JPH0379396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコークス炉における装炭やコークス
ケーキ押出し等の炉作業時に発生する含塵ガスを
集塵する集塵方法に関する。

一般にコークス炉においては、その炉団の各炉
室に原料炭を装炭車により装入する時や各炉室内
から押出機とガイド車及び消化車によつてコーク
スケーキを押出す時などの各種炉作業時に多量の
含塵ガスが発生することから、この発生含塵ガス
を効率よく吸煙捕集して集塵処理する必要があ
る。

例えば、コークス炉の炉団上部で行われる装炭
作業に伴う集塵について述べると、装炭車の原料
炭装入スリーブを取り囲むべく捕集フードを設け
ると共に、その捕集フードから延出して捕集導管
を設け、一方コークス炉の炉団外側にその炉列に
沿つて多数の開閉蓋付き接続口を有した固定ダク
トを設けて、この固定ダクトの装炭車の移動位置
に対応した接続口に上記捕集導管が伸縮可能なコ
ネクタを介して接続できるようになし、又固定ダ
クトと連通する状態で集塵機及びブロワー等の集
塵設備を地上設置しておく。そして目的の炉室上
に装炭車が移動して原料炭装入を行う際に、その
装炭車の捕集導管をコネクタを介して固定ダクト
の対応する接続口に接続して地上のブロワーから
の大容量の吸煙作用が働ける状態となし、その状
態で装炭作業を開始して炉頂の装入孔から噴出す
る含塵ガスを捕集フードで捕集し、そこから捕集
導管・固定ダクトを介して地上の集塵機に吸煙導
通して集塵処理し、しかして一つの炉室への装炭
作業終了に伴い、上記コネクタが後退して固定ダ
クトから離れ、次の装炭位置に移動して前回と同
様に装炭作業と集塵を行うと云つた具合で、所謂
集中集塵方式が採用されている。なお、上記コー
クスケーキ押出し作業に伴うガイド車側集塵にお
いても略上記同様である。

かかる集中集塵方式においては、コークス炉の
炉作業が数分間隔で間歇的に行われるので、それ
に応じた集塵即ち、炉作業中は多量のダストガス
を吸煙導通するためにブロワーの吸煙容量を設定
値の大容量までに上げて集塵運転し、装炭車が次
の目的位置への移動中等の炉作業休止時には含塵
ガスの発生がほとんど無いことからブロワーの吸
煙容量を可能なかぎり低下させて運転すると云つ
た具合に、炉作業に応じてブロワーの吸煙容量を
大・小制御しながら該ブロワーを完全停止するこ
となく連続運転して集塵を行う。このことは含塵
ガスの高能率的な集塵とブロワー運転の電力費の
節減に必要不可欠なことである。

然るに、上記ブロワーの吸煙容量の制御手段と
しては、その駆動モータとしてサイリスタ制御モ
ータ等を採用して、その駆動回転数をコントロー
ルして直接ブロワーの吸煙容量を制御する方式
と、ブロワーの吸煙側配管に流量調整ダンパーを
設けて、その開度調整により吸煙容量を制御する
方式とがあり、又その両者併用した制御方式がす
でに知られているところである。

ところで、上述した集塵方法では、ブロワーの
吸煙容量を大・小制御することから、例えば装炭
作業開始時にブロワーの吸煙容量の増大が図から
れなかつたりタイミング的に遅れたりした場合に
は、炉室頂部の装入孔からの含塵ガスを吸煙捕集
できずに周囲に噴出させてしまう事故を招くこと
になつてしまう。そこで従来では装炭車と集塵設
備との運転の確実な連係を図るべく、該装炭車か
らの信号で装炭作業時には大容量に作業休止時に
は小容量になるようブロワーの回転数或いは流量
調整ダンパー制御を行い。更にその制御系に何ら
かの故障が生じて正規の制御がなされなかつた場
合に備えて、ブロワーの回転数或いは流量調整ダ
ンパーの開度を直接検知して、それらの正しい制
御が行われたことを確認信号としてとらえて装炭
車にフイードバツクするようにして装炭作業を行
うことで、上記噴出事故の防止を図るようにして
いた。

しかしながら、上述したコークス炉集塵（集中
集塵方式）では、捕集フードから集塵機までの吸
煙配管が長大で且つ途中に各種切換ダンパー等が
設けられている場合が多く、その結果何らかの理
由で配管途中が閉塞されてしまつたり、或いは固
定ダクトの接続口に対し捕集導管がコネクタを介
して確実に接続されていなかつたり、更には固定
ダクトの不使用状態の接続口の蓋洩れにより外気
が不要に吸引されていたりして、せつかくブロワ
ーの回転数が上つて流量調整ダンパーが開いて
も、即ち、ブロワー自体の吸煙容量が所定の大容
量に達しても、先端の捕集フードや捕集導管内ま
で上記大容量の吸煙力が作用しないケースがあ
り、このため上記従来方式では不十分で含塵ガス
噴出事故を招く虞れがあつた。

この発明は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とする処は、炉作業に応じてブロワーの吸
煙容量を大・小制御しながら集塵を行うものにお
いて、炉作業開始の際にブロワーの吸引容量の増
大により、その所定の大容量吸煙力が先端側の捕
集フード或いは捕集導管内に作用して含塵ガスの
吸煙捕集のための完全な集塵準備完了状態となつ
ているか否かを確実に確認できて、含塵ガス噴出
事故を確実に防止できるようになる集塵方法を提
供することにある。

つまり、この発明はコークス炉の炉作業に応じ
て集塵設備のブロワーの吸煙容量を大・小制御し
ながら集塵運転する集中集塵方式のものにおい
て、炉作業を開始する際に、ブロワーの吸煙容量
を大容量に設定すると共に、その吸煙により捕集
フード又は捕集導管内が所定の負圧状態に到達し
たか否かを差圧計で確認し、その所定の負圧状態
の確認後に炉作業を開始して発生含塵ガスの集塵
を行う方法である。

以下この発明の一実施例を説明する。なおここ
ではコークス炉における装炭車集塵（炉室への原
料炭の装入作業時に発生する含塵ガスの集塵）方
法について例示するが、それ以外の炉作業例え
ば、コークスケーキ押出し作業時に発生する含塵
ガスの集塵即ち、ガイド車側集塵についても同様
に適用し得ることはもちろんのことである。

しかして先ず説明の便宜上この発明の方法に用
いた装置を図面により説明する。第１図はコーク
ス炉及びその装炭車集塵システムの概略的構成を
示す平面図で、第２図は同要部の拡大図であり、
図中１は多数の炉室１ａ…を列設したコークス
炉、２はそのコークス炉１の上面のレール３，３
上を炉列方向に沿つて走行する装炭車、４は装炭
車２の運転室、５…は装炭車２に搭載されて運転
室４からの指令により炉室１ａへの原料炭装入作
業を行う装炭機器で、第２図に示す如く各々原料
炭ホツパー５ａとその下端に突出する伸縮可能な
装入スリーブ５ｂとを備え、そのホツパー５ａ内
下部に図示しないが原料炭供給機構を有して、そ
の作動によりホツパー５ａ内の原料炭をコークス
炉１の炉室１ａ内にその頂部装入孔１ｂより落下
装入するようになつている。

ここで、上記装炭車２の各装炭機器５の装入ス
リーブ５ｂ外周にそれを取り囲む如く配して捕集
フード６がそれぞれ設けられて、この捕集フード
６で炉室１ａ頂部の装入孔１ｂ上側を覆うように
なつている。又装炭車２には上記各捕集フード６
…に先端を接続した捕集導管７が設けられ、この
捕集導管７の上方基端側部にシリンダ８により伸
縮移動せられる筒状のコネクタ７ａが設けられて
いると共に、そのコネクタ７ａ近傍にはシリンダ
９と回動レバー１０とからなる蓋開け機構が設け
られている。更にその捕集導管７の上方基端側寄
り部途中に該導管７内の負圧状態を検知する差圧
計１１が設けられている。

一方図中１２はコークス炉１の上方部にその炉
列方向に亘つて設けられた固定ダクトで、この固
定ダクト１２には各々装炭車２の移動する側に向
けて突出する多数の接続口１２ａ…がコークス炉
１の各炉室１ａ…と対応して設けられ、その各接
続口１２ａには回動アーム１３を介して自重によ
る常閉式の蓋１４がそれぞれ取付けられている。
また、図中１５は上記固定ダクト１２に吸煙導管
１６を介して接続する状態に地上設置された集塵
設備で、集塵機１５ａと、流量調整ダンパー１５
ｂと、サイリスタ制御モータ１５ｃにより回転駆
動されるブロワー１５ｄが備えられ、そのブロワ
ー１５ｄの排気側に排筒１７が設けられている。

而して、上述した装置を用いて装炭作業に伴う
集塵方法を述べると、先ず装炭車２を走行運転し
て原料炭を装入すべき炉室１ａ上に移動停止させ
る。ここで装炭車２の運転室４にて集塵開始スイ
ツチを押すことで電気信号を出し、この信号によ
り蓋開き機構のシリンダー９が作動してレバー１
０の回動により固定ダクト１２の対向した接続口
１２ａの蓋１４を第２図想像線に示す如く開放す
る。この蓋１４の開放に伴い動作するリミツトス
イツチ（図示せず）の信号でシリンダー８が作動
して捕集導管７のコネクタ７ａを進出させて該開
放した接続口１２ａに接続し、これにて固定ダク
ト１２と捕集導管７との連通を図る。一方上記集
塵開始スイツチにより信号を地上の集塵設備１５
のサイリスタ制御モータ１５ｃの回転数を上げる
と同時に流量調整ダンパー１５ｂを開く、これに
てブロワー１５ｄの吸煙容量を最大値である所定
の大容量に設定する。そのブロワー１５ｄの大容
量の吸煙作用により吸煙導管１６、固定ダクト１
２を介して捕集導管７内が負圧状態となる。しか
してその捕集導管７内が所定の負圧状態に達する
と差圧計１１がその検知動作を行つて負圧確認信
号を運転室４に送る。これにてブロワー１５ｄ及
び流量調整ダンパー１５ｂが確実に作動し且つそ
の大容量の吸煙力が配管途中でダクト閉塞や接続
不良等により阻害されずに先端方の捕集導管７内
に正しく作用していること、即ち完全な集塵準備
完了状態となつていることを確認する。しかして
その確認信号により運転室での手動操作又は自動
的に装炭指令信号を各装炭機器５…に送つてその
原料炭供給機構を動作せしめて、各々そのホツパ
ー５ａ内の原料炭を下部装入スリーブ５ｂから炉
室１ａの装入孔１ｂに落下装入開始する。

この装炭作業時に各装入孔１ｂ…から噴出する
多量の含塵ガスは該装入孔１ｂ…を覆う捕集フー
ド６…から捕集導管７内へ捕集吸煙して固定ダク
ト１２に導通し、そこから吸煙導管１６を介して
地上の集塵設備１５の集塵機１５ａに導通して集
塵処理し、清浄化した空気はブロワー１５ｄから
排筒１７を介して大気中へ放出する。

こうして集塵しながら一つの炉室１ａへの装炭
作業が終了したら、装炭車２の運転室４からの指
令信号で、シリンダー８が作動してコネクタ７ａ
を引き戻して固定ダクト１２を接続口１２ａから
離脱させ、その後シリンダー９が作動してレバー
１０を元の位置に復帰させて、該接続口１２ａの
蓋１４の自重による閉成を行わしめ、その蓋閉め
にてリミツトスイツチがOFF動作し、これにて
サイリスタ制御モータ１５ｃが制御されてブロワ
ー１５ｄの回転数を所定の値にダウンさせると同
時に、流量調整ダンパー１５ｂが絞られて、ブロ
ワー１５ｄの吸煙容量を低下する。

なお、この発明は上述した実施例のみに限定さ
れることなく、例えば差圧計１１は捕集導管７の
先端方の捕集フード６内の負圧状態を検知すべく
設けてもよく、或いはコネクタ７ａ内部でもよ
い。又ブロワー１５ｄの吸煙容量の大・小制御は
前述の如く回転数と流量調整ダンパーの開度調整
との併用で行つてもよいが、回転数制御だけ又は
ダンパー開度調整だけで行つてもよい。その他本
発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々変更可
である。

この発明は以上詳述した如くなしたから、炉作
業開始の際に、ブロワーの吸煙容量の増大により
その所定の大容量の吸煙力が先端側の捕集フード
或いは捕集導管内に作用して含塵ガスの吸煙捕集
のための完全な集塵準備完了状態となつているか
否かを確実に確認できて、炉作業時の含塵ガス噴
出事故を確実に防止できることになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の方法の一実施例に用いたコー
クス炉における装炭車集塵装置を示すもので、第
１図は概略的平面図、第２図は要部分の拡大図で
ある。 １……コークス炉、１ａ……炉室、１ｂ……装
入孔、２……装炭車、３……レール、４……運転
室、５……装炭機器、５ａ……ホツパー、５ｂ…
…装入スリーブ、６……捕集フード、７……捕集
導管、７ａ……コネクタ、８，９……シリンダ、
１０……レバー、１１……差圧計、１２……固定
ダクト、１２ａ……接続口、１３……回動アー
ム、１４……蓋、１５……集塵設備、１５ａ……
集塵機、１５ｂ……流量調整ダンパー、１５ｃ…
…サイリスタ制御モータ、１５ｄ……ブロワー、
１６……吸煙導管、１７……排筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コークス炉からその炉作業時に発生する含塵
   ガスを、その含塵ガス発生箇所を覆う捕集フード
   と、このフードより延出する捕集導管と、この捕
   集導管が接続する開閉蓋付き接続口を有し前記コ
   ークス炉の炉列に沿つて設置された固定ダクトと
   を介し、地上設置した集塵設備にブロワーの吸煙
   により導通して集塵処理すると共に、非集塵時に
   は前記ブロワーの吸煙容量を低く制御するコーク
   ス炉における集塵方法において、前記含塵ガス発
   生を伴う炉作業を開始する際に、前記ブロワーの
   吸煙容量を大容量に設定すると共に、前記捕集導
   管又は捕集フードに配設した差圧計で前記ブロワ
   ーの吸煙により前記捕集導管内又は捕集フード内
   が所定の負圧状態に到達したか否かを検知し、そ
   の捕集導管内又は捕集フード内が所定の負圧状態
   に到達して該差圧計から負圧確実信号が得られた
   後に、前記炉作業を開始して発生含塵ガスの集塵
   を行うことを特徴とするコークス炉における集塵
   方法。