JPH0410256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、陸上競技場において、走路とフイ
ールドとの境界部分に沿つて設ける縁石の取付構
造に関するものである。

〈従来の技術〉 周知のように、陸上競技場における縁石は、走
路を使用するトラツク競技を行つた際、競技者が
フイールド内に入らないようにするためであり、
公式陸上競技場としての認定を受けるには、走路
の表面からの高さが規定されている。そしてこの
縁石は、サツカーやラグビー或いは走り高跳びな
どのフイールド競技で邪魔になる場合には、その
ときだけ取り外される。したがつて陸上競技場の
曲線部の一部の縁石は取り外し可能であることが
望まれている。

従来、縁石を取り外し可能に取り付ける構造と
しては、縁石の下面に垂設した支柱を地表面に埋
設した筒材に抜き取り可能に嵌め込む嵌め込み式
と、縁石の下面、又は地表面に永久磁石を設け、
該永久磁石と地表面、又は縁石に設けた吸磁性体
との吸引力により縁石を取り外し可能に取り付け
る永久磁石式とがある。

しかしながら上記した嵌め込み式は、筒材に支
柱を単に嵌め込むだけなので高精度を期待するこ
とができず、縁石を規定の高さに正確に支持する
ことができないし、また、永久磁石式は、永年使
用すると経時変化によつて磁力が弱まるので、縁
石が浮き上つたりして縁石の高さを規定の高さに
保持することが困難になる。

このように従来の縁石の取付構造は、縁石の高
さを長期間に渡つて規定の高さに正確に保持する
ことが困難であつた。このため、従来は公式陸上
競技場としての認定を更新する度に、縁石を新し
いものと交換しなければならない等の不都合を生
じていた。

この点に鑑みて、例えば実開昭61−71605号公
報の如き考案が提案されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 この考案は、縁石を、地中に埋設された雌ネジ
ソケツトに、スタツトボルト、支柱等を介して固
定するものであり、要求される精度を正確に保持
する極めて有効なものである。

しかしながら、ここでは、縁石の取り外し或い
は取り付け作業時に、多くのボルトやナツトを操
作しなければならない点で、手間のかかるものと
なつていた。

〈問題を解決するための手段〉 本考案は上記した問題点を解決するために考案
されたもので、下面に雌ネジ部を設けた長尺な縁
石と、上面に開口する嵌入孔を開設すると共に、
該嵌入孔の底部中心に小径の補助孔を設け、上端
を地表と面一状にして地中に埋設される支持体
と、上部に前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を突
設して下部に前記嵌入孔に嵌入する突起を設ける
と共に、該突起の下端に前記補助孔に嵌入するピ
ンを突設した連結体とにより、縁石を走路とフイ
ールドとの境界に取り付けるようにした。

〈作用〉 本考案は上記した構成を採るので、トラツク競
技を行うときは、連結体の雄ネジ部を縁石の雌ネ
ジ部に螺合固定した状態で、連結体の突起及びピ
ンを支持体の嵌入孔及び補助孔に嵌入させるだけ
で、縁石を走路の表面から規定の高さに正確且つ
強固にしかも簡単に設置することができる。

そして、支持体は、上端を地表と面一状にして
地中に埋設されるので、フイールド競技で邪魔に
なる場合には、縁石を連結体と共に支持体から外
すだけで、地表に突出物を残すことなく縁石を取
り外すことができる。

これ等の場合、縁石に螺合固定された連結体
は、その一部を支持体に上方から嵌入するだけで
あるので、この取り付け或いは取り外し作業は極
めて簡単である。

〈実施例〉 以下本案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。

陸上競技場は、直線路とコーナー路とを有する
長円形状の走路と、該走路により囲まれるインフ
イールドと、走路の外側に位置するアウトフイー
ルドとから成り、走路とインフイールドとの境界
部分に本考案の縁石１が配設されることになる。

縁石１は、アルミニウム等から成る断面矩形の
長尺な筒状押型材であつて、下面部２の上面に対
向する二枚の立ち上がり片３を長さ方向に設け、
更にこの立ち上がり片３の相互の対向面及び下面
部２に、雌ネジを刻設して雌ネジ部４を形成する
ものであり、この雌ネジ部４を適宜間隔をあけて
複数設けるものである。

両立ち上がり片３は、縁石１の機械的強度を確
保する機能もあるので、競技者が誤つて乗つたと
しても、縁石１が折れ曲がるようなことはない。

連結体９は、短いロツド状の本体部１０の上端
に雄ネジ部１２を突設すると共に本体部１０の下
端に突起１３を突設したものであり、本体部１０
の側面に平坦面１１を形成して、雄ネジ部１２を
雌ネジ部４に螺合固定する際に工具によるチヤツ
クが確実に行われるようになつている。

次に支持体５は、ロツドの上端面を開口して、
連結体９の突起１３が嵌入する嵌入孔６を形成す
るものであり、嵌入孔６の深さは突起１３の長さ
に等しく、連結体９のピン１４が嵌入する補助孔
７を、嵌入孔６の底部中心に同心軸状に形成する
のである。このように、支持体５と連結体９との
嵌合は、嵌入孔６と突起１３及び補助孔７とピン
１４とによつて達成するので、着脱が自在である
にも拘らず、極めて強固にして確実な組付きとな
る。

また、支持体５の下端周面にはフランジ８が周
設されており、走路とインフイールドとの境界部
分の地中に打設されるコンクリートＡに支持体５
を埋設する際に抜け出たり、移動してしまつたり
することのないようになつており、従つて支持体
５の上端は、常に地表と面一状に位置させること
ができる。

それ故に、縁石１の高さ幅と連結体９の本体部
１０の高さ幅とを所定の値に設定しておけば、縁
石１の設置状態の高さを常に一定のものにしてお
くことができる。

尚、支持体５の埋設間隔と、連結体９が固定さ
れる縁石１の雌ネジ部４の適宜間隔と一致させな
ければならないのは、当然である。

以上本考案を図面の実施例について説明した
が、本考案は上記した実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載した構成
を変更しない限りどのようにでも実施することが
できる。

例えば、縁石１の雌ネジ部４は、縁石１の下面
に単に雌ネジ孔を開口しただけのものであつて、
立ち上がり片３がないものでも良い。また、縁石
１を外した後の支持体５の嵌入孔６には、土が侵
入して連結体９の嵌入の確実性が阻害されること
のないように、所定の蓋を、地表から突出するこ
とのないように嵌め込むようにすると良いであろ
う。

〈考案の効果〉 以上要するに本考案によれば、構成が簡単であ
つて成形を廉価で容易に行うことができ、縁石を
規定の高さに正確且つ強固に取り付けることが可
能であり、縁石を頻繁に取り付け或いは取り外し
ても規定の高さを長期間に渡つて正確に維持する
ことができ、更には、縁石の取り付け或いは取り
外し作業が極めて簡単であり、公式陸上競技場と
しての規格を常に維持できる等、多くの優れた作
用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案の分解斜視図、第２図は組立状態の断面
図、第３図は第２図の−線断面図、第４図は
設置状態の側面図である。 符号の説明、１は縁石、４は雌ネジ部、５は支
持体、６は嵌入孔、７は補助孔、９は連結体、１
２は雄ネジ部、１３は突起、１４はピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面に雌ネジ部を設けた長尺な縁石と、上面に
   開口する嵌入孔を開設すると共に、該嵌入孔の底
   部中心に小径の補助孔を設け、上端を地表と面一
   状にして地中に埋設される支持体と、上部に前記
   雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を突設して下部に前
   記嵌入孔に嵌入する突起を設けると共に、該突起
   の下端に前記補助孔に嵌入するピンを突設した連
   結体とから成る陸上競技場における縁石の取付構
   造。