JPH04102097A - 高レベル廃液からの貴金属元素回収方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は使用済核燃料を再処理する際に発生する高レベ
ル廃液からの貴金属元素回収方法及び装置に関するもの
である。

［従来の技術］ 原子炉より取り出された使用済核燃料中には、未燃焼の
ウラン２３５や、燃料中のウラン２３８より生成された
プルトニウム２３９が核分裂生成分と混在している。

近年、ウラン資源の有効利用を図るために、前記使用済
核燃料に化学的処理を施して再利用可能なウラン及びプ
ルトニウムを回収する使用済核燃料の再処理が行われて
いる。

使用済核燃料を再処理する際に発生する高レベル廃液中
には、パラジウム、ルテニウム、口ジウム等の白金族元
素や銀（以下、貴金属元素と呼称する）が存在している
が、従来、これら貴金属元素を回収することなしに高レ
ベル廃液をガラス固化処理していた。

［発明が解決しようとする課題］ 高レベル廃液中に存在する貴金属元素を回収するために
は、高レベル廃液を電解して陰極（たとえばカーボン電
極）に貴金属元素を析出被覆させることが考えられるか
、高レベル廃液を電解すると水素ガスか発生して爆発す
る危険かある。

一方、高レベル廃液を電解する際に発生する水素ガスを
捕集して爆発か生じないようにしたとしても、回収した
貴金属元素は該貴金属元素が付着しているカ−ボ電極と
ともに放射線量が安全な値に低下するまで長期間保管し
なければならないので、大きな保管スペースを用意する
必要がある。

本発明は上述の問題点を解決するもので、高レベル廃液
中に存在する貴金属元素を安全に回収できるようにする
とともに、回収した貴金属元素をコンパクトな状態で保
管できるようにすることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の高レベル廃液から
の貴金属元素回収方法においては、貴金属元素を含有す
る高レベル廃液を水銀に混入させて電解することにより
貴金属元素のアマルガムを生成させ、該アマルガムを前
記高レベル廃液中から取り出して酸性溶液中で洗浄する
ことにより貴金属元素以外の元素をアマルガムから分離
させ、更に該アマルガムを前記酸性溶液中から取り出し
て水銀を蒸発させることにより貴金属元素を回収する。

また、本発明の高レベル廃液からの貴金属元素回収装置
においては、槽内の上部に陽極を、また下部に陰極を備
え、槽内に水銀を貯留し得るようにした水銀電解槽と、
該水銀電解槽により生成された貴金属元素と水銀のアマ
ルガムから貴金属元素以外の元素を分離する解汞槽と、
該解汞槽により洗浄した貴金属と水銀のアマルガムから
水銀を蒸発させる水銀蒸留塔とを有している。

［作　　　用コ 本発明の高レベル廃液からの貴金属元素回収方法では、
貴金属元素を含有する高レベル廃液を水銀に混入させる
とともに電解を行うと、貴金属元素のアマルガムが生成
され、該アマルガムを前記高レベル廃液中から取り出し
て酸性溶液中で洗浄を行うとアマルガムから貴金属元素
以外の元素が分離し、更に該アマルガムを前記酸性溶液
中から取り出して水銀を蒸発させると、貴金属元素のみ
が残る。

また、本発明の高レベル廃液からの貴金属元素回収装置
では、水銀電解槽内に水銀と高レベル廃液を流入させて
電解を行い、貴金属元素のアマルガムを生成させ、該ア
マルガムを解汞槽により貴金属元素以外の元素の洗浄を
行った後に、該アマルガムを水銀蒸留塔に流入させ、水
銀を蒸発させて貴金属元素を回収する。

［実　施　例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図において、１は槽内の上部に陽極３を、また下部
に陰極４を備え、槽内に水銀２を貯留し得るようにした
水銀電解槽である。

水銀電解槽１の上部には、使用済核燃料を溶解した硝酸
溶液中からウラン、プルトニウムを溶媒抽出操作で分離
した後の、高レベル廃液５を槽内へ流入させるための高
レベル廃液供給管６と、高レベル廃液５を槽内より排出
して廃液処理施設（図示せず）へ導くための高レベル廃
液排出管７とか接続されており、高レベル廃液供給管６
によって槽内に高レベル廃液５を流入させるとともに前
記陽極３と陰極４との間に電圧を印加することにより、
水銀２と高レベル廃液５中に存在する貴金属元素８とが
反応してアマルガム９が生成されるようになっている。

ｌＯは、アマルガム９から貴金属元素８以外の元素を分
離する解汞槽であり、該解汞槽ｌＯは槽内に、電極１２
．１３を備え、酸性溶液１１（たとえば塩酸溶液）を貯
留し得るようになっている。

解汞槽１０と前記水銀電解槽ｌの下部は、アマルガム移
送管１４により接続され、前記水銀電解槽１内で生成さ
れたアマルガム９を解汞槽１０内へ移送できるようにな
っており、アマルガム移送管１４によって解汞槽ｌＯ内
に前記アマルガム９を流入させ酸で洗浄することにより
アマルガム９から貴金属元素８以外の元素を分離できる
ようになっている。

また、解汞槽１０と前記高レベル廃液排出管７は、高レ
ベル廃液排出枝管１５によって接続されていて、水銀２
、貴金属元素８以外の物質及び酸性溶液１１を前記廃液
処理施設へ導くことかできるようになっている。

１６は水銀蒸留塔であり、該水銀蒸留塔１６と前記解汞
槽ｌＯは水銀移送管１７によって接続されていて、解汞
槽１０において洗浄したアマルガム９と水銀２との混合
物を水銀蒸留塔１６内へ移送できるようになっており、
水銀移送管１７によって水銀蒸留塔１６内に水銀２及び
アマルガム９の混合物を流入させ水銀２を蒸発させるこ
とにより、貴金属元素８のみを回収できるようになって
いる。

なお、図中１８は水銀蒸留塔１６の上端に水銀回収管１
９を介して接続された水銀貯蔵タンク、２０は貴金属元
素８を耐放射線プラスチックを用いて固化する固化装置
、２１は水銀蒸留塔１６から固化装置２０へ貴金属元素
８を移送する搬送ライン、２２は固化装置２０により貴
金属元素８を固化した固化プラスチック２３を保管貯蔵
する貯蔵施設、２４は固化装置２０から貯蔵施設２２へ
固化プラスチック２３を移送する搬送ラインである。

以下、本発明の詳細な説明する。

高レベル廃液５から貴金属元素８を回収するきには、水
銀電解槽１内に水銀２を陰極４が埋没するように貯留し
ておき、高レベル廃液５を高レベル廃液供給管６によっ
て水銀電解ＷＩｌ内に流入させ、陽極３と陰極４との間
に電圧を印加して高レベル廃液５を電解すると、高レベ
ル廃液５中に存在する貴金属元素８のアマルガム９が生
成され、該アマルガム９と水銀２の一部をアマルガム移
送管１４により解汞槽ｌＯ内に流入させ、酸性溶液で洗
浄して、極部電池反応によりアマルガム９から貴金属元
素８以外の元素を分離する。

アマルガム９が生成された後の高レベル廃液５、及びア
マルガム９を洗浄した後の酸性溶液１１は、高レベル廃
液排出管７、高レベル廃液排出枝管１５を介して廃液処
理施設へ流入させて処理する。

次いて、水銀移送管１７により分離した水銀２と貴金属
元素８とを水銀蒸留塔１６内に流入させて水銀２を蒸発
させ、貴金属元素８を水銀２中から回収する。

このとき、蒸発した水銀２は水銀回収管１９を介して水
銀貯蔵タンク１８内に回収され、冷却されて液状になる
。

更に、水銀２中より回収した貴金属元素８を搬送ライン
２１によって固化装置２０へ移送し、該固化装置２０に
より貴金属元素８をプラスチック固化して固化プラスチ
ック２３を形成し、該固化プラスチック２３を搬送ライ
ン２４によって貯蔵施設２２内へ移送し、放射線量か安
全な値になるまて固化プラスチック２３を貯蔵施設２２
内に保管しておく。

以上述べたように、本発明では、高レベル廃液５を電解
するときに、水銀２を陰極にしてアマルガム９を生成さ
せるので、電解にともなって水素ガスが発生することか
ほとんどなく、安全な状態で作業を行うことができる。

また、貴金属元素８のみを回収することができるので、
放射線量か安全な値になるまで貴金属元素８を保管する
貯蔵施設２２のスペースを節約することができる。

更に、貴金属元素８を回収する際に蒸発させた水銀２は
水銀貯蔵タンク１８内に回収されるので、水銀電解槽ｌ
て再使用することができる。

なお、本発明の高レベル廃液からの貴金属元素回収方法
及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の高レベル廃液からの貴金
属元素回収方法及び装置によれば、下記の如き種々の優
れた効果を奏し得る。

（１）本発明の請求項１．２に記載のいずれの発明にお
いても、希少価値が高く、電子部品材料等に有用性が高
い貴金属元素のみを高レベル廃液中から効率良く回収す
ることができる。

（２）本発明の請求項１．２に記載のいずれの発明にお
いても、貴金属元素のみを回収できるので、放射線量が
安全な値になるまで貴金属元素を保管する貯蔵施設のス
ペースを節約することができる。

（３）本発明の請求項１．２に記載のいずれの発明にお
いても、貴金属元素のアマルガムを生成させて高レベル
廃液から貴金属元素を取り出すので、電解時に水素ガス
か発生せず、安全な状態で作業を行うことができる。

（４）本発明の請求項２に記載の発明においては、貴金
属元素を回収する際に、水銀蒸留塔によって水銀を蒸発
させるので、蒸発させた水銀を捕集して、再び水銀電解
槽で使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概念図である。 図中、■は水銀電解槽、２は水銀、３は陽極、４は陰極
、５は高レベル廃液、８貴金属元素、９はアマルガム、
ｌＯは解汞槽、１１は酸性溶液を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）貴金属元素を含有する高レベル廃液を水銀に混入さ
   せて電解することにより貴金属元素のアマルガムを生成
   させ、該アマルガムを前記高レベル廃液中から取り出し
   て酸性溶液中で洗浄することにより貴金属元素以外の元
   素をアマルガムから分離させ、更に該アマルガムを前記
   酸性溶液中から取り出して水銀を蒸発させることにより
   貴金属元素を回収することを特徴とする高レベル廃液か
   らの貴金属元素回収方法。 ２）槽内の上部に陽極を、また下部に陰極を備え、槽内
   に水銀を貯留し得るようにした水銀電解槽と、該水銀電
   解槽により生成された貴金属元素と水銀のアマルガムか
   ら貴金属元素以外の元素を分離する解汞槽と、該解汞槽
   により洗浄した貴金属と水銀のアマルガムから水銀を蒸
   発させる水銀蒸留塔とを有することを特徴とする高レベ
   ル廃液からの貴金属元素回収装置。