JPH0380529B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複数の流体を混合する装置に関す
る。混合し得る流体は液体、気体、又は、例えば
流体／固体のスラリーの形態で微細な固体を包含
している。本発明は特に、装置中の流体の流れを
妨げて乱流をもたらす複数の邪魔板で構成された
混合案内部を内部に設けた管状容器からなる混合
装置に関する。

この混合装置は、例えば液体と気体と微細な固
体との均一混合物を生成させるために使用された
り、例えば樹脂のような化合物を反応性液体から
生成させるために使用されたり、極めて広く使用
される。

流体がこの種の装置中を流動する際、混合案内
部は流動に対する障害物となり、この障害物は流
体の流動に乱流をもたらし、その結果、種々の流
体の混合をもたらす。種々の流体が装置中を流動
する結果、流体の組成に応じて均一な混合物とな
り、更に、流体の成分が反応性を有する場合は化
合物となり得る。

しかしながら、装置中の流体における乱流の増
大は、混合装置全体にわたる圧力の低下を伴う。

前述の従来の混合装置において、混合案内部は
流体の流れの通路内に固定され、例えば螺旋形状
のような種々の形状を有することができる。これ
らの混合装置は静的混合器と呼ばれる。

従来の静的混合器において、流体が低流速の場
合は、混合案内部によつてもたらされる抵抗がか
なり低くなる。その結果、装置中を流れる流体が
特に粘性材料の場合には、流体の乱流が容易に得
られないので均一な混合が得られない。他方、流
体の中に乱流を有する程の高流速においては、乱
流を発生させるための混合案内部は必要とされな
い。更に、このような高流速にて混合案内部によ
りもたらされる抵抗は高くなり易く、混合装置全
出口における流体の圧力が著しく低下する。この
ような圧力低下は、供給ポンプの供給能力の低下
をもたらし、その結果、混合器の混合能力を低下
させる。

従つて、本発明の目的は、広範囲の流速におい
て許容し得ない圧力低下をもたらすことなく最適
な混合が得られる、複数の流体を混合する装置を
提供することにある。

本発明によれば、前述の目的は、混合されるべ
き複数の流体が中を流れる管状体と、管状体の中
心軸に関して一方の側において管状体の中に配置
されていると共に、管状体に交差する第１の軸線
の回りに所定の角度に角度付けされるように構成
されており、流体の流れの方向を変えるための第
１の邪魔板と、管状体の中心軸に関して他方の側
において第１の邪魔板に対向して管状体の中に配
置されていると共に、第１の軸線にほぼ平行であ
り、かつ、管状体に交差する第２の軸線の回りに
所定の角度に角度付けされるように構成されてお
り、流体の流れの方向を変えるための第２の邪魔
板と、管状体の中心軸に関して一方の側において
管状体の中に配置されていると共に、第１の軸線
の下流側において第１の軸線にほぼ直交し、か
つ、管状体に交差する第３の軸線の回りに所定の
角度に角度付けされるように構成されており、流
体の流れの方向を変えるための第３の邪魔板と、
管状体の中心軸に関して他方の側において第３の
邪魔板に対向して管状体の中に配置されていると
共に、第３の軸線にほぼ平行であり、かつ、管状
体に交差する第４の軸線の回りに所定の角度に角
度付けされるように構成されており、流体の流れ
の方向を変えるための第４の邪魔板とを備えた複
数の流体を混合する装置によつて達成される。

本発明の装置によれば、管状体の中に配置され
ており、管状体に交差する第１の軸線の回りに所
定の角度に角度付けされる第１の邪魔板と、第１
の軸線にほぼ平行であり、かつ管状体に交差する
第２の軸線の回りに所定の角度に角度付けされる
第２の邪魔板とによつて流体の流れの方向を任意
の方向に変化させ得、第１及び第２の邪魔板の下
流に配置されており、第１の軸線にほぼ直交、か
つ管状体に交差する第３の軸線の回りに所定の角
度に角度付けされる第３の邪魔板と、第３の軸線
にほぼ平行であり、かつ管状体に交差する第４の
邪魔板とによつて、更に流体の流れの方向を任意
の方向に変化させ得るが故に、効率良く流体が混
合され得、加えて流体の流速又は流体の特性に応
じて各邪魔板が各軸の回りに角度付けされるが故
に、低流速においても強力な混合が得られ、高流
速においては管状体内における圧力低下を制限す
ることができる。

本発明の装置は、第１の軸線及び第２の軸線が
互いに同軸であり、第３の軸線及び第４の軸線が
互いに同軸であつてもよく、第１の邪魔板及び第
２の邪魔板が互いに回転自在に接続されており、
第３の邪魔板及び第４の邪魔板が互いに回転自在
に接続されていてもよい。

又、本発明の装置は、第１から第４の邪魔板の
夫々が、管状体の内周面に整合する半円であつて
もよく、第１から第４の邪魔板の夫々は管状体の
壁を貫通する軸を介して管状体に設けられてお
り、当該軸は、軸を回転する回転手段を備えてい
てもよい。

更に、本発明の装置は、回転手段がハンドルか
らなつていてもよく、回転手段が作動機からなつ
ていてもよい。

以下、本発明の複数の流体を混合する装置の具
体例を添付図面により更に詳しく説明する。

図に示した装置は、両端部が開放されており、
入口２と出口３とを形成する管状体としての長形
の円筒状容器１からなつている。この容器１は、
容器１を例えば配管系（図示せず）に接続するた
めのフランジ４及び５を備える。

容器１の内部には複数の混合案内部６を設け、
これらを容器１の長手中心軸８に沿つて互いに離
間させる。

各混合案内部６は、第１から第４の軸線として
の回転軸線７を備える。回転軸線７は容器１の長
手中心軸８に対してほぼ垂直である。好ましく
は、これら回転軸線７は互いに平行でなく、図示
した具体例においては順次の混合案内部６の回転
軸線７が約90°の角度で互いに交差する。

各混合案内部６は、第１から第４の邪魔板とし
ての２つの平たい半円形の邪魔板９からなり、こ
れらはピポツト１０によつて回転自在に相互接続
される。各邪魔板９には、夫々容器１の壁部を貫
通する各開口部を通して各軸１１が設けられてい
る。各軸１１は各回転軸線７を中心として回転す
ることができる。各軸１１には各ハンドル１２が
設けられており、各邪魔板９の角度位置を各回転
軸線７に対して変化させる。この具体例におい
て、各軸１１には各ハンドル１２が設けられてい
るが、後述する他の回転手段を使用してもよい。

入口２を介して導入される流体の流れが容器１
の内部を通過する際、この流れは各混合案内部６
の邪魔板９により形成される障害物によつて２つ
の流れＡ及びＢに分割される。垂直に配置された
混合案内部６の上方の邪魔板９に達した流れの部
分は下方向に変位される（流れＡ）。これに対し
て下方の邪魔板９に達した流れの部分は上方向に
変位される（流れＢ）。邪魔板９の平坦部間の制
限開口部を流動する際、流れＡ及びＢは合体され
て流れＡとＢとの各成分が互いに混合される。各
混合案内部６を通る際、流れは再び分割され、か
つ反転されて、更に混合を生ぜしめると共に、容
器１の断面にわたつて再分配される。

換言すれば、流体の流れの障害となる障害物を
形成する混合案内部６の存在は、流体の流れにお
いて乱流をもたらし、その結果、流体の中の各成
分が強力に混合される。

容器１中の流体の流速がかなり遅く、かつ／又
は流れの各成分がかなり高い粘性を有しており、
流入する流体の流れが実質的に層状を維持する傾
向を有し、かつ乱流にするのが若干困難である場
合は、各混合案内部６の邪魔板９を流れの一般方
向に対し、ほぼ垂直に設定し、その結果実質的に
流れの反転をもたらすと共に、乱流を生ぜしめ、
かくして低流速における所望の混合を達成する。

容器１における流体の流速がかなり高く、か
つ／又は流体の各成分が比較的低い粘性を有して
おり、流入する流体が既に乱流状態となる場合、
又は容易に乱流にしうる場合は、乱流に寄与する
邪魔板９は必要とされない。この条件下におい
て、邪魔板９は、流体の流れに対する障害物を殆
ど形成せず、混合案内部６による容器１の圧力低
下が比較的低く保たれるように位置修正される。
かくして、混合装置は圧力低下に制約されること
なく有効となり続ける。

最も極端な場合、邪魔板９は、容器１における
流体の主な流れの方向に対し平行となつて、流体
の流れが邪魔板９により阻害されないような角度
位置に設定される。この場合、各混合案内部６の
邪魔板９は互いに整合する。

容器１に使用する混合案内部６の数は先ず第１
にこの装置を使用する目的に依存する。反応性物
質を混合して化合物を得るために装置を使用する
場合は、物質間の必要な接触時間が容器１の長さ
を決定する。任意の用途における混合案内部６の
数は、流動性物質の流動特性によつて決定され、
乱流にするのが困難な流れについてはより多数の
混合案内部６が必要とされる。

本発明の装置は、図示したような単一の共通の
入口２を有する容器１に限定されない。むしろ、
容器１は、容器１中で混合すべき種々の物質に対
し別々の入口を備えることができる。

図示したような２つの邪魔板９で構成された混
合案内部６の代わりに、容器１には１つのみ、又
は３つ以上の邪魔板からなる混合案内部を装着す
ることもできる。しかしながら、図示した混合案
内部の構成は他のものより有利であることに注目
すべきである。何故なら、この構成は３つ以上の
邪魔板に比較して簡単であり、かつ１つのみの邪
魔板よりなる混合案内部よりも良好な物質の混合
をもたらすからである。

図示した本発明の具体例において、混合案内部
は手動で回転させることができる。混合案内部の
回転は容易に機械化し、もしくは自動化すること
ができる。この目的で、例えば混合案内部は制御
装置に接続された作動機によつて作動させること
もでき、制御装置を流れ、圧力低下又は粘度の測
定装置に接続することができる。

特定用途に選択される制御装置は、圧力低下を
最小限にしながら所望程度の混合を与える状態ま
で混合案内部を移動させるように設計される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の装置の一具体例の斜視図であ
る。 １……容器、２……入口、３……出口、４，５
……フランジ、６……混合案内部、７……回転軸
線、８……長手中心軸、９……邪魔板、１０……
ピポツト、１１……軸、１２……ハンドル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 混合されるべき複数の流体が中を流れる管状
   体と、前記管状体の中心軸に関して一方の側にお
   いて前記管状体の中に配置されていると共に、前
   記管状体に交差する第１の軸線の回りに所定の角
   度に角度付けされるように構成されており、前記
   流体の流れの方向を変えるための第１の邪魔板
   と、前記管状体の中心軸に関して他方の側におい
   て前記第１の邪魔板に対向して前記管状体の中に
   配置されていると共に、前記第１の軸線にほぼ平
   行であり、かつ、前記管状体に交差する第２の軸
   線の回りに所定の角度に角度付けされるように構
   成されており、前記流体の流れの方向を変えるた
   めの第２の邪魔板と、前記管状体の中心軸に関し
   て一方の側において前記管状体の中に配置されて
   いると共に、前記第１の軸線の下流側において前
   記第１の軸線にほぼ直交し、かつ、前記管状体に
   交差する第３の軸線の回りに所定の角度に角度付
   けされるように構成されており、前記流体の流れ
   の方向を変えるための第３の邪魔板と、前記管状
   体の中心軸に関して他方の側において前記第３の
   邪魔板に対向して前記管状体の中に配置されてい
   ると共に、前記第３の軸線にほぼ平行であり、か
   つ、前記管状体に交差する第４の軸線の回りに所
   定の角度に角度付けされるように構成されてお
   り、前記流体の流れの方向を変えるための第４の
   邪魔板とを備えた複数の流体を混合する装置。 ２ 前記第１の軸線及び前記第２の軸線が互いに
   同軸であり、前記第３の軸線及び前記第４の軸線
   が互いに同軸である特許請求の範囲第１項に記載
   の装置。 ３ 前記第１の邪魔板及び前記第２の邪魔板が互
   いに回転自在に接続されており、前記第３の邪魔
   板及び前記第４の邪魔板が互いに回転自在に接続
   されている特許請求の範囲第２項に記載の装置。 ４ 前記第１から第４の邪魔板の夫々が、前記管
   状体の内周面に整合する半円である特許請求の範
   囲第３項に記載の装置。 ５ 前記第１から第４の邪魔板の夫々は、前記管
   状体の壁を貫通する軸を介して前記管状体に設け
   られており、前記軸は前記軸を回転する回転手段
   を備えている特許請求の範囲第１項から第４項の
   いずれか一項に記載の装置。 ６ 前記回転手段がハンドルからなる特許請求の
   範囲第５項に記載の装置。 ７ 前記回転手段が作動機からなる特許請求の範
   囲第５項に記載の装置。