
に接続されるリード線３とこれに接続される導電
性のピン４との接続部をポリアセタール等の樹脂
によりモールドしてなる絶縁ブロツク５を設け、
この絶縁ブロツク５のピン４突出側の嵌合部５ａ
をアツパープレート１の孔２に燃料タンク外側か
ら嵌合させて、ピン４の突出部を燃料タンク内に
臨ませてある。尚、アツパープレート１外面と絶
縁ブロツク５との間にはNBR製のシート６を介
装してある。そして、ピン４の突出部に燃料タン
ク内側からNBR製の絶縁リング７を被せると共
に、この絶縁リング７の外周にポリアセタール等
の樹脂からなる絶縁カバー８を被せ、更にピン４
の突出部に中央に孔を有する導電性の端子板９を
被せ、ピン４の突出部端面に形成されている孔を
ポンチにより拡開して図示１０の如く全周加締め
を行うことにより、端子板９等を固定してある。

そして、端子板９端部の屈曲部９ａに電動モー
タ（図示せず）のリード線１１をハンダ付けする
ようにしてある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、このような従来のリード線引出
し構造にあつては、リード線３とピン４との接続
部を樹脂によりモールドして一体化しているた
め、絶縁ブロツク５の倒れ等の寸法バラツキや加
締め力のバラツキ等により、ピン４の加締め部位
１０に割れ（第４図Ａ）が生じると、該ピン４の
みならず、第５図に示すような、ピン４に接続さ
れるリード線３によるリードハーネス３Ａも同時
に使用不能になり、コスト的に工程仕損費が嵩む
という問題点があつた。

又、アツパープレート１の孔２は高いシール性
を必要とする箇所であるが、従来では、単なる円
環状の絶縁リング７を使用しているため、シール
性が不十分であるという問題点もあつた。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みなされ
たもので、リード線引出し構造の改良により、コ
スト的に工程仕損費が嵩むという問題点を解消す
ると共に、アツパープレートの孔のシール性の向
上を図ることを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 このため本考案は、燃料タンクのアツパープレ
ートに設けた孔に、両端周部に外周端部がＯリン
グ形状に形成されたフランジ部を一体成形した絶
縁グロメツトを嵌挿し、燃料ポンプの駆動用電動
モータのリード線が接続された導電性のラグ板
に、燃料タンク内から絶縁グロメツトの穴を介し
て燃料タンク外に突出するピン部を一体成形する
一方、該ピン部の先端部外周に嵌挿される板部外
面にコネクタ端子片を立設してなる端子部材と、
該端子部材周りを取り囲むコネクタケースと、か
らなるコネクタを設け、前記ピン部の先端部を打
ちつぶして、端子部材と絶縁グロメツトとコネク
タケースとアツパープレートとを、ピン部をリベ
ツトとするリベツト締めにより結合した。

〈作用〉 そして、このように、リード線をコネクタとし
て燃料タンク外に引出す構成とすると共に、絶縁
グロメツトの独持の形状により、例え固定不能が
生じても、電源回路側リード線によるリードハー
ネスが同時に使用不能となることがないようにす
る一方、アツパープレートの孔のシール性の向上
を図るのである。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

第１図において、燃料タンクのアツパープレー
ト１２に設けられた孔１３には、両端周部にフラ
ンジ部１４ａ，１４ｂを一体成形したNBR製の
絶縁グロメツト１４が嵌挿されている。この絶縁
グロメツト１４のフランジ部１４ａ，１４ｂの外
周端部はＯリング形状に成形されている。

図示しない燃料タンク内に配設したインタンク
式燃料ポンプの駆動用電動モータのリード線１５
が接続されたA1製の導電性ラグ板１６には、燃
料タンク内から絶縁グロメツト１４の穴１４ｃを
介して燃料タンク外に突出するピン部１７が一体
成形されている。一方、アツパープレート１２の
外面には、端子部材１８と、該端子部材１８周り
を取り囲むポリアセタール等の樹脂からなるコネ
クタケース１９と、からなるオス型コネクタ２０
が固定取付される。

この端子部材１８は、中央に孔１８ａを有する
板部１８Ａ外面にコネクタ端子片１８Ｂが直角に
立設された構成である。又、コネクタケース１９
は、端子部材１８周りを取り囲む有底の筒状に形
成されかつ底部に絶縁グロメツト１４のフランジ
部１４ａ外周に嵌挿される孔１９ａを有した構成
である。そして、端子部材１８は、板部１８Ａの
孔１８ａをもつてピン部１７の先端部外周に嵌挿
される。又、コネクタケース１９は、孔１９ａの
内周部がアツパープレート１２外面と端子部材１
８周辺部との間に介装されるように装着される。

そして、端子部材１８と絶縁グロメツト１４と
コネクタケース１９とアツパープレート１２と
は、前記ピン部１７の先端部を打ちつぶして、ピ
ン部１７をリベツトとするリベツト締めにより結
合される。

ここで、コネクタ２０の端子部材１８は、燃料
タンク内からの複数のリード線に対応して、上述
したような引出し構造によつて複数設けられるも
のであり、第２図に示すように、コネクタケース
１９は、複数の端子部材１８全てに共通した単一
のものとして構成される。

従つて、コネクタケース１９は、底部に前記グ
ロメツト１４のフランジ部１４ａ外周に嵌挿され
る孔１９ａを複数列設した構成で、各孔１９ａの
内周部がアツパープレート１２外面と端子部材１
８周辺部との間に介装されるように装着される。

以上のような、リード線引出し構造によつて、
アツパープレート１２上面に固定されたオス型コ
ネクタ２０には、第２図に示すようなメス型コネ
クタ２１が上方から嵌合され、燃料タンク外の電
源回路に接続される。

かかる構成によれば、燃料タンク外の電源回路
側のリード線が接続される導電性のピンを介して
電動モータのリード線を燃料タンク外に引出す構
造を廃止し、電動モータのリード線１５をコネク
タ２０の端子片１８Ｂとして燃料タンク外に引出
す構造としたから、例え、端子部材１８のリベツ
ト締めに不良が生じても、燃料タンク外の電源回
路に接続されるリード線によるリードハーネス２
２（第２図参照）が同時に使用不能となることは
なく、工程仕損費が嵩むこともない。又、絶縁グ
ロメツト１４を、両端周部に外周端部がＯリング
形状に形成されたフランジ部１４ａ，１４ｂを一
体成形した構成としたから、絶縁機能の他に次の
ようなシール機能を奏する。

即ち、絶縁グロメツト１４の装着状態におい
て、フランジ部１４ａの外周端部が板部１８Ａと
アツパープレート１２との間で押圧されることで
弾性変形して、該板部１８Ａとアツパープレート
１２夫々の面に圧着すると共に、フランジ部１４
ｂの外周端部がアツパープレート１２とラグ板１
６の間で押圧されることで弾性変形して、該アツ
パープレート１２とラグ板１６夫々の面に圧着す
る。

この結果、孔１３は確実にシールがなされ、従
来の単なる円環状の絶縁リングと比してシール性
の大幅な向上を図ることができる。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案によれば、燃料タ
ンク外の電源回路側のリード線が接続される導電
性のピンを介して電動モータのリード線を燃料タ
ンク外に引出す構造を廃止し、電動モータのリー
ド線をコネクタの端子片として燃料タンク外に引
出す構造とし、この端子片が設けられた端子部材
をリベツト締めにより結合する構成としたから、
例え、端子部材のリベツト締めに不良が生じて
も、燃料タンク外の電源回路に接続されるリード
線によるリードハーネスが同時に使用不能となる
ことはなく、工程仕損費が嵩むこともない。又、
アツパープレートの孔に嵌挿される絶縁グロメツ
トを、両端周部に外周端部がＯリング形状に形成
されたフランジ部を一体成形した構成としたか
ら、絶縁機能の他に、高いシール機能を奏し、前
記孔のシール性の大幅な向上を図ることができる
実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるインタンク式燃料ポン
プのリード線引出し構造の一実施例を示す断面
図、第２図は同上のリード線引出し構造を示す平
面図、第３図は従来のインタンク式燃料ポンプの
リード線引出し構造の一実施例を示す断面図、第
４図は第３図の底面図、第５図は同上のリード線
引出し構造を示す平面図である。 １２……アツパープレート、１３……孔、１４
……絶縁グロメツト、１４ａ，１４ｂ……フラン
ジ部、１５……リード線、１６……ラグ板、１７
……ピン部、１８……端子部材、１８Ａ……板
部、１８Ｂ……コネクタ端子片、１９……コネク
タケース、２０……コネクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクのアツパープレートに設けた孔に、
   両端周部に外周端部がＯリング形状に形成された
   フランジ部を一体成形した絶縁グロメツトを嵌挿
   し、燃料タンク内に配設したインタンク式燃料ポ
   ンプの駆動用電動モータのリード線が接続された
   導電性のラグ板に、燃料タンク内からの絶縁グロ
   メツトの穴を介して燃料タンク外に突出するピン
   部を一体成形する一方、該ピン部の先端部外周に
   嵌挿される板部外面にコネクタ端子片を立設して
   なる端子部材と、該端子部材周りを取り囲む有底
   の筒状に形成されかつ底部に絶縁グロメツトのア
   ツパープレート外面側フランジ部外周に嵌挿され
   る孔を有し、該孔の内周部がアツパープレート外
   面と端子部材周辺部との間に介装されるコネクタ
   ケースと、からなるコネクタを設け、前記ピン部
   の先端部を打ちつぶして、端子部材と絶縁グロメ
   ツトとコネクタケースとアツパープレートとを、
   ピン部をリベツトとするリベツト締めにより結合
   したことを特徴とするインタンク式燃料ポンプの
   リード線引出し構造。