JPH0396715A - 摺動材及びその表面処理方法 - Google Patents

摺動材及びその表面処理方法

Info

Publication number
JPH0396715A
JPH0396715A JP23224089A JP23224089A JPH0396715A JP H0396715 A JPH0396715 A JP H0396715A JP 23224089 A JP23224089 A JP 23224089A JP 23224089 A JP23224089 A JP 23224089A JP H0396715 A JPH0396715 A JP H0396715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
coating layer
sliding material
grooves
recesses
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23224089A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Tada
多田 信彦
Toshihiro Yamada
山田 俊宏
Akita Iwakura
昭太 岩倉
Tadashi Iizuka
飯塚 董
Eiji Yonetani
栄二 米谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP23224089A priority Critical patent/JPH0396715A/ja
Publication of JPH0396715A publication Critical patent/JPH0396715A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,摺動材及びその表面処理方法に係り、特に自
動車エンジン,油圧機器,空調機器,圧縮機器及び各種
の回転機器などにおいて過酷条件で使用される摺動材と
して,または屋外のゴミ,ホコリ,土砂などに曝される
自動車,建設機械,運搬機械などにおいて劣悪な環境下
で使用される摺動材として好適な摺動材及びその表面処
理方法に関する。
〔従来の技術〕
自動車エンジン,油圧機器,空調機器などで過酷な条件
で使用される摺動材は,摺動面の耐摩耗性を向上するた
めに、摺動面上に多数の凹部又は溝部を形威して潤滑剤
保持部とする種々の試みがなされている.その1例とし
て、特開昭62−192534号公報によれば、摺動面
上にチル層からなる多数の凹部が散点状に設けられてい
ると共に、その凹部の周縁が摺動面上に若干突出した環
状の摺接部を有する摺動材及びその表面処理方法が開示
されている.この発明によると、摺動面上に形威した凹
部を潤滑剤保持部とすることにより摺動面の潤滑性と耐
摩耗性を向上することが期待される. 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、この発明には、摺接面積が散点状の凹部の周縁
の環状突起部分に限定されるため,摺接面積は小さくて
摺接部に過大な面圧が加わるとともにその周縁で応力集
中が発生するため、凹部を起点として亀裂やチッピング
が発生するという問題がある。さらに、摺動材の加工精
度が悪くて均一に接触しない場合や、または偏心カム軸
のように回転軸自体が回転に伴って輪が曲がり変形する
場合には、摺接面が片当りするので、上記従来技術のよ
うに小さな摺動部しか持たない摺動材では、摺接面積が
小さくて摺接部に過大な面圧が加わり、自身または相手
材の摺接面を傷つけてかじりや焼き付きを起す。摺接面
にかじりや焼き付きが起きると、摺動材の摩耗特性を著
しく損ない、摺動運動ができなくなる場合もある. 本発明は,摺接面積を増して接触面圧を下げるとともに
、摺動材が片当りした場合でも、どちらの摺接面も傷つ
けず、かじりや焼き付きの起きない高耐摩耗性の摺動材
およびその表面処理方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を連威するために,本発明の摺動材は、摺動表
面部が、固体潤滑性を有する表面被覆層と、該表面被覆
層丙側の硬化組織からなる皮下層とから構成され、前記
摺動表面部に底面が前記皮下層の最外面より内側にある
凹部又は溝部を形威したことを特徴としている.また,
本発明の摺動材は、相対して摺動する摺動材の一方の摺
動表面部が硬化組織から構成されるとともに凹部又は溝
部を有し,他方の摺動材の摺動表面部は固体潤滑性を有
する表面被覆層から構成された一対の摺動材なることを
特徴としている. さらに上記目的を達或するために、本発明の摺動材の表
面処理方法は,金属からなる摺動材の表面に凹部又は溝
部を形成する表面加工工程と、該表面に固定潤滑性を有
する表面被覆層を形成する被覆層形成工程と、該表面被
覆層の内側に硬化組織を形成する表面硬化工程から構或
されていることを特徴としている。
そして前記表面硬化工程は,摺動材の表面を収束集中し
た高密度エネルギ熱源を用いて局部的に急速加熱し、溶
融し、気体噴流を吹き付けて溶融した金属の一部又は大
部分を吹き飛ばし,凹部又は溝部を形戒する工程とする
のがよい。
〔作用〕
まず第1に、摺動材を構戒する一対の摺動面の少なくと
も一面が,硬くてかつ滑らかで耐摩耗性の優れた硬化組
織であり、該硬化摺動面上に適宜かつ微細な凹部又は溝
部を十分な深さに多数個形威し,これらの該凹部又は溝
部に潤滑剤を保持し、該潤滑剤で摺動面を十分かつ確実
に潤滑する。そして,摺動面を十分かつ確実に潤滑する
ことにより、摺動材の摩擦抵抗が下がり、摺接面のかじ
りや焼き付きを防止することができるから、摺動材の摩
擦特性と耐摩耗性を向上させることができる。
第2に、摺動材を構成する一対の摺動面の少なくとも一
面を、軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材か又は固体
潤滑材を含む複合材からなる表面被覆層で覆うことによ
り、摺接面の突起部や片当り部分を意図的かつ選択的に
磨滅させて、摺動材表面のなじみ性を改善し,潤滑性能
を更に確実なものとする.すなわち、摺動材表面のなじ
み性が良くなれば,摺接面へ潤滑剤をスムーズに補給す
るとともに摺接面間に均一な潤滑剤の膜を形戒すること
ができるから、摺接面の潤滑がさらに確実となる。
第3に、摺動材を構成する一対の摺動面の間に硬さの差
をつけ、そして、軟らかい摺動面は摺動性の良い固体潤
滑材からなる表面被覆層構造とする3と1こより・摺動
運動に伴いこの軟ら力1レ1表面被覆層だけが意図的か
つ選択的に削り取られる・これにより、摺動材が変形し
た場合や摺接面にゴミを噛み込んだ場合にも、この軟ら
かい表面被覆層だけが磨滅し、摺接面の片当りを緩和す
るとともに接触面圧を下げて、摺接面のかじりや焼き付
きを防止する.また,摺動運動に伴って摺接面の凸部を
削り取るから、摺接面の凹凸が小さくなり、この面の表
面粗さを改善する、さらに、削り取られた摺接材の1部
が、相手面凹部に付着して相手面の凹凸を埋めるから,
相手面の表面粗さも改善する.このように、摺動材を構
或する一対の摺動面の一方の摺接面を他面よりも軟らか
くすることにより、摺動運動に伴って,摺動材の表面粗
さを改善することができるとともに、摺動材表面のなじ
み性を良くすることができ、かじりや焼き付きが起きに
くい摺動面を実現できる. 第4に、摺接面上に設けた凹部又は溝部が、ゴミ,ホコ
リ,土砂,摩耗粉などを積極的に排除するためのゴミ排
出溝となる.即ち、摺接面間にゴミを噛み込んだ場合、
本発明の摺動面では、ゴミは、慴動運動に伴って摺接面
上を移動し,そして、摺接面上の凹部又は溝部に嵌まり
込み、速やかにかつ確実に摺接面上から排除される。さ
らに、このゴミは,潤滑剤の流れを利用して、使用済み
の潤滑剤とともに、摺接面上の凹部又は溝部から外部に
排出される.摺接面間に、ゴミ,ホコリ,土砂,摩耗粉
などを噛み込んだ場合、従来の摺接面ならばただちにか
じりや焼き付きを起していたが、しかし、本発明の摺動
面では、これらのゴミ,ホコリ,土砂,摩耗粉などは、
凹部又は溝部を通して速やかにかつ確実に摺接面上から
排除することが出来るから、摺接面をほとんど損傷しな
いですむ. 第5に、摺動材を構成する一対の枯動面の少なくとも一
面に設けた凹部又は溝部を、摺動面の冷却剤の流路とす
ることにより、摺動面の温度上昇を抑えるとともに上記
のゴミ,ホコリ,摩耗粉などの排除を促進することがで
きる.すなわち、摺動面に、十分な潤滑剤を供給するか
、または、潤滑剤と冷却剤の混合剤を供給することによ
り,摺動面を潤滑するとともに摺動面の温度上昇を抑え
ることが出来る. 本発明の第1発明に係る摺動材は、摺動面上に多数かつ
微絢な凹部又は溝部を形成して、該凹部又は溝部に潤滑
剤を保持するとともに、該潤滑剤で摺接面を十分かつ確
実に潤滑することにより、潤滑性能が良くて耐摩耗性に
優れた摺動材を実現する、第2に,凹部又は溝部が摺動
動作により簡単に磨滅しないよう、耐摩耗性に優れた硬
い組織上に凹部又は溝部を掘込んだ形状とすることによ
り、優れた潤滑性能と潤滑剤保持機能を長時間維持でき
る摺動材を実現する、第3に多数かつ微細な凹部又は溝
部を形成した摺動面上で軟らかでかつ摺動性の良い固体
潤滑材か又は固体潤滑材を含む複合材からなる表面被覆
層で覆うことにより、摺動材の変形や加工精度不良など
により摺接面が片当りしても、軟らかでかつ摺動性の良
い固体潤滑材で覆った表面被覆層だけが選択的かつ意図
的に磨滅することにより、片当り部分でかじりや焼き付
きを起さないようにすることができる、などの特徴があ
る。
本発明の第2発明に係る摺動材は,第1に、摺動面上に
多数の凹部又は溝部が形成して該凹部又は溝部に潤滑剤
を保持するとともに、該潤滑剤で摺接面を十分潤滑する
ことにより、潤滑性能が良くて耐摩耗性に優れた摺動材
を実現する、第2に、凹部又は溝部が摺動動作によって
簡単に磨滅しないよう、耐摩耗性に優れた硬い組織表面
上に凹部又は溝部を堀込んで形戒することにより、優れ
た潤滑性能と潤滑剤保持機能を長時間維持できる摺動材
を実現する、第3に、凹部又は溝部を形成しない相手側
の摺動面を、軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材また
は固体潤滑材を含む複合材からなる表面被覆層で覆うこ
とにより,摺動材の変形や加工精度不良などにより摺接
面が片当りした場合でも、軟らかでかつ摺動性の良い固
体潤滑材で覆った表面被覆層だけが選択的に磨滅される
から、片当り部分でかじりや焼き付きを起さない、第4
に、硬くてかつ凹部又は溝部を形戊する摺動面と軟らか
くかつ固体潤滑性のある組織で被覆する摺動面とを違え
ることにより,材料選択幅の拡大,加工能率の向上,費
用の削減などを可能にする、などの特徴がある。特に、
本発明の第2発明に係る摺動材は、本発明の第1発明に
係る摺動材と異なり、一対の摺動面に潤滑剤保持機能,
なじみ促進機能及び耐摩耗性をそれぞれ個別に分担させ
ることにより、摺動材料の選択の幅を大幅に拡大するこ
とができる.それ故、本発明の第2発明に係る摺動材は
、 i)摺動材の材料とその形状を自由に組合わせることが
可能である, it)安価な材料と加工が容易な表面処理方法を選択す
ることにより材料費と加工費を削減することができる, ni)優れた潤滑性能と耐摩耗性がありかつ滑らかな摺
動特性を実現できる、 など使用目的と要求性能に応じ、最適でかつ安価な摺動
材又は,優れた摺動性能と耐摩耗性を持っ摺動材となり
うる。
本発明の第4発明に係る摺動材の表面処理方法は、第1
に、高密度エネルギー熱源を用いて、摺動材の表面上を
局部的に急速加熱、急速溶融すると同時に、この局部的
に溶融した微細な溶融部の溶融物質を気体の噴流で瞬時
に吹き飛ばして、多数の凹部又は溝部を形成することに
より、微細な凹部又は溝部を容易でかつ安価に加工する
ことができる,第2に、摺動材を構成する一対の摺動面
の少なくとも一面を、適宜の表面硬化方法によって表面
部分だけを硬い組織に改質するとともに該表面硬化部上
に前記の凹部又は溝部を形成することにより、長時間に
わたって優れた潤滑性能と潤滑剤保持機能を維持するこ
とができる、第3に、摺動材を構成する一対の摺動面の
少なくとも一面を軟らかくかつ固体潤滑性のある組織で
被覆して摺動材の摺接面とすることにより、軟らかでか
っ摺動性の良い固体潤滑材で覆った表面被覆層が選択的
に磨滅され,表面粗さが改善されてなじみ性の良い摺動
材となる、第4に,摺動材の変形や加工精度不良,また
は、摺接面へのゴミの噛み込みなどにより、摺接面が片
当りした場合でも、片当り部分でかじりや焼き付きを起
こさない・などの特徴があるから、優れた潤滑性と耐摩
耗性を有する摺動材を安価でかつ容易に加工することが
できる. このように,本発明の摺動材及びその表面処理方法は,
第1に、摺動材の摺動面上に形成した多数の凹部又は溝
部に潤滑剤を保持するとともに該潤滑剤で摺接面を十分
潤滑することにより、潤滑性能と摩擦特性が良くて耐摩
耗性に優れた摺動材を実現する、第2に、軟らかでかつ
摺動性の良い固体潤滑材で摺接面を覆うことにより、か
じりや焼き付きを起さないようにするとともに摺接面の
表面粗さとなじみ性を改善する、第3に、耐摩耗性に優
れた硬い組織上に凹部又は溝部を掘込むことにより、優
れた潤滑性能と潤滑剤保持機能を長時間維持できる,な
どの特徴がある。
〔実施例〕
以下,本発明の実施例を図に従って説明する.第1図は
,本発明に係る摺動材の一実施例の構造を示す.第1図
において,1は摺動材、2は硬化組織、3は表面被覆層
、4は凹部又は溝部、5は凹部又は溝部の角部である.
第1図において、摺動材1は、耐摩耗性に優れた硬化組
織2を表面近傍に形成するとともに,その表面に多数の
凹部又は溝部4を掘込み形成し、さらに硬化組織2の表
面を軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材又は固体潤滑
材を含む複合材からなる表面被覆層3で覆う.そして、
摺動面上に設けた多数の凹部又は溝部4は、凹み又は皿
状の断面でかつ摺接表面から十分に掘込まれた形状とす
る.また、摺動面上に設けた多数の凹部又は溝部4の角
部5は,軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材又は固体
潤滑材を含む複合材からなる表面被覆層3で形成され、
かつ、摺動動作に伴なって簡単に磨滅するから、滑らか
な曲線状の角部となる.そして、摺動面上に設けた多数
の凹部又は溝部に必要かつ十分な潤滑剤を保持するとと
もに該潤滑剤で摺接面を十分に潤滑することにより、本
発明の摺接面は良好な潤滑状態に保たれる。それ故、本
実施例の摺動材は,摩擦係数が小さくて滑らかな摺動動
作を実現できる. 本実施例の摺動材は,以上の説明で明らかなように,I
r第1に,摺動面の潤滑性能と摺動性能を改善できるか
ら,摺動材の耐摩耗性を大幅に向上するとともに優れた
摺動性能を達或できる.第2に、凹部又は溝部4が摺動
動作により簡単に磨滅しないよう,耐摩耗性に優れた硬
化組織2上に凹部又は溝部4を掘込んだ形状とすること
により、優れた潤滑剤保持性能と潤滑性能が長時間維持
できる.第3に多数の凹部又は溝部4を形成した摺動面
を,軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材又は固体潤滑
材を含む複合材からなる表面被覆層3で覆うことにより
、清動材の変形や加工精度不良などにより摺接面が片当
りした場合でも、表面被覆層3だけが選択的に磨滅する
ことにより、片当り部分でかじりや焼き付きを起こさせ
ない。第4に、凹部又は溝部4が、ゴミ,ホコリ,土砂
,摩耗粉などの排除溝として利用できる.第5に,凹部
又は溝部4が、摺動面の冷却剤流路として利用できる.
』などの特徴がある.それ故、この摺動材は、潤滑性能
が良くてかつ耐摩耗性に優れた摺動材を実現するととも
に、摺動材の変形や加工精度不良などあってもかじりや
焼き付きを起こさず、さらに,長時間優れた潤滑性能を
維持できる摺動材を実現することができるとともに、ゴ
ミ,ホコリ,土砂,摩耗粉などの噛み込み事故に対して
強く,摺動面の冷却性能にも優れている。
第2図は、本発明に係る摺動材の他の実施例の構造を示
す.第2図において、lは摺動材、2は硬化組織、3は
表面被覆層,4は凹部又は溝部,6は凹凸部、7は磨滅
部である.第2図に示した摺動材1は、第1図の場合と
異なり,耐摩耗性に優れた硬化組織2の表面形状を凹凸
状とすることにより、硬化組織2の表面に凹凸部6を形
成して硬化組織2と表面被覆層3が接する表面積を増や
し、その密着強度を向上したものである。こうすること
により,軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑材又は一体
潤滑材を含む複合材からなる表面被覆層3が硬化組織2
から簡単に剥離しないようにでき、摺動材1の固体潤滑
性能が永く維持できる・また、摺動面上に設けた多数の
凹部又は溝部4は・凹み状又は皿状の断面でかっ摺接表
面から十分に掘込まれた形状とし、耐摩耗性に優れた硬
化組織2の元の表面よりも深く,例えば、深さdを保っ
ているように形成する.そして、摺動面上に設けた多数
の凹部又は溝部4は、常に必要かつ十分な潤滑剤を保持
するとともに該潤滑剤で摺接面を十分に潤滑することが
でき、優れた潤滑性能を長時間維持することができる.
本実施例の摺動材では、表面被覆層3の凸部である磨滅
部7は、軽荷重のなじみ運転で簡単に磨滅させることが
できるから、速やかに摺動面のなじみ性を改善すること
ができ、その結果、最終的には第1図と同様の摺動面に
変化させることができる. 以上の説明で明らかなように、第2図の摺動面も第1図
の場合と同じ,『第1に、摺動面の潤滑性能と摺動性能
を改善できるから、摺動材の耐摩耗性を大幅に向上する
とともに優れた摺動性能を達成できる.第2に、凹部又
は溝部4が摺動動作により簡単に磨滅しないよう、耐摩
耗性に優れた硬化組織2上に凹部又は溝部4を掘込んだ
形状とすることにより,優れた潤滑剤保持性能と潤滑性
能が長時間維持できる.第3に多数の凹部又は溝部4を
形成した摺動面を、軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑
材又は固体潤滑材を含む複合材からなる表面被覆層3で
覆うことにより,摺動材の変形や加工精度不良などによ
り摺接面が片当りした場合でも、表面被覆層3だけが選
択的に磨滅することにより、片当り部分でかじりや焼き
付きを起させない.第4に、凹部又は溝部4が、ゴミ,
ホコリ,土砂,摩耗粉などの排除.溝として利用できる
.第5に、凹部又は溝部4が、摺動面の冷却剤流路とし
て利用できる.』などの特徴がある.さらに、第2図の
摺動面は、硬化組織2と表面被覆層3の密着強度を向上
するために、硬化組織2の表面形状を凹凸状としたもの
であるが,表面を滑らかにするよりは、表面を粗くする
方が加工が容易であるから、結果として、加工費用を安
くすることができる。少なくとも、表面被覆層3の膜厚
以下の表面粗さに仕上げれば良いから、例えば、膜の厚
さをO.inmと仮定したならば、荒仕上げ面、または
、ショットブラスト処理面でもよいことになり、摺動面
の加工が極めて容易になる・通常の摺動面では、摺動性
能を維持するため、表面粗さは0.58から3S程度に
仕上げればならないと、言われているが、これと比べる
と、本実施例の摺動面における硬化組織2の表面凹凸形
状は非常に大きい.しかし、この摺動面は、表面被覆層
3の凸部が選択的に削られて滑らかになり、なじみ性が
改善されるから通常の表面粗さの0.58から38より
も滑らかになり、摺動性能の極めて良い。
第3図は、本発明に係る摺動材のさらに他の実施例を適
用した軸受の構造を示したものであり、第4図は第3図
のIV−IV断面を示す.第3図において、8は回転軸
、9は軸受、10は凹部、11は表面被覆層、12は潤
滑油である.軸受構造は、油潤滑条件下で使用される一
般的な滑り軸受を改良したものであり、そしてこの軸受
構造は、耐摩耗性に優れた硬化組織2からなる摺動面上
に軸方向と平行に微細かつ多数の凹部10を形成した軸
8と、滑らかな表面で,その表面が軟らかな摺動性の良
い固体潤滑材又は固体潤滑材を含む複合材からなる表面
被覆層11で覆われた軸受9とからなる.凹部10の軸
方向の幅bはすベリ面の[aより若干小さく,各凹部1
0は、回転軸8の摺動面上に細長くかつ独立した凹みと
して形成されている.また5各凹部10は,摺接面へ潤
滑油12をスムーズに補給できるよう、断面形状が凹み
状又は皿状の断面でかつ摺接表面から十分に掘込まれた
形状である。軸受9の表面は、摺動性の良い表面被覆層
11で覆われているので、回転軸8と軸受9の間の焼き
付きを防止するとともに、回転軸8と軸受9の間のなじ
み性を改善する.そして、回転軸8と軸受9の間に潤滑
油12を供給し、回転軸8および軸受9の表面を十分に
潤滑することにより、この軸受は、良好かつ滑らかな摩
擦特性を実現できる。また、摺動面上に設けた多数の凹
部10には、供給した潤滑油12の一部が常に保持され
、摺接面を十分かつ確実に潤滑するから、この軸受は、
摺動面の油切れを防止するとともに、軸受の焼き付きを
防止することができる。
第5図は、本発明に係る摺動材の表面処理方法の一実施
例を説明するためのものであり、図では軸の断面の構造
を示す。
第5図において、13は摺動材,14は凹部又は溝部、
15は表面被覆層、16は硬化部である。
先ず最初に、軸の外形を最終形状から仕上げ代だけを残
した寸法に機械加工する。次に、m動材13の表面上に
,軸方向または円周方向に微細かつ多数の凹部又は溝部
14を加工する。凹部又は溝部14の加工方法は,目標
の表面凹凸形状に応じ、機械加工,塑性加工,研削加工
,化学処理などの中で適宜の表面加工法を選択できる。
そして、この軸を高周波焼き入れし,表面に焼き入れ硬
化部16を形成する.それから,凹部又は溝部l4と焼
き入れ硬化部16を形成した軸を、摺動面上に凹部又は
溝部l4が残るように研削加工し、滑らかな摺動面に仕
上げる。次に,この軸を、低温で処理できる浸硫処理用
の硫化物の塩浴中に浸漬し、軸表面に表面被覆層15を
形成する。なお、低温塩浴法による浸硫処理は、材料表
面の焼き入れ硬さをほとんど低下させないで、軟らかで
摺動性の良い固体潤滑用の表面被覆層l5を形威するこ
とができる.最後に、機械加工または研削加工により,
軸の表面を最終寸法に仕上げて、全加工工程が完了する
. 上記の方法では、表面の硬化法には高周波焼き入れ、表
面被覆層形威法には低温浸硫処理法を用いたが、本発明
の摺動材は、この他の方法でも処理できる.すなわち、
材料の表面硬化法には、通常の焼き入れ法,高周波焼き
入れ,浸炭,窒化,浸炭窒化など各種方法がある。しか
し,本発明のように軸の寸法精度と表面形状が必要な表
面硬化法には,処理前後の寸法変化が少ない表面硬化法
である高周波焼き入れ法が適している。また、軸の表面
に表面被覆層15を形成する方法には、銅鉛合金,ホワ
イトメタル,青銅,アルミ合金などの金属製シート材を
ロウ付けやハンダ付けする方法、テフロン,ポリウレタ
ン,ナイロンなどの合或樹脂や、黒鉛,二疏化モリブデ
ンなどを含有するシート材を貼付ける方法、さらに金属
表面を軟質化することができる浸硫処理,リン酸皮膜処
理,モリブデン焼き付けなど、各種の方法がある。いず
れも、軸受構造に必要な,軟らかでかつ摺動性の良い固
体潤滑性を有する表面被覆層15を、軸の表面に形成す
ることができる.しかし、本発明のように軸の寸法精度
と表面形状が必要な場合には、処理前後の寸法変化が少
なく、かつ表面被覆層工5の厚さが薄い浸硫処理法が適
し、さらに、材料表面の焼き入れ硬さをほとんど低下さ
せない低温浸硫処理法は最適な表面被覆層形成法である
第6図は,本発明に係る摺動材の表面処理方法の別の実
施例を説明するための図である。第6図において、13
は摺動材、14は凹部又は溝部、l5は表面被覆層,1
6は硬化部である.先ず、最初に,摺動材13の表面を
高周波焼き入れして表面に焼き入れ硬化部16を形成し
、表面硬化処理を行なう。次に、この摺動材13を低温
で処理する浸硫処理用の硫化物の塩浴中に浸漬して摺動
材13表面に軟らかでかつ摺動性の良い固体潤滑用の表
面被覆層l5を形成する被覆層形成処理を行なう.なお
、低温塩浴法による浸硫処理は、材料表面の焼き入れ硬
さをほとんど低下させないで,表面被覆層15を形成す
ることができる。最後に、適宜の機械的な加工方法によ
り、摺動材13表面に微細かつ多数の凹部又は溝部14
を加工する表面加工を行なう.凹部又は溝部14の加工
方法は.目標の表面凹凸形状に応じ、機械加工,塑性加
工,研削加工,化学的な腐食処理などの中で適宜の表面
加工法を選択できる.さらに、必要に応じて、機械加工
または研削加工により、摺動材表面を最終寸法に仕上げ
、本実施例の摺動材の表面処理工程が完了する. なお、上記した摺動材の表面処理工程の順序以外にも、
本実施例の摺動材の表面処理方法は実施可能であり、例
えば、被覆層形成工程と表面硬化工程が同時に行なえる
表面処理方法を採用するとか、表面硬化工程後に表面加
工工程を行ない最後に被覆層形成工程を行なうなども可
能である・第7図は、摺動材の表面処理方法における表
面加工工程を説明したものである。第7図において,1
7は摺動材、18は凹部又は溝部、19は微細組織部、
20は焼き入れ硬化部、2Lはプラズマトーチ,22は
棒状の電極、23はノズル電極、24はプラズマガス、
25はシールドガス、26はプラズマアーク発生用電源
、27はプラズマアーク、28は保護皮膜である。図に
おいて、ほぼ円筒形をなすプラズマトーチ21の内部に
、同心状に設けられた円筒状のノズル電極23がその先
端を、プラズマトーチ21の端部開口からやや突出させ
て内装されており、ノズル電極23にはさらに同心状に
棒状の電極22がその先端をノズル電極23の開口内側
に位置させて内装されている.電極22はプラズマアー
ク発生用電源26に接続され、その電源26の他端は摺
動材17の母材部分に接続されている.摺動材l7の表
面は、ほぼ最終形状と表面粗さに仕上げられ、表面にセ
ラミックや黒鉛が塗布さりて保護皮膜28が形威されて
いる.プラズマトーチ21とノズル電極23の間に形威
される円筒状の空間にはシールドガス25が供給され、
ノズル電極23と棒状の電極22の間に形成される円筒
状の空間にはプラズマガス24が供給される。
プラズマアーク発生用電源26により摺動材17と電極
22の間にプラズマアーク発生電圧が加えられると、摺
動材17と電極22の間に高密度エネルギ熱源であるプ
ラズマアーク27が発生する。この収束集中した高密度
エネルギ熱源であるプラズマアーク27により、局部的
に急速加熱し,摺動材17の表面を局部的かつ微少深さ
だけ急速に溶融すると同時に、プラズマガス24および
シールドガス25の気体噴流の圧力によって前記溶融金
属の一部または大部分を吹き飛ばし、表面が滑らかな曲
面状の微細な凹部又は溝部18を形成する。しかも、炭
素元素を0.2%以上含有する炭素鋼,合金鋼,鋳鉄な
どの材料は,変態温度以上に加熱した後で急冷すること
によりマルテンサイト変態して焼き入れ硬化することが
できるから,これらの材料で作られた摺動材17の表面
を,プラズマアーク27により局部的に急速加熱し、表
面を局部的かつ微少深さだけ急速に溶融することにより
、加熱部はその周囲への熱伝導現象により急冷されてマ
ルテンサイト変態により焼き入れ硬化する.さらに,凹
部又は溝部18の表面は,急冷再凝固した微細組織部1
9となり,微細組織部19とこれを囲む焼き入れ硬化部
20は,焼き入れ硬化により非常に硬くなる。
このように,プラズマアーク27を用いて摺動材17の
表面を局部的に急速加熱し、かつ加熱条件(プラズマア
ーク27の進行速度,プラズマアーク発生用電源26の
出力電力、プラズマガス24およびシールドガス25の
気体流量など)が適切に設定されると、第7図に示され
るように、摺動材17の表面には表面が滑らかな曲面状
の微細な凹部又は溝部18が多数形成され、さらに、該
凹部又は溝部18の表面は急冷再凝固した微細組織部1
9となり,該微細組織部19を囲む焼き入れ硬化部20
が得られる. しかし、摺動材17の表面の一部が溶融され、該溶融金
属の一部または大部分が排除されて,微細な凹部又は溝
部18が形威される際,排除された溶融金属の一部が摺
動材17の表面に溶融金属粒(以下、スバッタと称す)
として付着する.スパッタが摺動材17の表面に付着し
ないように保護皮膜28が形成されているが、スパッタ
の付着を完全に防止することは難しい。そこで,微細な
凹部又は溝部18を形成後にショットブラスト処理し,
摺動材17の表面に付着したスバッタを除去すると同時
に、摺動材17表面のゴミ,ホコリ,酸化物及び保護皮
膜28を除去する.以上の表面処理工程により、形状及
び表面粗さがほぼ要求された品質に仕上げられるととも
に、摺動材17の表面が焼き入れ硬化し、該表面状に滑
らかな曲面を有する微細な凹部又は溝部18が多数形威
される.しかも、これらの凹部又は溝部18の表面は、
急冷再凝固組織の硬くてかつ滑らかな微細組織10であ
り、潤滑剤とのなじみ性が良好である。
形成される凹部又は溝部18の寸法は、高密度エネルギ
熱源の入熱密度及びその寸法と、熱源の移動速度,被処
理材の溶融温度,比熱及び熱伝導係数,溶融金属の流動
特性,溶融金属を排除するためのプラズマガスとシール
ドガスの流量と流速及びそれらの流れ方向等の関係によ
って大きく変わる。例えば、プラズマアークを用いて適
切な処理条件で表面処理された摺動材17の表面の凹部
の寸法は、幅が0.2mからlm、深さが0.01mか
ら0.5−である.これらの寸法に処理された摺動材は
,摩擦面圧に対する材料強度が十分であるとともに、潤
滑剤の保持性に優れている微細かつ滑らかな曲面状の凹
部が多数かつ適宜に配置されているので耐摩耗性に優れ
ている。
また,高密度エネルギ熱源を用いる表面処理方法では、
凹部又は溝部18を形成する加熱部分は局部的でありか
つ、加熱状況は急速加熱、急速冷却である.それ故、表
面処理に伴う人熱量は非常に少なく、かつ表面処理に伴
う熱変形も少ないから,後加工も容易でありかつ,後加
工の加工代も少なくできる。このように、高密度エネル
ギ熱源(ここでは,プラズマアークを用いた場合を示し
た)を用いて凹部又は溝部の形成と焼き入れ硬化するこ
とにより、摺動材の表面処理は容易かつ安価に行ないう
る. 上記のプラズマアークを用いた表面処理工程では、摺動
材17の表面上に滑らかな曲面を有する微細な凹部又は
溝部18を多数形成すると同時に、その表面を焼き入れ
硬化処理できる。それ故,表面被覆層形成工程において
,焼き入れ硬さが低下しなければ、改めて表面硬化処理
をする必要がなくなる.逆に、表面被覆層形成工程にお
いても、軟らかで摺動性の良い表面被覆層を形成すると
同時に、表面被覆層の内側に硬化層を形成できる方法、
例えば、浸JJE窒化処理,リン酸皮膜処理などもある
。それ故,本発明の摺動材の表面処理方法では、凹部又
は溝部20を形成するための表面加工工程と、摺動材1
7の表面に表面被覆層を形成するための被覆形成工程と
、そして、表面被覆層内部に硬化層を形成するための表
面硬化工程とからなっているが、表面加工と表面硬化の
工程、または、被覆層形成と表面硬化の工程が兼用でき
る場合もある.さらに、これらの処理工程の順序は、処
理方法によっては入れ替わる場合もある.表面被覆層形
成工程は、前記したように各種の方法がある.例えば、
金属表面を軟質化するための表面処理方法には、浸硫処
理,リン酸皮膜処理tモリブデン焼き付けなどがあり、
いずれも、金属表面上に,薄くてかつ軟らかい表面被覆
層を形成することができるから、寸法精度の良い表面処
理が可能である.また、摺動材表面に、テフロン,ポリ
ウレタン,ナイロンなどの合成樹脂や,黒鉛,二硫化モ
リブデンの粉末を、吹き付けるかまたは貼付ける方法も
ある.さらに銅鉛合金,ホワイトメタル,青銅,アルミ
合金などの軟らかくて摺動性の良い金属をロウ付けかハ
ンダ付けで,摺動材13の表面に固定する方法もある。
上記の説明では、高密度エネルギ熱源にプラズマアーク
を用いた場合を説明したが、摺動材の表面処理方法では
、この他の高密度エネルギ熱源を用いて処理することも
できる。すなわち、公知の高密度エネルギ熱源としては
,レーザービーム,電子ビーム,TIGアーク,プラズ
マジェット,光ビームなどがあり、いずれも,プラズマ
アークと同様の目的に使用することができる.しかし,
プラズマアークは、操作が容易であり、加熱処理に伴う
処理費用が安いので、本発明に係る摺動材の表面処理用
の加熱熱源として最適である.第8A図乃至第8F図は
,本発明の摺動材表面上に形成する凹部又は溝部の形状
の例を示す.これまでは、主に,回転軸の表面に軸方向
と平行な凹部又は溝部を形成する場合の実施例について
説明したが、本発明の摺動材及びその表面処理方法は,
これ以外の対象及び溝部の形状の対しても有効である. 第8A図乃至第8F図において、29は摺動面、30は
摺接面,31は凹部又は溝部を示す。図は、軸,軸受,
シリンダ,ピストン,案内面などの円筒状、板状及び円
弧状など各種形状の摺動面29を平面に展開した場合の
表面上における摺接面30と凹部31の配置状況を示し
たものである.摺動材の表面上の形成する凹部31の形
状は、第8A図は斜めの平行線状であリラセン状の溝部
を形成する.第8B図は格子状の溝部を形成し、摺接面
30が四角形または菱形状をなす。第8C図は水玉状の
凹部を形成し、各凹部が独立している.第8D図は斜め
の格子状の溝部を形成し、摺接面30が平行四辺形をな
す、第8E図は蛇行状の溝を形威し、第8F図は台形状
の溝を形威するなどである。これらの凹部3lの形状は
、それぞれの対象及び摺動条件の応じて適切なものを適
宜に選択すればよい。本発明の摺動材及びその表面処理
方法は、いずれの凹部形状も可能である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明に係る摺動材によれば、摺動
材の摺動面の少なくとも一面に軟らかくかつ固体潤滑性
のある組織で被覆され、さらに、硬くてかつ耐摩耗性に
優れた硬い組織の摺動面上に多数の凹部又は溝部を設け
られるとともに、該凹部又は溝部に摺動材の摺動特性と
耐摩耗性を改善するための潤滑剤を保持し、該潤滑剤で
摺動面を十分かつ確実に潤滑することにより、摺動材の
摩擦抵抗を下げるとともに摺接面のかじりや焼き付きを
防止することができる.特に、本発明に係る摺動材は、
軟らかくかつ固体潤滑性のよい表面被覆層が意図的かつ
選択的に削り取られるから、摺動材が変形した場合や摺
接面にゴミを噛み込んだ場合でも、この表面被覆層だけ
が磨滅して摺接面のかじりや焼き付きを防止することが
できる。
さらに,本発明に係る摺動材は、ゴミ,ホコリ,土砂,
摩耗紛などを積極的に排除することができる機能を持っ
ているから、ゴミ,ホコリ,土砂などに曝される屋外の
劣悪な環境下でも使用可能であり、優れた摺動特性,耐
摩耗性及び耐環境性を示す.また、本発明に係る摺動材
の表面処理方法は、表面処理に伴う人熱量が少なく、加
熱が局部的でありかつ,急速加熱,急速冷却であるから
,高密度エネルギー熱源を用いるので,表面処理に伴う
熱変形が少なく後加工も容易であり、表面処理が容易か
つ安価に行ないうる. 従って,過酷な摺動条件で使用される自動車エンジン、
油圧機器,空調機器,圧縮機器及び各種の回転機器など
の摺動材に、本発明の摺動材及びその表面処理方法を適
用することにより、凹部又は溝部に保持した潤滑剤の潤
滑効果によって摺動材の摺動性能が大幅に向上するとと
もに摺接面の摩耗寿命が顕著に改善できる.
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る摺動材の一実施例の構造を示す図
,第2図は本発明に係る摺動材の他の実施例の構造を示
す図、第3図は本発明に係る摺動材のさらに他の実施例
を適用した軸受の構造を示す図,第4図は第3図のrV
−rV断面図,第5図は本発明に係る摺動材の表面処理
方法の一実施例を説明するための説明図、第6図は本発
明に係る摺動材の表面処理方法の他の実施例を説明する
ための説明図、第7図はプラズマアークを用いる摺動材
の表面処理法を説明するための説明図、第8A図〜第8
F図は摺動材表面上に形成する凹部又は溝部の形状の例
を示す図である。 ・・・摺動材,2・・・硬化組織、3・・・表面被覆層
,・・・凹部又は溝部、8・・・回転軸,9・・・軸受
、0・・・凹部、11・・・表面被11m.12・・・
潤滑油、3・・・摺動材、14・・・凹部又は溝部、5
・・・表面被覆層,16・・・硬化部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、摺動表面部が、固体潤滑性を有する表面被覆層と、
    該表面被覆層内側の硬化組織からなる皮下層とから構成
    され、前記摺動表面部に底面が前記皮下層の最外面より
    内側にある凹部又は溝部を形成したことを特徴とする摺
    動材。 2、相対して摺動する摺動材の一方の摺動表面部が硬化
    組織から構成されるとともに凹部又は溝部を有し、他方
    の摺動材の摺動表面部は固定潤滑性を有する表面被覆層
    から構成されたことを特徴とする一対の摺動材。 3、金属からなる摺動材の表面に凹部又は溝部を形成す
    る表面加工工程と、該表面に固体潤滑性を有する表面被
    覆層を形成する被覆層形成工程と、該表面被覆層の内側
    に硬化組織を形成する表面硬化工程から構成されたこと
    を特徴とする摺動材の表面処理方法。 4、表面硬化工程は、摺動材の表面を収束集中した高密
    度エネルギ熱源を用いて局部的に急速加熱し、溶融し、
    気体噴流を吹き付けて溶融した金属の一部又は大部分を
    吹き飛ばし、凹部又は溝部を形成する工程なることを特
    徴とする請求項3記載の摺動材の表面処理方法。
JP23224089A 1989-09-07 1989-09-07 摺動材及びその表面処理方法 Pending JPH0396715A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23224089A JPH0396715A (ja) 1989-09-07 1989-09-07 摺動材及びその表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23224089A JPH0396715A (ja) 1989-09-07 1989-09-07 摺動材及びその表面処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0396715A true JPH0396715A (ja) 1991-04-22

Family

ID=16936168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23224089A Pending JPH0396715A (ja) 1989-09-07 1989-09-07 摺動材及びその表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0396715A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5816207A (en) * 1994-09-05 1998-10-06 Nsk Ltd. Tappet roller bearing
KR100827358B1 (ko) * 2004-06-23 2008-05-07 히다치 훈마츠 야킨 가부시키가이샤 고하중용 미끄럼 베어링
JP2008530474A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 アッシュ・ウー・エフ 特にボギー式ブレーキリンク機構のためのジョイントアセンブリ
JP2008530475A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 アッシュ・ウー・エフ ガイド部材
JP2010223177A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射ポンプ
JP2011012767A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyota Motor Corp 摺動部材及び摺動部材の製造方法
JP2011174499A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Jtekt Corp スプライン伸縮軸、およびスプライン伸縮軸の製造方法
JP2012047276A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Taiho Kogyo Co Ltd すべり軸受とその製造方法
WO2012147781A1 (ja) * 2011-04-26 2012-11-01 千住金属工業株式会社 摺動部材
JP2013083321A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Hino Motors Ltd ピストン
JP2014016032A (ja) * 2012-07-06 2014-01-30 Mahle Internatl Gmbh カムを製造又は仕上げ加工する方法、及び、該方法によって製造又は仕上げ加工されたカム
KR20150076179A (ko) * 2012-10-22 2015-07-06 에이치.이.에프. 복합재료로 제조되고 높은 동적부하에서 작동하는 자가윤활 힌지 조립체
KR20150077425A (ko) * 2012-10-22 2015-07-07 에이치.이.에프. 복합재료로 제조되고 높은 동적 부하에서 작동하는 자가윤활 관절 요소
KR20150091489A (ko) * 2012-12-13 2015-08-11 에이치.이.에프. 관절형 이음 및/또는 요소-미끄럼 능력을 갖는 마찰 장착을 위한 링 형태의 안내 몸체
CN110374881A (zh) * 2019-08-26 2019-10-25 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 摩擦结构、摩擦零件和压缩机
KR20220019020A (ko) * 2012-12-13 2022-02-15 이드러메까니끄 에 프러뜨망 샤프트의 조립을 위한 관절형 이음 및/또는 미끄럼 능력을 갖는 그리고 마찰을 동반하는 금속 링 형태의 안내 부재

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5816207A (en) * 1994-09-05 1998-10-06 Nsk Ltd. Tappet roller bearing
KR100827358B1 (ko) * 2004-06-23 2008-05-07 히다치 훈마츠 야킨 가부시키가이샤 고하중용 미끄럼 베어링
KR101328369B1 (ko) * 2005-02-21 2013-11-11 아쉬.에.에프. 보우기 브레이크 링키지 시스템용 조인트 조립체
JP2008530474A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 アッシュ・ウー・エフ 特にボギー式ブレーキリンク機構のためのジョイントアセンブリ
JP2008530475A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 アッシュ・ウー・エフ ガイド部材
JP2010223177A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射ポンプ
JP2011012767A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyota Motor Corp 摺動部材及び摺動部材の製造方法
JP2011174499A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Jtekt Corp スプライン伸縮軸、およびスプライン伸縮軸の製造方法
JP2012047276A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Taiho Kogyo Co Ltd すべり軸受とその製造方法
WO2012147781A1 (ja) * 2011-04-26 2012-11-01 千住金属工業株式会社 摺動部材
US8727622B2 (en) 2011-04-26 2014-05-20 Senju Metal Industry Co., Ltd. Sliding member
KR101440256B1 (ko) * 2011-04-26 2014-09-12 센주긴조쿠고교 가부시키가이샤 미끄럼 이동 부재
JP2013083321A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Hino Motors Ltd ピストン
JP2014016032A (ja) * 2012-07-06 2014-01-30 Mahle Internatl Gmbh カムを製造又は仕上げ加工する方法、及び、該方法によって製造又は仕上げ加工されたカム
KR20150076179A (ko) * 2012-10-22 2015-07-06 에이치.이.에프. 복합재료로 제조되고 높은 동적부하에서 작동하는 자가윤활 힌지 조립체
KR20150077425A (ko) * 2012-10-22 2015-07-07 에이치.이.에프. 복합재료로 제조되고 높은 동적 부하에서 작동하는 자가윤활 관절 요소
KR20150091489A (ko) * 2012-12-13 2015-08-11 에이치.이.에프. 관절형 이음 및/또는 요소-미끄럼 능력을 갖는 마찰 장착을 위한 링 형태의 안내 몸체
KR20220019020A (ko) * 2012-12-13 2022-02-15 이드러메까니끄 에 프러뜨망 샤프트의 조립을 위한 관절형 이음 및/또는 미끄럼 능력을 갖는 그리고 마찰을 동반하는 금속 링 형태의 안내 부재
CN110374881A (zh) * 2019-08-26 2019-10-25 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 摩擦结构、摩擦零件和压缩机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0396715A (ja) 摺動材及びその表面処理方法
US9623921B2 (en) Non-carburized components of track-type machines having a metallurgically bonded coating
US8684475B2 (en) Components of track-type machines having a metallurgically bonded coating
US7657990B2 (en) Track chain link and undercarriage track roller having a metallurgically bonded coating
US9138805B2 (en) Method for applying wear resistant coating to mechanical face seal
CN103089479B (zh) 带有硬软复合涂层与织构化表面的耐磨活塞环及制备方法
JP4011478B2 (ja) 金属摺動部材および内燃機関用ピストンならびにそれらの表面処理方法およびその装置
JP3199225B2 (ja) サイレントチェーン
EP2593581B1 (en) Method for providing a low-friction surface
US20090108541A1 (en) Sealing system
JP5221957B2 (ja) 軸受材料および軸受材料を製造するための方法
JP4199500B2 (ja) シリンダブロック
JP2926240B2 (ja) 摺動材およびその表面処理方法
Shen et al. Enhancement of heavy-duty friction and wear characteristics of cast-iron surface by electrolytic micro-textures filled with MoS2
US20050229396A1 (en) Method of forming engine bearing
JPH09202978A (ja) 耐磨耗性が優れた耐磨耗部材とその製造方法
US6095013A (en) Cam follower apparatus
KR100583658B1 (ko) 미세그루브를 갖는 부시타입 베어링 및 그 제조방법
JP4104570B2 (ja) 摺動部材の製造方法
Eyre Wear characteristics of castings used in internalcombustion engines
Scott Paper 1: Metallurgical Aspects of Wear
JP4541062B2 (ja) 機能部材およびその製造方法
JP2004011793A (ja) 直動ガイド
JPS601424A (ja) 摺動部材
JPH03111522A (ja) アルミニウムあるいはアルミニウム合金の摺動部品の製作方法