JPH038558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動二輪車あるいは自動三輪、四輪車
など跨がつて乗車する型式の自走車両すなわち騎
乗車両のチエンジ（変速）操作装置の構造に関す
る。

〔従来技術〕

自動二輪車の騎乗車両は、車体の前部に操向車
輪を後部に駆動車輪をそれぞれ取付け、車体中央
部にエンジンを搭載するとともに車体上部に燃料
タンクおよびシートを装着する基本構造を有して
いる。運転者は、前方のハンドルを握り、前記シ
ートに跨がるとともに車体下部に設けたフートレ
ーストに足を載せた姿勢で乗車する。

エンジンの変速（チエンジ）は足で行なわれ、
左右いずれかのフレートレスト近傍に足動式のチ
エンジペダルが設けられている。

一方、エンジン側すなわちクランクケースまた
はミツシヨンケースには内部変速機構を作動させ
るチエンジシヤフトが設けられ、前記チエンジペ
ダルで該チエンジシヤフトを回動操作することに
より変速動作が行なわれる。

ところで、前記フートレストおよびチエンジペ
ダルの位置は乗車姿勢（ライデイングポジシヨ
ン）に関係し、通常の乗車姿勢を基準にすると、
前傾姿勢の場合はフートレストおよびチエンジペ
ダルが後方に配置され、後反り姿勢の場合は前方
に配置される。

この後反り姿勢またはこれに近い姿勢は大型自
動二輪車あるいは長距離シーリングなどで好んで
行なわれる。

然して、チエンジペダルを前方に配置する場
合、従来のチエンジ操作装置では、車体フレーム
のメインダウンパイプを利用し、該パイプのチエ
ンジシヤフト前方の位置にチエンジペダル支点
（ペダル軸支持ボス）を設けるとともに、チエン
ジシヤフトとペダル軸とをリンク機構で連結する
構造が採用されていた。

しかし、このような従来構造では、エンジンを
車体フレームに対し防振ゴムなど防振手段を介し
て搭載する場合（一般に防振手段が採用されてい
る）チエンジシヤフトとチエンジペダルとの間に
相対変位が生じる場合があつた。

また、チエンジペダルの支点をフレーム側に設
けるため、レイアウト設計が困難でスペース効率
が低くなるという問題もあつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、このような従来構造の問題を
解決し、エンジンを防振マウントする場合の相対
変位の影響がなく、しかもエンジンの下部側面の
スペースを有効に利用して配置しうる騎乗車両の
チエンジ操作装置を提供することである。

〔考案の構成〕

本考案は、エンジンのクランクケースの側面か
ら突出するチエンジシヤフトを、該チエンジシヤ
フトの突出部に固定されたチエンジシヤフトレバ
ーを介して、回動操作する騎乗車両のチエンジ操
作装置において、前記クランクケースの側面に固
定されるゼネレータカバーの下部に、チエンジペ
ダルのペダル軸が貫通する支持ボスを一体に形成
し、該ペダル軸の外側突出部に前記チエンジペダ
ルを固定するとともに、該ペダルの内側突出部に
ペダル軸レバーを固定し、該ペダル軸レバーと前
記チエンジシヤフトレバーとを連結ロツドで連結
する構成とすることにより、上記目的を達成する
ものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係るチエンジ操作
装置の側面図であり、第２図は第１図中の線−
から見た底面図であり、第３図および第４図は
第１図中の線−線および線−に沿つた部
分断面図である。

第１図において、参照番号１は車体フレームに
搭載されたエンジンのクランクケースを示し、該
クランクケース１には前傾姿勢でシリンダ２が固
定されている。

クランクケース１の側面（図示の例では左側
面）には、第１図に示すごとく、クランクシヤフ
ト３の端部に設けたゼネレータ４を覆うゼネレー
タカバー５が装着されている。また、該クランク
ケース１の側面の後寄りの位置には、チエンジド
ラム（図示せず）などの内部変速機構を覆うチエ
ンジカバー６が装着され、該チエンジカバー６か
らはチエンジシヤフト７の一端が突出している。

チエンジドラムなどの内部変速機構は前記チエ
ンジシヤフト７を回動することにより作動され
る。

第２図〜第４図に示すごとく、ゼネレータカバ
ー５はクランクケース１の側面（全体的な側面）
８より大きく突出しており、チエンジカバー６の
突出高さは比較的小さい。なお、図示の例では、
クランクケース１とゼネレータカバー５の合せ面
９はクランクケース側面８よりかなり突出した位
置に形成されている。ただし、この合せ面９の位
置は必要に応じ適当な突出位置に選定することが
できる。

ゼネレータカバー５にはチエンジペダル１０の
支点が設けられている。すなわち、ゼネレータカ
バー５の下側の所定位置に側方（カバーの側方）
へ張出した支持ボス１１が一体成形され、該支持
ボス１１を貫通して形成された孔にペダル軸１２
が回動自在に挿通されている。

前記ペダル軸１２は支持ボス１１より長く、該
ペダル軸１２の外側突出部にチエンジペダル１０
の基部が固定されている。

然して、前記ペダル軸１２と前記チエンジシヤ
フト７とはリンク機構によつて連結され、チエン
ジペダル１０の足動操作に連動してチエンジシヤ
フト７が回動するようになつている。

すなわち、第１図〜第４図に示すごとく、前記
ペダル軸１２の支持ボス１１の内側から突出した
部分にはペダル軸レバー１３が固定され、一方、
前記チエンジシヤフト７にはチエンジシヤフトレ
バー１４が固定され、これら両レバー１３，１４
の先端部は連結ロツド１５で互いに連結されてい
る。該連結ロツド１５の両端は各レバー１３，１
４に対し回動自在に枢着されている。また、該連
結ロツド１５は図示のようにロツド部材と該ロツ
ド部材の両端部にそれぞれ左右逆ピツチのねじで
封止された枢着金具で構成され、組付け状態でも
容易に長さを調節しうるようになつている。

前記連結ロツド１５は、ペダル軸レバー１３お
よびチエンジシヤフトレバー１４の内側に連結さ
れ、ゼネレータカバー５およびチエンジカバー６
などの膨出部を避けクランクケース１の側面８に
比較的近い位置を通して配置されている。また、
通常の車体構造では、車体フレームのメインダウ
ンパイプ１６がクランクケース１の下部側方を延
在しており、前記連結ロツド１５は図示のごとく
クランクケースの側面８と該メインダウンパイプ
１６との間の空間に配置することができる。な
お、第１図中の参照番号１７は側方へ突出したフ
ートレストの位置を例示する。

以上説明した実施例構造によれば、運転者の乗
車姿勢を考慮してチエンジペダル１０を前方に配
置する場合、該チエンジペダル１０支点をゼネレ
ータカバー５に設けるとともに、チエンジシヤフ
ト７とペダル軸１２とを連結ロツド１５等から成
るリンク機構で連結したので、ゴムマウント方式
などエンジンが車体フレームに対し変位する場合
でもチエンジ操作装置に対するエンジンの変位の
影響をなくすことができる。

さらに、クランクケース１の側面に固定される
ゼネレータカバー５の下部に、チエンジペダル１
０のペダル軸１２が貫通する支持ボス１１を一体
に形成し、該ペダル軸１２の外側突出部に前記チ
エンジペダル１０を固定するとともに、該ペダル
軸の内側突出部にペダル軸レバー１３を固定する
構造にしたので、クランクケース１の側面８の下
部に隣接する部分のデツドスペースを利用して連
結ロツド１５および上記各構成部品を配設するこ
とができ、コンパクトで外観処理にすぐれたチエ
ンジ操作装置が得られる。

また、前記リンク機構は車体フレーム１６の内
側に配置されるので、該車体フレームによつて保
護されるという利点も得られる。

さらにまた、ペダル軸１２を支持ボス１１に貫
通させるとともに、該支持ボス１１の両側（外側
および内側）から突出する部分にチエンジペダル
１０およびペダル軸レバー１３を結合するので、
片持支持ではなくいわゆる両端支持構造にするこ
とができる。

なお、図示の実施例構造ではチエンジシヤフト
７をクランクケース１に設けたが、本考案はクラ
ンクケースに固定したミツシヨンケースにチエン
ジシヤフトを設ける場合にも同様に実施すること
ができる。

また、図示の実施例構造ではチエンジ操作装置
を車両の左側に設けたが、本考案は右側に設ける
場合にも同様に適用することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案によれ
ば、エンジンのクランクケースの側面から突出す
るチエンジシヤフトを、該チエンジシヤフトの突
出部に固定されたチエンジシヤフトレバーを介し
て、回動操作する騎乗車両のチエンジ操作装置に
おいて、前記クランクケースの側面に固定される
ゼネレータカバーの下部に、チエンジペダルのペ
ダル軸が貫通する支持ボスを一体に形成し、該ペ
ダル軸の外側突出部に前記チエンジペダルを固定
するとともに、該ペダル軸の内側突出部にペダル
軸レバーを固定し、該ペダル軸レバーと前記チエ
ンジシヤフトレバーとを連結ロツドで連結する構
成としたので、チエンジペダルを前方に配置する
場合でも、操作性を向上させることができ、エン
ジンをゴムマウントする場合でも、チエンジ操作
装置に対するエンジンの移動の影響を無くすこと
ができ、クランクケース側面下部のデツドスペー
スを利用して連結ロツド等をコンパクトに配設す
ることができ、しかも、チエンジペダルの支持軸
を両端支持構造にすることができる騎乗車両のチ
エンジ操作装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る騎乗車両のチエンジ操作
装置の側面図、第２図は第１図中の線〜から
見た底面図、第３図および第４図はそれぞれ第１
図中の線〜および線線〜に沿つた部分断
面図である。 １……クランクケース、５……ゼネレータカバ
ー、７……チエンジシヤフト、８……クランクケ
ースの側面、１０……チエンジペダル、１１……
支持ボス、１２……ペダル軸、１３……ペダル軸
レバー、１４……チエンジシヤフトレバー、１５
……連結ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのクランクケース１の側面から突出す
   るチエンジシヤフト７を、該チエンジシヤフトの
   突出部に固定されたチエンジシヤフトレバー１４
   を介して、回動操作する騎乗車両のチエンジ操作
   装置において、前記クランクケース１の側面に固
   定されるゼネレータカバー５の下部に、チエンジ
   ペダル１０のペダル軸１２が貫通する支持ボス１
   １を一体に形成し、該ペダル軸１２の外側突出部
   に前記チエンジペダル１０を固定するとともに、
   該ペダル軸の内側突出部にペダル軸レバー１３を
   固定し、該ペダル軸レバー１３と前記チエンジシ
   ヤフトレバー１４とを連結ロツド１５で連結する
   ことを特徴とする騎乗車両のチエンジ操作装置。