JPH038764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、障子を引違いあるいは片引き式に
収めたサツシ、あるいは枠体内に一対の障子を同
一平面に並べて設け、一方の障子は収めてある状
態から平行に室内側に跳出し、以後レールに沿つ
て引違い状に開放され、他方の障子は通常は嵌め
殺しに不動に固定してあるが、必要に応じて前記
障子の跳出し状態で引違い状に開放される形式の
サツシなどに適用され、障子を閉鎖した際に固定
されると共に、固定に止まらず戸当り側への引寄
せ機能をも備えたサツシの障子固定装置に関す
る。

〔従来の技術〕 周知のように、サツシの障子にはフランス落し
錠によつて固定されるものがあり、この固定装置
は、障子に上下動する止栓を設け、横枠に止栓が
突入するブロツクを取付けて構成されたものであ
つて、そのブロツクは所定位置、即ち障子を閉鎖
した時の止栓の位置と対向する位置に固着する必
要があることから、一般にブロツクを横枠内に突
出した突片などに圧接して取付けられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来のブロツク取付け手段では、圧接によ
るため取付けに信頼性が薄く、障子に強い開放力
を受けた際にブロツクと共に動かされるものであ
り、また障子の引寄せに確実性が得られない問題
点があつた。この考案は以上の問題点を解決する
ことにあり、障子の引寄せが確実となると共に、
ブロツクが不動に取付けられ、障子の固定が確実
化されるサツシの障子固定装置を提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案による手段は、障子に設けた上下動す
る止栓と枠体の横枠に取付けたブロツクとで構成
されるが、ブロツクの止栓が突入する係止孔内
に、止栓を戸当り側に誘導するローラーを設け、
またブロツクより突出した翼片と凸条を備えた固
定板とで、横枠より突出した突片を挾み、固定板
の凸条横枠の前記突片にあけた切欠き部に係合
し、この固定板と翼片を締結して、ブロツクを横
枠に不動に固着したものである。

〔実施例〕

第１図乃至第３図にこの考案によるサツシの障
子固定装置を示しているが、本装置は第４図に示
すＡ部とＢ部に設けられるものである。第４図に
示すサツシは跳出し引違いサツシであつて、鈎型
矢印を付した障子は跳出し障子１で、直線矢印を
付したものは摺動障子２であつて、両障子１，２
は枠体３内に同一平面上に収めて閉鎖してあり、
跳出し障子１のハンドル４を廻すことにより、該
障子１が室内側に平行移動して跳出され、以後第
５図図示の室内側レール５に沿つて摺動して開放
される。摺動障子２は通常は固定してあるが、跳
出し障子１を開放した後、摺動障子２のハンドル
６を廻すことにより固定状態が解除され、室外側
レール７に沿つて摺動されるものである。

上記構造をもつサツシには本装置を摺動障子２
に適用されるもので、この障子２のハンドル６は
施錠手段（図示せず）を駆動するもので、ハンド
ル６の回転により施錠手段の上下両部に設けた止
栓８を障子２の竪框２ａ内より上方及び下方へ突
出するものである。この止栓８は第１図図示の如
く、枠体３の横枠９（図示のものは上枠を示す）
に取付けたブロツク１０の係止孔１１内に突入す
るものである。

横枠９（上枠と下枠を指す）は第５図に示す形
材より成るが、前記ブロツク１０を支持するた
め、障子２の上面と下面と相対向する面の近傍両
側にそれぞれ突片１２，１２が突設してある。

そこで、第１図乃至第３図に示すブロツク１０
は横枠９のうち上枠に取付けるもので、その本体
は合成樹脂製の角柱体をなし、下面を開放して設
けた係止孔１１内にローラー１３を、横枠９の長
手方向に対して直交するように架設してある。ま
たブロツク１０の外面両側に横枠９の前記突片１
２が嵌まる凹溝１４を形成し、凹溝１４の下面位
置よりブロツク１０より肉薄の翼片１５を横枠９
の長手方向に順じて突設したもので、この翼片１
５は両突片１２，１２の下面に当接するものであ
る。更に上記翼片１５に相対向し両突片１２，１
２の上面に当接する固定板１６と組まれるもの
で、固定板１６には突片１２の肉厚とほぼ等しい
凸条１７が横枠９の長手方向に対し直交するよう
に設けてあり、翼片１５にあけた抜孔１８より差
し通したビス１９を固定板１６のネジ孔２０に螺
合して取付けてある。

上記ブロツク１０を横枠９（上枠）に取付ける
構造は、ブロツク１０を取付ける位置の両突片１
２，１２に第３図図示の如く、前記固定板１６の
凸条１７が嵌まる切欠き部２１を設けておく。ま
た固定板１６を螺合したビス１９の弛緩により翼
片１５より浮上自在にしておき、ブロツク１０の
凹溝１４に両突片１２を嵌め、且つ固定板１６を
両突片１２上に載置して所定位置にまで誘導し、
その位置には前述の如く切欠き部２１が設けてあ
るから、切欠き部２１に固定板１６の凸条１７を
嵌め込み、ビス１９により翼片１５と固定板１６
とを互いに締結してブロツク１０を横枠９に固着
したものであらる。ただし、ブロツク１０の取付
位置を微調整するため、翼片１５にあけた抜孔１
８を長孔に形成してある。

尚、横枠９のうち下枠にも本装置が取付けられ
るが、前記上側のものと同様のブロツクを上下逆
にして同様の構造を以つて固着される。また前述
の止栓８は第１図と第２図に示す如く断面方形を
なし、先端部に先細となるテーパーが付けてあ
る。更にブロツク１０より突出した翼片１５は、
その対称となる障子２の戸当り側とは反対方向に
突出したものであり、ブロツク１０の肉厚は障子
２が対向した時には障子２の外れを阻止し得るよ
うに形成し、障子２がブロツク１０より外れ翼片
１５と相対向している時には外れるように形成し
てある。

上記実施例によれば、障子２を閉鎖した位置で
ハンドル６を操作して止栓８を横枠９に向つて突
出すれば、止栓８がブロツク１０の係止孔１１内
に突入し、且つローラー１３によつて戸当り側に
寄せ付けられる。従つて障子２は密閉されると共
に、ブロツク１０が不動に固着してあるから施錠
作用が得られ、且つブロツク１０により障子２の
取り外しが阻止されるものである。

〔考案の効果〕

この考案によるサツシの障子固定装置は、枠体
内を走行する障子に設けた上下動する止栓と、横
枠に設けられた止栓が突入する係止孔を備えたブ
ロツクより構成され、ブロツクの係止孔内に止栓
を戸当り側に誘導するローラーを設け、ブロツク
より突出した翼片と凸条を設けた固定板とで、横
枠に突出した突片を挾み、固定板の凸条を横枠の
突片に設けた切欠き部に係合して翼片と固定板を
締結し、ブロツクを横枠に不動に固着したもので
あつて、翼片と締結した固定板の凸条が突片の切
欠き部に係合してあるため、止栓が係止孔に突入
してローラーを押し付けてもブロツクが不動状態
を保持し、障子を確実に戸当り側へ寄せ付けて密
閉されるものである。こうして密閉した状態にお
いて障子を開放側へ強く押し付けても、ブロツク
が前述の如く切欠き部に係合して固定してあるた
め、ブロツクが移動されることがなく、従つて障
子を強固に確実に固定されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるサツシの障子固定装置
を示す断面図、第２図は分解して示す斜視図、第
３図は横枠にブロツクを固着した状態を示す斜視
図、第４図は本装置を適用するサツシの一例を示
す正面図、第５図は同じく縦拡大断面図である。 ２……摺動障子、３……枠体、８……止栓、９
……横枠、１０……ブロツク、１１……係止孔、
１２……突片、１３……ローラー、１５……翼
片、１６……固定板、１７……凸条、２１……切
欠き部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体３内を走行する障子２に設けた上下動する
   止栓８と、枠体３の横枠９に設けたブロツク１０
   とから成り、ブロツク１０には止栓８が突入する
   係止孔１１内に止栓８を戸当り側に誘導して障子
   ２を引寄せるローラー１３を架設し、このブロツ
   ク１０より突出した翼片１５と凸条１７を備えた
   固定板１６とで、横枠９の長手方向に沿う両側に
   突設した突片１２を挾み、且つ該突片１２にあけ
   た切欠き部２１に固定板１６の凸条１７を係合す
   ると共に翼片１５と固定板１６を互いに締結し
   て、ブロツク１０を横枠９に不動に固着したこと
   を特徴とするサツシの障子固定装置。