JPH03923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案はかしおき加温装置を備えた連続炊飯
装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、炊飯装置は、米と水とを入れた炊飯缶
を、炊飯室内で循環移動させ、バーナーで加熱し
て炊飯するように構成されており、炊飯缶を加熱
した後の高温排気は、排気口より装置外へ排出さ
れていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、このような従来の炊飯装置では、米と
水とを入れた炊飯缶を炊飯室内へ搬入する前に、
所謂、かしおき状態にして長時間放置する必要が
あつた。そのため、多数のかしおき状態の炊飯缶
を放置する場所や時間を必要とする問題があつ
た。

この考案は上記問題を解決するためになされた
ものであり、その目的とするところは、炊飯装置
にかしおきを促進させるかしおき加温装置を連結
して、効率的に炊飯を行うことのできる連続炊飯
装置を提供しようとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 この考案は上記目的を達成するためになされた
ものであり、かしおき状態の炊飯缶を移動させな
がら加温を行うかしおき加温装置と、熱源を備え
上記かしおき加温装置により加温された炊飯缶を
チエンコンベアで移動させながら加熱して炊飯を
行う炊飯装置と、送風フアンを備えるとともに一
端が上記炊飯装置の排気口に連結され他端が上記
かしおき加温装置に連結された通風ダクトと、を
具備したことを特徴とする連続炊飯装置である。

〈作用〉 この考案は上記のように構成されたものであ
り、炊飯装置の熱源の熱は炊飯缶の炊飯加熱を行
い、更に通風ダクトを介してかしおき加熱装置へ
導入される。そして、かしおき加温装置内を移動
する米と水とを入れたかしおき状態の炊飯缶を加
温して、かしおきの促進を行なうものである。

〈実施例〉 以下この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はこの考案の一実施例の連続炊飯装置の
正断面図である。

この連続炊飯装置は、炊飯装置１と、通風ダク
ト１３と、かしおき加温装置１０とを主体にして
構成されている。

炊飯装置１は、基台２上に炊飯室３が形成され
ている。炊飯室３の上部には、ダンパー７を有す
る排気口４が設けられ、底部には熱源としてバー
ナー６が配置されており、側壁には炊飯缶９の出
入のための開口部５が設けられている。また、炊
飯室３内には、バーナー６の上方を多数の炊飯缶
９を掛止して、循環移動する無端状のチエンコン
ベア８が装備されており、チエンコンベア８には
図示しないフツクが設けられて、炊飯缶９の引掛
金具９ａを掛止するように形成されている。

通風ダクト１３は、その一端に連続炊飯装置１
の排気口４に連結可能な拡径部１４を有し、拡径
部１４は、端部に向かつて漏斗状に拡径して形成
されている。そして、通風ダクト１３が排気口４
に連結されたとき、その連結部において、排気口
４の外周と拡径部１４の内周との間に、所定の間
隔で外気と連通する外気吸入口１５が形成され
る。また、通風ダクト１３には、排気口４よりの
排気および外気吸入口１５よりの外気を吸入し
て、かしおき加温装置１０へ熱風を送風する送風
フアン１６が装備されている。

かしおき加温装置１０は加温室２３を有してお
り、加温室２３は基台２２上に水平方向に延びて
形成されている。加温室２３の長手方向の一端部
の上部の導入口２５は、通風ダクト１３に連結さ
れており、また、長手方向の他端部の上部には、
利用した熱風を外部へ排出する排出口２４が設け
られている。更に、加温室２３の長手方向の一側
壁には入口２６が設けられ、長手方向の他側壁に
は出口２７が設けられており、この入口２６と出
口２７との間を無端状のコンベア２８が循環移動
するように装備されている。そして、炊飯缶９
は、コンベア２８上に載置されて、入口２６より
加温室２３内に入り、所定時間経過後、コンベア
２８により移送されて、出口２７より加温室２３
外へ出るように構成されている。

次にこのように構成された連続炊飯装置の動作
について説明する。

先ず、最初に炊飯が行われるときは、米と水と
を入れてかしおかれた炊飯缶９を、炊飯装置１の
炊飯室３のチエンコンベア８に掛止するととも
に、米と水とを入れたかしおき状態の炊飯缶９を
かしおき加温装置１０のコンベア２８上に載置す
る。

そして、炊飯装置１のバーナー６に点火され、
チエンコンベア８および送風フアン１６、コンベ
ア２８の運転が開始されると、炊飯室３内で加熱
された空気は、排気口４から通風ダクト１３へ進
入する。また、外気吸入口１５からは、室温の外
気が通風ダクト１３内へ吸込まれ、排気口４から
の高温排気と混合される。この混合された熱風
は、ダンパー７の開度により、高温排気の通風量
が調整されて温度が調整される。この熱風は、送
風フアン１６により通風ダクト１３内を圧送され
てかしおき加温装置１０の加温室２３内へ導入さ
れる。そして、熱風は、加温室２３内において、
コンベア２８により移送される炊飯缶９を加温し
ながら流過して、排出口２４から装置外へ排出さ
れる。

所要時間が経過すると、炊飯装置１およびかし
おき加温装置１０による炊飯缶９の加熱炊飯およ
び加温によるかしおきの促進が完了し、炊飯され
た炊飯缶９は炊飯装置１から取出される。また、
かしおきが促進された炊飯缶９は、続いて、炊飯
装置１に搬入され加熱炊飯される。このとき、加
温室２３には、新らたなかしおき状態の炊飯缶９
が、加温のために搬入される。

この実施例の装置による実験例においては、加
温室２３内に導入される熱風は、ダンパー７の調
整により40〜80℃の温度が得られ、これにより、
かしおき状態の炊飯缶９が加温され、かしおきが
促進されて、室温でかしおいた場合に比べ、かし
おき時間が半減できた。また、炊飯缶９の加温に
よる予熱効果により、炊飯装置１における炊飯時
間を約30％短縮することができた。

第２図はこの考案の他の実施例を示し、縦形に
形成された加温室の構成に特徴を有する。尚、以
下の説明では第１の実施例と同一構成要素は、同
一符号を付して説明を省略する。

この第２実施例のかしおき加温装置３０は、通
風ダクト１３と縦形の加温室３３等とから構成さ
れている。加温室３３は基台３２上に縦方向に延
びて形成されており、底部の導入口３５には通風
ダクト１３が連結され、上部には排出口３４が設
けられている。加温室３３内には、上下方向に延
びて循環移動するコンベア３８が設置されてお
り、コンベア３８のフツク（図示せず）が、炊飯
缶９の引掛金具９ａを掛止して循環移動するよう
に形成されている。尚、加温室３３の側壁には、
炊飯缶９の出入のための入口３６、出口３７が設
けられており、入口３６、出口３７には、常には
開口部を塞ぐ扉（図示せず）が蝶着されている。

このように構成されたかしおき加温装置３０を
備えた連続炊飯装置によれば、第１実施例の装置
よりも小さい設置面積の装置として構成すること
ができる。

尚、この考案は上述の実施例の構成のみに限定
されるものではなく、この考案の技術的思想から
逸脱しない範囲において各部の構成を任意に変更
することが可能である。

〈考案の効果〉 以上説明したようにこの考案の連続炊飯装置
は、かしおき状態の炊飯缶を移動させながら加温
を行うかしおき加温装置と、熱源を備えかしおき
加温装置により加温された炊飯缶をチエンコンベ
アで移動させながら加熱して炊飯を行う炊飯装置
と、送風フアンを備えるとともに一端が炊飯装置
の排気口に連結され他端がかしおき加温装置に連
結された通風ダクトと、を具備した構成なので、
炊飯加熱前のかしおき状態の炊飯缶を加温してか
しおきを促進させ、かしおき時間を短かくするこ
とができるとともに、加温による予熱効果により
炊飯時間を短縮することができる。

また、かしおき時間の短縮に伴つて、かしおき
状態の多数の炊飯缶を、長時間放置する広い置場
が不要となる。

更に、炊飯缶の加温のための熱源に、炊飯装置
の排気熱が利用されるので、エネルギーコストを
必要とせず、また、外気吸込みにより熱風温度が
調整できるとともに、排出口よりの排出気温度を
低くすることができて、安全性を高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の連続炊飯装置の正
断面図、第２図は他の実施例を示す正断面図であ
る。 １……炊飯装置、４……排気口、９……炊飯
缶、１０，３０……かしおき加温装置、１３……
通風ダクト、１６……送風フアン、２３，３３…
…加温室、２８，３８……コンベア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 かしおき状態の炊飯缶を移動させながら加温を
   行うかしおき加温装置と、 熱源を備え前記かしおき加温装置により加温さ
   れた炊飯缶をチエンコンベアで移動させながら加
   熱して炊飯を行う炊飯装置と、 送風フアンを備えるとともに一端が前記炊飯装
   置の排気口に連結され他端が前記かしおき加温装
   置に連結された通風ダクトと、 を具備したことを特徴とする連続炊飯装置。