JPH0379000B2 - - Google Patents

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JPH0379000B2
JPH0379000B2 JP61112537A JP11253786A JPH0379000B2 JP H0379000 B2 JPH0379000 B2 JP H0379000B2 JP 61112537 A JP61112537 A JP 61112537A JP 11253786 A JP11253786 A JP 11253786A JP H0379000 B2 JPH0379000 B2 JP H0379000B2
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JP
Japan
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erythropoietin
gene
cells
vector
neo
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Masaji Ueda
Kunihisa Akai
Masahiko Murakami
Hideo Chiba
Ryuzo Sasaki
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/505Erythropoietin [EPO]

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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、造血因子、すなわち、赤血球生成促
進因子であるエリスロポエチン(ヒト・エリスロ
ポエチン)の製造方法、さらに詳しくは、組換え
DNA技術によりエリスロポエチンの高い産生能
を有する細胞を作成し、該エリスロポエチン産生
細胞を用いてヒト・エリスロポエチンを効率的に
製造する方法に関する。 従来の技術とその問題点 エリスロポエチンは、骨髄に存在する赤血球系
前駆細胞(CFU−E)に作用して、赤血球細胞
への分化を促進する赤血球生成促進因子であつ
て、ヒト・エリスロポエチンの物性は下記のとお
り報告されている。 ヒト・エリスロポエチンは、分子量35,000を
有する糖タンパク質であつて、〔Yanagawa S.et
al.「J.Biol.Chem.」(ジヤーナル オブ バイオロ
ジカル ケミストリイ)、259、2707−2710
(1984)〕、そのペプチド部分は166個のアミノ酸よ
り成る1本鎖ポリペブチドである〔Jacob K.et
al.「Nature」(ネーチア)、313、806−810(1985)

とそれぞれ報告されている。 また、ヒト・エリスロポエチンのcDNA及びゲ
ノムDNAの構造も上記Jacob K.等の報告にみら
れるとおり明らかにされている。 また、エリスロポエチンの臨床的効用について
は、貧血患者の尿より採取して純化した標品を用
いての動物実験に基づいて、エリスロポエチンの
赤血球産生の亢進効果が確認されている
〔Masunaga H.et al.「Acta Hematal Jpn.」in
press(アクタ ヒマトロジイ ジヤパン)インプ
レス〕。 したがつて、エリスロポエチンは、臨床上の応
用として腎疾患者の貧血治療、腎不全域は腎摘出
後の血液透析患者の貧血防止、手術後貧血の赤血
球産生増進による回復促進等への適応が可能な医
薬に用いられる。 而して、エリスロポエチンは、上述のように臨
床上貧血治療への応用が期待されるものの、医薬
としての高純物のものを大量に供給することが困
難であるため、医薬品として開発は遅れているの
が現状である。。すなわち、エリスロポエチンは
再生不良性貧血患者の尿中に含まれていることか
ら、従来は、該尿から分離、採取して精製したも
のを試験研究に用いられるにすぎなかつた。 このような状況に鑑み、本発明者等は、最近エ
リスロポエチンで免役した実験動物の脾臓細胞と
ミエローマ細胞とを細胞融合させたハイブリドー
マより得られるモノクロートナル抗エリスロポエ
チン抗体を結合した吸着剤を用いることにより、
貧血患者尿から純粋なエリスロポエチンを高収率
で製造する方法を開発した(特開昭60−41614)。 しかし、上記方法による原料としての上記尿の
供給が制限されるため、エリスロポエチンを大量
に生産して医薬として定常的に供給することは困
難とされる。 また本発明の出願日以降に公開された、特表昭
61−501627、特表昭62−501010、特開昭62−
171696号公報には、ヒトEPOの遺伝子をクロー
ニングし、このEPO遺伝子をSV40遺伝子のプロ
モーターを有するベクターに組み込み動物細胞で
発現させる方法が開示されている。しかし、これ
らの発現系がEPOの生産に適するか否かは何ら
検討されていない。 したがつて、エリスロポエチンを貧血治療用医
薬として提供するには、高い生産量を示すエリス
ロポエチン産生細胞の作成を確立することによ
り、高純度のエリスロポエチンを高収率で製造す
るための技術を確立する必要があると考えられて
いる。 発明が解決しようとする課題 本発明は、エリスロポエチン生産上の上述した
状況に鑑みなされたものであつて、組換えDNA
技術を利用することにより、エリスロポエチンの
高い生産能を有するエリスロポエチン産生細胞を
作成し、該細胞を培養して得られたエリスロポエ
チンをモノクローナル抗ヒト・エリスロポエチン
抗体吸着カラムを用いて精製することにより、高
純度のエリスロポエチンを高収率で製造し得る方
法を提供することを課題とする。すなわち、本発
明は、貧血患者尿或は低い生産性のエリスロポエ
チン産生細胞の培養上清液を原料として用いてエ
リスロポエチンを製造することから成る従来方法
の問題点であつた原料上の制約を解消して、エリ
スロポエチンを大量生産方式で製造することを可
能とするものである。 本発明者は、エリスロポエチン遺伝子を、特別
に作成したベクターを介してマウス由来のプサイ
(Ψ)2細胞或はシリアンハムスター子腎由来の
BHK21細胞へ導入することによりエリスロポエ
チンを恒常的に効率よく産生する細胞を作成し、
得られたエリスロポエチン産生細胞を培養してエ
リスロポエチンを生産し、次いでエリスロポエチ
ンを単離、精製することにより、上記課題の解決
に成功した。このEPO発現プロモーターと生産
宿主の組み合わせは、SV40プロモーターよりも
高いEPO生産能を有していることが確認された。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明の特徴は、エリスロポエチン遺伝子を、
レトロウイルスLTR(long terminal repeat)プ
ロモーターを有するベクターに挿入することによ
りエリスロポエチン形質導入ベクターを作成し、
該エリスロポエチン形質導入ベクターをDNAト
ランスフエクシヨン法によりプサイ(Ψ)2細胞
或はBHK21細胞へ導入してエリスロポエチン産
生細胞を作成するとともにエリスロポエチンを恒
常的に産生する細胞を樹立し、次いで該細胞を培
養してエリスロポエチンを生産し、得られたエリ
スロポエチンをモノクローナル抗ヒト・エリスロ
ポエチン抗体吸着カラムにより単離することにあ
る。 課題を解決するための手段 本発明では、まず下記手段に従つてエリスロポ
エチン形質導入ベクターを作成する。 選択マーカーneor遺伝子を含有するエリスロ
ポエチン形質導入ベクターの作成: ヒト尿由来の精製エリスロポエチンを蛋白分解
酵素もしくはシアン化臭素により、断片化して得
たペプチド断片のアミノ酸配列から全アミノ酸配
列を決定した。この配列はヒトエリスロポエチン
全アミノ酸配列〔ネイチユアー(Nature)第313
巻第806−810頁(1985年)〕に一致した。この配
列に基づいて次の式に示されるプローブ()〜
()を合成した。
【表】 ヒト・ゲノムDNAライブラリー〔セル(Cell)
第15巻第1157〜1174頁(1978年)に記載されたヒ
ト胎児肝臓ゲノムライブラリー〕を著者の一人テ
イ・マニアテス(T.Maniatis)氏から分譲を受
け、このライブラリーから前記合成プローブ
()〜()を用いてプラークハイブリダイゼ
ーシヨン法によつてスクリーニングを行い、ヒト
エリスロポエチン遺伝子を得た。このようにして
得られたヒトエリスロポエチン遺伝子を、プラス
ミドpUC8の制限酵素EcoRとSmaによる切
断部位に挿入したプラスミドphEP1404を制限酵
素Bgl及びBamHで切断してエリスロポエチ
ン遺伝子を分離し、該エリスロポエチン遺伝子を
哺乳動物細胞用シヤトルベクターpZIP−NeoSV
(X)1のLTRの下流でNeor遺伝子の上流の制
限酵素BamH切断部位に挿入し、エリスロポ
エチン遺伝子が正しく挿入されたものを制限酵素
地図解析により選択して得られる。 エリスロポエチン形質導入ベクター(選択マ
ーカーneor遺伝子を含まない)の作成: 前記のようにして得られたエリスロポエチンゲ
ノム遺伝子を含むフアージDNAをXma ,ク
レノー及びEcoRで順次処理し、3.5%ポリアク
リルアミドゲルで電気泳動し、2.5Kbの精製
DNAを得た。一方、プラスミドpUC8をEcoR
及びSmaで切断し、このEcoR,Sma切断
断片と前記精製DNA断片とをT4DNAリガーゼ
を用いてライゲーシヨンしてエリスロポエチン遺
伝子を含むプラスミドを作成した。このプラスミ
ドをBamH及びBgl で切断してBamH−
Bgl 断片を得た。 哺乳動物細胞用シヤトルベクターpKSV10〔ピ
ー・エル・バイオケミカル社製(P.L
biochemicals,Inc.)同社カタログ参照〕にBgl
反応緩衝液及びBgl を加えて反応させて、プ
ラスミドpKSV10を開環させ、これに前記BamH
−Bg1 断片をT4DNAリガーゼを用いてラ
イゲーシヨンを行つてエリスロポエチン遺伝子発
現ベクターpSVhEPXを作成した。この発現ベク
ターはヒトゲノムエリスロポエチン遺伝子がシヤ
トルベクターpKSV10のSV−40初期遺伝子プロ
モーターの下流に挿入されている。この発現ベク
ターpSVhEPXを制限酵素Apaで切断した後、
T4ポリメラーゼで3′突起部位を除去し、次いで
制限酵素BamHで切断してエリスロポエチン
遺伝子を含む切断片を得、一方CAT遺伝子発現
ベクターpMLVCATを制限酵素BamHとSma
で切断してLTRを含む切断片を得、このよう
にして得た両断片をT4リガーゼにより接続して
エリスロポエチン遺伝子が正しく挿入されたもの
を制限酵素地図解析により選択して得られる。 また、上記により作成されるエリスロポエチ
ン形質導入ベクターを用いて動物細胞でエリスロ
ポエチンの形質導入を行うに際して、エリスロポ
エチン遺伝子を動物細胞において高く発現させる
ために上記形質導入ベクターと混合して用いる選
択マーカーneor遺伝子導入ベクターは下記手順に
従つて作成し得る。 選択マーカーneor遺伝子導入ベクター
(pKSVNeo)の作成: 選択マーカーneor遺伝子を含有するプラスミド
pNEOを制限酵素Hindで切断した後、KIenow
酵素DNAポリメラーゼ)で5′突起を修復し、次
いでBamHリンカーを接続した後、BamH
で切断したneo遺伝子(1946bp)断片をシヤト
ルベクターpKSV−10のBgl による切断部位
に挿入して該シヤトルベクターpKSV−10の
SV40の初期遺伝子プロモーターの下流にneo遺
伝子が正しく挿入されたものを制限酵素地図解析
により選択して得られる。 本発明は、上述のようにして作成されたエリス
ロポエチン形質導入ベクターを用いてエリスロポ
エチン遺伝子を動物細胞に導入することによりエ
リスロポエチン遺伝子を高く発現した細胞を作成
するものであつて、下記手順によりエリスロポエ
チン遺伝子を動物細胞へ導入する。 上記により作成した選択マーカーneor遺伝子
を含有するエリスロポエチン形質導入ベクターを
用いる場合は、該ベクター単独を、リン酸カルシ
ウムを用いるDNAトランスフエクシヨン法によ
りプサイ(Ψ)2細胞(マウス由来)或は
BHK21細胞(シリアンハムスター子腎由来)へ
導入し、上記により作成したneor遺伝子を含有
しないエリスロポエチン形質導入ベクターを用い
る場合は、上記により作成した選択マーカー
neor遺伝子導入ベクターを好ましくは10:1の割
合で混合して、リン酸カルシウムを用いるDNA
トランスフエクシヨン法によりBHK21細胞(シ
リアンハムスター子腎由来)に導入する。 次に、上述のごとくしてエリスロポエチン遺伝
子を導入することによる、上記動物細胞における
エリスロポエチン遺伝子の発現は、G418耐性細
胞の生成により確認し得る。すなわち、エリスロ
ポエチン遺伝子を導入した細胞を希釈して培地に
接種して培養し、この培養液にG418を添加して
培養を行い生成するG418耐性細胞を選択し、さ
らに、培養液中にエリスロポエチンを放出してい
る細胞を選択する。 次いで、このようにして選択した細胞を限界希
釈法によりエリスロポエチン遺伝子を発現してい
る細胞をクローニングすることによる発現の高い
ものを選択し、エリスロポエチン遺伝子を恒常的
に産生する細胞株を樹立する。 なお、上記樹立された細胞株により産生される
エリスロポエチンの確認はラジオイムノアツセイ
法及びマウス胎児肝細胞を用いたin vitroバイオ
アツセイ法により行つた。 次に、上述のようにして作成したエリスロポエ
チン産生細胞を血清を含む合成培地中で培養し、
得られた培養上清を限外濾過膜(分画分子量
13000)を用いて高分子成分を濃縮して分離した
後、上清液をモノクローナル抗ヒト・エリスロポ
エチン抗体吸着カラムに通し、次いで溶出して得
られる溶出液をゲル濾過することによりエリスロ
ポエチンを単離して精製組換えエリスロポエチン
を得る。 以下に実施例を示して本発明及びその効果を具
体的に説明する。 実施例 1 本例は、選択マーカー遺伝子とエリスロポエチ
ン遺伝子を同一ベクター上に含有するベクターを
用いて作成したエリスロポエチン産生細胞による
エリスロポエチンの製造を示したものである。 選択マーカーneor遺伝子を含有するエリスロポ
エチン形質導入ベクター(pZIPNeoSV(X)
EPO)の作成 116μのTE−緩衝液(10mM Tris−HCl、
1mM EDTAPH7.4)に溶解したプラスミド
PhEP1404(前記のようにして得られたエリスロ
ポエチンゲノム遺伝子を含むフアージDNAを
Apa,T4ポリメラーゼ及びEcoR で順次処
理し、3.5%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動
し、2.4Kbの精製DNAを得た。プラスミドpUC8
をEcoR及びSmaで切断し、このEcoR,
Sma切断断片と、前記精製DNA断片とを
T4DNAリガーゼを用いてライゲーシヨンして作
成した:大きさ5.1Kb)10μgに対し、5倍濃度
のBgl 反応緩衝液(50mM Tris−HCl、
35mM Mgcl2、500mM NaCl、35mMメルカプ
トエタノール)40μを加えた後に、各20単位の
制限酵素Bgl 及びBamHを加え、37℃、2
時間反応した後、3.5%アクリルアミドゲル電気
泳動を行い、2.4kbのBgl −BamH断片
(エリスロポエチン遺伝子)に相当するゲルの部
位を切り出し、ゲルを微細に破砕した後、溶出用
緩衝液(0.5M酢酸アンモニウム、1mM EDTA、
0.1%SDSPH8.0)を1.0ml加え、37℃で1晩インキ
ユベートし、DNAの抽出を行つた。DNAは遠心
によりアクリルアミドゲルを沈降させ、上層の水
層を集め、1回のフエノール抽出、3回のエーテ
ル抽出により、水層に含まれるフエノールを除去
した後、2倍量のエタノールを加えDNA断片を
沈澱させた。DNA断片(沈澱)を遠心により回
収し、DNAを乾燥させた後20μの滅菌水に溶
解し、エリスロポエチン遺伝子溶液とした。 一方、シヤトルベクターpZIP−NeoSV(X)
15μg(5μのTE−緩衝液に溶解)に5倍濃度
のBamH反応緩衝液(Bgl 反応緩衝液に同
じ)20μを加えた後、制限酵素BamH を加
え、37℃で1時間反応させ、開環させた。 この反応液をフエノール抽出1回、エーテル抽
出3回、エタノール沈澱1回の処理を行い、
DNAを乾燥させた。350ng(ナノグラム10-9g)
のBamH開環pZIP−NeoSV(X)1(4μの水
に溶解)に200ngのエリスロポエチン遺伝子
(16μ)、2μの10倍濃度ligation反応緩衝液
(660mM Tris−HCl、66mM MgCl2、100mM
DTT、PH7.6)2μの9mM ATP及び3μの
T4DNA ligase(8.4単位)を加え、4℃で1晩反
応を行つた。反応液を2回フエノール抽出、3回
エーテル抽出、1回エタノール沈澱の処理を行つ
た後、DNAを乾燥させ20μのTE−緩衝液に溶
解して、形質転換用DNA溶液とした。そのDNA
溶液10μを用いて、200μの大腸菌DH−1コ
ンピテント(Competent)細胞を形質転換した
(形質転換頻度3×106個/μgpBR322)。 以上の操作により、35株のアンピシリン−カナ
マイシン耐性形質転換株を得た。うち11株につい
て、プラスミドの制限酵素切断地図解析を行い、
目的とするエリスロポエチン形質導入ベクターを
有する4株を選択した。さらにうち1株を用い、
常法に従い、プラスミドー調製を行い、エリスロ
ポエチン形質導入ベクター(pZIPNeoSV(X)
EPO)を作成した。次いで、このようにして作
成したエリスロポエチン形質導入ベクターを用
い、DNAトランスフエクシヨン法により下記手
順でエリスロポエチン遺伝子を動物細胞へ導入し
た。 (イ) プサイ(Ψ)2細胞へのエリスロポエチン遺
伝子の導入 4×105個のマウス由来のΨ2細胞を6cm径シヤ
ーレに播種し、翌日、リン酸カルシウム法による
DNAトランスフエクシヨンを行つた。すなわち、
50μの水に溶解した50μgのpZIP−NeoSV(X)
EPO、300μの2M塩化カルシウム液及び水2.1ml
を混合しA溶液とした。次に、B溶液として、
0.28MNaClを含む50mM HEPES(PH7.1)2.5ml
と35mMNaH2PO4−35mM Na2HPO4100μを
混合した。B溶液をはげしく撹拌しながら、これ
にA溶液を徐々に滴下し、DNAをリン酸カルシ
ウムと共沈し、室温で30分間放置することにより
沈澱を成長させた。 上記のようにして調製したDNA−リン酸カル
シウム液0.4mlを先に調製したΨ2細胞の培養液
〔Dulbecco,s Modified Eagle MEM(DME)
+10%子牛血清(CS)〕4ml中に添加し、18時間
CO2インキユベーター内で培養した。 得られた培養液に25%グリセロールを含む
PBS溶液0.4mlを加え、1分間放置した後、DME
溶液で3回洗浄後、4mlの上記培養液を加え、
CO2インキユベーター内で更に培養を行つた。1
日後、培養液を交換し、翌日シヤーレ5枚に播種
し直した(1/5Split)。さらに、翌日から400μ
g/mlのG418を含む培養液に取り換え、その後
適時、培養液を交換し、2週間培養を行い、
G418耐性細胞を選択し、限界希釈法によりクロ
ーニングを行つた。クローニング時に適時G418
400μg/mlを含む培養液を取り換え、2週間後、
96穴マイクロプレート1枚当り19ウエール(プレ
ート1枚当り50細胞を播種)にコロニーを見出し
た。 上記により見出されたコロニーの培養上清中の
エリスロポエチン活性をラジオイムノアツセイ法
(PIA)により測定した結果、全ての培養上清に
ついてエリスロポエチン活性(0.02〜2単位/
ml)が認められ、エリスロポエチン遺伝子発現量
の高いコロニーを選出し、G418含有培養液で増
殖後、再び同様にして限界希釈を行つてエリスロ
ポエチンを恒常的に生産する細胞株を樹立し、
EPOΨ×9Eと命名した。なお、EPOΨ×9Eの培
養上清中に見出されるエリスロポエチンとその生
産量をラジオイムノアツセイ法及びマウス胎児肝
細胞を用いたin vitroバイオアツセイ法で調べた
結果、両者は同一の活性を示し、1500単位/
106cell/dayであつた。 (ロ) BHK21細胞へのエリスロポエチン遺伝子の
導入 上記Ψ2細胞へのエリスロポエチン遺伝子の導
入方法と同様な手順で行つた。すなわち、2×
106個のBHK21細胞をDNAトランスフエクシヨ
ンの前日に25cm2T−フラスコに播種し〔培養液:
Basal Medium Eagle(BME)+10%CS+10%
Tryptose Ph−osphate Broth〕、前記と同様な
DNA−リン酸カルシウム溶液を用い、BHK21細
胞へのDNAトランスフエクシヨンを行つた。次
いでG418耐性細胞を選択後、2回の限界希釈法
を用いた細胞のクローン化を行い、エリスロポエ
チンを恒常的に生産する細胞株を樹立し、
EPOBX7Aと命名した。本細胞株のエリスロポ
エチンとその生産量をラジオイムノアツセイ法及
びマウス胎児肝細胞を用いたin vitroバイオアツ
セイ法で調べた結果、両者は同一の活性を示し、
1000単位/106cell/dayであつた。 次に、上述のようにして組換えを行つて作成し
たエリスロポエチン産生細胞、EPOΨ×9Eを下
記手順により培養してエリスロポエチンを生産
し、次いで単離を行つた。なお、EPOBX7A細
胞を用いて同様にしてエリスロポエチンを生産し
得た。 組換え(Recombinant)エリスロポエチンの
生産と単離 EPOΨ×9E1.5×108細胞をセルフアクトリー10
チヤンバー(6000cm2)(ヌンク社製)に播種し、
培養液〔Dulbecco,s Modified Eagle MEM
(DME)+10%子牛血清(CS)〕1存在下で3
日間培養した後、3日毎に2の培養液と交換し
た。本培養液中に含まれるエリスロポエチン活性
をラジオイムノアツセイ法で定量した結果、100
〜300単位/mlであつた。エリスロポエチンの単
離は特開昭60−41614号の方法に準じて行つた。 上記の方法で培養して得られた培養液11
(EPO活性2.0×106単位含有)を温度管理(5〜
10℃)下において、限外濾過装置を用いて分子量
1万以上の画分の濃縮し、さらに、PBS(リン酸
塩緩衝食塩水)を加え、同様に濃縮することによ
り、エリスロポエチン濃縮液1.5を得た。 本濃縮液に2%SDSとなる様にSDS粉末を加
え、100℃3分間加熱後、4℃に冷却し、さらに
0℃で1晩放置した後、遠心によりSDSを除去
し、上清液1.2を得た。本上清液をモノクロー
ナル抗ヒト・エリスロポエチン抗体をAffi−
Gel10に吸着させて作成した抗体吸着カラム(抗
体吸着量;0.5g/10mlAffi−Gel10;3.6cm×3cm
床容量30ml)に60ml/hrの流速で通した。次に
PBS2000ml、0.5M NaClを含む10mMリン酸緩
衝液(PH7.4)、400ml、0.15M NaCl400mlの順に
100ml/hrでカラムを洗浄後、0.2M酢酸と0.15M
NaClとの混合液を30ml/hrの流速で流し、溶出
液として100mlを得た。尚、本溶出液中には、エ
リスロポエチン活性が1.2×106単位含まれてい
た。さらに次のようにしてゲル濾過を行つた。 上記溶出液に対し、3.4Mトリス溶液を適量加
え、中和後水に対して透析した後、凍結乾燥を行
うことにより濃縮を行つた。次に本凍結乾燥粉末
に0.15M NaClを含む10mMリン酸ナトリウム緩
衝液(PH7.5)6mlに溶解し、そのうちの3mlを
予め、前記と同じ緩衝液で平衡化してセフアデツ
クスG100充填カラム(1.2cm×150cm、床容量170
ml)に6ml/hrで通し、分子量による分画を行
い、高分子不純物を除去し、エリスロポエチン活
性画分を得た。残り3mlのエリスロポエチン濃縮
液も同様の操作を行うことにより分子量分画を行
い、エリスロポエチン活性画分を得た。両操作に
よつて得られたエリスロポエチンは1.08×106
位であつた。本標品の純度検定をSDSポリアクリ
ルアミド電気泳動法により行つたが、不純なタン
パク質は認めらさなかつた(分子量約35000の部
位に単一なバンドとして認められた)。 以上の様にして高純度のγ−エリスロポエチン
を取得することができた。 実施例 2 本例は、エリスロポエチン形質導入ベクターと
選択マーカー形質導入ベクターのコ・トランスフ
エクシヨンにより作成したエリスロポエチン産生
細胞によりエリスロポエチンの製造を示したもの
である。 エリスロポエチン形質導入ベクター
(pMLVEPO)の作成 10μの水に溶解したプラスミドpSVhEPX10μ
gに対し、5倍濃度のApa反応緩衝液(50mM
Tris−HCl、50mM MgCl2、50mMメルカプト
エタノール、0.05%BSA、PH7.5)20μ及び水
70μを加えた後に制限酵素Apa20単位を加え、
37℃1時間反応させた後、1回のフエノール抽出
及び3回のエーテル抽出により、水層に含まれる
フエノールを除去した後に2倍量のエタノールを
加え、DNAを沈澱させた。遠心により、DNA
(沈澱)を回収し、DNAを乾燥させた後に、78μ
の水、10倍濃度のT4DNAポリメラーゼ反応緩
衝液(670mM Tris−HCl、67mM MgCl2
100mMメルカプトエタノール、67μM EDTA、
166mM(NH42SO4、0.167%BSA、PH8.8)10μ
及び2mMdNTP(dATP、dGTP、dCTP及び
dTTPの混合液)8μを加え、混合した後20単位
のT4DNAポリメラーゼを加え、37℃10分間反応
させた後、1回のフエノール抽出によりDNAを
回収した後、予めTE−緩衝液で平衡化した
Sephadex G50スパンカラムにより未反応の
dNTPを除去した後、2倍量のエタノールを加
え、DNAを沈澱させた。遠心によりDNA(沈澱)
を回収し、乾燥した後に水80μ及び5倍濃度の
BamH反応緩衝液(前記Bgl 反応緩衝液に
同じ)20μを加えDNAを溶解した後に、制限
酵素BamH20単位を加え、37℃で1時間反応
後、1回のフエノール抽出、3回のエーテル抽出
により水層に含まれるフエノールを除去した後
に、2倍量のエタノールを加え、DNA断片を沈
澱させた。遠心により回収したDNA断片を乾燥
した後に水180μ、10倍濃度EcoR反応緩衝液
(500mM Tris−HCl、70mM MgCl2、1M
NaCl、70mMメルカプトエタノール、0.1%
BSA)20μを加えてDNAを溶解した後に、こ
れに20単位の制限酵素EcoRを加え、37℃で1
時間反応を行つた後、1回のフエノール抽出、3
回のエーテル抽出により水層に含まれるフエノー
ルを除去後、2倍量のエタノールを加え、DNA
断片を沈澱させ、遠心により回収した後に、常法
に従い、1%アガロースゲル電気泳動を行い、エ
リスロポエチン遺伝子を含むBamH−Apa
断片に相当するゲルの部位を切り出し、DE−81
ペーパー法により、4μgのDNA断片(エリスロ
ポエチン遺伝子)を回収した。 CAT遺伝子を持つプラスミドpYEJ001〔ピー・
エル・バイオケミカル社製(P.L biochemicals,
Inc.)同社カタログ参照〕によりHindにより
CAT遺伝子を切り出し、クレノウ酵素により
5′末端の修復を行ない、BamH リンカーを結
合させ、BamH により末端処理を行つた。
また、プラスミドpZIP−Neo(X)〔セル
(Cell)第37巻第1053−1062頁(1984年)参照〕
を同誌に記載されているようにBamH によ
り開環し、この部位に前記CAT遺伝子を同誌に
記載されているcDNAとして挿入してプラスミド
pMLVCATを作成した。このレトロウイルス
(Molony Murine Leukemia Virus)LTRのプ
ロモーターを含有するCAT発現ベクター
pMLVCAT10μg(10μの水に溶解)に10倍程
度のSma反応緩衝液(100mM Tris−HCl、
70mM MgCl2、200mM KCl、70mMメルカプト
エタノール、0.1%BSA)10μ、及び水80μを
加えた後、これに制限酵素Sma10単位を加え、
37℃で1時間反応した後、1回のフエノール抽
出、3回のエーテル抽出、1回のエタノール沈澱
操作により、DNAを回収し、乾燥後、160μの
水に溶解し、5倍程度のBamH反応緩衝液40μ
を加え、制限酵素20単位を加え、37℃で1時間
反応を行つた後、1回のフエノール抽出、3回の
エーテル抽出、1回のエタノール沈澱操作によ
り、DNA断片を回収し、乾燥後150μの水、5
倍濃度のCIP反応緩衝液(250mM Tris−HCl、
5mM MgCl2、0.5mM ZnCl2、5mM spermidine
PH9.0)、30単位のCIP(calf intestinal alkaline
phosphate)を加え、37℃で15分間次いで56℃で
15分間反応後更に30単位のCIPを加え、同様の反
応を行つた後、1回のフエノール抽出、3回のエ
ーテル抽出及び1回のエタノール沈澱操作によ
り、DNAを回収した。得られたDNAを常法に従
い、1%アガロースゲル働気泳動を行い、LTR
のプロモーターを含有するSma−BamH断
片に相当するゲルの部位を切り出し、DE−81ペ
ーパー法により、4μgのDNA断片(pMLVに相
当)を得た。 1μgのSma−NamH断片と2μgのBamH
−Apa断片を6μのTE−緩衝液に溶解し、
40%ポリエチレングリコール2μ、10倍濃度
ligation反応緩衝液を加え、37℃で10分間、25℃
で10分間、次いで4℃で10分間反応を行つた後、
これに10mM ATP1μ、1μのT4DNAligase
(2.8単位)を加え、4℃で1晩反応を行つた。得
られた反応液についてTE−緩衝液40μを加え
た後に、1回のフエノール抽出、3回のエーテル
抽出及び1回のエタノール沈澱操作を行つた後
に、遠心により、DNAを回収し、乾燥後20μ
のTE−緩衝液に溶解して、形質転換用DNA溶液
とした。このDNA溶液10μを用いて200μの
大腸菌DH−1コンピテント細胞を形質転換し、
カナマイシン耐性形質転換細胞を得、プラスミド
の制限酵素の切断地図解析を行い、目的とするエ
リスロポエチン形質導入ベクターを選択し、常法
に従いプラスミド調製を行い、エリスロポエチン
形質導入ベクター(pMLVEPO)を調製した。 選択マーカーneor遺伝子導入ベクターの作成 10μのTE−緩衝液に溶解した2.5μgのプラス
ミドpNEO」〔ピー・エル・バイオケミカル社製
(P.L biochemicals,Inc.)同社カタログ参照〕
に対し、10倍濃度のHind 反応緩衝液
(100mM Tris−HCl、100mM MgCl2、500mM
NaCl、10mM DTT、PH7.5)10μ、滅菌水76μ
を加えた後、50単位のHind を加え、37℃
で2時間反応した後、1回フエノール抽出、3回
エーテル抽出、エタノール沈澱1回の処理を行
い、DNAを乾燥させた後、50μの滅菌水に溶
解した。本溶液に10倍濃度のKIenow反応緩衝液
(500mM Tris−HCl、100mM MgSO4、1mM
DTT、500μg/mlBSA)、25μの2mM dNTP
(dATP、pGTP、dCTP、dTTPの混合液)滅菌
水113μ及び10単位のKIenow酵素(DNA
polymerase I large fragment)を加え、22℃
で30分間反応を行い、5′末端突起部位の修復を行
つた。フエノール抽出1回、エーテル抽出3回、
エタノール沈澱1回の処理を行いDNAを乾燥さ
せ、10μの滅菌水に溶解した。 次に、3μのBamH リンカー〔d
(pCGGATCCG)、1μの水に溶解〕、10倍濃度
のligation反応緩衝液3μ、滅菌水16μ及び4μ
のT4−DNA ligase(11.2単位)を加え、22℃
6時間の反応を行つた。フエノール抽出1回、エ
ーテル抽出3回、エタノール沈澱1回の処理後、
DNAを乾燥させ、80μの滅菌水に溶解し、5
倍濃度のBgl 反応緩衝液20μ、50単位の
BamH を加えて、37℃で3時間反応を行つ
た。本反応液を3.5%ポリアクリルアミドゲル電
気泳動を行うことによりDNA断片を分離し、
1496bpのneo遺伝子に相当するゲルの部位を切り
出し、ゲルを微細に破砕した後溶出用緩衝液
400μを加え、37℃で1晩の抽出を行つた。遠
心によりアクリルアミドゲルと水層とに分け、水
層をフエノール抽出1回、エーテル抽出3回、エ
タノール沈澱1回を行いDNAを精製した。 50ngのneo遺伝子(19μの水に溶解)と、
110μgのBgl 切断CIP処理pKSV−10(4μの
水に溶解)に10倍濃度のligation反応緩衝液3μ
、9mM ATP溶液1.2μ及び2μのT4−DNA
ligase(5.6単位)を加え、4℃1晩の反応を行つ
た。 反応液を2回フエノール抽出、3回エーテル抽
出、1回のエタノール沈澱の処理を行つたのち、
DNAを乾燥させ、20μのTE−緩衝液に溶解
し、形質転換用DNA溶液とした。その溶液5μ
を用いて200μの大腸菌DH−1コンピテント細
胞に形質転換した。(形質転換頻度3×106個/μ
gpBR322)。 以上の操作により21株のアンピシリン−カナマ
イシン耐性形質転換株を得た。うち11株について
プラスミドの制限酵素切断地図解析を行い、正確
な方向にneo遺伝子の挿入された選択マーカー
neor遺伝子導入ベクターを有する4株を選択し
た。さらに、うち1株を用いて、常法に従いプラ
スミド調製を行い選択マーカーneor遺伝子導入ベ
クター(pKSV Neo)を調製した。尚本ベクタ
ーの動物細胞におけるneo遺伝子の発現はL−
929細胞へのneo遺伝子の形質導入を行い、G−
418耐性細胞の生成により確認した。 BHK21細胞へのエリスロポエチン遺伝子の導入 実施例1に記載したと同様な手順で行つた。す
なわち、2×106個のBHK21細胞を25cm2−Tフラ
スコに播種し、翌日DNAトランスフエクシヨン
を行つた。50μの水に溶解した50μgの
pMLVEPO、5μの水に溶解した5μgの
pKSVNeo、300μの2M塩化カルシウム液及び
水2.1mlを混合しA溶液として使用した。DNAト
ランスフエクシヨン後、G418耐性細胞を選択し、
2回の限界希釈法を用いた細胞のクローン化を行
い、エリスロポエチンを恒常的に生産する細胞株
を樹立しEPOBM8Eと命名した。本細胞株のエ
リスロポエチン生産量はラジオイムノアツセイ法
及びマウス胎児肝細胞を用いたin vitroバイオア
ツセイ法で調べた結果、両者は同一の活性を示し
1300単位/106cell/dayであつた。 組み換えエリスロポエチンの生産と単離 実施例1に記載したと同様な手順で行つた。11
培養上清(EPO活性1.7×106単位)から精製を
行い、抗体カラム、セフアデツクスG100による
ゲル濾過を経て、1.0×106単位のエリスロポエチ
ン活性が回収された。なお、最終標品は実施例1
の標品と同様SDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動で分子量約35000の単一のバンドを与えた。 発明の効果 実施例で得た形質転換細胞、EPOBM8E株の
特長を説明し、本発明の効果について述べる。 (1) プロモーターと細胞の組み合わせ SV40プロモーターとEPO遺伝子の組み合わせ 本発明実施例に記載したpSVhEPXは、SV40
プロモーターを持つ動物細胞形質転換用ベクター
である。このベクターによりCHO細胞を形質転
換し、EPO生産細胞を得た。この生産細胞を1/1
0スプリツトによりT−フラスコに播種し、3日
後に細胞がコンフルエントになつた時の培養上清
のEPO活性を測定した。同様にEPOBM8E株を
培養し、培養上清のEPO活性を測定した。EPO
活性は表1に示すように、本発明の細胞株は高い
生産量を示した。
【表】 (2) DHFRエンハンサーとの比較 本発明出願日以降公開された特許出願、特表昭
62−501010号公報には、SV40プロモーターと
DHFRエンハンサーを持つ形質転換用ベクター
pRK1−4により形質転換されたEPO生産細胞が
ATCC CRL8695として開示されている。この細
胞株は、ATCCより入手可能であり、この細胞株
と本発明で得られたEPOBM8E株とのEPO生産
量の比較をおこなつた。ATCC CRL8695を特表
昭62−501010号に開示された培養条件で培養し
た。即ち、10%FCS含有αMEMに20mMメトト
レキセート(MTX)を添加した培地でTフラス
コを用いて培養を行つた。培養3日後に細胞がコ
ンフルエントに達し、この培養上清のEPO活性
を実施例と同様に測定した。この時の培養上清の
EPOは2〜3U/mlであつた。実施例に示した
EPOBM8E株は154U/mlの生産量であり、本発
明による細胞は高い生産能を有することが明らか
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エリスロポエチン遺伝子を、レトロウイルス
    LTR(long terminal repeat)のプロモーターを
    有するベクターに挿入することによりエリスロポ
    エチン形質導入ベクターを作成し、該エリスロポ
    エチン形質導入ベクターをDNAトランスフエク
    シヨン法によりプサイ(Ψ)2細胞或はBHK21
    細胞へ導入してエリスロポエチン産生細胞を作成
    するとともにエリスロポエチンを恒常的に産生す
    る細胞を樹立し、次いで該細胞を培養してエリス
    ロポエチンを生産し、得られたエリスロポエチン
    をモノクロナール抗ヒト・エリスロポエチン抗体
    吸着カラムにより単離することを特徴とするエリ
    スロポエチンの製造方法。 2 エリスロポエチン形質導入ベクターは、全エ
    リスロポエチンゲノム遺伝子を、プラスミド
    pUC8の制限酵素EcoRとSmaによる切断部
    位に挿入したプラスミドphEP1404を制限酵素
    Bg1 及びBamHで切断してエリスロポエチ
    ン遺伝子を分離し、該エリスロポエチン遺伝子を
    哺乳動物細胞用シヤトルベクターpZIP−NeoSV
    (X)1のLTRの下流でNeor遺伝子の上流の制
    限酵素BamH切断部位に挿入し、エリスロポ
    エチン遺伝子が正しく挿入されたものを制限酵素
    地図解析により選択して得られる、選択マーカー
    neor遺伝子を含有するエリスロポエチン形質導入
    ベクターである特許請求の範囲第1項記載のエリ
    スロポエチンの製造方法。 3 エリスロポエチン形質導入ベクターは、ヒト
    ゲノムエリスロポエチン遺伝子を哺乳動物細胞用
    シヤトルベクターpKSV−10のSV−40初期遺伝
    子プロモーターの下流に挿入したエリスロポエチ
    ン遺伝子発現ベクターpSVhEPXを制限酵素Apa
    で切断した後、T4ポリメラーゼで3′突起部位
    を除去し、次いで制限酵素BamHで切断して
    エリスロポエチン遺伝子を含む切断片を得、一方
    CAT遺伝子発現ベクターpMLVCATを制限酵素
    BamHとSmaIで切断してLTRを含む切断片を
    得、このようにして得た両断片をT4リガーゼに
    より接続してエリスロポエチン遺伝子が正しく挿
    入されたものを制限酵素地図解析により選択して
    得られるエリスロポエチン形質導入ベクター
    (neor遺伝子を含まない)である特許請求の範囲
    第1項記載のエリスロポエチンの製造方法。 4 上記選択マーカーneor遺伝子を含有するエリ
    スロポエチン形質導入ベクターをDNAトランス
    フエクシヨン法によりプサイ(Ψ)2細胞或は
    BHK21細胞へ導入してエリスロポエチン産生細
    胞を作成する特許請求の範囲第1項記載のエリス
    ロポエチンの製造方法。 5 上記エリスロポエチン形質導入ベクター
    (neor遺伝子を含まない)を選択マーカーneor
    伝子導入ベクターpKSVNeoと混合してDNAト
    ランスフエクシヨン法によりBHK21細胞へ導入
    してエリスロポエチン産生細胞を作成する特許請
    求の範囲第1項記載のエリスロポエチンの製造方
    法。 6 選択マーカーneor遺伝子導入ベクター
    pKSVNeoは、選択マーカーneor遺伝子を含有す
    るプラスミドpNEOを制限酵素Hindで切断し
    た後、Klenow酵素(DNAポリメラーゼ)で
    5′突起を修復し、次いでBamHリンカーを接続
    した後、BamHで切断したneo遺伝子
    (1946bp)断片をシヤトルベクターpKSV−10の
    Bg1 による切断部位に挿入して該シヤトルベ
    クターpKSV−10のSV40の初期遺伝子プロモー
    ターの下流にneo遺伝子が正しく挿入されたもの
    を制限酵素地図解析により選択して得られたもの
    である特許請求の範囲第5項記載のエリスロポエ
    チンの製造方法。
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