JPH04103570U - 空気調和機の制御回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機の起動時より所定時間冷媒の循環量を
抑制し、蒸発器に溜まっている液冷媒の圧縮機への流入
を防止して圧縮機を円滑に起動させる。 【構成】 冷媒の圧縮機１と、冷媒を凝縮する凝縮器
と、冷媒を減圧する主キャピラリ及び副キャピラリと、
冷媒を気化する蒸発器とを直列に配管接続して冷凍サイ
クルを構成すると共に、副キャピラリと並列に電磁弁８
を配管接続する一方、電源に圧縮機１、電磁弁８および
ディレータイマ９を並列に接続し、このディレータイマ
の非作動時開、作動時閉側の制御接点10を電磁弁８と直
列に接続して圧縮機１の通電起動と同時にディレータイ
マ９に通電し、所定時間後に接点10を作動させる。これ
により、電磁弁８を通電開始時より所定時間閉じた状態
に維持し、冷媒を主、副両キャピラリで絞って循環量を
抑制し、所定時間後開いて副キャピラリのバイパスを形
成し、冷媒の循環量を元に戻す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気調和機の制御回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の空気調和機における冷凍サイクルの構成を示すもので、１は冷媒 を圧縮するための圧縮機、２は圧縮された冷媒を放熱凝縮するための凝縮器、３ は凝縮された冷媒を減圧するためのキャピラリ、４は減圧された冷媒を気化する ための蒸発器で、それぞれが直列に配管接続されている。これによると蒸発器４ に冷媒が液化した状態で溜まっている場合に圧縮機１を起動すると、蒸発器４に 溜まっていた液冷媒が圧縮機１に一挙に流れ込んで圧縮機１をロック状態にする ことがあった。これを解決する手段として圧縮機１と蒸発器４との間にタンクを 介在させて液冷媒を貯溜すると共に、ここで冷媒を気化することにより液冷媒が 圧縮機１に流れ込むのを防止する方法と、冷媒の充填量を減らして圧縮機１への 負荷を軽減する方法とが知られている。しかし、前者は高価なタンクを増設する ための費用とスペースとを必要とし、後者は冷暖房能力を低下させてしまう欠点 があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記欠点を解決し、圧縮機を円滑に起動させることができる空気調和 機の制御回路を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案では、冷媒を圧縮するための圧縮機と、圧縮 された冷媒を放熱凝縮するための凝縮器と、凝縮された冷媒を減圧するための主 キャピラリおよび副キャピラリと、減圧された冷媒を気化するための蒸発器とを 直列に配管接続すると共に、前記副キャピラリと並列に電磁弁を配管接続する一 方、電源に前記圧縮機、ディレータイマ及び電磁弁を並列に接続し、同ディレー タイマの制御接点を前記電磁弁と直列に接続して前記圧縮機の通電起動と同時に 前記ディレータイマに通電し、前記電磁弁を通電開始時より所定時間閉じるよう にした。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、圧縮機、凝縮器、主キャピラリ、副キャピラリおよび蒸発 器は直列に配管接続されて冷凍サイクルを構成し、電磁弁は副キャピラリと並列 に配管接続して通電により弁を開き副キャピラリのバイパス回路を形成する。一 方、ディレータイマは圧縮機及び電磁弁と並列に電源接続すると共に、制御接点 を電磁弁と直列に接続し、圧縮機の起動時より所定時間制御接点を開いて電磁弁 を閉じた状態に維持する。この間、圧縮機より送り出された冷媒は凝縮器、主キ ャピラリ、副キャピラリ、蒸発器を経由する循環経路を形成し、冷媒は副キャピ ラリの絞り作用によって循環量を減らして圧縮機への負荷を軽減する。そして、 起動時より所定時間経過後、ディレータイマの制御接点は閉じて電磁弁を作動し 、弁を開いた状態に維持する。これにより、圧縮機より送り出された冷媒は凝縮 器、主キャピラリ、電磁弁、蒸発器を経由する循環経路を形成し、冷媒は副キャ ピラリをバイパスすることにより循環量を回復する。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら説明する。図１は本考案の空気 調和機における冷凍サイクルの構成を示すもので、１は冷媒を圧縮するための圧 縮機、２は圧縮された冷媒を放熱凝縮するための凝縮器（室外側熱交換器）、５ は凝縮された冷媒を減圧するための主キャピラリ、６は前記主キャピラリ５より 小径の副キャピラリ、７は減圧された冷媒を気化するための蒸発器（室内側熱交 換器）で、それぞれが直列に配管接続されている。８は前記副キャピラリ６と並 列に配管接続され通電作動時に弁を開く電磁弁である。図２は本考案の空気調和 機の電気接続図を示すもので、圧縮機１は電磁弁８及び後述するディレータイマ ９と共に並列に接続されている。前記ディレータイマ９は制御接点１０を前記電 磁弁８に直列接続し、通電開始時より所定時間は制御接点１０を開いて電磁弁８ に通電せず弁を閉じた状態に維持し、所定時間経過後は制御接点１０を閉じて電 磁弁８に通電する。

【０００７】 以上のような構成において、次にその動作を説明すると、先ず、電源スイッチ １１を閉じると圧縮機１とディレータイマ９の双方は同時に起動する。起動時よ り所定時間はディレータイマ９の制御接点１０は開いているので、電磁弁８は作 動せず弁を閉じた状態に維持する。この間、圧縮機１より送り出された冷媒は凝 縮器２、主キャピラリ５、副キャピラリ６、蒸発器７を経由する循環経路を形成 し、冷媒は副キャピラリ６の絞り作用によって循環量を減らして圧縮機１の負荷 を軽減する。

【０００８】 そして、起動時より所定時間が経過すると、ディレータイマ９の制御接点１０ が閉じて電磁弁８は作動し、弁を開いた状態に維持する。これにより、圧縮機１ より送り出された冷媒は凝縮器２、主キャピラリ５、電磁弁８、蒸発器７を経由 する循環経路を形成し、冷媒は副キャピラリ６をバイパスすることにより循環量 を回復する。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、圧縮機の起動時より所定時間のみ副キャピラリ に冷媒を流して冷媒の循環量を抑制するので、圧縮機への液冷媒の流入を防いで 圧縮機を円滑に起動させることができる。そして、従来の貯溜タンクのように大 型で高価な機器を使わずに、小型で安価な部品の構成によってこれらの効果を得 ることができるので、空気調和機の価格低減および小形化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の空気調和機の制御回路の冷凍サイクル
構成図である。

【図２】図１の電気接続図である。

【図３】従来の空気調和機の冷凍サイクル構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 圧縮機 ２ 凝縮器 ５ 主キャピラリ ６ 副キャピラリ ７ 蒸発器 ８ 電磁弁 ９ ディレータイマ １０ 制御接点

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷媒を圧縮するための圧縮機と、圧縮さ
   れた冷媒を放熱凝縮するための凝縮器と、凝縮された冷
   媒を減圧するための主キャピラリおよび副キャピラリ
   と、減圧された冷媒を気化するための蒸発器とを直列に
   配管接続すると共に、前記副キャピラリと並列に電磁弁
   を配管接続する一方、電源に前記圧縮機、ディレータイ
   マ及び電磁弁を並列に接続し、同ディレータイマの制御
   接点を前記電磁弁と直列に接続して前記圧縮機の通電起
   動と同時に前記ディレータイマに通電し、前記電磁弁を
   通電開始時より所定時間閉じることを特徴とする空気調
   和機の制御回路。